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2018年6月22日 (金)

駅馬車

 ブルーレイで古典を見直そう、というマイ・ブームでも、1939年製作のジョン・フォード監督の「駅馬車」を取り上げようとは思ってもいませんでした。
 というのも、名匠ジョン・フォード監督の作品の中では、ヘンリー・フォンダ主演の「荒野の決闘」派でして、ジョン・ウェインの出世作の「駅馬車」はあまり評価していませんでした。
 なにしろ古い作品ですから、原版が失われたとかで、私が観たTV放映の映像も、低価格のDVDの画質も、やたら暗くて見ずらいもので、とてもまっとうな評価ができる状態ではありません。ただ、できればきちんと鑑賞して観たいと思っていたことは事実です。
 ちなみに、「荒野の決闘」の方は、修復された版がDVDで発売され、”いとしのクレメンタイン”を堪能した覚えがあります。不朽の名作です。
91govkj3ewl_sx425_  さて、今回入手したのは、故ジョン・ウエインが個人所有していたフィルムを基にしたリマスター版のブルーレイの商品で、しかも比較的お手頃価格でした。良い時代になりました。
 
 再見してみると、世間様の批評のとおり、まさに名作。平たくザックリ言えば、人間を描いた活劇でした。改めて”西部劇の神様”に脱帽です。この作品が1939年に作られたのですから、黒澤明監督が、ジョン・フォードを尊敬するわけです。
 物語は、いまさら説明する必要もないのですが、たまたま一台の駅馬車に乗り合わせたた7人の乗客らのドラマです。夫を探しに行く貴婦人、インテリの賭博師、街を追放される娼婦と飲んだくれの老医師、気弱な酒のセールスマン、訳アリの頭取、そしてこの作品でスターになったジョン・ウエイン演じる脱獄したお尋ね者。さらに、おしゃべりな御者と護衛の保安官が加わります。
 
 この乗客たちの人間模様がなかなかシビアなのです。上流階級や金持ちの傲慢さ、自らの正義を強行する町の婦人会、差別される流れ者たちの悲哀と優しさなど、なかなか骨太の演出ですし、時代を超越する慧眼です。全く古びていません。ここが名作の名作たる所以でしょう。改めてじっくり観ると、その凄さがよくわかります。
 ただ、正直なところ、このあたりの”毒”が若い頃の私の好みに合わなかったのかもしれません。
 
 そして、西部劇お決まりのインディアン(※ここはこの表現でご容赦を)の襲撃です。馬車の馬から車輪の下に転落する伝説のシーンは、長回しで、命がけの一発勝負の様なアクションです。なんでもないような馬の転倒シーンも良く見ると凄い迫力です。いやはや改めて驚きます。本当に真っ当な画面の効果は素晴らしい(笑)。
 やっぱり、映画は監督やスタッフが命を削って作り上げた作品ですから、最高の状態で観ることが肝心ですねえ。安かろう、悪かろうの商売は、映画ファンの敵です。

 しかし、こうなると、公平を期するためにも「荒野の決闘」、さらにその他の名作のブルーレイを見たくなりました。調べてみると、ジョン・フォード監督関連では、もう一つのお気に入りの「静かなる男」のブルーレイが未だに日本で販売されていません。実は、アメリカでは既に販売されており、同じリージョンなのですから個人輸入もできるのですが、残念ながら日本語字幕が付いていないので、宝の持ち腐れになります。とにかく一日も早く日本での商品化を実現してほしいものです。
 加えて、日本の場合は、アメリカと比較すると価格が高すぎます。もっと、安くしてほしい、日本のメーカーの皆様にはこの点も是非よろしくご検討お願いします(笑)。
 
 

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