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2019年12月22日 (日)

モンスター・バース

 「ゴジラ/キング・オブ・ザ・モンスターズ」のブルーレイが発売されました。敬意を表して、アマゾン限定スチールブック製を購入したのですが、どうやら、この作品の興行成績が芳しくないらしい。製作会社の方針は、モンスター・バースと称して、2014年から「ゴジラ2014」、「キングコング/髑髏島の巨神」を製作し、人気東宝怪獣を集めた満を持しての今作だけにどうも雲行きが怪しくなっています。次回作は、既に「ゴジラVSコング(仮称)」製作に入っているので完成はするのでしょうが、その次は果たしてどうなるのでしょう。

_0001_new_20191222174601  ちなみに、ネットによると今作の興行成績は、製作費1.70億ドル(約186億円/109.45円換算)に対して、全米収入1.10億ドル(約120億円)と製作費を賄えていないそうです。ちなみに、2014版は、製作費1.60億ドル(約175億円)に対して、2.00億ドル(218億円)の成績だったそうです。わが国でも、前作の32億円の収益に対して30億円※を下回りそうな見込みだそうです。(※それでも凄いですが、なにしろ製作費が桁外れですから・・)
 もっとも、世界的に見れば、中国の収益が大きく、世界興行収益は3.8億ドル(約415億円)となっています。しかしながら、2014版ゴジラは5.29億ドル(約579億円)、「キングコング/髑髏島の巨神」に至っては、5.66億ドル(約619億円)を達成しているのですから、製作陣から云えば目論見が大きく外れたと感じていることでしょう。

 その不振の原因はいったいどこにあるのでしょうか。やっぱりドハティ監督のオタク趣味を一般大衆が敬遠したのでしょうか。今回、ブルーレイを改めて観て、私なりに考えてみると、当ブログ(2019.6.2)で不満を表明しているように、まず、夜間や嵐の場面ばかりで映像が薄暗く怪獣の姿がよく見えないという点がマイナスです。黄金期の東宝怪獣は青空の下その圧倒的な姿を見せていました。このシリーズで最大のヒットを飛ばした「キングコング/髑髏島の巨神」も晴天の南国の孤島での戦いです。巨大なモンスターの姿が鮮明に描かれています。こういう見せ場をごまかさないことが大事なのです。

 2点目としては、怪獣のサイズを大きくしすぎて人間との対比が薄れていることです。キングコングサイズが本当は一番いいのだ。

51xrjgyebyl_sy451_bo1204203200_  3点目は、致命的ですが、怪獣のデザインが改悪です。しかも、映像ではその姿がよくわからない。アメリカで発売された「アート・オブ・ゴジラ/キングオブザモンスターズ」をみても、よくわかりません。モスラの幼虫など全体像が不明ですし、ゴジラの頭部、キングギドラの羽、モスラの成虫はどう見ても失敗作です。ちなみに、模型(小さなガシャポンですみませんが、モスラの幼虫は唯一この商品だけなのでご容赦を)でご覧ください。オリジナルとの違いがよくわかると思います。

 4点目、怪獣の生態をあまりに人間的にしてしまった。やはり、ラドンはやり過ぎました。

 5点目は、これを言ってはお終いかもしれませんが、怪獣物はヒットしないのだ(笑)。「シン・ゴジラ」はわが国だけの例外でしょう。ちなみに、こうした映画の味方だった月刊雑誌「映画秘宝」が来年1月で休刊するようです。お疲れさまでした。以上です。

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スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

 「スターウォーズ」が苦手な私ですが、この第3シーズンの完結編「スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」は想定外の面白さでした。それどころから、私の一番のお気に入りの第1シーズンの第2作「スターウォーズ/帝国の逆襲」を想起させるほどだった、といえば、少し言い過ぎですか(笑)。しかし、第1シーズン以外では出色の出来というのは間違いありません。さすがJ.J.エイブラハム監督です。あの悲惨な前作をなんとか軟着陸させました。お見事でした。

_new_20191222085801 とにかく話のテンポが良いのです。冒頭から次々とスリリングな場面が続きますが、心地よく堪能できます。前作のような不可思議で馬鹿馬鹿しい展開ではありません。いわば、第1作の元ネタである黒澤明の「隠し砦の三悪人」のような冒険ものに立ち戻っています。

 しかも、全体の雰囲気から最も私が嫌いだったオモチャ感が薄れ、当たり前のSFアクションになっています。なにしろ「スターウォーズ」の代表的なアイテムである”ストームトルーパー”の動きが実にスムーズで良いのですから感心します。この白い防具で身を固めた兵士は、デザインの見事さに比べて造りがいかにもチャチで動きにくそうだったのですが、今回は、改良されて(多分・・)、撃たれて倒れる動作も自然で全く違和感がありません。

 というのも、CG技術は、スターウォーズの第1シーズンの時と比較すると各段に進歩しており、他の作品との差はさほどない時代になっています。第1作のように画期的な特殊撮影技術の凄さを見せつける時代ではありません。現在の観客にどのようにリアルさを自然に見せるか、が重要なのです。
 ただし、開幕のシーンにはもう少し凝ってほしかった。ラストに出て来る、あの宇宙を覆うような巨大戦艦デストロ―ヤ―の大船団を開陳しても良かったのでは、と思うのは、第1作の衝撃の開幕を忘れ得ない者の願望でしょうか。

 さて、肝心な物語は、今回主人公のレンの素姓が明らかになり、やっと”貴種漂流譚”物語に立ち返りました。公開前からこの話は盛り上がっていましたので、あえてこのブログでは触れませんが、結局、ラスボスはずうと同じヤツだったのですねえ。まあ、これでやっと終止符を打ったということですか。でも、本当に血統のお話が好きですねえ(笑)。 

 それにしても、この第3シーズンへの私の評価が低いのは、レン以外の新顔の役柄と出演俳優さんへの個人的な好みのせいかもしれません。なんか、美男美女が少なくネエ?。その点だけは第2シーズンは合格点です(笑)。変なマスク顔のダース・ベイダーの孫、脱走兵のクマさんのような大男、元密輸屋の髯の濃い無能なパイロット、大きな顔の中国娘などなど、どうもキャスティングが悪すぎますゾ。これは、中国娘を除いて、J.J.エイブラハム監督のせいです(笑)。そんな連中が美人ヒロインとからむのは、なんとも居心地が悪かったのですが、この完結編ではそれなりに交通整理をしたような新たなキャスティングもあって、何故かほっと安堵しています(笑)。まあ、なんとか落ち着くところに落ち着いたということでしょうか。

 そして、今回、ややシラケたのが、”フォース”の強大化です。宇宙の果てから自分の姿を投影する力は”まあ良し”とし、それが物理的な力を発揮するのもなんとか許容するとしても、物を引き寄せるのはやりすぎでは?と思うのは、頭が固いのでしょうか。テレポーテーションの一種なら自分自身が移動したら?、しかも空も飛べない念動力?オカシクねえ?みなさん、いかがですか?

 以上、なんやかやと細かい理屈を捏ねましたが、冒頭に述べたように、この作品は、まっとうな娯楽映画として出来は上々です。是非、ご覧ください。

2019年12月19日 (木)

ドクター・スリープ

 恐怖映画の傑作と後年になってから評価されたような気がする映画「シャイニング」の40年後の続編「ドクター・スリープ」は、予想外に面白い映画でした。原作は、ご存知ホラー小説の帝王スティーブン・キングです。「IT」もそうですが、最近、彼の恐怖小説の映画化が続くせいか、映画化された作品の特集本が出版されています。本の価格が高いので購入するかどうか迷っています。

_0003_new  さて、今回、何の情報もなく劇場に足を運んだものですから、宣伝文句に乗せられて冒頭からあの雪山の恐怖のホテルが舞台だろうと無意識に思っていましたが、ストーリーは全く違っていました。

 映画では、前作でかろうじて助かった、”シャイニング”を持つダニー少年のトラウマが描かれます。あのホテルの住人が毎晩ダニーを喰らいに来るのですから酷い話です。結局ダニーは死んだはずの黒人の先生から対処方法を伝授され、なんとか生き延びますが、40年経ってユアン・マクレガー扮する大人となったダニーはアルコールに溺れた世捨て人となっています。無理もありません。

 しかし、今回の本筋は、ダニーの後日談ではなく、”シャイニング”、いわゆる超能力を持つ子どもたちの魂を喰らう吸血鬼、いや吸”精”鬼たちとの戦いだったのです。このモンスターは、血の代わりに精気を吸うという怪物であり、恐怖世界の王道である吸血鬼伝説の焼き直しなのです。それをいかにも現代風に仕立て直したのが、モダン・ホラー小説のキングの真骨頂なのでしょう。

 この吸”精”鬼たちは、10人弱のグループでトレーラーで生活しながら、獲物を求めて各地を放浪しています。まさに社会の嫌われ者のヒッピーか暴走族というイメージなのです。しかも、心理的な超能力を駆使して、少年少女を誘拐し、集団で恐怖を与えて旨味を増した精気を吸い取るという悍ましさです。誠にキングの好みそうな、あのピエロにも共通する恐怖なのです。

 特に、レベッカ・ファーガソン扮する吸”精”鬼たちの女リーダー”ローズ・ザ・ハット”がなんとも風格があります。「ミッション・インポッシブル」の最新作で女スパイを演じた女優さんですが、何百年も生きている物の怪ぶりがよく似合っています。彼女の能力はいわゆる千里眼というもので、霊体の体が宮中を飛んで獲物を見つけることができるのです。まるでグーグルの衛星写真のような映像がいかにも今風で、「Xメン」の表現よりもずっとおしゃれです。この辺の描写は、少年の惨殺シーンと併せて実にリアルで凄味があります。

 実際アメリカではこどもの行方不明者が毎年数多く出ており、そうした事実がキングのホラーの基になっています。日本でも、江戸時代の神隠しやひとさらい、いや、最近でも小学生が忽然と消える事件が良くあります。こうした事実がもとにありますから、リアルな恐怖がますます醸成されるという仕掛けです。

 そして、この恐怖の怪物に戦いを挑むのが、もう一人の主役ともいうべき、類稀な”シャイニング”を有する黒人のアブラという少女です。このアブラという少女と成人したダニーが出会い、彼女を吸精鬼から守るための戦いを始めることになるのです。
 それにしても、開幕からスタンリー・キューブリック風の音響とカメラワークによる思わせぶり演出が続き、戦いの始まる中盤までの道のりがなんと長かったことか、意味ありげなタイトル名などは、ホスピス病棟で介護士をしていたダニーのニックネームであり、それには、それなりの逸話があるのですが、この作品ではほとんど付け足しであり、蛇足にほかなりません。
 ちなみに、吸”精”鬼軍団VSダニー+アブラという超能力者同士の戦いは、罠をしかけての騙し合いからのスタートとなり、双方、敵味方に犠牲が出るのですが、吸”精”鬼は死んだら灰になりました。まさしく吸血鬼の最後と言ってよいでしょう。彼らの始祖はローマ帝国の時代から生きてるような口ぶりでしたので、完全な吸血鬼伝説です。ということで、この映画はもう”吸血鬼映画”と呼びましょう。
 考えてみれば、魂を食ったら吸精鬼で、肉を食ったらゾンビか?総括すれば、全部伝統的な吸血鬼映画の一派になります(笑)。ちなみに、放浪パターンの吸血鬼映画では、キャスリン・ビグロー監督の「ニア・ダーク/月夜の出来事」がお薦めです。これは隠れた吸血鬼映画の傑作です。

 話をもとに戻して、ダニーと黒人少女は手下たちは殺したものの、手ごわい最強の敵のローズを罠にはめるために、あの雪山のホテルに誘い込む作戦を取ります。ここで、やっとあの恐怖のホテルが登場するのです。キューブリックの映画そのままの姿が蘇るのです。行く道筋の森も、あの部屋も、ロビーも、雪の迷路も、見事に再現しています。そして、若いジャック・ニコルソンも登場します。本当によく似た人を探したものです。
 とにかく、あのキューブリック作の”雪山ホテル”がドーンと登場した時は、理由もなく本当に感動しました(笑)。皆さんも是非、ご覧ください。そしてラストはどうなるか、それも映画を観てのお楽しみです(笑)。しかし、あれほどキューブリック版の映画を嫌った割には、その映画の舞台装置をそのまま利用するとは原作提供のキングも考え直したのかな?(なにしろ、キングは、後年自分でTV版シャイニングを製作したほど、嫌っていたらしい。 )

 結論としましては、私はこの吸血鬼映画(笑)を大変気に入りました。パンフレットを買いそびれましたので、とりあえず、チラシをご覧ください。それにしても、2日間で4本映画を観たのは本当に疲れました。”無料パスポート”も年寄りの貧乏性には辛いものがあります。しばらく映画鑑賞はお休みです。でも、TOHOさんにはこの場を借りてお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

 

 

 

屍人荘の殺人

 国内の主要ミステリー賞の4冠を達成したと宣伝文句の原作小説「屍人荘の殺人」の映画化したのが同名のこの映画です。もっとも推理小説の賞もいろいろありますが、デビュー作で”このミス”第1位は見事なものです。実は、私は単行本では読まず(買えず)、文庫本になってはじめて読みまして、びっくりしました。本格探偵物という内容より、その”設定”にです。日本の小説にこんなハリウッド発の映画”設定”を持ち込んだという発想に驚いたのです。多分、その”設定”には版権などはないでしょうから流用も許されるのでしょう。そういう訳ですから映画化されるのは至極当然かもしれません。以下、この”設定”はネタバレ禁止のため、このブログ内では封印します。

_0001_new_20191219122901  となると、何を書きたいかということですが、実は、主演のヒロインであり、名探偵の剣崎比留子を演じた浜辺美波(ミナミ)ちゃんのことです(笑)。なんとも、名探偵らしい高飛車がよく似合うクラシックな美少女なのです。しかも、今回のロリータ風衣装のよく似合っていること、可愛いとしか表現できません。
 ネットで調べると、いわゆる「東宝シンデレラ」の秘蔵っ子であり、これまでも「君の膵臓をたべたい」、「センセイ君主」、「映画 賭ケグルイ」、「アルキメデスの大戦」などの出演し、雑誌「日経エンターテイメント」では今年一番活躍した女優の第1位にランクされている19歳の女優さんらしい。芸名もあの「タッチ」の朝倉南から命名したというから完璧です。前述のうち2作品は観ているのに、まったく気が付きませんでした。いやあ、お恥ずかしい。今後は結婚してしまった多部未華子の後継者として応援したいと思います(笑)。

 しかし、ミナミちゃんもこの作品で喜劇に開眼したのかもしれません。主演女優として”雲竜型”をはじめ様々なコミカルな演技に挑戦しており、端正な容姿と相まってその魅力を倍加しています。しかも、共演の神木隆之介との相性も抜群です。というか、相方の彼の”はい”の返事や”可愛い~”というセリフのタイミングが”神技”ともいえるのかもしれません。この神木という役者は、子役からで芸歴も長いし、声優も努めるなど、軽妙な演技が実に上手いのです。

 加えて、演出もセリフや音響効果などを通じて、滑稽さや心地よさを生み出すことに成功しており、そのために、”設定”のグロさが絶妙に消されて、後味の悪さを残しません。感心しました。
 そのほかの共演陣も、コミカル演技に定評のある役者を集めており、楽しく観ることができます。難を言えば、一番悪役の役者が金持ちのボンボンには見えないのがなんともミスキャストでした(ごめんなさい)。

 蛇足ですが、この映画のセットや美術がなかなか良くできています。なんか某映画の”総理大臣の部屋”のセットより、豪邸感がよく出ていたような気がしました。しかし、残念なところとしては、”設定”のメイクと演技が迫力不足です。ここは是非韓国映画を見習ってほしいものです。

_new_20191219124001  最後にサービスとしてチラシの画像を付けます。浜辺美波ちゃんを是非ご覧ください。みんなで応援しましょう。

ジュマンジ/ネクスト・レベル

 ドウェン・ジョンソン主演の「ジュマンジ」の続編「ジュマンジ/ネクスト・レベル」は、予想どおり完全なる二番煎じの内容でした。まあ、性懲りもなく、前回と同じメンバーがゲーム内に吸い込まれるお話ですから、当然と言えば当然です。ただ、そのゲームの異世界感が半端ないのです。壊れかけのゲーム機のせいでバグが酷いという設定のせいか、無理ゲーのレベルがぶっ飛んでいます。そのタガが外れた映像がこの作品の見処です。

_new_0001   前回同様のジャングルのシーンは全くの序の口で、直ぐに砂漠の真っただ中に放り出されます。そこに登場するのが数千羽の凶暴なダチョウの群れです。ダチョウと車の疾走シーンの迫力には、CGとわかっていても驚きます。さらに、パンフレットの表紙にも登場するマンドリルとの深い谷のつり橋上でのバトルには肝をつぶしました。なにしろ谷がとんでもなく深すぎます。高所に弱い私としてはもう絶体絶命です。どれだけCGにお金をつぎ込んでいるのか、わからない位見事な映像です。この谷の風景を見るだけでこの作品は価値があります(笑)。

 そして、クライマックスは、雪山にある敵の要塞です。もう完全な「ゲーム・オブ・スローン」の世界のパクリです。まあ、いいじゃないですか、流行は思い切って取り入れるのもヒットの条件です。このラストでは、飛行船での空中戦です。いやはや、CGはなんでもありと改めて感心しました。異世界の馬も奇想天外に頑張りました。

 とにかく、頭を空っぽにして、CG映像を楽しんでもらう映画でした。私は、こういう難しいことは言わない単純アクション映画が大好きです。
 それにしても、今回、現実の登場人物として、ダニー・デヴィート(ペンギン役)やダニー・グローヴァー(リーサル・ウェポンの相棒役)の大物俳優を投入した意味はあるか、大いに疑問です(笑)。
 また、前作から引き続き登場する、ゲームに吸い込まれる現実の学生たち4人の俳優達は、パンフレットには俳優名をはじめも1行も紹介がありません。いくら無名でかわいそうです。なんか製作側の偉い人のご機嫌を損ねたのかな?もっとも、正直いうと、何故この4人が起用されたのか不思議ですが(笑)。一方、ゲーム内人物への「クレイジー・リッチ」の変な友人役の中国系アメリカ人の抜擢は、たいへんわかりやすく、明らかに中国向けの商売気ですよねえ。とにかく、なにも考えずCG映像をお楽しみください(笑)。

カツベン!

 周防正行監督の「カツベン!」は、期待が大きすぎたせいか、あまり笑うことができませんでした。そういえば、「しこふんじゃった」と「Shall we ダンス?」以降、なんか社会派になったようで、あまりご縁がありませんでした。
 もともとこの監督さんは、テーマが「大学相撲」、「社交ダンス」、「舞妓」などそれぞれ意表をついて面白いのですが、今回も、日本独特らしい(稲垣監督の談)無声映画の活動弁士を取り上げています。映画の原点ともいうべき題材ですから、映画ファンとしては、周防流に大いに期待していたのですが・・・。

_0002_new_20191219104201  お話は、まず、活動写真の弁士に憧れ、こっそり興行小屋に入ってタダで活動写真を観ている主人公の子供時代が描かれます。活動写真の撮影現場のドタバタには大いに笑わせられ、初恋のような少女との出会いエピソードには、貧しい日本の社会を背景にして、この映画は傑作になるのでは?と感じたものでした。

 が、十数年後主人公が大人になってからが、どうもイケません。せっかく、念願の弁士になったと思っていたら、なんと窃盗詐欺団のニセ弁士ですからアンハッピーなラストが予想され一気にシラケます。こんな設定で無ければ、もっと面白い展開になったのでしょうに。観客が主人公の行動に感情移入できないのは喜劇としてはなんとも残念としか言いようがありません。なぜ、周防監督は、主人公になり行きとはいえ詐欺と空き巣の片棒を担がせたのでしょう。理解に苦しみます。真っ当な主人公であってほしかった。詐欺話などは今の現実の報道で十分です。

 こんな風に感じてしまうと、もう映画の良さがわからなくなります。飲んだくれの弁士の悩みも意味不明で不可解ですし、人気弁士への女達の熱狂ぶりも、いまのタレントや声優たちへのそれをカリカチュアして面白いものの、役柄が色悪すぎて素直に笑えません。
 また、あいかわらずの常連俳優のわざとらしい演技も、特に腐った床を踏み抜くシーンなどはカットしたほうが良いとも思えました。本当に昔の土俵の上の爆笑パフォーマンスが忘れられません。
 さらに、新参二枚目俳優さんのコミカル演技も頑張っているのですが、自転車のアクションシーンなどは文字通り演出が空回りです。全然面白くありません。どうせなら無声映画風にコマ落としで見せたらよかったのに・・・。加えて、ギャングの発砲や嫌がらせ、最後の大金の使い方などは、いくら戦前でもありえないだろう?と脚本にツッコミを入れたくなります。

 まあ、面白かったのは、ズタズタにされたフィルムをつなぎ合わせて、ムチャクチャな説明をするシーンですかねえ。一番の盛り上がりの場面ですから当然ですが、実はもう少し大爆笑を期待していたかも。それに、ヒロインを演じた黒島結菜て誰?とおもっていたら、縄で縛られて啖呵を切るところでやっと思い出しました。結構贔屓にしてたNHKドラマのアシガールの女優さんでした。いや、彼女は良かった(笑)。
 もっとも、観終わっても、草刈民代さんがどこに出ていたのか、わかりませんでした。ネット記事で知った意外な事実が一番驚きましたし、あの外人俳優さんもNHK朝ドラ女優さんとはまったく気が付きませんでした。いやあ、これには正直参りました。2時間一体何を観ているのでしょうねえ(笑)。
 ちなみに、パンフレットは劇場で完売済みであり、人気があるようです。周防監督作品という思い入れがなければ、多分普通に笑える作品のような気がします。気楽にお楽しみください。

2019年12月13日 (金)

ルパン三世 THE FIRST

 山崎貴監督の「ルパン三世 THE FIRST」は予想外に面白く、楽しい作品に仕上がっていました。モンキーパンチ作のルパン3世を初めて3DCGで製作した映画です。お馴染みのルパンや銭形警部などがCG製の立体的な姿で登場します。

_new_20191213145301  3Dアニメ作品は、リアルな背景の下で人形劇のような世界が広がり、最近のハリウッドの作品では、ほとんどこの手法ですが、好みが分かれますねえ。
 今回の作品は、背景やメカをはじめ衣装の素材までリアルな感触が楽しめますが、どうも人物造形にはやや不満が残ります。全体的にツルツル過ぎる皮膚のプラスティック人形のような造型に違和感があるのです。もう少しリアル感、例えば、ルパンについていえば、昔のマンガには描かれていた手の甲の体毛などの”濃さ”が薄れていますし、五ェ門は、顔があまりにあんちゃん風で凄味が少しも感じられません。特に、峰不二子ちゃんは、なんとも影が薄く、魔性のお色気が欠如しています。大人向けの劇場版第1作「ルパンと複製人間」ではきちんと描かれていたエロっぽさが皆無です。子供向けの「ドラえもん」と違いますから、せめてシャワーシーンぐらいのサービスは行うべきでしょう。なんとなく作品全体が淡白になりすぎて”色気”が足らない気がします。

 もっとも、これは多分、宮崎駿の名作「カリオストロの城」の呪縛です。クラリス姫を想起させる考古学者志望の美少女レティシアを中心に据えて、彼の作品を超えるヒットを目指したいという製作陣の意気込みのなせるわざなのでしょう。・・・そりゃ、大人向けにはなりませんわねえ。

 まあ、それでも、物語は、機械仕掛けの本の金庫、古代遺跡の3つの試練など、インディジョーンズ張りの冒険を描きながら、山崎監督の持ち味のSFセンスが組み合わさって、アニメならではの奇想天外なアクションシーンが展開します。ルパンの空中平泳ぎのギャグもありますし、第1作のラスボス”巨大な頭脳”ほどではないですが、ミニブラックホールの兵器などの”絵”には結構感心しました。やはりSF的な見せ方が上手いですなあ。加えて、本家のじいさんの初代アルセーヌ・ルパンへの敬意をきちんと描いたのは立派です。よかった、よかった。

 一方、残念だったのは、第二次世界大戦中のエピソードから開幕するのですが、十数年後という表記があったものの、現代を無意識に思いこんでしまい、時代設定にやや混乱が生じました。つまり、1960年代のお話だということが画面の”絵”からは伝わってはこなかったのです。良く考えると、携帯電話もないから、あんなトランシーバーを使っていたんですが、もう少し時代をあらわす背景や舞台装置を工夫してほしかった、というのは欲張りでしょうか。

 さらにもう一つ、いつも被っている次元の帽子を脱がすのはルール違反じゃないのか。次元は禿を隠しているという都市伝説を一気に崩壊させた罪は大きいと思います。これはイケませんですねえ(笑)。 

 

2019年12月12日 (木)

シティーハンター THE MOVE 史上最香のミッション

 全仏で大ヒットし、国内でも原作者をはじめ、かなり評価の高い「シティーハンター THE MOVE 史上最香のミッション」を観て来ました。御承知のとおり、漫画「シティハンター」のフランス人による実写化映画です。原作は、お色気とドタバタギャグとアクションがミックスされた人気の漫画でした。監督・主演したフランス俳優さんがこの原作漫画の大ファンであって、好きが高じてついに映画化してしまったということらしい。

_new_20191212084501   さて、映画の印象は、外人さんが演じた東映喜劇アクション物というノリです。お色気というより下ネタの連発で、100Tハンマー・ギャグも正直あまりイケませんし、アクションもいまいちキレが悪くて生ぬるいうえ、物語もまったく無粋な副題のとおりの惚れ薬のてんやわんやです。どうも、あまりな”お馬鹿さん”な展開についていけませんでした(笑)。爆弾はふつう着脱できない筈だ!!

 ただ、今回、この映画を観て、日本の漫画のヒーローやヒロインは、西洋人の容姿や体格で描かれているということを改めて納得しました。絵的に言えば、かっこいい基準は長身で肩幅が広く、足の長さが必須条件なのですから、どう考えても、現実の日本人の体型ではないですよね。ちなみに、初めてつり目の東洋人の姿をしっかり描いた漫画家は「AKIRA」などの大友克洋と言われてるようです。しかし、今でも、恋愛アニメや漫画の美形たちはどうみても外人さんですよねえ(笑)。だから、日本のマンガが世界に通用するのかな?

 それはともかく、今回、フランス人の俳優達が演じた、主人公、冴羽リョウや妹のカオリをはじめ、殺し屋ファルコンなどは原作のイメージどおりの姿なのです。いやはや、なりきりコスプレ映画とも思えるほどですし、監督の原作への思い入れはしっかり感じました。しかも、吹き替え版で見たので、名前まで日本人名で呼んでいます。まったく違和感はありません。(字幕版はどうなっているのか、知りませんのでお許しください。)ということで、こういう映画もあるのだと感心しました

 これからも日本のヒーロー漫画などは、どんどん外人さんで実写化してほしいものです。「攻殻機動隊」のヒロインをホワイト化したなどというハリウッドの自己批判は無用です。まだまだ日本には知られていない原作漫画が残っていますぞ。期待しています。

2019年12月10日 (火)

メイキングブック 犬ケ島

 天才ウェス・アンダーソン監督の映画「犬ケ島」の製作現場を記録した大型本「メイキングブック 犬ケ島」は、想像以上に素晴らしい内容でした。もっと早く買っておけばよかった(笑)。

51sxfplgkal_sx416_bo1204203200_  映画「犬ケ島」は既にこのブログ(2018.6.17)で紹介しているのですが、なんとも不思議な魅力をもった作品です。CG技術全盛の世の中で、あえて人形アニメに挑戦している姿勢も高く評価していますが、なにより日本を舞台にした”SF映画”なのです。このメイキング本を読んで改めて知りましたが、1950~60年代からみた未来の日本の世界だそうです。もちろん、ウェス・アンダーソン流ですが(笑)。

 まず、一個一個精密に縮小されて作られた人形や小道具、舞台セットの質と量に圧倒されます。膨大な資料をはじめスタッフたちの製作現場までを網羅した美しい写真や記事を通じて、これだけの手間をかけていることに頭が下がります。凄い、としか言いようがありません。ひとくちに人形と言っても、様々な場面に応じて、表情の違う頭部を用意するとともに、サイズもピンからキリまであるようです。あの秘密兵器の牙などは大きな口だけの模型が写っています。

 模型作りの趣味のある人間にとっては、巨大なジオラマと言ってよいセットや衣装、小道具の精密さとデザインの見事さに言葉もありません。しかも、かつての人形アニメの神様レイ・ハリーハウゼンのように、たった一人が名人芸で撮影するのではなく、ここでは、それぞれの場面ごとに責任者をおいて撮影を行ったそうです。なるほど、これで製作時間が短くなったのかと感心しました。もちろん、それだけの人形アニメの技術を持つベテランが必要なのですが、アチラには結構そうしたアナログ技能集団が居るそうです。これにも驚きです。

 そして、極めつけがウェス・アンダーソンの日本映画へのリスペクトです。特に、黒澤明への敬愛は大変なものです。気が付きませんでしたが、様々な場面で黒澤明の常連のそっくりさんが登場します。三船敏郎がメガ崎市長なのは一目瞭然ですが、用心棒の猪ノ吉も登場しているようです。神主は「乱」の仲代達矢ですし、ほかにも居そうです。とにかく、衣装や小道具、セットは、その日本映画黄金時代の映画に写っているモノや風景を模しているそうですからなんとも徹底しています。ゴミ捨て場の沼は「酔いどれ天使」のどぶ、といわれるともう絶句です。本当に日本映画や浮世絵への造詣が深く、さすがに天才と言われる人は凡人とはまるで違いますねえ。当たり前か(笑)
 そのほかにも、スタンリー・キューブリック監督作品をはじめ、様々な名作映画のワンシーンを再現しているようで、その仕掛けや徹底ぶりにはもう言葉もありません。

 このメイキングブックで、改めて天才監督のセンスと遊び心を思い知りました。いやあ、眼福です。少々お値段が張りましたが、このメイキング本は本当にお値打ちものでした。二重丸です。

81m2855etpl_sx342_ ちなみに、スチールブック製のブルーレイまで購入してしまいました。これは余分でした。 

2019年12月 8日 (日)

ジョーカー

 能天気なゾンビ映画と2本立てで見たのが「ジョーカー」でした。しかも、最終日に滑り込みです。
 DCコミックスのバットマンの敵役ジョーカーの物語がヴェネティア国際映画祭の金獅子賞を獲得したということで、わが国でも大ヒットを飛ばしている話題の映画です。結構内容がシビアという評判でもあり、勧善懲悪の単純明快な映画が好みである私としては、どうも気乗りがしませんでした。が、無料パスポートの有効期間でもあり、やはり一映画ファンとしては観ておくべきだろうという、一種の義務感(笑)から足を運びました。以上、前説です。

 さて、映画は評判どおり、アメリカ社会の厳しい貧富の格差、行政のあり方、人心の荒廃を抉る作品でした。
 冒頭から、ニューヨーク、いや架空の都市、ゴッサム・シティの話ですが、行政のストライキでゴミが町にあふれているというニュースで始まるのは、アチラの街や人心の荒廃ぶりを一発で描いており見事としか言いようがない。ネット記事などによると、日本の都市のきれいさ、ゴミの無さは外国人からみると信じられないものがあるようです。確かにアチラの映画では高層ビルの間にはゴミがあふれ、ルンペン(?)が路上にたむろする光景が当たり前ですが、考えてみれば、日本人の感覚では耐えられませんよねえ。まさしく都市風景は階級社会、人種問題、貧富の差の象徴です。しかしながら、こうしたアメリカの負の文化が徐々に我が国にも押し寄せているようなニュースが多くなっているのが本当に心配になります。今後、ますます拡大するのでしょうねえ。

 また、この作品の設定にも驚かされます。アメコミ原作では正義の味方のはずであるブルース・ウエインの父親が傲慢な大金持ちでゴッサム市を牛耳ろうという設定は、今のアメリカの民衆による富裕層への反発をうまく生かした展開です。そして、精神を病んでいる主人公のアーサーを理不尽に痛めつける3人の”証券マン”(ウェイン父の部下という設定がうまい)は、いまや庶民から見るとまさしく現代の悪の象徴です(笑)。さらに、ロバート・デ・ニーロ扮する大物芸人が象徴するテレビ局などによる弱者に無神経なマスコミの傲慢さも鋭くえぐり出します。
 一方、主人公アーサーの周囲でも、親孝行している母親の正体、親しいはずの仕事仲間の苛めなどなど、”ジョーカー”が鉄槌を下すにはふさわしい悪玉がいるといわんばかりな展開です。製作者の気持ちはわかりますが、隣に住んでいただけの黒人の母子家庭の美人ママなどは可哀想です。無事を祈りたい気持ちで一杯です。なんか人情紙風船という状態は心が折れますねえ。

 それにしても、この主人公には、作品の雰囲気が似ている「タクシー・ドライバー」のように感情移入できません。もっとも、あの作品では、あんな殺人事件を起こした後、何事もなかったようにタクシー仲間と談笑していたラストに驚いた記憶がありますが、この作品では、大衆による暴動の英雄になるのですから、観客の予想をはるかに超える展開に驚きました。まあ、あの盛装したジョーカーの踊る姿は、意外にかっこよかったのは事実ですが(笑)、そう、実はこの俳優さんが苦手なのでした。本当にあの黒人の美人ママの女優さんがもったいない(笑)。

 以上、この作品は、今のトランプ政権のアメリカの矛盾と暗部を見事に描いたという点で世界的な賞を得る傑作となったのでしょうねえ。政治的な主張などを架空の物語で描くのは常套手段ではありますが。私としては、最後に出てきた、”DCマーク”に物凄い違和感を覚えましたし、コミックを深刻な社会派作品にはしてはほしくない、他でやってほしい(笑)というのが、私の率直な感想です。

2019年12月 6日 (金)

ゾンビランド/ダブルタップ 

 私はあまり”ゾンビ”物が好きではありません。もともと、ゾンビとはブゥーズー教の秘儀であり、呪術師の命じるままに動く死人のことであり、ハマープロの怪奇映画でもそのまんまの作品がありました。しかし、ロメロ監督が発明した”ゾンビ”映画が大流行し、いまや映画だけでなく、漫画や小説などの様々なジャンルで当たり前のように登場します。一大ゾンビ文化ができたともいえます。なにしろ、アマチュア映画製作には洋の東西を問わず使われているようです。その証拠に、商業映画作品の中でもよく見かけます。「スーパーエイト」、「桐島、部活やめるってよ」、「カメラを止めるな!」などをご覧ください。やっぱりメイクも俳優の演技も演出も一見手軽で簡単そうですからね(笑)。
また、最近では、ロメロ御大の意に反して、”走るゾンビ”まで現れました。

 しかし、走るゾンビとなると、あんまり気持ち悪くありません(笑)。「バイオハザード」や「ワールド・ウォーZ」のような一種のアクション物になった感がします。実は、私のゾンビ嫌いは、初期の動きが遅いながら人間をネチャネチャと喰う”ゾンビ”が生理的に受けつけなかったので、最近の作品には随分と抵抗感がなくなりました。
 といっても大して数を見ているわけではありません。前述の2作品に加え、日本の漫画原作の「アイ・アム・ア・ヒーロー」や韓国映画の「新感染」はなかなか出来がよくて感心しました。この2作品はレンタルで見て、ブーレイを購入したほどですから、未見の方は是非ご覧ください。

_0002_new_20191206132501  で、今回の「ゾンビランド/ダブルタップ」ですが、この作品は、10年前の「ゾンビランド」の続編だそうです。
 最近は、なんとも便利な世の中になって、動画配信サービスでは、封切り作品の宣伝の相乗効果を狙ってか、様々な関連作品を見せてくれます。今回、劇場に足を運ぶにあたっては、第1作「ゾンビランド」をしっかり確認しました。

 ゾンビ映画とは思えない、明るく能天気なギャグ映画でした。当時は結構ヒットしたそうです。主演の4人は、当時まだブレイク前の知名度のそれほどない状況でしたが、10年経って、ウディ・ハレルソン(スリー・ビルボード)、ジェシー・アイゼンバーグ(バットマンVSスーパーマン)、エマ・ストーン(ラ・ラ・ランド)はもう有名ですよねえ。こんな俳優たちが、再び、こんなおふざけ映画に出演するとはなかなか興味深いですねえ。

 なにしろ、登場人物がみな”お馬鹿さん”で、画面に、漫画の吹き出しのように、説明文書が挿入されます。大昔、テレビ版バットマンの劇場映画で、殴った擬音が画面に並んだのを思い出しました(笑)。とにかく、物語は馬鹿馬鹿しく、アメリカ特有のドタバタ・ギャグが全編を覆います。しかも、懐かしい小道具や映画ネタなどを前面に打ち出し、古き良き”アメリカの時代”を懐かしみます。そして、ゾンビは、もう背景の様な添え物・消え物といった体たらくで、奇想天外な殺され方をするためだけに登場します。いや、何も考えなければ、大変楽しい作品でした。ビル・マーレイがあんな形で使われたのも笑えます。

 さて、ここでやっと本題になりますが、今回の第2作は10年経ったとは思えない程、前作と同じノリで展開します。やけに、”キング”とターミネーターへのオマージュが目立ったほかは、ジュリー・ルイスばりのナンセンス・ギャグの応酬から、次々とあっけなく登場人物が死んでいくのも同じですねえ。ひっかけもありましたが、見え透いています。まあ、笑ってください。
 面白くないことはないのですが、やはり、第1作目ほどのインパクトはありません。つまるところ、「T2」のように、柳の下に二匹目のドジョウはそうそういないのだ。しかし、映画ネタのトリビアは楽しかったのだ。

Photo_20191206132601 参考までに、「アイ・アム・ア・ヒーロー」のチラシをどうぞ。結構、頑張って立派なアクション映画になっています。

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