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2018年8月26日 (日)

銀魂2

  少年ジャンプに連載中の漫画「銀魂」の映画化、第2弾「銀魂2」が公開されています。前作だけで終わるとの関係者の大方の予想を覆しての続編ですが、これが面白い。前作よりブラッシュアップした感じです。なによりギャグが洗練(?)されています(笑)。
_new  いきなり冒頭、ワーナーのタイトル前後で笑わせてくれます。しかも、ナレーションだけなのです。アニメファンの娘によると、アニメの定番表現の実写版だそうですが、その内容たるや、日本アカデミー賞をめぐるコメント、ほとんどがピー音で消されていますが、大いに笑えました。
 今回のストーリーは、原作では有名な人気キャラの将軍徳川茂茂がお忍びで登場する巻と、伊東鴨太郎の真選組クーデターの巻をからませたものだそうです。
 娘の話によると、これはなかなか原作ファンも納得するだろうという選択だそうですが、門外漢の私がみても、ギャグとアクションと感動モノをうまくミックス・ブレンドしています。 
 まあ、スティーブン・スティルバーグ監督の談(※注)ではないですが、原作モノの映画化には、原作と原作のファンを尊重することが一番です。(※発売されたばかりの「レディ・プレイヤー1」のBDのメイキング特典映像でスピルバーグ監督が実際にしゃべっていました。)
 ともかく全編、原作のものか、映画の創作かわかりませんが、数々のギャクが抱腹絶倒なのです。久々に声を出して笑いました。
 1作目で「原作を読まなくても良い」という原作者のお墨付きを得た佐藤二郎は、今回はキャバクラ店長という別の役でムチャクチャなアドリブ演技を披露し、共演者たちを笑わせています。その場面をそのまま映画に使っているのも笑えます。
 そして、柳楽優弥演じる硬派の土方十四郎がヘタレオタクになったり、勝地涼の将軍の”堂々とした”いじられ役は絶品で、床屋の髷騒動はコテコテの特殊メイク(?)の馬鹿さ加減も爆笑モノでした。
 そして、とんでもトラブル発生後の「え~!・・・・・」という沈黙のシーンの間の取り方が見事です。特に菅田将暉のリアクション演技が絶妙です。なんとも自然なセリフ・身振りなのです。やっぱり、この俳優さんは演技がうまいのですねえ、さすが日本アカデミー賞を獲っただけのことはあります(笑)。
 そして、出番は少ないですが、キムラ緑子演じる万事屋の家主は期待通り、迫力満点でした。〇。
 それにしても、”コスプレ映画”と揶揄された映画第1作もふたを開ければ大ヒットでしたし、第2作も”他作品”へのリスペクト・ギャグもさらにパワーアップした内容になっています。脚本もギャグもセンスアップしています。
 その要因は、もちろん監督の熱意もありますが、なにより小栗旬や中村勘九郎らの出演者がこんなハチャメチャな内容なのによくやるというぐらいの体を張った熱演のおかげと思います。新しい俳優さんも本当に頑張りました(笑)。
 みなさん、本当にご苦労様でした。日本映画では珍しい、大人が笑える知的なナンセンス・エンターテイメントでした。2時間半、とても楽しめました。日本アカデミー賞の受賞をお祈りしています。でも多分やっぱり・・(ピー音)・・の事情で無理なのでしょうねえ(笑)。

2018年8月22日 (水)

シュワルツェネッガー主義

 洋泉社の「シュワルツェネッガー主義」は、アーノルド・シュワルツェネッガーの追っかけの著者がその伝記をまとめたものです。
くしくも、前回ブログに引き続いての伝記モノの感想になります。
51fdxiefdfl_sx338_bo1204203200_  その内容は、かなりの海外の文献やウェブサイトの情報を駆使してか、見てきたように書かれていますので、正直真偽のほどはわかりませんが、その分を割引いてもなかなか面白い読み物になっています。
 しかし、この本の価値は、シュワルツェネッガーの主義や愛人スキャンダルなどより、各作品について著者なりの評価を詳細に記述しているのが、個人的には一番気に入っています。
 
 例えば、「ターミネーター」への出演は、本人も、キャメロン監督も乗り気ではなかったが、製作者の意向で会食した際、監督が窓からの光による顔の陰影と人間離れした体躯を見て、殺人ロボットの設定を変えたとか、殺し屋を嫌がるシュワルツェネッガーを説得したというエピソードには思わず笑います。どうやらキャメロン監督には人を説得する才能があるらしい。
 しかし、それ以上に、以前から何故あんなに面白くない「コマンドー」が大ヒットしたのか不思議だったのですが、この著者は「異常な映画」と位置づけ、ヒットの要因を詳細に説明しています。それがなかなか説得力がありまして、もやもや気分を解消してくれました。
 一方で、ターミネーターが人を殺さない傑作「ターミネーター2」の根本的な”無理”を指摘(これはどうでもいい(笑))し、その蛇足といわれた「ターミネーター3」の存在意味を改めて問い直します。この”3”は個人的に好きなギャグのネタがいくつかある映画なのです(笑)が、言われてみれば”2”の無理くり世界をあるべき世界に剛腕で戻したというお説はごもっともです。
 また、「プレデター」が第1作以外、なんとなく面白くない理由を著者がしっかり指摘してくれました。要は、「だが今度は襲う相手を間違えた」という宣伝文句が鍵だそうです。これもなんとなく賛同来ますねえ。
 さらに、政治の世界から復帰したから第1作「ラストスタンド」はヒットしなかったのですが、快作と位置付けています。そのとおりと小膝を叩きました。まさしく、そのことを批評家の誰かに言ってほしかった。まことにうれしい限りです。
 そのほか、ワンダーウーマン関係で発言が物議をかもしたキャメロン監督の女性観を「トゥルー・ライズ」の主人公の妻の設定を基に一刀両断していますし、「ラスト・アクション・ヒーロー」などの数々の駄作についてもしっかりそのダメなさ加減を検証しています。
 以上、この本は、いくつか意見の相違もありますが、何故ヒットしたかわからなかった作品への疑問を解説していただき、長年のもやもや感がすっきりしたような気がします。感謝しています、ありがとうございました。

2018年8月20日 (月)

顔に魅せられた人生

 第90回アカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」のゲイリー・オールドマンのメイクアップを担当した日本人の特殊メイクアップアーティスト辻一弘氏の自伝「顔に魅せられた人生」が発売されました。
 やはり、ハリウッドのアカデミー賞の威力は凄まじいものがあります。俳優なら賞を取れば、ギャラが跳ね上がると聞いていますが、いつもは縁の下のスタッフでさえ、一躍脚光を浴びます。
 今回は、日本人初(アジア人でも初)ですから、日本で関連本が出版されてもおかしくはありません。
51b7s54mlfl_sx340_bo1204203200_  実は、このアーティストのことは前から知っていました。
 というのも、この人の師匠がハリウッドのメイクアップ界の大御所のディック・スミスなのです。え、知らない?エイプ(猿)で有名なリック・ベーカーの師匠で、エクソシストやゴッドファーザーなどの老けメイクなどの仕事は伝説となっています。
 しかも、この方は、自分が開発した技術をすべてオープンにして後輩の育成に努めたという立派な方なのです。
 この恩師ディック・スミスの80歳の誕生日に、実物大の2倍のサイズの顔の彫刻を作って、サプライズイベントにしたそうです。
 その彫像と本人が並んでいる写真を私は雑誌で観たことがあったのです。
 その写真のインパクトは強烈で、製作者が弟子の日本人と聞いてさらに驚いたことがあります。その日本人が辻一弘さんでした。
 
 この本によると、この彫像を見たディック・スミスは、「なんと美しい」と涙を流して喜んだそうでして、あまりの出来の良さに、メイクアップのトレードショーに展示するや評判が評判を呼んで、いまや現代アートとして作品を生みだしているそうです。代表作が、リンカーン大統領、アンディ・ウォーホルやサルバドール・ダリなどだそうです。
 辻さんの人生は、日本に居るときから、ディック・スミスと文通して認められ、ハリウッドに呼ばれて、リック・ベーカーと一緒に仕事をしたという輝かしい経歴です。もちろん、英語もカタコトであり、朝から晩まで仕事して大変苦労したそうですが、その挑戦は本当に立派としか言いようがありません。こんな日本人も居るのだ。これからは、やっぱり、一度は海外生活を知っておくべきでしょうねえ。
 しかし、いまやCGの進歩でメイクアップの世界も厳しくなっているそうで、ディック・スミスもリック・ベーカーも引退し、辻さん自身、ハリウッドから離れたそうですが、今回のアカデミー賞は、主演のゲイリー・オールドマンのたっての願いを特別に引き受けた結果だそうです。
 
 ともあれ、この本は、そうした成功物語というよりは、エピローグの「夢を追いかける人に覚えていてほしいこと」の中で掲げられた人生訓のような言葉がかなり心を打ちます。当たり前のようですが、とってつけたものではなく、本当に実体験から生まれた言葉には重みがあります。伝記嫌いの私ですが、このエピローグに一番感動しました。「可能なら海外で1か月以上暮らすこと」などなど。
 いやあ、この本は買ってよかった(笑)。未読の方は、ディック・スミスの実物大の2倍の彫像の写真だけでもご覧ください。本人と並んでそっくりですから驚きますよ。しかも2倍の迫力は凄まじいです。実物はまだ凄いのでしょうねえ。まさしく現代アートです。日本のどこかの美術館で展示しないかなあ。待っています(笑)。

2018年8月19日 (日)

if もしも・・・

 1963年のイギリス映画「if もしも・・・」が初DVD化されました。この作品は、「時計じかけのオレンジ」で有名になったマルコム・マクダウェルの初主演であり、、監督リンゼイ・アンダーソンは後にブリティッシュ・ニューシネマの旗手と高い評価を受けることになる俊英です。そして、なにより1969年のカンヌ国際映画祭のパルム・ドール賞を受賞した傑作です。
 なお、スタンリー・キューブリックは、この作品を見て、マクダウェルを時計仕掛けの主演に抜擢したそうです。
If  封切りを観た記憶では、ラストの”もしも・・”は別にしても、内容が当時としてはかなり衝撃的でして、英国の名門の子弟のみが学ぶ伝統的なパブリック・スクールの本質を見事に抉り出したものです。 
 厳格な規律の寄宿舎で、エリートたちの教育制度の矛盾、特に、監督上級生たちの傲慢・横暴ぶり、鬱積するセックスやホモセクショナル等を踏まえ、閉塞感の中で怒れる若者を真正面から描いています。伝統的なマントを羽織った教師たちもふくめて、歴史ある英国という階層社会の縮図なのでしょう。
 いまも、数々なシーンが断片的にですが記憶に刷り込まれています。学生たちの寝場所、勉強部屋、遊戯室等のいかにも英国風というたたずまい、トイレの苛め、教鞭での体罰など、忘れられませんでした。
 今回、やっと、約48年ぶりに再見できたのですが、どうも、体力的にも精神的(若さ)にもついていけません(笑)。途中何度か中断してしまいました。頭は欲しているのに、胃が受付ないような・・・。やはり、映画は、内容によって見る時期(年代)があるものだと改めて思いました。・・若い時に見ておいて本当によかった(笑)。
 
 なんとか観終わって思うところは、長い歳月を経ても扱うテーマが不変であり、世の中が一層深刻化しているせいか、この作品がまさしく名作であることには異論はありません。
 しかし、しばらく見ないでしょうねえ。疲れました(笑)。
 それにしても、再見するまで、この作品はモノクロとばかり思いこんでいましたが、実はカラーとモノクロ・シーンが交互に描かれるのです。古典的な7つの章構成の上ドキュメンタリータッチでありながら、意味深な映像と意表をつく展開、そして英国文化独特の”毒”のある魅力が味わえるなかなか手が込んだ作品です。
 未見の方には是非一度ご覧になることをお勧めする逸品です。

2018年8月17日 (金)

ビリケン商会のレッドキング(後編)

 「ビリケン商会」のレッドキングのキットの素晴らしさは、その体の厚みを見事に造形化しているところです。他のメーカーのフィギュアはなんとなく貧素なのです。
 実際、デザインした成田氏自身の造形も痩せすぎです。やはりこのキットの太さが高山造形の力強さをうまく表現している、その点を高く評価したいと思います。
 一方で、そのキットの太さゆえに材料がソフトビニールでは、経年による変形、太い足やしっぽはともかく、丸い胴体がへこむことが危惧されます。
 しかし、レジンを注入すると、量も重さもとんでもないことになります。
Img_29091  そこで、かねてからの秘密兵器、発泡ウレタンを初めて試しました。目論見としては、注入したウレタンが尻尾や手足の隅々まで膨らみ、硬化するはずでしたが、発泡ウレタン缶の購入後、未使用の期間が長すぎたのか、うまく膨らみません。結局、写真のようにほぼ胴体部分のみを埋める結果となりました。これは今後の研究課題です。
 Img_29341_2 そして、懸案の塗装方法ですが、前の失敗を考え、かなり悩みました。
 とりあえず下処理後、説明書の通り、全身を金色(ゴールド)のラッカー塗料で塗った上で、体表の輪っかの縁取りをフラットベースとブルーの混色でエアブラシ塗装しました。これは結構しんどい作業です。なにしろ、体表の輪っかは、大小数がかなりあります。しかも、私のエアブラシは細かな線を苦手としている気まぐれ器具で、案の定、なかなかうまく稼働してくれません。
Img_29561   その結果が次の写真です。結構な派手さです。
 次に、同じく、ラッカー塗料の薄いイエローとフラットベースの混色を輪っかにエアブラシしました。ゴールド色を薄めた色合いになったのですが、今度は、逆に、ブルーの枠取りが消えてしまいましたし、ゴールドの風味もなくなりました。
 そのため、再度、最後の仕上げとして、輪っかの縁取りの縦じまだけをエナメル塗料のブルーとフラットベースの混色で筆塗りし、さらに、シンナーで輪っか部分をふき取ります。この作業も縦縞が思った以上に多くあってしんどい作業でしたねえ。
 Img_29851 仕上げは、エナメル塗料で目や口と歯を描き、顔の皺を縦じまブルー色でお化粧しました。
 
 Img_29881 以上で、やや色のばらつきがありますが、なんとか、当初の思い描いた”青いレッドキング”のイメージができたような気がしました。
 しかし、作業の手間を考えると、もう二度と作りたくない作品ですねえ。
Img_29891しばらく、休養です(笑)。 Img_29921Img_29911

ビリケン商会のレッドキング(前編)

  今回は、ビリケン商会のレッドキングの模型作りのお話です。
  レッドキングは皆さんご存知ですよねえ。「ウルトラマン」を代表する有名な怪獣ですが、そのユニークなデザインでもなかなか評価が高いのです。
 どっしりした太い手足、頭部に行くほど小さくなっている遠近法を体現したスタイル。小さな頭部は猿の様な顔に黒目の可愛い目が付いています。しかも、タイヤのような輪っかをつないだかのごとき体表は、自然の生物界には決して存在しません。
 まさしく、成田デザインの”ウルトラ怪獣”としてのユニークなデザインを誇っています。このへんは、怪獣デザインを論じた小林普一郎氏の「バルタン星人はなぜ美しいかー新形態学的怪獣論」をお読みください。面白い見解がたくさん載っています。
Img_28981  さて、このレッドキングのキットは、以前、一度製作したことがありますが、そのときの悲惨な出来がトラウマになっています。塗装に失敗したのです。
 とにかく、最初に怪獣島に登場した初代のレッドキングは色が難しいのです。再登場の時は、全身を金色に塗られていました。
 
 余談ですが、私は「ウルトラQ」や「ウルトラマン」のテレビ放送をリアルタイムでは見ていません。当時は、私の住む地域ではTBS系のテレビ放映が無かったのです。田舎では、今も昔も情報の地域格差は変わりません。情けなかったですねえ。
 そのため、当時の私の唯一の情報源が少年マガジンなどの巻頭の特集記事だったのです。結局のところ、現在、私に残っているウルトラの時代の記憶や思い出とは、TV映像ではなく、少年誌の巻頭を飾った1枚のカラーグラビア写真かもしれません。
 そういうことで、私の記憶での初代レッドキングのイメージは、当時の少年誌に掲載されたカラー写真であり、その姿は、”レッド”キングという名前には全く似つかわしきない白地に青の体表の青白い怪獣だったのです。
 もっとも、先日、DVDを見直すと、体表は黄色地に青色の縁取りですねえ。もっとも、映像ではウルトラマンとの格闘などによる土ほこりで全身が汚れており、はっきり判別できません。写真では着ぐるみもきれいですから、多分、撮影前の宣伝用に撮影された画像だったのでしょう。
 それにしても、今、改めて映像を再見してみると、記憶と現実のギャップに悲しくなります(笑)。・・・少年誌の特集に騙された?いや、名編集者の大伴昌司に化かされたのです(笑い)。
 
 さて、繰り言はここまでにして、今回は、私の記憶にある美化された、まさに”青い”レッドキングを目指します。
 
 今回は、購入した中古キットを紹介するだけにとどめ、続きは後篇に譲ります。以下、こうご期待。

ビリケン商会のラゴン(後編)

 さて、お待たせしました(笑)。「ビリケン商会」のラゴンの後編です。
 前篇では、ビリケン商会のキットがなかなか入手できず、とりあえず、「ウェーブ」というメーカーのキットづくりまでを紹介しました。
 そのビリケン商会のキットをやっと入手したのですが、残念ながら、「彩色済」バージョンなのです。つまり、製品としてキットの部品を塗装しているタイプです。(未彩色版のキットはないのかな?)
 とりあえず組み立ててみました。
Img_29171  キットの部品数は、ウエーブ製より、かなり多くあります。どうやら、ヒレを逐一接着することで立体感を出そうとしています。
 仮組立てしてみると、なんとなく不格好です。頭がでっかちで、手足は手袋と足袋のように分かれており、ジッパーの様な溝まで刻まれています。
Img_30041  ビリケン商会らしくない不細工な造形だと思っていましたが、突然、作者の意図に思い当たりました。どうやら、このキットは、実際の撮影用の着ぐるみを正確に再現したキットなのです。そのために、手足のジッパーまで作りこんでいるのです。着ぐるみは演じる人間の頭部が首のエラの部分にあり、その上の作り物の頭部には、口や目玉を動かす機械が仕込まれいるので、横から見ると意外にでかいのです。
 ただし、エラ部分は、着ぐるみのふさふさしたエラと比べて単純化されているのは、キット量産の製法ではやむ得ないところなのでしょう。
Img_29271  しかし、それにしても、手足が短いと思っていたのは、このラゴンは、多分、「ウルトラマン」に再登場した奴なのでしょう。実は「ウルトラQ」のラゴンは、古谷敏という俳優が演じていました。古谷さんは、その八頭身ともいわれるスタイルを買われてウルトラマンの中身に抜擢されてしまい、ウルトラマンと戦うラゴンには、普通の日本人体型の人が入っていたのでしょう。 手足は短くなりますわねえ(笑)。ちなみに、私がウルトラセブンを買わないのは、同じ理由です(笑)。
 まあ、そういう事情は別にして、こうした着ぐるみに忠実な再現キットは、私大いに賛同します。さすがビリケン商会のキットです。一味違います。
 Img_29531 さて、組み立て等はほぼ同じ工程です。ただ、キットパーツの継ぎ目には詰め物をして、さらには、大量のフラットベースを混ぜたルマングリーンにつや消しブラックを一滴一滴混ぜ合わせて調整し、既に色付けされた体色と一体化しました。
 また、濃淡が無かった鰓や鰭部分には、フラットベースとイエローの混合色を筆塗りして完成です。
 
 Img_30031 完成品もやっぱり不格好(特に、頭部の裏面)ですが、着ぐるみの再現と思えば、これもありですよねえ(笑)。Img_30061
 

ビリケン商会のラゴン(前編)

 先般、懐かしのTV映画ウルトラQに登場した「ガラモン」の模型を製作したことは、以前、このブログでもご紹介(2018.5.30ブログ参照)したところです。
 そのソフビキットの模型はビリケン商会というメーカーで、ハマ・ハヤオという造型名人をメインにこれまでなかなか素晴らしいキットを数々販売していましたし、実際作ってみてその作り心地の良さに改めて感心し、模型作りにハマってしまいました。
 こうなれば、今のところ特にやることもなく、時間はたっぷりあるのですから、とことん童心に戻って怪獣の塗り絵をしようと思い立ったのですが、いかんせん、ビリケン商会の商品は最近リアルなものからブルキなどのおもちゃ系に主流が移っているようで、肝心のお目当てのキットはほとんど絶版の状態です。オークションでも結構なプレミアがついています。・・・困ったものです。
Img_29931_2  そうした中で対象に選んだのが、「ガラモン」に続いてウルトラQの「ラゴン」です。いわば和製の半魚人です。
 ちなみに懐かしのウルトラQと初代ウルトラマンの時代の怪獣の多くは、デザインが成田亨、造形が高山良策という天才コンビが作り上げたもので、その造型の素晴らしさは”ウルトラ怪獣”と称され、追随を許しません。アカデミー賞監督のギレルモ・デル・トロもお好きなようで、「パシフィック・リム」のKAIJUのデザインは、それを目指したようです。結局、メキシコ調になって全然違うものになりましたが(笑)。
 
Img_28111  もっとも、当初、ビリケン商会製が入手できなかったので、まず、「ウェーブ」製のフィギュアを製作することにしました。
 このモデルキットは映像の着ぐるみをうまくスタイリッシュにシンプル化したデザインで、その細長い手足ややや斜めになった姿勢など、実に手際よく処理しています。フィギュア化のお手本と言った感じです。
Img_28611 製作自体は、下半身に経年の変形を防ぐためのレジン液の注入です。二本足には欠かせません。個人的には、ここが一番の難所です。 
Img_28681_3  次に、塗装は第一段階で全身をつや消しブラックでぬりつぶします。そのうえに、フラットベースを大量に混ぜた明るいルマングリーンを塗布し、さらに、ヒレ部分だけをホワイトで筆塗りし、再度グリーンをエアで吹きます。
 Img_28811_2 こうして、体色に濃淡を付けて、仕上げに、口や目などの顔をエナメル塗料で仕上げます。
 
 完成した姿が、最初の写真です。少し、前段のお話が長くなりました。
 肝心のビリケン商会のキットのお話はまた次回ということで、お楽しみに(笑)。
 
 

シーラカンス(大)

 ほぼ一か月前(7月27日)に61cmの大型サイズのシーラカンスの模型が我が家にやってきました。同じメーカー(fish craft REALさん)の38cmサイズは従前から持っている(2012.1.22ブログ参照)のですが、サイズがサイズですので、置き場所に苦慮するあまり、購入するのをためらっていました。
 今回、部屋の意外な空間にとりあえずの居場所を確保することにして、思い切って購入しました。
 実物は、思っていた以上に大きく迫力があります。何より、頭部や胴体の横幅の厚みが古生代から生き残ってる生物の生命力の強さを感じさせてくれます。
 
 では、ご覧ください。
 なお、コレが何の上に鎮座しているかは聞かないでください(笑)。
 Img_30191この模型は中空になっており、見た目以上に軽いおかげでなんとか陳列していますが・・・Img_30172
・・・嗚呼、地震が怖い(笑)。

2018年8月 5日 (日)

ミッション・インポッシブル/フォールアウト 

 ご存知、トム・クルーズ主演スパイアクションシリーズの最新作「ミッション・インポッシブル/フォールアウト」を観て来ました。
_new  この映画は、何故か、主演のトム・クルーズ自身が演じた危険なスタントにより骨折したとか、ヘリコプターを実際運転したとか、主演俳優の頑張り・熱演(?)ばかりを前面に出して宣伝しています。
 本来、映画とは暗闇の銀幕の中で、現実にはあり得ない幻想や夢を観客に見せて魅せるものです。撮影の裏話を表に出してどうするのか。まったく、他にPRする箇所が無いのか、そんな気にもなりました。
 そのストーリーは、いきなり冒頭でミッションに失敗した主人公ハントのチームが汚名挽回のためのアクロバット的な必死の作戦行動を重ねていくのですが、結局は、前作で逮捕された悪の組織のボスのハントに対する復讐譚だったのです。
 トム・クルーズの体を張ったアクション・シーンは、目が回りそうなほど迫力満点ですし、最新DC映画でスーパーマンを演じる役者がその悪人顔を活かして強面の敵役を演じたり、前作の美人エージェントや第3作で登場した元奥さんも登場するのですが、原爆のテロリズムが、結局、ボスの個人的な恨みというのでは、世界を滅ぼす悪の大義(?)が薄まってしまいます。なんとも尻すぼみにせこい話になって、解決しても全くスカッとしません。
 加えて、ハント以外のチームのメンバーがあまりにだらしない。人手不足なのか、とても現場の凄腕エージェントのチームとは思えません。しかも、なんということでしょう、第1作に引き続き、また、ボスが死んでしまいます。そのストーリー上の意味が全く不可解です。単に、俳優が役を降りたのでしょうか(笑)。
 結論から言えば、この映画は、宣伝文句のとおり、主演トム・クルーズが体を張ったスタントを楽しむ作品ということでした。いやはや、おみそれいたしましたネ(笑)。

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