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2018年10月 3日 (水)

カメラを止めるな!

 本日、いま話題の映画「カメラを止めるな!」をやっと観て来ました。
 この映画は「ENBUゼミナール」という監督&俳優養成所スクールが催している、僅か2~3百万円の製作費の”シネマプロジェクト”で作られた作品だそうです。
 それは、多分、新人監督と無名の俳優などの新たな才能を発見するためのプロジェクトなんでしょうねえ。欧米ではよく聞きますが、日本にもそんな奇特な試み(笑)があったんだと初めて知りました。
_new  そして、今回、この映画で第7弾目だそうですが、昨年、お披露目の6日間の先行上映会でその面白さの口コミが広がって満員御礼、札止め、さらに今年6月の公開以来、評判が評判を呼んで、8月からは拡大公開になり、9月半ばで20億円を超える興行成績をあげているそうです。これまでにわが国ではあまり類を見ない大ヒット、大金星とも言えそうです。
 併せて、公開当初から監督がある舞台から着想を得たと公言していたのですが、大ヒット後には、その劇団からは盗作で訴えられ、テレビのワイドショーでも大きな話題になっていました。
 そのせいか本日は、平日の午後一番の映画館という状況にもかかわらず、結構な席数が客で埋まっていました。年齢層も結構高かったねえ。いや、その宣伝効果は恐るべし・・・。
 さて、その内容ですが、ゾンビ映画を撮っているところへ本物のゾンビが現れて惨劇が起るものの、監督はカメラを止めることなくその状況を撮影する・・というなんともシロート・アマチュア映画の典型の様なものであり、しかも、手持ちカメラの長回しという、もう映像酔いすること間違いなしのストーリーです。
 ただし、この映画は、その後半に大どんでん返しがあるという構造になっている・・・そういう予備知識や情報が氾濫していました。
 
 実は、私が躊躇していたのは、ゾンビも嫌いだし、手持ちカメラの手振れの映像が苦手なのです。とはいっても、映画ファンならやはり”歴史”を見ないわけにはいくまいと悲壮な覚悟(笑)で臨んだのです。
 ともかく前半37分をツッコミを入れながらなんとか乗り切ったあと、予定通り、あっと驚く展開になります。この仕掛けはアイディア自体は月並みですが、練に練った筋書きで笑いのツボを押さえます。もう声を出して笑いました。
 しかも、前半の私のツッコミ部分がいずれも伏線となって、ばらばらのパズルがキチンと収まります。これは快感です。馬鹿げた撮影、杜撰な編集と見せて、実に丁寧な計算があります。
 加えて、映画や映画の現場に携わる人間、さらにその家族に対する愛情までもしっかり描きます。監督が脚本を書くのに時間がかかったというのはよくわかります。とどめは登場人物の特異な設定・キャラクターもエンディングではこういうことかと感心する羽目になります。
 また、実際の邦画界の現場を私小説的に皮肉ったような、無名の俳優たちの個性あふれる顔や頑張りも見てやってください。笑います(笑)。ただし、パンフレットによるとリハーサルは相当行ったということです。いまや、タレント俳優ばかりの日本の商業映画業界では忘れかけている気がしますし、彼らは何処で演技力を磨くのだろうか、心配になります。往年の黒澤明の映画も本番と同じ扮装で行ったそうです。大事な、でも当たり前のことですよね(笑)。
 結論としては「恐れ入りました」の一言です。快作です。確かにこれは大ヒットするわけです。立派です。笑えますし、心も温かくなります。
 未見の方は是非ご覧ください。これはゾンビ映画ではありません。とりわけ”映画”を愛する人は是非ご覧ください。
 ・・・本当に思い切って行ってよかった。
 もうすこし書きたいのですが、ネタバレになりそうなので、このへんで・・。

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