ロケットマン
エルトン・ジョンの伝記映画「ロケットマン」の評判が高く、前から見たかったのですが、昨日、やっと観て来ました。
冒頭は、赤い角と羽のステージ衣装を来たエルトン・ジョンが意外な場所で回想を始めるという「ボヘミアン・ラプソディ」で当てたデクスター・フレッチャー監督らしい構成なのですが、突然、ミュージカルに変わる展開には驚きました。最近、日本映画でもありましたが、ここは、好みの問題なのでしょうねえ。残念ながら私はかなり引いてしまいました。このところのディズニー作品などでやっとミュージカルへの偏見が薄れていたのに、これで元の木阿弥です(笑)。
お話は、宣伝でもあるように、両親に愛されなかった少年時代、酒とセックスとドラッグに溺れたスター時代と、当時のゴシップ記事をなぞっていくような内容なのですが、なんか表面的で心を打ちません。ましてや、マッチョマンのベッド上のレスリングなどはもっと配慮した見せ方があるのではないですか?
「ボヘミアン・ラプソディ」と違って共感できない理由は、例えば、何故、両親に愛されなかったかなど、その内面をしっかり描いていないからではないでしょうか。やはり、本人が生存し、製作までかかわった伝記映画は限界があるような気がします。一方、友人のブログによると父母は他界しているようですから、結構厳しく当たっている気がします(笑)。
あの気難しい軍人の親父は生来の潔癖症的な人格だとおもっていたら、離婚後腹違いの息子にはハグをしていましたので、エルトンを嫌う理由がほかにあったのです。彼は妻も家も嫌っていましたから、実はできちゃった婚を恨み、その根底には英国特有の階層社会の差別意識があったとか、あるいは、幼いエルトンの性癖を察知し嫌悪していたとか、いろいろ考えられます。
母親にしても、年下の彼氏と不倫する淫乱な浮気妻という描き方ですが、実はしっかり再婚していますし、エルトンが告白したときのセリフもいいぢあないですか。もっとも、移住のくだりにはげんなりですが(笑)。もう少し触れてほしいですねえ。
それにしても、なぜ、芸名が「エルトン」なのか、映画では、最初のバンドのメンバーの一人の名前だそうです。実は、これが彼の”初恋”なのか、その辺はすっぱり斬られています。それからいうと、パートナーの作詞家との関係などをもう少し深く突っ込んでほしいものです。
一方、あんな下劣なマネージャーとの関係は不要です。まったく思い出すだけで気分が悪いですねえ。エルトンの死後も20%の印税が入る契約などあるのでしょうか?世の中、悪い奴が得をする典型ですねえ。やっぱり恥知らずが一番強いなあ。・・でも、あのマネージャーも死んでいますよねえ、そうじゃないと家族が少し可哀そうです(笑)。狭い日本じや肩身がせまくなります。
そういや、レコード会社の社長も嫌みたらしく描かれていましたが、結局、後年手を切ったから、どうでもよかったのですねえ。
しかし、やっぱり芸能界というところは、巨額のお金が動くだけあって、あちらもこちらもどこも恐ろしい所ですねえ。
結論としては、この映画は主演のタロン・エガ―トンの演技がエルトン・ジョンそっくりだったということが一番の見所でした。彼の主演映画「キングスメン2」へ登場したエルトン・ジョン役で出演した本人と体型までそっくりです。案外ずんぐりで足が短いところまで似せています。まあ、よく頑張りました。お疲れさまでした。
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