アノマロカリス(その2)
NHKの特集は、時々とんでもない現象を引き起こします。かつて、昭和50年代、誰も知らなかった高知県の西部に流れる四万十川は、たった一晩の「最後の清流」という特集番組で、一躍全国の有名な河川の一つになりました。その影響は、清流ブームとなって観光客の増加にとどまらず、建設省の正式名称だった「渡川」を変更する事態にまで発展しました。
そして1994年5月29日に放送されたNHk特集「生命」の第2集では、古生代の古生物”アノマロカリス”を一躍古生物界のスターにしました。
当時は、まだ、ほとんどの人がこのユニークな古生物を知らなかったと思います。学術的にも長い間、その正体が謎とされてきた生物だったのです。もともと化石自体がバラバラで、触手がエビ、口がウニの類のように別々の生物と思われていたようです。
このカンブリア紀の最大級のサイズを有する生物の全身の姿が明らかになったのもそれほど前ではなかったようです。NHKの放送では、全身ロボット模型をつかって、遊泳シーンの再現までしたのです。多分、当時の最新の研究成果を放映したのでしょうが、そのインパクトは、ユニークな姿と相まって非常に大きかったと思います。
実は、こんなブログを書こうと思ったのは、夏休みは恐竜・古生物が最も注目される季節なのです。この時期は、子供たちが各地の博物館に出かけ、図鑑などで恐竜を調べます。その需要を見込んで、新たな書物も様々出版されます。
最近は、気のせいか、恐竜よりもそれ以前の三葉虫や節足動物などの恐竜以外の古生物が話題になります。研究の進んだおかげで、様々な異形の生物が次々と発見されていますし、まあ、羽毛のある恐竜よりは、甲殻類などのほうが随分と魅力的なせいなのでしょう。・・・冗談です(笑)。
ただし、その親戚筋では、羽毛というか長い毛の防寒着に身を包んだ、なんとも醜く情けない大型恐竜たちが大手を振って歩き始めています。
早晩、恐竜は、こどもたちの畏敬と興味を失うことでしょう。正直、本当に心配しています(笑)。
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