ULTRAMAN ARCHIVES
ご存知、名作特撮TV映画「ウルトラQ」の傑作エピソードを1話ずつ特集するブルーレイ「ULTRAMAN ARCHIVES」の第2弾「ガラモンの逆襲」が発売されました。30分番組の本編のカラー版(もともとはモノクロ)と関係者が次世代に向けての証言という触れ込みのインタビューが70分という作品です。第1弾が「2020年の挑戦(ケムール人)」という渋い選択だったのですが、第3弾「東京氷河期(ペギラ)」の発売も予定されていますので、こういうモノを買う人も結構居るんだ(買ってて言うなよ!)と感心しています。
本編のカラー化は、やっぱり明治初期の色付け写真のようなレベルです。ハリウッドの技術という割には、まだまだ未熟ですねえ。とても、黒澤映画などは望み得ません。それより関係者の証言が実に面白い。確かにアーカイブスになりえる貴重な証言やら独創的な意見があります。今回はガラモンの造型への考察が面白い。確かにウルトラQの怪獣デザインは従前の東宝怪獣などと比べても画期的です。デザイナー成田亨氏の功績でしょうが、造型師高山良策氏の名前が出てこないのが不満です。デザイン原画からあのリアルさを生み出したのは、造形の力です。ここの視点が欠けているのがイケませんね。
ただ、あの奇抜なデザインをどう動かすかは大変難しかったそうです。ガラダマから後ろ向きで登場し、体を揺すり、ぴょんこぴょんこと動き、指がぶらぶらさせながら、挙句の果ては、指で口を開けて周りを見渡し、よだれを出して死んでしまう。とても、ロボット(宇宙人の侵略ロボットいう設定です。)とは思えません。実は口を開けたのは縫ぐるみの中の人間に外が見えなかったからだったという証言には笑いました。とにかく手探りで熱気一杯、てんやわんやの現場だったらしい。まあ、毎週1話完結の特撮番組という初めての取り組みはそんなものなのでしょうねえ。とても羨ましい話です。
そのコメンターの一人に脚本家の伊藤和典がいました。自分たちが観たい”怪獣映画”がなかったので、自分たちで作ったという「平成ガメラ」の脚本家として有名です。第1作と第2作はまことに傑作です。第3作は残念ながら監督の独りよがりで失敗です。その脚本家が、少年の頃田舎でTBSが放送されてなくて切歯扼腕したことを語ってくれました。おもわず私と同じだと感動(笑)です。当時は、毎週少年漫画雑誌などでこのドラマの特集をやっており、その写真や図説を食い入るように見た記憶が蘇ります。思えば、後年になってからは本編をじっくり見ることもなかったような気がします。今回まともに観てその演出の奇抜さ等に驚いています。当時もしリアルタイムで観ていたら、今こんなに興味をもっているのか、正直疑問です。あの時の飢餓感、渇望感が原点になってしまったような気さえします。そういえば、これも古い話ですが、テレビ朝日の久米宏のニュースステーションも観たかった!!。今もまだ存在する公共電波の地域別格差を解消しましょう。
ところで、このブルーレイ発売とタイアップしているのか、なんと懐かしの食玩が新発売されています。もちろんガラモンもあります。モノクロ版でしたので、手遊びにリペイントしてみました。わずか5cmもないのに、無数の棘など大変精巧にできています。昔のガシャポンと比較するとその技術の進歩には驚愕します。3D技術でしょうかねえ、造型技術は確実に進化しています。
また、当時の少年雑誌の図解シリーズを集めた同人誌も復刻、発売されています。本当に、世の中には、奇特な人もいます。ただ、大伴昌司氏の解説を出鱈目と一刀両断しているのは(本当のことですが)、悲しいなあ。大変な功績がありますぞ。
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