モンスター・バース
「ゴジラ/キング・オブ・ザ・モンスターズ」のブルーレイが発売されました。敬意を表して、アマゾン限定スチールブック製を購入したのですが、どうやら、この作品の興行成績が芳しくないらしい。製作会社の方針は、モンスター・バースと称して、2014年から「ゴジラ2014」、「キングコング/髑髏島の巨神」を製作し、人気東宝怪獣を集めた満を持しての今作だけにどうも雲行きが怪しくなっています。次回作は、既に「ゴジラVSコング(仮称)」製作に入っているので完成はするのでしょうが、その次は果たしてどうなるのでしょう。
ちなみに、ネットによると今作の興行成績は、製作費1.70億ドル(約186億円/109.45円換算)に対して、全米収入1.10億ドル(約120億円)と製作費を賄えていないそうです。ちなみに、2014版は、製作費1.60億ドル(約175億円)に対して、2.00億ドル(218億円)の成績だったそうです。わが国でも、前作の32億円の収益に対して30億円※を下回りそうな見込みだそうです。(※それでも凄いですが、なにしろ製作費が桁外れですから・・)
もっとも、世界的に見れば、中国の収益が大きく、世界興行収益は3.8億ドル(約415億円)となっています。しかしながら、2014版ゴジラは5.29億ドル(約579億円)、「キングコング/髑髏島の巨神」に至っては、5.66億ドル(約619億円)を達成しているのですから、製作陣から云えば目論見が大きく外れたと感じていることでしょう。
その不振の原因はいったいどこにあるのでしょうか。やっぱりドハティ監督のオタク趣味を一般大衆が敬遠したのでしょうか。今回、ブルーレイを改めて観て、私なりに考えてみると、当ブログ(2019.6.2)で不満を表明しているように、まず、夜間や嵐の場面ばかりで映像が薄暗く怪獣の姿がよく見えないという点がマイナスです。黄金期の東宝怪獣は青空の下その圧倒的な姿を見せていました。このシリーズで最大のヒットを飛ばした「キングコング/髑髏島の巨神」も晴天の南国の孤島での戦いです。巨大なモンスターの姿が鮮明に描かれています。こういう見せ場をごまかさないことが大事なのです。
2点目としては、怪獣のサイズを大きくしすぎて人間との対比が薄れていることです。キングコングサイズが本当は一番いいのだ。
3点目は、致命的ですが、怪獣のデザインが改悪です。しかも、映像ではその姿がよくわからない。アメリカで発売された「アート・オブ・ゴジラ/キングオブザモンスターズ」をみても、よくわかりません。モスラの幼虫など全体像が不明ですし、ゴジラの頭部、キングギドラの羽、モスラの成虫はどう見ても失敗作です。ちなみに、模型(小さなガシャポンですみませんが、モスラの幼虫は唯一この商品だけなのでご容赦を)でご覧ください。オリジナルとの違いがよくわかると思います。
4点目、怪獣の生態をあまりに人間的にしてしまった。やはり、ラドンはやり過ぎました。
5点目は、これを言ってはお終いかもしれませんが、怪獣物はヒットしないのだ(笑)。「シン・ゴジラ」はわが国だけの例外でしょう。ちなみに、こうした映画の味方だった月刊雑誌「映画秘宝」が来年1月で休刊するようです。お疲れさまでした。以上です。
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