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2018年11月24日 (土)

S・ヘイズ作プレデターの完成

  造形師S・ヘイズ氏作の「プレデター」の塗装がやっとなんとか完成しました。以前、当ブログ(2018.9.29参照)でご紹介したように、製作途中のレジンキットをオークションで購入後、サーフェイサーで下処置したまま放置してきました。なにしろ、キットが精緻な分、その塗装にかかる手間に恐れをなして、準備がなかなか進まなかったのです。
 まあ、細々と続けていた左足裏の隙間を埋めるなどの二脚で自立するための作業も今週初めになんとか終わりましたので、ついに意を決して塗装工事に着手しました。火曜日のことでした。
 以下、いつもの作業手順の備忘録です。興味のない方は読み飛ばしてください(笑)。
 まず、全身をラッカー塗料のつや消しブラックで塗ります。
Img_36102  次に、体表の皮膚のむき出し部分をラッカー塗料の肌色にフラットベースを混ぜたものでエアブラシ塗装です。さらに少々ブラックを混ぜた濃い肌色で濃淡をつけます。
 そのうえで、その部分を黄色いマスキング・テープで覆います。これがなかなか面倒なのです。5mm幅ぐらいでカットし、甲冑の曲線に合わせて覆い隠します。細かな形にカットしながらの入念な作業が重要です。ここで手を抜くとあとであらぬところに違った色が露出して痛い目に会います。
 
 今回、金属製の甲冑部分は、ラッカー塗料のメタル系シルバーでエアブラシ塗装を行いました。金属感は良かったのですが、やけに派手に銀色に輝くのでメタル・ブラックを加えたもので色合いを落とします。が、なかなかおさまりが付かず困りました。
 なお、ベルトやふんどしパンツも、周囲をマスキングしたうえで、ラッカー塗料のダークなブラウン系でエアブラシ塗装しました。ちなみに、頭蓋骨の胸飾りなどの小物もラッカー塗料で適宜筆塗りです。
 こうして全体のベースの塗装ができた時点で、エナメル塗料のつや消しブラックで、最大の難所である網目の下着を一本一本線の筆塗りです。以前のビリケン商会製のプレデターを製作した時(2015.8.9参照)も思ったのですが、ここが一番めんどくさいのです。もう、三度とはやりませんゾ。
 さて、この時点で本物と見比べてみると、全体的なトーン、特にブリキのような甲冑や網タイツなどがどうにも明るすぎます。そこで、思い切った手段を断行しました。
 エナメル塗料のつや消しブラックを薄目にして、体の筋肉の影や縞模様、さらに銀色の甲冑全体を暗いトーンにするために、大胆にエアブラシで塗装したのです。我ながら起死回生の一手(笑)です。
 結果、思った以上に効果があって、一見すれば、リアルな汚れ塗装といえなくはない、と胸をなでおろしました。まあ、細かな斑点などは無視して、金色の髪飾りや歯や口中、爪を適宜エナメル塗料で調整して完成です。
Img_3646_22  このモデルはマスク姿と素顔のコンパチタイプなのですが、出来上がりとしてはマスク姿のほうが好みですねえ。
 では、本日朝なんとか完成したものの写真をご覧ください。
 「プレデター」は決して3度目は作らないと決意を新たにしております。いやあ、今回も疲れました(笑)。Img_3638_22Img_3627_22 Img_3649_22Img_3651_22
最後に、サービスショット(後ろ姿)をどうぞ(笑)。
Img_3643_22  

2018年11月17日 (土)

ボヘミアン・ラプソディ

 映画「ボヘミアン・ラプソディ」は文句なしに面白い。
 まず、伝説のロックバンド「クイーン」のリードボーカルであるフレディ・マーキュリーの実話なのですが、よくある暴露モノでも提灯モノでもなく、”天才”の物語として作られているところが実に上手いと思います。
_new_0001  そして、みんなが知っている”歴史”の再現度が凄まじい。主人公もそのバンドメンバーのそっくり度は歌う姿などその演技を含めて感動します。セットや衣装も素晴らしい。やはり実際のバンドメンバーたちが協力・監修しているところが信用できます。
 そして、当然ながらクイーンの曲がこれでもかと流れますし、物語との相乗効果もあり、ファンだけでなく聞いているだけでのせられます。・・・やっぱり、そこか(笑)。
 45歳でエイズで亡くなったスキャンダラスな人生を、容姿のコンプレックス、英国社会の中のインド系移住者への差別、ゲイへの偏見など、社会に容易に受け入れられない主人公を等身大で描き、そのシンガー・ソングライターとしての天賦の才で人生を切り開いていく生きざまを、仲間や婚約者との諍いなどを含めて、人生の応援歌として仕上げた脚本が見事です。素直に感動します。やっぱり音楽映画はいいねえ。
 もっとも、それにはクイーンの曲のもつ魅力が大きいのでしょう。何度も言いますが、聞いているだけで”ノリノリ”になります。
 そういえば、最近の映画にはクイーンの曲がよく使われているそうです。いやはや、あらためてその力を再確認しました。 
 それにしても、クイーンの音楽がわからなかったという所属音楽会社の社長や、フレディを裏切る私設第2秘書は実在の人でしょうに、あんな風に描いて大丈夫でしょうか。映画ながら心配になります(笑)。加えて他人事ながらあの第一秘書は可哀想でした(笑)。
 いま、映画は大ヒットしているようですが、本当に楽しく、感動し、元気が出る映画でした。こういう映画をどんどん作ってほしいものです。本当に元気をもらいました、ありがとう(笑)。

2018年11月 6日 (火)

ヴェノム

  映画「ヴェノム」は、ご存知スパイダーマンに登場する悪役”ヴェノム”のスピンオフ作品です。このヴィランはかなり人気の高いキャラクターのようで、以前からアメコミファンの間では本格的な登場が期待されていたようです。”本格的”というのは、サム・ライム版「スパイダーマン3」に登場したのですが、監督の好みでなかったせいか、他の悪役との十把一絡げの扱いや原作と異なる細身の体格のために、映画版のヤツは不人気だったそうです。正直、私も頭のてっぺんまで裂けたような目やド派手な鋸歯など、幼児が描くクレヨン画のようなデザインは、あまり感心はしないのですが…。
_new  さて、その映画の出来ですが、これは予想外に面白かったというべきでしょう。
 ありきたりなエイリアン憑依映画だろうと思っていたら、トム・ハーディの頭が悪く、口が過ぎるジコチューの大男のダメっぷりがはまりすぎていました。あれでは、恋人も逃げ出しても同情できません。それに、主演のトム・ハーディの素顔を初めてまともに見た気がします。あんな顔だったんだ(笑)。なにしろ「ダークナイト・ライジング」では、マスク姿しか見ていない。
 
 ただ、肝心のヴェノムと一体化するまでの道筋の長いこと、長いこと。ともかく馬鹿な真似をして落ちていく、まことに居心地に悪い展開をじっと眺め続けるしかないのです。
 そして、予想どおり落ちるところまで落ちたところで、やっと反撃です。
 でもやっぱり異星生物との即席のコンビは上手く出来ません。二人羽織の様な突拍子もない変なアクションの見せ場が続きます。が、結構ハラハラしました(笑)。
 ということで、中盤以降から最後まではそれなりに面白く拝見しました。
 封切り後の3日間の興行成績もよろしいようで、まあ、ようございました。
 なお、マーベル映画恒例のエンドロール後のエピソードの意味が全くわかりませんでしたので、結局パンフレットを買う羽目になりました。今回のパンフレットは、そういう意味(笑)です。

2018年11月 4日 (日)

ビリケン商会のバルタン星人

Img_35592  ビリケン商会の「バルタン星人」のキットの塗装の件ですが、下処理した時の当ブログ(2018.10.20)での”決意”とはうらはらに、干物の一日干し(ひいといぼし)ならぬ一日塗装(笑)で仕上げてしまいました。
 映像写真や模型雑誌などで確認できた体表のギザギザ文様は、どう頭をひねってもやっぱり手間がかかりすぎますので、根気の無い私としては、すっかり面倒になってしまい、簡単なイメージ塗装に切り替えることにしました。
 手順としては、一応、つや消しブラックで全身(目玉以外)を塗装後、つや消しホワイト+スカイブルー(少々)+つや消しブラック(極少)の混合液で凸部分を中心にエアブラシをかけ、下半身の足は、オレンジ+フラットベースと上記のホワイトで横縞を吹きました。この際、調整したラッカー塗料の濃度が濃すぎたせいで全般にざらつき感がある仕上がりになってしまいました。まあ、味がありますからイイノダ(笑)。
 次に、大きなハサミの処理ですが、付け根部分を上記のオレンジ液、先端からはシルバーで塗装です。
 
 さらに、マスキングしていた目玉は、シルバー塗装の上に、クリアイエロー、クリアオレンジを順次エアブラシしました。そのうえで、最後に墨入れ用(ブラック)エナメル塗料を凹の部分に筆塗りです。
 
Img_35701  当初目指していた”実物に即した精緻な塗装”とはまったく異なる、かんたん塗装仕上げですが、肉眼で見ると”バルタン星人”のリアルなイメージがなんとなく感じられますので、これで完成です。写真(カメラのレンズを通す)ではなんかのっぺりですが、現物はもっと陰影があります。以上で、誰が何を言ってもこれで完成です(笑)。
Img_35831
 

2018年11月 2日 (金)

図鑑の世界(ユリイカ10月号)

 青土社発行”詩と批評”を扱う月刊雑誌「ユリイカ」の平成30年10月号に「図鑑の世界」という特集が組まれました。
 これがなかなか興味深い読み物でした。
510axpe4gal_sx321_bo1204203200_  最初にいまや図鑑と言えばこの人というイメージの荒俣宏氏(世界大博物図鑑全7巻など随分印税に貢献しました(笑))の冒頭インタビューがあり、編集者やイラストレーターなど様々な人の意見が載っています。
 タイトルを見るだけで楽しくなります。
 「大人のための恐竜図鑑」、「『リアルサイズ古生物図鑑 古生代篇』ができるまで。」、「図鑑を作る仕事」、「図鑑が導く妖怪の世界」、「子供の世界形成における『怪獣図鑑』の作用について」などの著者が、やっぱり私の幼い頃と同じように図鑑を眺めた経験がベースになっていることになんか安心感を覚えます。もっとも、魚類図鑑を作りたくて出版社に入社したなどと聞くと、羨ましい限り(笑)ですねえ。
51ae5hbsecl_ac_us200_  それにしても、恐竜研究者の「大人たちには受入れられないモフモフの恐竜が子供たちの間ではもう当たり前」という言にはショックを受けます。日々の恐竜研究の急激な変化を改めて感じますし、やっぱり”怪獣”のような恐竜像を刷り込まれた世代には最新の羽毛姿はどうしても迫力不足に映ってしまい、時代に取り残されていくようです。
 
 また、テレビ「マツコの知らない世界」に登場したという”図鑑マニア”氏へのインタビューは、最前線の図鑑の現状や製作の裏事情についての具体的な解説となっており、なかなか好感が持てます。
 まず、写真のコンピュータ化による「深度合成」で小さな昆虫にもすべてにピントが合った図版が実現し、図鑑が大きく変わったといいます。細密画を描くコストなどの軽減につながっているそうです。
 そして、今の教育現場も標本採集からデジカメ写真の収集に変化しており、図鑑も博物学的なものからテーマ別へ移っている流れもあるそうです。そういや「おじさん図鑑」や「制服図鑑」もありますよねえ。
 そのため、執筆者もこれまでの学者や教育者ではなく、「イモムシハンドブック」などのように自分で写真を撮って一人で図鑑を作るなど図鑑づくりの専門家が登場してきているそうです。
 そういわれれば、学術誌ではないのですから、あまり体系的な分類にこだわる必要が無いのかもしれません。実は昆虫図鑑のページのレイアウトでは、分類学上の整理で”ガ”と”ガ”の間に”チョウ”が入るようで、どうも矛盾を感じるとの編集者の告白(笑)もあります。その反面、恐竜図鑑では、なにしろ年代別ですから笑えます。
 
 さて、この図鑑マニア氏は、「図鑑とは観光ガイドの様なもの、気楽に買って楽しんでほしい」と結んでいます。
 まさにおっしゃるとおりです。
 ぼうと図版を眺めているときが至福の時間ですよ(笑)。
 61jojstq0cl_sx421_bo1204203200_ 今、ハマっているのが、宇宙からスパイまで森羅万象を1冊にまとめた「ピクチャーペディア」です。さすが、スミソニアン協会です。バカでかい本ですが、各テーマごとに見開きの2ページの情報量のとんでもないこと。そのページのホンの隅にある小さな精密な図版と洗練した説明を見つけて、どれだけ感動するか、これが図鑑の楽しみです。
 是非、秋の夜長にお試しください。
 
 

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