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2018年6月20日 (水)

悪魔のような女

 ブルーレイ(BD)の画像は本当に美しいと、改めて感心したのが、「続夕陽のガンマン」です。何度となく見ているはずの映画がまったく違うもののように思えるから不思議です。一世を風靡したマカロニ・ウエスタン風というか、顔や足のドアップから西部の風景にパンします。その悪漢風の面がまえがシミや毛穴まで写されたような精緻な映像なのです。そんないままで気にもしなかった部分まで情報として受け取るのですから、違う作品のように思えるのでしょう。
 というわけで、最近はもっぱら古典、名作をブルーレイで再見しています。”初ブルーレイ化”などという宣伝文句は、もはや殺し文句ですねえ。
919s3rgxull_sx425_  さて、今回は、サスペンスの古典中の古典とも言うべき、アンリ=ジョルジョ・クルーゾー監督の「悪魔のような女」です。映画ファンなら誰でも、その筋書きも当時驚嘆されたトリックも全部知っているような作品です。
 ただ、単純な私には生理的にあわないのか、昔からフランス映画を敬遠しているせいもあり、市販のDVDを持っているものの、あまりしっかり見ていませんでした。
 なにしろ1955年の製作作品ですので、古いフィルムの原板のせいか、DVDの映像の質が酷すぎるのです。VHSの時代なら赦されるのでしょうが、最近の作品で目の肥えた(慣れた?)人間には、とても我慢ができません。贅沢になりました(笑)。
 しかし、その作品が、昨年、初ブルーレイ化で発売されていたのです。しかも低価格でバーゲン中です。ただ、モノクロ映画作品の中にはDVD程度の画質のブルーレイもよくあるので、実際の映像を危惧していたのですが、全くの杞憂でした。公開当時の様な見事なシャシン(=昔の活動屋の言い方)に甦っていました。
 再見してみると、妻と愛人が共謀して夫を殺すという大筋を承知しているものの、細かなエピソードや光と影を使った演出の冴えには改めて感心しました。さすがです。
 夫を殺すまでの前半がいかにもフランス映画風で退屈なのですが、その死体が消え、変な探偵が登場してからが盛り上がります。サスペンス映画のお手本です。
 ただ、探偵の最後の行動は人道的に一寸解せませんが、まあ、自業自得なのでしょうかねえ。それにしても、まだコンタクトレンズなどない時代に、あの主演俳優の勇気は尊敬に値します。私は絶対嫌です(笑)。(その種明かしの場面は、是非ご覧ください。)
 余談ですが、この作品に味をしめ、フランス・サスペンス映画で、「太陽がいっぱい」の名匠ルネ・クレマンの「雨の訪問者」を観ました。これは初見ですが、安価ブルーレイの発売がないので、DVDで鑑賞です。
 こちらの作品は、なかなか骨のある女が主人公です。強面のチャールス・ブロンソンも翻弄されるわけです。フランス女は情がコワいですねえ、と改めて思いましたし、サスペンスとスリルはありますが、なんかスカッとしません。やっぱり、フランス映画の棘には心がささくれますねえ。

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