無料ブログはココログ

« 2018年3月 | トップページ | 2018年5月 »

2018年4月29日 (日)

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー

  2008年の「アイアンマン」から始まったマーベル印のアメコミ・ヒーロー映画は、10年経って、24人もの超人たちが勢ぞろいする「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」に辿り着きました。
 この間、ハルクやソーなどの各ヒーロー単独映画を粗製乱造気味に打ち出しながら、「アベンジャーズ」というオールスター映画を定期的にぶち上げ、莫大な収益を上げてきたのは、本当に商売上手と感心します。
 
 私自身、最初は、所詮アメリカン・コミック映画と馬鹿にしていたのが、その資金力にも物を言わせたCG技術をはじめ、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」に見られた一筋縄ではいかないストーリーなどで、いまや、すっかり新作が楽しみになっています。なかには、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」などのような能天気映画もありますが、「それもそれで良いかな」などと、すっかり洗脳されてしまいました。
 
_new  さて、今回は、様々なストーリーから銀幕に生み出された24人のヒーロー達が束になっても敵わない、マーベル・コミック史上最大、最強の敵、サノスが本格的に登場します。
 これまでの様々の敵の背後に存在したラスボスですが、今作は、もはや、サノス主演といっても良いストーリーとなっています。
 それにしても、こんなに多数いるヒーロー達をよく交通整理して演出しています。それだけでも脚本・演出がうまいといって過言ではありません。
 
 ちなみに、サノスの設定は、タイタン人ということらしく、神話の巨人族です。背は3mぐらいあります。
 少年の頃、夢中になった平井和正の「幻魔大戦」に登場する幻魔大王の実写化です。もっとも、このサノスは単純な征服野望の亡者ではなく、人口が増えて滅亡へ歩む宇宙を救うため、その半分を虐殺して宇宙のバランスを保とうとする”正義””に向けて無私無欲で歩む求道者の様な描き方です。思わず賛同してしまいそうです(笑)。それに加えて、圧倒的な強さゆえか、むやみに命を取らないのも何故か納得します。無敵の悪のヒーローの誕生です。
 
 しかも、サノスの側近たちも、魔術師や暗殺者などですが、まるで漫画「ドラゴンボール」のフリーザーの手下の実写化とも思える描写です。地球のヒーロー達はてんで歯が立ちません。いやあ、敵役の強いドラマはやっぱり面白い。一方、魅力のない雑魚キャラは引っ込めと言いたくなりましたが、結局はそうなりました(笑)。
 
 加えて、6つのインフィニティ・ストーンを集めるという今回のストーリーもドラゴンボールを集める「ドラゴンボール」によく似ていますし、今回、アベンジャーズのメンバーにあのギャラクシーのお笑いヒーローたちが混ざって、ますます混とんとなった雰囲気は、リアルな格闘の劇画と擬人化したブタなどの動物キャラが活躍するギャク漫画が混在する「ドラゴンボール」の世界そのものに酷似しています。そうまるで「ドラゴンボール」の実写化という雰囲気になりました(笑)。
 次々と犠牲者が出る深刻な物語の中で、お茶目なキャラクターとふざけたセリフや馬鹿馬鹿しい行動が融合して化学反応し、窯変しました。この出鱈目な雰囲気が私は好きです。いいぢゃないか。・・・久しぶりに三島由紀夫調です(笑)。
 
 そして、ネタバレになりますが、ラストは、巨大な敵の前で仲たがいしたヒーローたちが一致団結するかと思われたものの、結局それぞれの場所の戦いで敗れ、宇宙の半数が消滅するという唐突の幕切れを迎えるのは驚きました。
 上映時間が3時間弱もあって、この展開には、正直あきれましたものの、どうやら、2部作の第一弾のようですが、続きはどうするのですか?サノスは隠居しましたぞ(笑)。マーベルさん、はやく完結編を見たいものです。・・しかし、またもやマーベル商法に、してやられました(笑)気がします。

2018年4月28日 (土)

ブルーレイ スチールブック版

 アマゾンなどでバーゲンが始まりますと、ブルーレイの価格がさらに安くなりますので、既にDVDを持っていても、SF映画などお気入りの作品は、より鮮明な映像を見たくなってブルーレイでも購入することが増えました。当然、経費が掛かりますが、この辺のお話は、以前当ブログで書いたとおりです。(2016.7.16ブログ参照のこと。)
 
 しかも、最近、さらに困ったことになっています。
 皆さんもご承知のとおり、発売されるブルーレイにはいろいろ種類があって、「通常版」に加え、「豪華版」と称するメイキング映像などの特典の付いた商品もあります。なかでも、アマゾンでは、「アマゾン限定」という形式で、スチール製のケースに入ったブルーレイを発売しているのです。
 
 そのケースのカバー・デザインがなんとも秀逸なのです。文庫も表紙を変えるだけで売り上げが違うというのです。実にデザイン力は恐ろしいものです。
 以前、「大アマゾンの半魚人」を購入した際、そのデザインの素晴らしさに感動したのですが、そのほかの作品を眺めても、なかなかの傑作、秀作が揃っているのです。
 アマゾンの出品には、韓国製だの、米国製だの、欧州製などのものがありますので、どうやら海外ではスチールブックがかなり流行っているようです。LPレコードの表紙のマニアのようなものでしょうか。
 
 ともかく、今回、ショーン・コネリー主演の007の作品のカバーデザインのあまりの良さに、プレミアも付いているのにもかかわらず、おもわず購入(ただし、状態の良い中古が主(笑)ですが・・)してしまいました。
 
 もちろん、既に市場に出回っている旧作や古典を再発売するための商売戦略にみすみす嵌っていることは重々承知なのですが、あの青い味気のないブルーレイのプラスティック・ケースより、スチールブックが耐久性もデザイン性も数倍魅力的なのは事実です。多分、これからはこのスチールブック市場がわが国でも拡大すると思います。
 
 ということで、私が買ってしまった作品をすこしご紹介します。内容は通常のブルーレイと同じですので、そのケースのデザインだけをお楽しみください。
 81dyffe9eul_sx425_
まずは、第1号の「大アマゾンの半魚人」です。現物には、下の部分の帯はありません。
61tv0ifbfl_sx385_51zzfmsw6vl_sx385__2
次にご紹介したいのが、懐かしの007、「ロシアより愛をこめて」と「ゴールドフィンガー」です。
 素晴らしいデザインです。
 さらに、「ハムナプトラ」の3部作のトリロジーです。この表紙には、参りました。81k4dptntel_sx385_思わず、キーを差し入れて回したくなります。
81iyvgmlul_sl1500_  最後のご紹介は、「ジュラシックパーク」の3作品です。結構なプレミアが付いていましたが、 この歴史的な価値のある作品は、やはり、スチールブック製ブルーレイがふさわしいと買ったのですが、先日、「ジュラシック・ワールド」の最新作の公開に合わせて、4部作がトリロジーとなったスチールブックが発売される広告がありました。そのデザインが、一作目のラストを切り取った、なかなか優れもののデザインなのです。まことに残念でしたが、まあ、世の中、こんなこともあります(笑)。
  まあ、すべてのスチールブックのデザインが優れているのではありませんし、予算も限られていますので、購入に当たっては、まず、私のお気に入り作品のうち、私的にエポックメイキングであって、年に何回か見たくなる娯楽作品、そして、もちろんそのデザインが私の琴線にふれる秀逸なものという線引きで選んでいます。その点で言うと、ここではご紹介しませんが、「スパイダーマン2」は普通のデザインでした。反省しています(笑)。
81dtvlwykl_sx385_
81mthkkxeal_sx385_8167mhcczzl_sx385_510vtdxgvol_sx385_

2018年4月25日 (水)

タツノオトシゴ図鑑

  「ついに」というか、「やっと」、タツノオトシゴ図鑑が発売されました。最近、さまざまな生物の専門図鑑が発売されておりますので、私お気に入りのこのユニークなスタイルの魚類の図鑑の登場を待ちのぞんでいました。
 
_new  日本名でタツノオトシゴ、伝説の竜の子どもと呼ばれる奇妙な姿は、西洋では、海馬と言われています。世界に42種が知られ、その近縁種の「ヨージウオ」が15種掲載されています。私のお気に入りは、実は、以前このブログでもご紹介したように、ヨージウオ類の海藻の擬態種のシードラゴンなのですが、今回本書で改めてみると、1cm程度のピグミーシーホースやら、東洋の竜の様な姿のパイプフィッシュなども紹介されており、なかなか興味深いものがあります。
 各ページに1匹を写真と説明文で紹介していますほか、余白に実物大の影絵を配しているところが感心します。こうしてみると、ご贔屓のリーフィーシードラゴンは全長44cmと各段にでかいということがよくわかります(笑)。
 
 そういえば、「世界の美しいトカゲ」なる小冊子も発売されており、飛びトカゲの飛行姿やバシリスクの水上走りの貴重なショットなどをはじめ、色鮮やかな爬虫類を多数、精緻で美しい写真集に仕上げているのにも感心しました。
 一般的には人に嫌われるトカゲですが、こうして写真集にするとその多様性、極彩色には改めて驚かされます。哺乳類と違って匂いもなく、究極のペットとも言われており、最近は飼っているひとも多いようです。アメリカあたりでは、もう随分前からペットは当たり前のようで、映画「ターミネーター」でもヒロインの同居人がイグアナを飼っていましたねえ。
 
61i5mimlxml_sy498_bo1204203200_ ともかく、こうした専門図鑑がわが国で刊行されることは、図鑑マニアにとっては誠に結構なことです。今後とも、どんどん生物図鑑を発売してほしいものです。楽しみですねえ。
 
 

2018年4月22日 (日)

レディー・プレイヤー1

  スティーブン・スピルバーグ監督は凄い!と改めて思います。映画「レディー・プレイヤー1」はともかく驚愕でした。
_new  ストーリーは、貧富の差の激しい近未来、バーチャルリアリティーの「オアシス」というゲームに隠された3つの宝を巡って、主人公とその仲間が悪徳大企業の手先達とアバターとなって争うという内容です。
 
 今や、こうした類のお話は、アニメなどで新鮮味はないように思えますが、さすがスピルバーグ印は、一味も二味も違います。やっぱり驚かされました。
 なにしろ、「オアシス」に登場するアバターやマシンなどがとんでもありません。ビジネスの世界を知っているなら、版権問題で普通なら考えられないアイコンが無数に、贅沢に、無尽蔵に、あきれるほど登場するのです。
 
 有名どころは、主人公の乗る車が「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアン、ヒロインが「AKIRA」の金田バイク、旧「バットマン」の車も登場します。其のレースの邪魔をするのが、「キング・コング」のキングコングです。最近作のコングより、ずっと動きも良くて魅力があります。当然、「ジュラシック・パーク」のティラノサウルスも出ます。
 
 このへんは、まだ理解の範疇ですが、日本人のアバターは、鎧武者です。しかも、その顔は、「七人の侍」の三船敏郎です。パンフレットによるとスピルバーグ監督と仲が良くて、ご家族の了解を得たそうです。
 まず、ジャパン関係が続々と登場します。キティちゃんをはじめ、私の知らないアニメキャラクターが相当出ているようですが、びっくりしたのが、ラストに「機動戦士ガンダム」が実写版で登場しますし、なんとラスボスが「メカゴジラ」なのです。しかも、ゴジラの音楽が流れます。
 そのほか、気が付いたもので、「ロゴコップ」、レイ・ハリーハウゼンの「シンドバット7回目の航海」のサイクロップス、・・言い尽くせません。あっと、旧「宇宙戦争」の円盤が墜落しているのもうれしいなあ。
 また、スタンリー・キューブリックの「シャイニング」の世界にもびっくりです。原作者と関係も大きな仕掛けになっています。
 
 いやはや、凄いとしか言いようがりません。多分、こうしたことは、スピルバーグ監督だからこそ、可能になったものなのでしょう。・・・・やっぱり、凄い。本当にこの言葉しか思いつきません(笑)。
 
 もちろん、こうしたキャラクターの権利関係だけでなく、映像や音楽、演出のテンポ、アクションと笑い、やっぱり、スピルバーグ監督は素晴らしい。
 観る者が魂を銀幕に吸い込まれ、手に汗を握り、足を踏みしめます。これが映画です。これが娯楽です。久しぶりに、センス・オブ・ワンダーを堪能しました。ありがとうございます。
 
 ただ、残念なのは、1回見ただけでは登場キャラクターが多すぎて、よくわかりません。一晩経て既に記憶にないのもあります(笑)。じっくり確認したいなあ。早くブルーレイを発売してほしいものです。あんまり遅いと、上映後素早く販売される米版(日本語字幕付き)を買っちゃうぞ(笑)。

2018年4月19日 (木)

ジュマンジ ウェルカム トウ ジャングル

 あの衝撃的だった1995年の「ジュマンジ」の最新版「ウェルカム トウ ジャングル」が公開されています。
 
 今回の主演は、ロック様こと、ドウェイン・ジョンソンです。この人、一体、一年間に何作の映画に出演しているのでしょう。このところ切れ目のないようなお目見えです。ハリウッド一の稼ぎ頭というのも頷けます。
 今回は、ゲームの中の探検家という役柄で、いつものようなタフガイですが、その正体は優柔不断な弱虫の高校生という設定であり、そういったおどおど演技も見せます。が、やっぱりパワー炸裂です。
 
 助演はジャック・ブラックで、見かけの通りの中年のデブ男ですが、その正体はイケイケの金髪ねえちゃんという役柄で、お色気たっぷりの女子高校生の演技を喜々として演じています。さすがに芸達者です。
 
 さて、物語は、居残りの4人の高校生が、倉庫で見つけたテレビゲーム型「ジュマンジ」を始め、ゲームの中に吸い込まれてしまいます。そのゲーム世界は、ジャングルで、盗まれた巨大な宝石ジャガーの目をもとの場所に戻すことがゲームの終了になっています。
 
 ゲームを行う彼らの邪魔をするのは、ワニ、サイ、カバ、ヘビ、ジャガーというCG猛獣に加え、サソリなどの毒虫を操る男がボスの武装した軍団です。しかも、ゲームで生きる回数は、3回に限定され、結構、馬鹿馬鹿しい弱点も設定されています。
 
 とにかく、マンガチックな軽いアクションにつぐアクションです。まあ、何も考えずにご覧ください。貴方はこの映画で笑えますかな?
 
 思えば、オリジナルの「ジュマンジ」は、同じくジャングルがテーマでしたが、ゲームの世界に吸い込まれるのではなく、現実の世界にゲームのジャングル世界が出現するという奇想天外な設定でした。これはインパクトのある凄い発想です。それからいうと、今回の設定は、平凡でおとなしいなあ。
 
 ただ、CG技術は雲泥の差の進歩です。オリジナル当時は、CGの草創期であり、猿などは、毛が一本一本筆で書いたように動いていました(笑)。それでも、サイの暴走など迫力満点でした。いやあ、オリジナルをまた見たくなりました。確かどっかにDVDがあるはず・・・。
 
_0001_new  それにしても、劇場販売のパンフレットは、なんとしたことでしょう、ゲームの外箱に似せた冊子に入れた一枚の地図の様な仕様です。販売元は何を考えているのでしょうか。読み辛くでしかたありません。
 パンフレットに奇想のデザインは必要ありません。普通の形で作成してください。しかも820円は高すぎです。
 

2018年4月15日 (日)

パシフィック・リム アップライジング

  先日、アカデミー賞を受賞したオタク監督、ギレルモ・デル・トロが生み出したハリウッド版”KAIJU”映画「パシフィック・リム」の続編「アップライジング」が公開されました。
_new  今回は、デルトロが製作に回ったため、監督が交代したそうで、その結果、よりわかりやすいスッキリした怪獣映画になりました。この交代したスティーブン・S・デナイト監督も、かなりのジャパン・ポップ・カルチャー(=日本アニメ・特撮映画)オタクらしく、なんと「マグマ大使」やロボットアニメ好きを広言しています。(最近、こんな人がやたら多いが・・)
 一方、製作にはやはり中国資本がかなり入っているようで、中国人が重要な役割を占めています。まあ、それでも、怪獣とロボットの最終決戦の舞台が日本(前作は香港)で、しかも、東宝特撮の聖地の富士山麓というのは、うれしいものです。脚本も書いたデナイト監督の功績でしょう(笑)。
 第一、夜間や雨降りシーンが多かった前作と比べ、今回は、昼間、しかも青空の下、怪獣たちが戦うのですから、しっかり、円谷版黄金期の東宝特撮怪獣映画へのリスペクトが感じられます。
 しかも、人間搭載型巨大ロボットのイエーガーと同じタイプの謎の敵ロボットも登場し、ロボット対ロボットのスピード感あふれる戦闘はなかなか見ごたえがあります。対KAIJU戦より面白い。
 さらに、無人型イェーガーが敵に乗っ取られ、怪異に変身するシーンなどは、どうみても、エヴァンゲリオンの実写版です。いやはや、監督のオタクの徹底ぶりには感心します。
 ストーリーも、なかなか意表をつく展開でした。本当に、オタクが行き過ぎると大変なことになるという教訓でもあります(笑)。まあ、ご覧ください。
 前作よりずっとわかりやすい出来上がりですし、私は好きです。
 ただ、残念なのは、前作からの引継ぎですから、しかたないのですが、”KAIJU”の造形がやっぱり面白くないことです。変に生物をデフォルメしており、実にカッコウも悪いし、感情移入も全くできません。(メキシコ系かな?)
 どうやら、テレビ版ウルトラマンの怪獣たちを意識しているようですが、あの奇想で秀逸なデザインは、成田亨・高山良策の天才コンビだから出来たのです。次作は、もっと日本の怪獣らしいデザインでお願いします(笑)。
 

2018年4月 8日 (日)

ヴァレリアン 千の惑星の救世主

 リュック・ベッソン監督の「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」は、フランスの有名なSF漫画を映画化したそうです。
 ネット記事によると、同監督のSF映画「フィフス・エレメント」の製作当時では、その内容から映像化は技術的に困難ということで断念したということですから、今回の映画化は、当然、満を持してのCGのてんこ盛りです。
_new  今回の舞台である、千の惑星から集まった宇宙人たちが生活する、増殖するがん細胞にも見える巨大宇宙ステーション「アルファ」には、かつて「フィフス・エレメント」に登場した着ぐるみの宇宙人達によく似たCG製のエイリアン達が無数に描かれています。実はこれをやりたかった?・・訳はないですよね(笑)。
 
 さて、お話は、まるで絵本のような海と巨大な巻貝の家に住み真珠の肌を持つ人型生物(原住民)が暮らす平和で美しいパール星の海辺のシーンから始まります。
 突然、空から巨大なヒトデのような形の宇宙船が水平線に墜落するシーンは、かつて欧米で描かれた有名なSF絵画を彷彿させます。絵的には頑張っていますので、私としてはそんなに嫌いではありません(笑)。
 
 ところで、タイトルの「ヴァレリアン」というのは、「アルファ」連邦の政府機関のエージェントの名前でして、美人の相棒「ローレリーヌ」とコンビで捜査をしているのです。         演じるのはデイン・ハーン、あの超能力映画「クロニクル」のエキセントリックな主演者です。今回は、プレイボーイでいつも相棒を口説いているという設定ですが、どうもイマイチはまりません。相棒の女優さんも美人ですが、なんか違うなあ、と。
 加えて、この連邦軍の指揮官たちの軍服や装備がまるでコスプレ、玩具のような描写が気になるなどなど、全体的にいえば、ベッソンの描く?フランスのコミック世界に没入することはできませんでした。
 
 ストーリーは、冒頭の予感とおり、ベトナム戦争時に起こった”原住民””皆殺し事件(アメリカ先住民の事件のことかも?)を題材に、それをSF的に惑星単位にまで風呂敷を広げたような内容ですが、監督が言いたかったのは、平和と調和を好み、母星を破壊し、娘や両親を殺した敵までも許すパール星の未開人(映画で司令官が使います)の精神性の高さがテーマのようにも思えます。でも、やっぱり欧米人の目線かな?
 
 それにしても、土曜のナイトショーなのに、全く観客が入っていませんでした。前作もそうですが、どうも、ベッソンのSF映画は当たりませんですね。
 ただ、最初に言いましたように、SF映画ファンの私としてはそれほど嫌いな映画ではありませんでした(笑)。以上です。
 
 

« 2018年3月 | トップページ | 2018年5月 »

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31