2018年アカデミー賞作品賞監督賞
2018年のアカデミー賞には驚きました。作品賞と監督賞を、あのギレルモ・デル・トロ監督の「シェイプ・オブ・ウォーター」が獲ったのです。
いわば、1954年製作の原案ともいえるモノクロ映画「大アマゾンの半魚人」の後日談といっても差しつかえない、いわゆる普通のA級映画から一段も二段も格下に見られていたモンスター映画、怪奇映画が、その年のハリウッド映画界の最高の賞を獲得したのです。
画期的な出来事です。昨年の日本アカデミー賞の最優秀作品賞の「シン・ゴジラ」にも驚きましたが、これは本家ハリウッドの世界的に権威のある賞ですから、尚更です。
奇しくもゴジラも1954年製作でした(笑)。
さて、今回の授賞理由は、多分、いまアメリカで軽視されようとしている「多様性」を見事にファンタジー化して「描いた作品だったからでしょう。
現在のアメリカ至上主義的な社会情勢、特に多様な世界への偏見や圧力などの政治的な攻撃に対する危機感が、この作品に栄光をもたらしたような気がします。
デルトロ監督が「私も移民だ」といったコメントにすべて凝縮されていますねえ。
ハリウッド映画人たちの良識がこの作品を選ばせたと言ってもいいのではないでしょうか。そういう意味でも、受賞した監督の興奮もよくわかります。
ともかくも、おめでとうございます。
ちなみに、左の大型本は、映画の製作現場の裏話を特集したメイキング本です。とにかく、ご覧いただければ、半魚人の造形やセットのリアルさには、膨大な手間と技術、そしてスタッフの熱意がつぎ込まれてることがよくわかります。この作りこみが、絵空事に説得力を生み出し、観客に感動を与えるのです。これが映画作りですよねえ・・。 なお、「シェイプ・オブ・ウォーター」というのは、直訳すれば、水の形というそうですが、一種詩的な表現です。その意図するところは、どういう意味なのでしょうねえ。どなたか、わかる方がいればお教えください。
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