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2019年7月18日 (木)

メン・イン・ブラック/インターナショナル

 あのトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスの人気シリーズ「メン・イン・ブラック」の最新作「同/インターナショナル」をやっと観て来ました。いつの間にか字幕版の上映がなくなって吹替版を観たせいもあるかもしれませんが、なんとも、いまいちでしたねえ。やはり世評通りの結果でした。

_new_20190718081801  まず、お話がなんともお粗末です。話のつじつまが合いませんし、世界を滅ぼす悪の宇宙人もしょぼいし、リーアム・ニーソンが出演している時点で最初からネタバレです。まあ、ストーリーで見せるのではなく、奇想天外な宇宙人によるギャグを期待する作品なのですが、それがどうにもつまらない。設定自体がなんとも無粋なのです。プロローグに登場するあの意味深なエイリアンと拍子抜けのオチには絶句しましたし、中途半端にリアルな”敵”の姿もまったく作品の雰囲気に合っていません。このシリーズのエイリアンは、もっと奇抜で笑えるセンスのあるデザインを考えてもらわないと困ります。手抜きの様な製作・・・。

 また、雰囲気と言えば、主演の二人もどうかと思います。ソーでお馴染み、クリス・ヘムズワースはお馴染みのお馬鹿な演技ばかりで、”まじめにやって可笑しい”演技という前シリーズの鉄則を忘れています。しかも、実質主演ともいえる相棒を演じる女優さん(ソーで共演?)が私の好みではありません。誰かのホンのタイトルじゃないですが、やっぱり”映画は女優”です。最近、こういう個性的な顔立ちのタイプの女優さんが007映画などでも結構多いのですが、どうもその理由がよくわかりません。まさか、共演したとか、所属事務所のコネ(笑)でキャスティングをしているわけじゃあないでしょうねえ。オジサン的には映画にクラシックな美女がいないと始まらないノダ(笑)。

 結局、組織名(タイトル)に”ウーマン”が入っていないというコントが一番面白かったのですから、あとは押して知るべしです。嗚呼、テレビ鑑賞で十分でした。当ブログの掲載写真は、当然チラシです。なお、これに懲りて「エックスメン」の最新作は見ないことにしました(笑)、あしからず。

2019年7月 6日 (土)

沈丁花

 久しぶりに自家製の日本映画作品(DVD等)購入リスト(一覧表)を眺めていたら、未購入欄に「沈丁花」のタイトルを見つけました。この作品は、京マチ子(大映)を主演に迎えて司葉子など東宝スターらが競演した1966年公開のホームドラマ・コメディです。随分と前にTV放送を見て、そのほのぼのとした雰囲気にすっかりはまってしまったものです。一応VHSの録画版を所有しているのですが、デッキの不具合で再生する勇気がありません。結果、長い間全く観ていませんし、正直、この作品のことも忘れていましたなあ。

 そこで「知らない間にDVD化されていないかな?」とネットを検索すれば、驚く事に、この7月に日本映画専門チャンネルで”蔵出し映画特集”として「沈丁花」を放送することになっていました。いやあ、虫の知らせか、神様のお助けか、早速予約録画し、本当に何十年ぶりかに再見しました。こういうお宝発掘の試みはもっとどんどん行ってほしいものです。それこそ倉庫でフィルムを死蔵するより、何倍も利益が上がるともおもいます。ついでに、DVD化もよろしくお願いします(笑)。

 さて、物語はある歯科医の一家の四人姉妹の結婚をめぐるコメディなのです。歯科医をやっている長女を京マチ子、看護婦の次女を司葉子、一人結婚している三女を団令子、夏木陽介と結婚間近の四女を星由里子です。行き遅れた娘を心配する母親を杉村春子、その実兄を加東大介が演じます。また、結婚の候補を小林桂樹、仲代達矢、宝田明、高島忠夫、佐藤充らが喜々として演じています。まさに豪華スター達の共演です。まあ、東宝のプログラム・ピクチャーなのでしょうが、こんな豪華で楽しい作品はありません。日本映画の黄金時代で映画に夢やあこがれがあった時代の作品に間違いありませんですねえ。

 今回改めて見ると、やはり女性は結婚しないと世間体が悪いという時代のコメディであり、着物姿が女性の外出着(勝負服)というのですから、一種の時代劇か、コスチューム劇と思う方がよいのかもしれません。特に、俳優たちの実年齢と設定年齢などはまったく無視して、ひたすら美男美女の結婚喜劇を楽しみましょう。やっぱり、こういう悪人が登場しない、のんびりした古き良き時代の映画が良いなあ。私は大好きですねえ。

 なお、タイトルの沈丁花は、花のことで、一般的に”じんちょうげ”と読みます。映画では、最後に虚子の一句と併せて画面に登場し、その意味をあきらかにします。松山善三脚本らしいオチです。

町山智浩・春日太一の日本映画講義 時代劇編

 「町山智浩・春日太一の日本映画講義 時代劇編」というタイトルの新書が発売されています。町山智浩は、アメリカ在住で、アチラの感覚をベースにした評論が多い映画評論家であり、春日太一は、映画史や時代劇研究家で、地道な取材からの日本映画解説本の著作が多数あります。いずれも単純明快な解説が持ち味のような気がしますが、この新書はこの二人のWOWOWでの対談を書籍化したものだそうです。ちなみに、表紙に著者の写真が載っています。

51fhpxo4dpl_sy90_  さて、今回この新書を当ブログでとりあげた理由は、まず、時代劇がテーマであること、そして、その中で取り上げた作品が、一部を除いて、私の好みに見事にマッチしていたためです。さらに言えば、初心者向けともいえる内容なのですが、お馴染みの鉄板ネタに加えて、初めて聞くような裏話もあって、一寸感心したからです。

 取り上げている時代劇の作品を網羅します。まず、1七人の侍、2宮本武蔵5部作、3剣3部作、4子連れ狼シリーズ、5竜馬暗殺・浪人街、6御用金・人斬りです。監督別にいうと、1黒澤明、2内田吐夢、3三隅研次、4三隈研次(うち4作)5黒木和雄、6五社英雄なのです。ちなみに、私の好みとズレているのは、子連れ狼の6作のうち後半3作と浪人街です。これは全く面白くないですねえ。また、何故、黒澤明監督の用心棒と椿三十郎、小林正樹監督の切腹、上意討ちが入っていないのか、ここが残念です。

 まあ、それはさておき、繰り返しになりますが、内容も私好みなのです。特に、監督の性情や撮影技師との関係など、丹念な聞き取り取材(真偽は別にして)による裏話がとても楽しいのです。某通販サイトのレビューの戯言は気にせず、是非、お読みください。内田吐夢の巻は涙無くては読めません(大げさですが)。こうした証言や噂は存命中に記録してくことが大事ですねえ。

516d7re4nil_sy90_  また、「竜馬暗殺」は公開時に観て面白かった印象はありますが、ATGということもあってか、それ以来一度も見てしていませんでした。本で指摘のある、原田芳雄、石橋蓮司、松田優作の三角関係を見たくて、今回ブルーレイを購入して再見することにしました。粒子の粗いモノクロ画面に登場する侍や町人の着物姿に驚きました。原田扮する竜馬のふんどしスタイルはいつものことですが、まるで幕末に外国人によって写された写真のようなスタイルが実に新鮮です。倒産した大映技術陣が採算度外視で協力したという話もあながち眉唾(笑)でもないような気がします。

 いずれにしても、時代劇を若い人達の新たな目で見なおしてもらうのは、大いに結構な話です。時代劇は、東映チャンバラ映画ではありません。面白い作品はいっぱいあるのです。若い人に、本物の時代劇を是非、見てもらいたいものです。

2019年7月 2日 (火)

スパイダーマン ファー・フロム・ホーム

 映画「スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム」を観て来ました。もともとはレイトショーで「メン・イン・ブラック/インター.・ナショナル」でも見ようかなと思っていたのですが、なんと字幕版は夕食時の1回しか上映されていなかったのです。宇宙人CMが人気のトミーリー・ジョーンズが主演するこのシリーズは結構好きだったのですが、誠に残念でした。今回の新作はどうもあまり人気がないようです。

_0001  さて、スパイダーマンの最新作は、アイアンマンが死んでしまった「アベンジャーズ/エンドゲーム」のその後の世界を描いている、デザートの様な感じの作品なのですが、マーベル印の今後の作品を観るためには、また全体のつながりを知っておくためにも、どうしても見ておく必要があります。なんせ、シリーズの途中に未見の作品があったため、あの傑作「エンドゲーム」を見なかった友人もいますから、おろそかにはできません。相変わらずの”商売上手のマーベル”というところでしょう。

 しかし、前作「エンドゲーム」で、宇宙の最強の敵サノスをやっとこさ滅ぼしたかと思ったら、その直後に、またもや性懲りもなく多次元世界(?)からエレメントの怪物が襲い掛かり、ヨーロッパを高校の研修旅行中だったピーター・パーカー(スパイダーマン)たちが新登場のヒーロー”ミステリオ”と一緒に戦うというワンパターンのヒーロー物語のふれこみです。

 正直いって、アイアンマンの死後の世界には、ダークな雰囲気の「ジャスティス・リーグ」のスーパーマンの場合と違って、なんの感慨もなかったのですが、ただ、指パッチンで5年後に復活した人々と生き残っていた人々の年齢差の混乱という設定にはおもわず吹き出しました。映画の雰囲気は、主演俳優の軽さもあってか「スパイダーマン/ホームカミング」の続編らしい高校生の青春ものになっています。好きなMJを目で追う高校生ピーター・パーカーの滑稽ぶりが笑えます。助手にも恋人ができ、恋の敵役も現れます。まあ、こんなSF青春映画もありかと納得し、サミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーがスパイダーマンの協力を得るために、その国家権力を活用して高校生御一行様をヨーロッパの観光地を引き回す荒業も、007風観光案内映画と割り切っていました。

 ただ、ジェイク・ギレンホール演じる新ヒーロー”ミステリオ”の扮装のダサさには、違和感、なんともいえない居心地の悪さが感じられてなりませんでした。金魚鉢の様なヘルメットを装着し、クラシックな衣装でマントを翻し、空中を飛び回るのですが、マーベルとも思えないデザインの悪さです。異世界の怪物を目出度く退治した後、恋愛に忙しいスパイダーマンは、こんなダサいヒーローに、トニー・スターク(アイアンマン)から受け継いだ”遺品”を託すのです。いやあ、これは一寸、あとの展開が辛いなあと、眠気が襲い掛かったほぼ前半終了時点で、お話は、突然、予想を超えるとんでもない展開となります。

 後半は「カメラを止めるな!」風にさまざまな伏線や違和感が一気につながり、見事な”エンドゲームの後日談”に化けるのです。前半の青春もの、侵略ものという固定イメージにすっかり騙されていましたので、その驚きは尚更でしたねえ。今回、パンフレットがないのは、売店で既に売り切れ状態でした。完敗・・、いや完売です。エンドロールの後にも小技の仕掛けがありますが、やっぱりドンデン返しが素晴らしい。まったくマーベル作品は商売にも脚本にも油断大敵です。いやあ、映画って本当に面白いですねえ。

ザ・ファブル

 映画「ザ・ファブル」は、主演の岡田准一の格闘マニアという特技を生かした実に楽しい小品でした。例によって、漫画が原作なのですが、キャストになかなか味があります。”ファブル(寓話)”と呼ばれる凄腕の殺し屋の岡田准一もはまり役ですが、やっぱりボス役の佐藤浩市が貫録があります。思えば、日本の殺し屋稼業は、欧米の「ジョン・ウィック」のような大規模な企業ではなく、市川雷蔵主演の「ある殺し屋」のような個人あるいは零細企業の組織が風土的に実に似合ってます。「ある殺し屋」は必殺仕掛人の裏技を先行した傑作クライム映画なのですが、あまり知られていないのが残念です。

_new_20190702120001  そして、凶暴なチンピラ役の柳楽優弥がうまいですねえ。この生々しい演技を見ると、向井理や福士蒼汰の体を張った熱演も今一つしっくり来ません。まあ、凄腕の殺し屋に1年間”普通の生活”をせよという、とぼけたミッションを描いた完全なコメディなので、細かいことは言わずに楽しみましょう。なにしろ、ヒロイン役でヤクザからAV出演を脅迫される山本美月ちゃんがなんとも可愛いノダ(笑)。

 とにかく、切れ味の良いアクション(岡田がビルの隙間を手足を使って駆けあがるようなシーンは本当に凄い)と、普通の暮らしの常識を知らない超猫舌ぶりなどのべたなギャクの盛り合わせがじんわりと面白いのです。まあ、簡単に人が血しぶきをあげて死にますが、ほとんど悪党ばかりですので、なにも考えず、気楽にご覧ください。

 ちなみに、この映画の宣伝とタイアップしているのか、某漫画サイトで、原作漫画の第1巻から第3巻まで期間限定の無料視聴サービスをやっていました。やっぱり映画化されるだけあって(笑)この原作漫画が実に面白く、現在も連載中で第18巻までは単行本が出ているのですが、残りの巻を読みたくて仕方がありません。困りました、どうしましょう。思えば、以前、映画「ガンツ」や「響」を見て、続きを見たくて原作本の中古揃を買ってしまった苦い経験があります。つまるところ、日本の漫画のレベルの高さが凄いのでしょうねえ。感心します。・・・最近、こればっかりです(笑)。

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