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2018年5月30日 (水)

ガラモン

 映画に関連する趣味としての模型作りも、時間に余裕ができると、何故かイマイチ製作意欲が湧かなくて、というより、「ミクロの決死圏」の潜水艇や「ターミネータ-2」のキラーマシン(タンク)などはその組立の部品数の多さに怖気ついている状況です。
 
Img_26592  こうした事態を打開すべく、とりあえず、部品数の少ない模型キットから挑戦することにしました。結果、やっぱり生物系ソフビキットになりましたが、TV映画「ウルトラQ」に登場するガラモンです。実は、このキットはビリケン商会の傑作ソフビ・フィギュアなのですが、身体中の無数の棘(といっても、わずか35パーツなのですけれども(笑))に恐れをなして放置したままになっていたものです。
 
 作業をはじめると、さすがにビリケン商会の模型で、名匠ハマ・ハヤオ師の作品だけに本当に映像を見事に切り取ったような造形ですし、27cm程度のやや小ぶりなサイズですが、何といっても、ユーザーにとって実に組み立てしやすい造りになっているのが素晴らしい。改めてその手腕に感心します。
Img_27032  さて、今回、さらに驚いたのが、彩色の手順です。設計書に丁寧な塗装の手順が記載されており、そのとおりに塗装したところ、予想以上の効果がありました。特に、赤い背中や頭部について、下地のベースをつや消しブラックで塗装した上で、シャインレッドと少量のカッパー、さらに多量のフラットベースを調合した塗料を上塗りするという指図が見事に決まりました。いやあ、さすがプロの色彩設計は違います。 
 なかなか、勉強になりました。
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2018年5月24日 (木)

ランペイジ 巨獣大乱闘

  いやはや、最近のハリウッド映画界の怪獣映画ブームは、どうしたことでしょう。我らが誇る日本のスター、ゴジラの本格デビューもそうですが、「パシフィック・リム」をはじめ、新作「キングコング:髑髏島の巨神」、さらには、アン・ハサウェイが韓国の怪獣にシンクロする、ズバリ「シンクロナイズドモンスター」というとっても変な映画(DVDで観ました!!)まで登場します。
 もちろん、「レディ・プレイヤー1」には、キングコングやメカゴジラまでゲスト出演するので、このところ、怪獣映画のハリウッド黄金時代かもしれません。
_new_2  そして、今回は、「ランペイジ 巨獣大乱闘」です。
 主演は、これも毎度お見掛けする、ロック様ことドウェイン・ジョンソンです。
 登場する巨獣(怪獣と言わないところが好感(笑))は、白い巨大ゴリラのジョージ、つまり、元祖キングコングの続編「コングの息子」と同じですし、第3弾のレイ・ハリーハウゼンがアニメーションを手伝った古典「ジョー・ヤング」に登場する心優しいゴリラのジョーの性格まで有しています。ネイミングもあやかっていそうです。しかも、人間と手話で話ができ、あろうことか下手な冗談まで言うのですから、なかなか上手い設定です。
 さて、この作品でランペイジ(暴れまわる)のは、遺伝子操作ウイルスを誤って浴びて、凶暴・巨大化した、このジョージと、狼、さらにはワニの3頭です。
 シカゴの街をこの巨獣が破壊する映像は、そのリアルさや迫力は申し分ないのですが、何故か、あっけからんで、軽い感じがします。何故でしょうねえ、やはりサウンドのせいかな?ともかく往年の怪獣映画ファンにとっては、どうも重々しさが感じられませんし、心にあの高揚感が生じません。
 しかも、ジョージ以外の2頭は、何故か、キメラ化しており、狼は、ムササビのように手足の被膜で空中を滑空し、尻尾からハリネズミの針を飛ばします。最も巨大化したワニは、まるで幼稚園児が絵に書くような、体に無数の棘や牙、さらにはエラまでついた最悪のデザインです。その姿は、かつて「紀元前百万年」で本物のトカゲやワニに作り物の棘やエラを付けた”恐竜”です。いやはや、もう少し工夫がほしいところです。
 見せ場としては、この3頭がシカゴの街やビルの破壊シーンですが、解毒剤を浴びたジョージが外の2頭の巨獣と戦う場面には、なんともあっけに取られました。
 なにしろ、主人公のドウェインがジョージと一緒に巨獣と戦うのです。豆粒の様な生身の人間が怪獣の間に入って、崩れるビルの瓦礫などには一切お構いなく、手あたり次第、ミサイルや手りゅう弾で巨獣を攻撃するのですから凄い(笑)。いくら特殊部隊出身という設定にしても、もはや人間を超えたスーパーマンです。まあ、アメコミの「アベンジャーズ」と思えばいいか(笑)。冒頭に登場する一見凄腕風の民間傭兵隊長があっけなかっただけによけい驚愕でしたが、まあ、ロック様の映画ですから、当たり前か。
 それにしても、こうしたお気楽な怪獣映画は、中国の巨大なマーケットがターゲットなのでしょうねえ。そういえば、新作「パシフィック・リム」は、前作同様、アメリカではこけたようですが、中国で大ヒットらしいです。こういう度派手な映画が中国人の好みに合うようですなあ。
 こうなれば、ゴジラ、キングギドラ、モスラ、ラドンなどの我が国が生んだ東宝怪獣の真打登場が待ち遠しいものです(笑)。_new

2018年5月16日 (水)

蟻地獄作戦

 以前、このブログで書いたことがありますが、子供のころに観た東宝の怪獣映画「モスラ対ゴジラ」のパンフレットを後年再入手した際、併映が「蟻地獄作戦」と記されていたことに驚いたことがあります。「若大将」シリーズだけじゃなかったんだ(笑)。
 
_new  この「~作戦」というタイトルは、実は私のご贔屓の映画監督の一人、岡本喜八監督の「独立愚連隊」「独立愚連隊西へ」のヒットにあやかり生まれた、東宝戦争活劇のシリーズなのです。第1弾がもちろん岡本喜八監督の「どぶ鼠作戦」であり、その後、喜八監督以外の東宝お抱え監督によって「やま猫作戦」や「のら犬作戦」、そして「蟻地獄作戦」が製作されています。
 
 さすがに岡本喜八監督の「どぶ鼠作戦」は、二転三転する筋書きに、笑いとアクションが絶妙にブレンドされた、まさしく喜八節全開の戦争活劇でした。
 その後の「やま猫作戦」と「のら犬作戦」はVHSで見たことはありますが、さほど面白かったという記憶はありません。
 
 ただ、この「蟻地獄作戦」は、当時二本立て興行ですので、パンフレットにあるように併映なら必ず見たはずなのに、まったく記憶がありません。普通、なんらかのシーンの断片でも残っているのに、例えば「続忍びの者」の信長暗殺シーン等はトラウマにまでなった程ですが、この映画だけは全く何もありませんし、それどころか観たことも忘れていました。
 
 逆に言えば、こどもにとっては、あまり印象に残る作品ではなかったということなのでしょうが、主演は仲代達矢、おなじみの佐藤允、中丸忠雄、平田明彦などという喜八組の常連俳優が顔をそろえていますし、ストーリーも、北支最前線で八路軍に囲まれた橋を爆破する決死隊というのですから、やっぱり観たくなります。
 
 しかし、この作品はVHS化もなかったですし、もはやDVD化も期待できないだろうとほぼあきらめていたのですが、今回ひょんなことから既に2年も前の2016年5月にDVDで商品化されていたのを発見しました。
 そう、DVDや模型と本のセットを隔月販売するデアゴスティーニ・ジャパンの「東宝・新東宝戦争映画DVDコレクション」シリーズ全70巻の一つでした。
 この類のシリーズは、アマゾンでもDVD商品としては新発売予告に上がりませんし、本の分野でも、タイトルが判明するのは販売直前なので、ついつい見逃してしまいます。以前「東映時代劇DVDコレクション」でも失敗していました。反省、反省。
 
 さて、前説が長くなりましたが、今回の発見のおかげでやっと観ることができました。
 ・・・が、予想通り、喜八作品のようにはイケません。やっぱり、期待が大きすぎました。記憶の断片も甦りません。・・・ともかくも、今回見ることができたことを素直に感謝しましょう。ありがとうございました。 
 ちなみに、併せて「やま猫作戦」と「のら犬作戦」も購入し、再見したんですが、特にコメントはありません。以上です。

2018年5月 7日 (月)

タイムトンネル

  1967年頃NHKで放映されていたアメリカのTVシリーズ「タイムトンネル」をご存知だろうか。
 アリゾナの地下数千メートルに作られた秘密基地の時空間移動装置「タイムトンネル」の物語です。完成途中ながら、軍の予算打ち切りを防ごうと自ら実験台になった若き科学者トニーと、彼を助けようと救助に向かった科学者ダグの二人が次々と様々な時代に転送されていく内容です。
 
715k69mktl_sy500_  第1話は、タイタニック号の最後の日、毎回ゲスト俳優が登場し、マイケル・レニーが演じていた艦長の姿が記憶に残っています。あた、第3話の世界の終りでは、1910年のハレー彗星の接近で、地球に衝突するという誤った予測に怯える民衆たち、そのほか、1883年の噴火寸前のクラカタウ島、あるいは紀元前1200年のトロイア戦争のトロイの木馬、カスター将軍の最後、フランス革命後の恐怖政治、アラモの砦の最後の日と、これでもかと云う程、劇的な日に送り込まれます。まるで、タイムトンネルに意思があっての嫌がらせのようです(笑)。
 この時空を彷徨う二人を助けようとする基地の3人の俳優も印象的です。銀髪のカーク所長、再見すると結構癇癪持ちです。老練な頭髪が薄いスェイン博士、いつも慎重な意見を言うものの、最後は所長意見に従います。そして、私のお気に入りの美人アン博士です。このきりっとした容姿が子供のころに私の美人の基準になったかもしれません(笑)。この女優さんは、のちには、TVシリーズのバットマンのキャットウーマンの役を演じたらしい。なお、声優さんは友部美子さんというそうです。
 スタッフも凄い。製作は、こうしたSF冒険ものに定評のあるアーウィン・アレン、冒頭に流れる軽快な忘れられないテーマ曲は、なんと、若き日のジョン・ウィリアムズだそうです。「ジョーズ」でアカデミー作曲賞を獲った大御所です。
 ともかく、偶然にDVDBOXを購入して、再見したのですが、とにかく懐かしいの一言です。最近のことはすぐ忘れるのに、子どもの頃に観た記憶が断片的にですが、結構残っていることにも驚きました。
 ただ、内容的には、この二人、どの時代に行っても、何をすることなく話が終わりますし、若いトニーは、直ぐに殴り掛かり、話を混乱させます。同じ製作者の「宇宙家族ロビンソン」などと違って、ワンシーズンで終了したのも頷けます。しかし、私にとっては、やっぱり大事な記憶のタイムトンネルですねえ。
 それにしても、確か宇宙人なども登場するエピソードがある筈と思っていたら、それは、BOXの2巻目にあるそうで、こうなれば、なんとしても入手しなければなりませんが、絶版でプレミアが付いていつのことになるかわかりません(笑)。まあ、第1巻の15話、十分楽しめました。
71bftx8tal_sy500_  余談ですが、もうひとつDVDーBOXを入手しました。日本のアニメ草創期の「エイトマン」です。
 平井和正作、桑田次郎画のシリアスでスタイリッシュな漫画が大好きで、テレビ放送当時、丸美屋のふりかけのオマケのシールまで集めていたのですが、再見したところ、アニメ・シリーズは、子供だましのギャグとドタバタの惨憺たる内容です。いやはや、この作品を先日ご紹介した某雑誌のアニメベストテンに入れた選者にも驚きです。多分、歴史的な価値を云々したんでしょうねえ。

アニメ秘宝

 お馴染みの雑誌「映画秘宝」から別冊として、「アニメ秘宝」が発売され、オールタイム・ベスト・アニメーションという特集が掲載されています。いつもの新作に併せたジャンル紹介特集かと思いきや、その発売の背景には少々驚かされました。
 編集後記によると、「映画芸術」という映画評論雑誌でこのたびベストテン選びからアニメが選考の対象外になったことに対する抗議の意味での発売だったというのです。
 
518ealjbfvl_sx349_bo1204203200_  いやはや驚きました。いまさら、いや、現在のCGだらけの時代にあって、アニメを映画として認めないなどという暴論が罷り通るとは、本当に驚きを通り越して呆れ果てます。
 どうやら、「この世の片隅で」のアニメ映画が1位を取ったのがお気に召さない?あるいは、人間の演技が評価できない?などというようなことが背景にあるようですが、その根底には、やはり実写至上主義、その裏返しにアニメを一段低く見下げる意識があるような気がします。
 
 正直、私自身、このアニメを実写で見たい等という思いもありますし、俳優、衣装、セット、アウトドアの撮影隊のスタッフなど手間や経費を考えるとデスクの上だけでできる奴ら一緒にするな、という実写監督の気持ちもわからんではありません。(なお、「ガメラ3」の金子修介監督は、映画芸術擁護論を掲載しています。)
 しかも、TVの手抜きの絵作りのような映画を見ると悲しい限りですが、それは個々の作品の質の問題ですし、役者の演技が無いと言っても、いまやハリウッドの大作は、ほとんどCG映像なのです。第一、映画の役者の演技は、昔から、照明、録音などの効果の総合的な結果であり、だからこそ、「映画は総合芸術」なのです。
 そうした映画の持つ本質も考えず、アニメを映画と認めないというのはいかがでしょうか?
 まあ、そういう思いは別にして、この雑誌の30人の識者によるアンケートを一読して、驚きました。ほとんどのアニメ作品を知りません。
 わずかに、「うる星やつら2 ビューティフル ドリーマー」や「時をかける少女」、そのほか「風の谷のナウシカ」、「天空の城ラピュタ」などジブリ作品が数作。ルパン3世もベストテン常連の「カリオストロの城」に加え、「ルパン3世VS複製人間」があったことはうれしかったなあ。(これは隠れた名作です。)
 あとは、「クレヨンしんちゃん」、「魔法少女まどか☆マギカ」、「ガールズ6パンツァ-」などもタイトルぐらいで内容は全く知りません。「トイストーリー3」も恥ずかしながら見ていません。
 そのほか、TVドラマに至ってはほとんどわかりません。「あしたのジョー2」はそんなに凄いのかな?・・・さすがに劇場版に限定してください。
 
 また、最近の会員制のサイトの製作映画は全く未知の分野です。
 最新作「デビルマン」の評価は凄いのですが、予告編で見る限り、その昔ながらのTV版のような絵柄はどうも馴染めません。2次元ならジブリ映画の水準か、ハリウッドのように3Dのリアル感を確保してほしいものです。
 逆に言えば、日本アニメの狭い世界の約束ごとの中でのマニアの評価のようにも思えます。(その意味では、業界関係者だけでない幅広い評価が必要なのでしょう。)
 加えて、アンケートでは、実写映画「地球最大の決戦」のキングギドラの光線のアニメとか、レイ・ハリーハウゼンの「シンドバット7回目の航海」や「アルゴ探検隊の大冒険」の一場面を掲げている選者もいますので、その何でもありに思わず笑ったあとで、納得しました(笑)。
 
 それにしても、これからは、クール・ジャパンの劇場版アニメももっともっと見なくてはいけませんな(笑)。ただ、定義としては、TV映画は劇場映画とは違うでしょう。さすがに、その線は譲れませんゾ(笑)。

2018年5月 1日 (火)

ぺティコート作戦

 長年DVD化を待っていました「ペティコート作戦」がやっと発売されました。DVDとブルーレイの両方が同時発売です。今回は迷わずブルーレイを購入です。
 しかし、VHSでは発売されていたのに、何故、この傑作コメディのDVD化が遅くなっていたのでしょう。しかも、まだ一般発売ではなく、オンデマンド系の発売方法なのです。
 まさか、題材が第二次世界大戦中の日本軍との戦争が背景にあるから?、当時の女性の扱いが問題?などの点が忖度され、我が国での販売に圧力がかかった?
 まあ、内容からして決してそんなことはないでしょうが、どうも最近この国の政治と官僚組織は一寸おかしくなっていますから(笑)。
81qmtznzq5l_sl1500_  とにかく、未見の方は、是非ご覧ください。
 冒頭いきなり、日本軍の攻撃を受けて、ケイリー・グラントが艦長の潜水艦が沈没してしまいます。そのスクラップ同然になった潜水艦を修理しながら太平洋の別の基地まで無理くり運航していこうというお話です。
 
 人も資材もなく、途方に暮れた時、赴任する新任将校がトニー・カーティスです。一見、逆玉ねらいの色男ですが、実はスラム育ちのかっぱらいの天才です。あの手この手の部品や資材の調達方法が大笑いです。
 
 一方、ケイリー・グラントは、謹厳実直な艦長として、十八番の変顔を駆使して受けに徹した名演技を披露します。まさに”芸”ですよ、これは(笑)。
 さらに、カーティス調達将校は、途中立ち寄った島で、5人(?)の女性の看護兵を連れ帰るから、潜水艦内は大騒ぎになり、・・・いやはや軍隊コメディとはかくあらんと言わんばかりの珍騒動です。タイトルの作戦の意味も笑います。
 
 しかも、あろうことか、潜水艦はピンク色に塗装され、東京ローズに揶揄され、味方からも攻撃される有様です。
 だが、しかし、太平洋をピンクの潜水艦が堂々と航行する様は、もうなんとも言いようがありません。軍隊を茶化したお笑いの極地の映像ではありませんか。あれは実物ですよねえ、改めて驚きますが、是非、その雄姿をご覧ください。
 今回、改めて鮮明な映像で見直し、繰り返しになりますが、何故、これほどの抱腹絶倒のコメディ映画の傑作をDVDで長らく発売しなかったのか、本当に不思議です。誰か、事情通の方がいればお教えください。 

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