翔んで埼玉
”自虐ギャク”は嫌いではありませんというか、結構好きです。「砂場はあるが、スタバはない」などの某県知事の自虐ネタには大いに感心しました。自らを客観的に見て笑える余裕が大好きなのですが、映画「翔んで埼玉」はあんまり笑えませんでした。評判が良かったので期待が大きかったせいかもしれませんが、なにより私は”埼玉県人”ではなかった(笑)のです。・・自虐ネタにならなかった???
それにしても、”都市伝説”としてGACKTと二階堂ふみが演じる宝塚風一大コスチューム宮廷劇、架空の悪趣味なキンキラ都庁、関所で閉ざされた埼玉や千葉の寒村風景の設定、芝居小屋風時代劇調の大げさな演技などにはやっぱり馴染めませんでした。しかも「草でも食わせておけ」という決めセリフにも笑いが出ませんでした。どうにも微妙に私のツボが外れるのです。ましてや伊勢谷友介とGACKTのふみの悪夢は役者根性は立派ですが、やり過ぎです。
一方、この”都市伝説”を紹介するラジオ放送を聞いているドライブ中の夫婦と娘のほうが何倍も笑えました。ブラザートム演じる埼玉県人の歪んた郷土愛、それを笑いながら宥める妻、麻生久美子が演じるのですが、いざ千葉県が貶されると豹変して、車を降りての夫婦バトルになります。妻は千葉県出身だったのです(笑)。さらに、劇中の主人達が愛を確かめ合うシーンでは、車中の夫婦が感激してもらい泣きしている側で「ボーイズ・ラブだし」と斬った娘のシラケ方に思わず吹き出しました。ここが一番(笑)。
ラストは、埼玉県への配慮でしょうか、埼玉県のPRのオンパレードでした。これで埼玉県知事もお喜びでしょう。ヒットもしているようですし、めでたし、めでたしです。
さて結局、個人的には”海なし県民”の悲痛な思いがわかったような気がして終わったのですが、映画本編ではなく、クロージングで流れるはなわの「埼玉県の歌」に大笑いしました。終わりよければすべて良し、なのです。はなわは、佐賀県出身ですが、くれよんしんちゃんの春日部市で育ち、埼玉県を愛する人だそうです。さすが、昔、ヒットしただけのことはありました。
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