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2018年7月27日 (金)

ブリーチ

 映画「ブリーチ」の評価が低いので、いかがなものかと危惧していましたが、結構楽しめました。どうやら、原作漫画のファン達が”死神ルキア”のイメージが違うというので、評価点数が芳しくないようです。 
 いつものことですが、原作と映画は異なるものです。できた映画自体を評価してもらいたいものですねえ。
_new  今回は、漫画原作モノに定評がある佐藤伸介監督でしたので、監督を信じて劇場に足を運んで正解でした。
 佐藤監督は、漫画「ガンツ」や「アイ・アム・ア・ヒーロー」の映画化が代表作ですが、架空世界にリアルな視点とハリウッド並のアクションを持ち込み、日本のSF映画やゾンビ映画に新たな世界を開拓しました。
 残念ながら、前作の「いぬやしき」は未見ですが、今回も、そのCGを最大限活用したセンスとビジュアルに大いに満足しました。これまでの和製の実写SF映画には感じられない、一見スケールが大きいように見える(笑)ところが気に入っています。
 しかも、個人的には「キングコング」で知った”MIYAVI”の出演に興味があったほか、あの馬鹿げた巨大な青龍刀の様な刀の殺陣を見たかったということもありました。なにしろ今回のアクション監督が「GANT」の殺陣を担当したそうですので結構期待していました。
 結果は、毎度毎度期待を超える映像ではなかったものの、一定の水準を確保したのはさすがです。しかし、ラストは、何故、主人公は死なないのですかねえ。・・・原作の設定にあるのかな?
 ついでに言えば、江口洋介と長澤まさみは何故この映画に出演したのでしょう、これが最大の疑問になりました(笑)。・・・役不足ですよねえ。
 もう一つ、余談ですが、タイトルの「ブリーチ」の意味には笑いました。死神=黒を際立たせるための白(ブリーチ)だそうです。・・・原作者のセンスに感心しました。
 
 最後に、皆さん、やっぱり映画は他人の感想に惑わされることなく、自分の勘(笑)に従って劇場に足を運びましょう。どんな映画でも、大きなスクリーンには居間のテレビでは感じることができない、へんてこりんな感動があります。以上、教訓でした(笑)。 

2018年7月25日 (水)

アノマロカリス(その2)

 NHKの特集は、時々とんでもない現象を引き起こします。かつて、昭和50年代、誰も知らなかった高知県の西部に流れる四万十川は、たった一晩の「最後の清流」という特集番組で、一躍全国の有名な河川の一つになりました。その影響は、清流ブームとなって観光客の増加にとどまらず、建設省の正式名称だった「渡川」を変更する事態にまで発展しました。
 そして1994年5月29日に放送されたNHk特集「生命」の第2集では、古生代の古生物”アノマロカリス”を一躍古生物界のスターにしました。
 当時は、まだ、ほとんどの人がこのユニークな古生物を知らなかったと思います。学術的にも長い間、その正体が謎とされてきた生物だったのです。もともと化石自体がバラバラで、触手がエビ、口がウニの類のように別々の生物と思われていたようです。
 
 このカンブリア紀の最大級のサイズを有する生物の全身の姿が明らかになったのもそれほど前ではなかったようです。NHKの放送では、全身ロボット模型をつかって、遊泳シーンの再現までしたのです。多分、当時の最新の研究成果を放映したのでしょうが、そのインパクトは、ユニークな姿と相まって非常に大きかったと思います。
Img_2793  おかげで、いまでは最も有名な古生代の生物となり、そのぬいぐるみまで発売されている状況です。当ブログでも2回目の登場です。本当に驚きです。
 なお、写真は、当時発売されていた、サイズが50cm弱はあろうかというビッグサイズのフィギュアです。これもなかなかインパクトがあります(笑)。Img_2796 裏側もあわせてどうぞ。
 
 実は、こんなブログを書こうと思ったのは、夏休みは恐竜・古生物が最も注目される季節なのです。この時期は、子供たちが各地の博物館に出かけ、図鑑などで恐竜を調べます。その需要を見込んで、新たな書物も様々出版されます。
61tjd6ofol_sy361_bo1204203200_  最近は、気のせいか、恐竜よりもそれ以前の三葉虫や節足動物などの恐竜以外の古生物が話題になります。研究の進んだおかげで、様々な異形の生物が次々と発見されていますし、まあ、羽毛のある恐竜よりは、甲殻類などのほうが随分と魅力的なせいなのでしょう。・・・冗談です(笑)。
61vtfqhfyl_sx392_bo1204203200_ ちなみに、最新刊「羽毛恐竜と巨大昆虫」の中でも、今のところ「ティラノサウルス・レックスに羽毛のあった痕跡はない」という結論が示されています。
 ただし、その親戚筋では、羽毛というか長い毛の防寒着に身を包んだ、なんとも醜く情けない大型恐竜たちが大手を振って歩き始めています。
 早晩、恐竜は、こどもたちの畏敬と興味を失うことでしょう。正直、本当に心配しています(笑)。  

2018年7月17日 (火)

ジュラシック・ワールド 炎の王国

 コンピュータ・グラフィック(CG)技術により、ストップ・モーションによる恐竜映画を絶滅させた「ジュラシック・パーク」は、私にとって特別の作品でした。
 公開当時、あまりの恐竜のリアルさに衝撃をうけて、映画館で友人と2回見た記憶があります。
 しかし、新シリーズ「ジュラシック・ワールド」になり、CG技術はますます進歩し、恐竜は何の違和感もなく無数に登場しますが、逆に感動は薄れ、全く普通の作品になってしまいました。
_new  とはいっても、今回は、副題が「炎の王国」であり、何故か、火山の噴火(火山島とは知らなかった!)が始まり、恐竜を絶滅から救おうというストーリーに期待していました。恐竜絶滅の歴史の再現です。案外、うまい視点ではないかなどと勝手に想像し、期待していました。
 でも、やっぱり、スピルバーグ監督でないとイケマセン。お馴染みの遺伝子泥棒が暗躍し、再び新しいハイブリッド恐竜を創造し、あまつさえ既に捕えた恐竜のオークションが見せ場ですから、なんとも盛り上がりません。ラプトルの”ブルー”以外の様々な恐竜を捕獲するアクションシーンが皆無なのです。
 映画の醍醐味を忘れている製作陣です。わずかに、ブラキオサウルスの最後が心を惹かれるぐらいです。
 加えて、第1作目のラストへのオマージュか、主人公を襲う恐竜を、唐突にティラノサウルスが画面の横から喰ってしまうという演出は、ご都合主義の何のスリルも感じることができず、せめて、なんらかの布石を仕掛けて欲しいものです。単なるショックだけの演出では興ざめです。しかも、あの少女の顛末など、本当に蛇足ですし、ラストも全く気に入りません。
 以上、普通の作品のご紹介でした。でも、恐竜好きの方にはお薦めします。まだ、羽毛のある恐竜は登場しませんので、ご安心ください。
 逆に、あの新しいハイブリット恐竜が羽毛恐竜なら面白かった、と思うのは、私だけでしょうか(笑)。

2018年7月12日 (木)

パンク侍、斬られて候

 「いやはや、絶句して候」というのが、映画「パンク侍、斬られて候」の正直な感想です。といっても、全然面白くなかったわけでもないのですが、物語の文字通りのとんでもない奇想天外な結末に唖然としているのです。
 もちろん、パンクと侍をくっつけたタイトルからして、時代考証やセリフ回し等を無視した時代劇という認識はありましたが、最後はSF映画か・・・。いや、サイエンスは全くありませんし、あの天まで飛んでるシュールなラストは何?、訳が分かりません。
 
_new  物語はやや奇抜ではあるものの、それなりに傾奇者ともいえそうな衣装の綾野剛扮する主人公の登場やいきなりの惨劇も「大菩薩峠」のパロディかなどと思わす至極まっとうな時代劇風での始まりにはおおきな期待を持ったのです。
 しかも、登場人物の行動や心理状態を逐一説明する、御ふざけ現代語ナレーションも、いかにもクドカン脚本らしいと感心していました。
 特に、前半は、正論しか言わない殿様をはじめ、現代の会社にも居そうな出世争いの家老や藩士たちの人物設定や風刺のきいたセリフに思わず吹き出すことが何度かありました。とにかく、むちゃくちゃな登場人物を東出昌大、豊川悦司、國村隼治、染谷将太など名のある俳優たちがカリカチュアされた人間像を結構本気で演じています(笑)。ただ、北川景子が演じる娘はやたら現実っぽく浮いて見えましたなあ。
 しかし、豊川扮する家老がやらせで仕組んだ「腹ふり党」騒動が思いもよらぬ展開をみせる後半から、一気に、摩訶不思議な世界に突入します。
 まず、浅野忠信扮する教祖はその狂気の扮装や演技が凄すぎて笑えません。さらに超能力者や人語を話す猿の登場に加えて、急増する腹ふり党の信者たちの狂乱ぶり(特に、染谷は完全に入っちゃっています。)も、何故か現実の姿とかぶって全く笑えません。それどころか、怖くなるほどです。
 そして、ラストは・・・・わけわかりません。本当に魔訶不思議な内容の映画でした。
 
 なお、この映画には信じられないことに原作小説があるようで、それを読めばラストの意味がわかるのかなあ?
 しばらく、悩みそうです(笑)。
 

2018年7月 9日 (月)

黄色いリボン(北米ブルーレイ版)

 ブルーレイ作品もメーカーによってその画質はかなり差があるようです。ジョン・フォードの「駅馬車」と「荒野の決闘」の鮮明な画質に味をしめ、カラー作品の「黄色いリボン」の国内盤ブルーレイを購入しようと思ったのですが、アマゾンの購入者の皆さんのレビュアーを見て気が変わりました。
 1949年製作のこの作品については、私と同じように、これまで発売されたDVDなどの画質の悪さにほとほと愛想をつかしている印象です。
 大体、テレビ放映から、VHS、レーザーディスク、DVD、さらにはニューマスター版と称するDVDまで、もともと古い映画ですから、退色に加え、傷や埃の映り込みやフィルムの粒子の粗さが目立ち、暗く滲んだような映像は、とても鑑賞に堪えません。
 そして、国内メーカーから発売されたブルーレイもどうやら、あまり芳しいものではないようです。
618hzr2lppl  一方、北米版のブルーレイはレストア等がなされ、実に素晴らしい映像という意見があり、今回は、北米版の輸入盤を購入しました。よくしたもので、アマゾンには海外輸入盤を販売する業者も参加しています。直接輸入する場合より、若干高めですが、それでも国内盤と同価格です。
 もちろん北米輸入盤ですから字幕はありませんが、当
時、アカデミー賞の撮影賞をとったオリジナルの映像をどうしても見たかったのです。字幕は、DVDを見て大体判っています。
 さて、その結果といえば、もう目も覚めるような鮮やかな、いわゆるテクニカラーの映像です。お馴染みの有名な西部の岩山”モニュメント・バレー”があんなに赤味がかかっているとは思いませんでした。西部の大空も、さまざまな雲がたなびいています。撮影には、だいぶお天気待ちをしたような気がします。しかも騎兵隊の軍服の色まで違って見えます。
 こうなると、まったく異なる作品です。原題も「彼女は黄色いリボンを付けていた」(笑)。是非、一度ご覧ください。感動します。
2  それにしても、どうして国内版では、このクオリティが確保できないのか、不思議でなりません。映像作品は、昔と違って、4Kの時代で、「安かろう、悪かろう」では、もうユーザーを騙せないと思うのですが、いかがでしょうか。
 そういえば、以前、このブログで書きましたが、黒澤明監督作品も、あちらの盤の画質は国内盤より良いようですねえ。・・・一体、何の違いでしょう。
 なお、補足的に付け加えると、輸入盤でもすべての製品の画像が良いわけではありません。字幕の必要がない(笑)「恐竜100万年」のブルーレイを輸入(送料350円)しましたが、画質は粒子が荒く、期待した状態ではありません、残念無念。
 

2018年7月 4日 (水)

ハン・ソロ

 スター・ウォーズのスピン・オフ映画「ハン・ソロ」を観て来ました。ご存知、ハリソン・フォードが演じたアウトローのハン・ソロの若き日を描いた物語です。
 どんな破天荒な過去があったのか、血湧き肉躍るアクション物語を期待していたのですが、どうも全く予想外の陰鬱で夢のない悪漢ストーリーでした。
_new  まず、作品全体の雰囲気が、いまのアメリカの先の見えない世相の雰囲気をそのままリアルに反映させたような絵づくりであり、スター・ウォーズ第1作目の、ワクワクするような、はるか昔のはるか彼方の世界観でありません。
 最高の特殊技術を使って、子供だけでなく大人も含めて誰もが楽しめるSF映画を作ろうとしたルーカス監督の初志は全く感じられません。一体全体、SWはどこに向かっているのでしょうねえ。
 とにかく、CG技術は文句なく凄いのですが、お話が酷すぎます。
 こうしたヒーローものでは、逆境を乗り越え、若者は成長することが求められますし、未熟な主人公でも、何があってもある一線は超えてはなりません。
 今回のお話は、ダーク・ヒーローものとしても、大義のない強盗(?)をはじめ、主人公の運頼みの無鉄砲な行動や行き当たりばったりの人間性には全く共感できず、しかも最後には人としての道を踏み外します。救いようがありません。こんなハンソロの過去は見たくありません。こんな悪人しか登場しない映画が流行っているのかな?
 脚本などの製作陣は、なんとも考えなかったのでしょうか。本当に観たあとなんとなく気分がすぐれません。見て損をした気分です。
 聞けば、アメリカでの興行は振るわないそうですが、当たり前と思います。観客としては、せめてSW映画では、厳しい現実を離れてスカッとしたいのに、こんな情けない内容では入場料を返してほしくなります。しかもパンフレットはなんと大台の1000円でした。驚きあきれて、ますますSWから心が遠くなりました。

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