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2018年10月31日 (水)

散り椿

 一昨日、映画「散り椿」をやっと見ました。時代劇という大好きなジャンルの作品なのになかなか足が劇場に向きませんでした。
 その理由も、黒澤時代劇と同列に並べる製作陣への反発か?あるいは黒澤組の生き残りの作品への不安?など、”なんかいやだなあ”とたわいもなく感じているだけで、どうも自分の気持ちがよくわかりません。
 ・・・・まるで、この映画のお話みたいです(笑)。・・・観終わっても、主人公と亡き妻の思いは今一つよくわかりません。一体どういう心境なのでしょう。原作を読めばもっとわかるのかなあ、すっきりしません。「お優しい」では理解できませんし、あの遺言が「生きて」というメッセージにつながるのかなあ?やっぱり理解できません。
_new  そして、撮影カメラマンの監督が映像に力を入れるのはわかりますが、少し凝り過ぎです。人物が見えないほど雪を降らし、これでもかというほど四季の美しい自然を映し出します。ドラマより背景が印象的です。
 また、音楽が一人歩きして雄弁に過ぎます。画面と音楽が分離しているような気がします。それにあの楽曲はどこかで聞いたような曲ですが?
 黒澤明は、映画は、ドラマが映像や音楽が融合した芸術だと言っていた気がしますが、この作品はどうなんでしょうかねえ。
 この作品の見所は、やはり殺陣につきます。接近戦の刀の使い方を極めたような立ち回りは新鮮でした。特に、冒頭の京都の雪道での殺陣は凄まじい迫力でした。主演の岡田准一の身体能力の高さを十二分に生かした小手斬りです。彼の意見も反映しているようですが見事なものです。
 そのほかに結構数ある斬り合いのシーンも、文字通り切れ味十分でした。見ごたえがありました。
 まあ難を言えば、噴出する血の描写が安っぽいCGに見えることや刀を突き刺した時に、日本刀がいかにも”竹光でござい”と曲がるのが気になります。ここは刀剣をCG製に置き換えるべきです。現場の撮影カメラマンの演出にしても、もう少しCGなどの視覚効果を活用してほしいものです。もし黒澤明が生きていれば、実験精神の旺盛な監督のことですから、最新技術のCGを効果的に使った映画づくりに挑戦したと思いますねえ。
 なお、パンフレットによると、ロケ地は、富山県を中心にこれまでにない場所を選んだそうですから、冒頭申し上げたように本当にクール・ジャパンと胸を張れる美しい絵になっています。タイトルの散り椿の大きな木は、わざわざ違う場所に植え替えて撮影したそうですから、美術を含めてその丁寧な映画づくりには敬意を表します。
 今回、評価がやや辛口になりましたのは、”黒澤明”の名を出されますとわけもなく熱くなりますので、その点は勘弁してください。まあストーリーの核となる夫婦の思いはともかく、全体としては、斬新な殺陣や自然の美しさなど、2時間十分楽しみました。
 

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