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2018年1月21日 (日)

ジオストーム

  映画「ジオストーム」のあらすじは、ある日、突然、全世界の気象をコントロールしている気象衛星が暴走をはじめ、世界各地に大災害を引き起こすというものです。
 以上の短い紹介文章ですべてを語りつくせるような、全くひねりの無い予想した通りの映画でした。
 
_new_2  この映画の見せ場は、つまるところ、架空の気象衛星のセットや各地の大都市の破壊シーンなどのCG映像なのです。リアルな宇宙ステーション、周囲を瞬間に凍結させる寒波、地面まで沸騰させる熱波、巨大な津波の襲来など、これでもかというほどの物量ですが、今や、どっかで見たことのある映像なのです。やっぱり、こけおどしだけでは感動しません。
 
 しかも、主演は、肉体派のジェラルド・バトラーなのです。無敵の強さです。今回は、衛星を作った天才科学者という設定(そうは見えませんが・・)ですから頭脳まで凄いのですから、安心(?)してお任せください(笑)。
 さらに、エド・ハリスが将軍役ですから、もう見え見え、バレバレの筋立てです。
 そして、ストーリー展開も、あっけなくわかる工作者の正体、とても大統領のシークレットサービスとは思えない女性ボディガードの倫理観、全く優秀とは見えない主人公の弟の官僚の行動など、あきれるほどのご都合主義でお話が進みます。
 
 結局、大惨事の割に、スリルもサスペンスも感じられず、サプライズも無いまま、お話はタンタンと進み、主人公たちの自爆する宇宙ステーションにとどまった英雄的行為で、世界の終末を引き起こすジオストーム(地球規模の暴風雨)の発生を寸前で食い止めるのです。
 ついでに言えば、本当に千に一つ以上の偶然で、都合よくハッピーエンドになるのも素晴らしいじゃないか。
 
 是非、何も考えず、何も言わず、楽しんでください。
 この作品の価値は、冒頭に紹介される現在の実際の地球温暖化を記録した数秒の映像に、いまアメリカでこの映画を作った意味があるのです。それを褒めましょうヨ。
 
 それにしても、ハリウッドでは、日本人と言えば、何故、いつも黒の大きな雨傘を差しているのでしょう。昔は、眼鏡とカメラでしたが、今は、日本製の傘。その性能が素晴らしいゆえのクール・ジャパンなのでしょうか、全くわかりません。欧米人は雨が振っても、傘を差さないのか(笑)。そういえば、イギリス人は傘はステッキ代りで雨でも差さないそうですねえ。

2018年1月19日 (金)

黒澤明DVDコレクション

 先日、黒澤明監督の全30作品をDVDとマガジンで、隔週に発売するという「黒澤明DVDコレクション」が朝日新聞出版から刊行されました。なにを今さら、とも思いますが、逆にゴジラや石原裕次郎も出ているのに、今まで発売されていなかったのが不思議な気もします。
 もちろん、黒澤明を尊敬する私としては、購入するしかありません。DVDは全巻所有していますが、やむ得ません、今回併せて専用バインダーまで購入しました。
 
51d6jzfxeql_sx372_bo1204203200_  それにしても、今回発売の創刊号が「用心棒」、第2号が「七人の侍」、第3号が「赤ひげ」、第4号が「椿三十郎」、第5号が「天国と地獄」、そして「羅生門」というラインナップです。以下の続刊の順番は未定のようですが、この6巻までで、一番大うけする大娯楽活劇作品を全部見せてしまうことになります。その後は、賛否両論のある作品もあり、後半が売れるのか?と心配になります。まあ、一気呵成に黒澤ファンを創り出そうという作戦なのかもしれません。
 
 と、おもったら、お楽しみの復刻パンフレットは全巻購入しないと入手できない仕組みにしています。創刊号の980円以降は、隔週ごとに1790円になります。少しあざとい気がします(笑)が、しかたありません。
 なお、私ごとですが、復刻パンフレットは、いまは廃れたLD全集の付録で持っていますので、ご安心ください(笑)。
 
さて、最近の日本人は、我が国の世界に誇る黒澤明をまったく知りません。スピルバーグやルーカスが師と仰ぐ偉大な映画作家です。是非、この機会に見てほしいものです。
 特に若い人はモノクロだとか言ってパスするようですが、とにかく一度見てください。間違いなく、一発で虜になりますから。  
 私がそうでした。洋画に目覚め、邦画を軽く見ていた生意気盛りの高校生の時、学校で16mmの「七人の侍」を偶然観てぶっ飛んだ衝撃が忘れられません。
 
 当時は、特に地方都市では黒澤明の過去の作品を観ることなど不可能でした。とにかく文献を探し、数コマの写真などを見つけては、まだ見ぬ黒澤映画に憧れたものです。
 その後、東京の名画座などを巡って映画を観た時の感動も忘れられません。「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」という黒澤明の好きな言葉が私の座右の銘にもなりました(笑)。 
 
 ところで、このマガジンを実際購入してみると、少し残念な点もあります。
 まず、マガジンの記事の内容がおざなりです。あまりに初歩的でファンには有名な逸話ばかりです。それに、DVDの画質が大したことはありませんし、チャプターがないのも不便です。つまるところ、初心者仕様なのかな。
 いや、ともかく、ここは、黒澤明のコレクションの刊行をお祝いしましょう。遅まきながら、おめでとうございます。
 

2018年1月 7日 (日)

ハヤカワ ポケットミステリ

 昨年末の当ブログ(H29.12.31参照)に記述しているように、映画「オリエント急行殺人事件」を観て、「ハヤカワ ポケット・ミステリ」を思い出しました。この新書版の、通称「ポケミス」は、出版自体は細々続いているようですが、最近、近くの書店ではとんと見かけることがなくなりました。
 
 私がポケミス版でアガサ・クリスティを読みだしたのが、1970年代前半のクリスティ女史の最晩年のころです。当時は、もちろん、インターネットもなく、古書の通販システムもありませんので、過去の作品の情報を探すのも、入手するのも大変な苦労でした。
 ただ、幸い、クリスティの場合は、当時は存命中であり、「クリスマスにはクリスティを」という有名なキャッチフレーズで新刊のPRも行われていましたし、ポケミスでの再版もありましたので、長編物の大半の作品は揃っていました。
 
 しかし、絶版となっていた作品も多く、その中には傑作、名作と高く評価されている作品もありました。有名どころでは、「白昼の悪魔」や「予告殺人」、そして「ABC殺人事件」が再版・販売されず、幻の作品となっていました。若い読者は、全く読むことができないのです。
 
 私も、東京神田の古本屋を結構探し回りましたが、なかなか見つかりません。それでも、やっと「予告殺人」をゲットし、「白昼の悪魔」は、洋書版を購入しました。もちろん、語学力が足りず、結局途中で断念です(笑)。ただ、幸いなことに、丁度、この原作が「地中海殺人事件」のタイトルで映画化されたせいか、単行本で発売され、読むことができたのですが、噂にたがわず、いや、聞きしに勝る、クリスティ中期の傑作でした。
 しかし、残念ながら「ABC殺人事件」のポケミス版を入手することができませんでした。
 
 そうこうしているうちに、クリスティ女史がお亡くなりになり、その前後に「カーテン」、「スリーピング・マーダー」が単行本で発売された後は、早川書房では、文庫版の出版に力を入れ始め、アガサ・クリスティの作品は、短編も含め、絶版だった「開いたトランプ」、「ホロー館の殺人」、「牧師館の殺人」など、ほぼすべての作品が文庫版で揃いました。勿論、その時は文庫で読み漁ったものです。
 
 早川書房が、何故、ポケミスで再販しなかったのか謎ですが、今の状況を思えば文庫版の発売が正解だったのでしょう。
 
 一方、私自身、当時の熱病に浮かされていたような推理小説症候群(なにしろ、古今東西の名作を読破しようと頑張っていました(笑)。)も徐々に小康状態に落ち着き、いつの間にか、ポケミスのことなどすっかり忘れ去っていました。
 あの頃の熱中した思いと書店に設置されていたポケミスコーナーが本当に懐かしく思い返されます。
 
_0002_new  そして、いまや、ネットの時代です。
 今更ながらですが、心残り(忘れていましたが・・)だったポケミス版「ABC殺人事件」を検索すると、アマゾンで1件、日本の古書屋で1件、ヒットしました。大体1千円から3千円程度の価格です。
 早速、ゲットしましたが、何しろ、昭和32年発行ですから、1冊目は予想以上に表紙の状態が悪かったので、2冊目を追加注文し、ビニールカバーは無いものの、なんとかコレクションに加えることができました。 
 ついでに、単行本の「白昼の悪魔」や文庫で持っている「ひらいたトランプ」なども合わせてポケミス版をゲットです。
 
_0003_new  しかし、本当に便利な時代になりました。
 かつて「赤い靴」という洋書の世界ネットワークがありましたが、いまや、アマゾンまでが古書販売をしていますし、アメリカのアマゾンを活用すれば、かなりの洋書類がカバーできます。
 
 このネットワーク時代の便利さを改めて実感します。本が自由に検索でき、世界中から手軽に買える、誠に平和な良い社会です。
 今後とも、この幸せな時代がこれからも続くことを皆でお祈りいたしましょう。_0004_new
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2018年1月 6日 (土)

キングスマン ゴールデン・サークル

 スパイ映画のパロディの傑作「キングスメン」の続編「キングスメン ゴールデン・サークル」は、二番煎じになる一歩手前で、ほぼ期待通りの毒のある活劇コメディに出来上がっていました。私は結構好きです。
 
_new  今回は、お約束通り、前作で頭を撃たれて死んだはず師匠(コリン・フォース)が生き返ります。その復活方法は、意外と真っ当な手順で、もちろんあり得ないフィクションの技術があるという前提ですが、ショックで記憶喪失のまま、なかなか元に戻らないし、記憶を戻す手段もよく考えました。しかも、頭脳は戻っても身体能力は鈍ってるなど、その紆余曲折が面白い。安直でないので、ここは褒めたい(笑)。
 
 また、冒頭、いきなり、主人公が前作からの因縁のライバルに襲われ、とんでもないカーアクションを繰り広げたと思ったら、キングスメンの本拠地が爆破されます。本来は意表をつく展開なのですが、予告編で全部流していますので、どうもイケマセン。
 
 ただ、前作同様、その後も、キレッ、キレッのアクション、ノリッ、ノリッの演出というしかないような展開です。とにかく、ただただ茫然と、そう言えば前作の続きで主人公の恋人はスウェーデンの王女だったなあとか、敵の義手男やロープウェーは007のパロディだなあとか、頭の片隅で思っていました。
 
 今回の見せどころは、イギリスのキングスマンの本拠地を失った主人公が相棒のマーリンと一緒に頼った、アメリカにある”従兄”関係の諜報機関であるステイツマンです。表の商売は、バーボンの醸造メーカーですが、その組織がとんでもない、コテコテのカントリースタイル、いわゆるカウボーイの世界なのです。
 ヤク中のチャニング・テイタム、アル中気味のジェフ・ブリッジス、メカニックのハル・ベリーなどのアメリカ田舎のパロディの設定に大いに笑わせてくれます。
_0001_new  なお、パンフレットによると、こうした設定などは結構実話に基づくひねりが多いらしい。そう思うと、あんまり笑えなくなりますが(笑)。とにかく、知的なギャグの毒がきつい。
 
 さて、今回の敵は、ジュリアン・ムーア演じる麻薬組織ゴールデン・サークルの女ボスなのですが、カンボジアの奥地に、郷愁のあまり、ハンバーガー店、ボーリング場、映画館など、アメリカのポップカルチャーを集めた秘密基地ポピー・ランドを作り、販売している麻薬にウィルスを仕込んで、麻薬の合法化や自らの免責をアメリカ大統領に求めるという誇大妄想狂です。
 しかも、エルトン・ジョン(本人が喜々として演じています。)を誘拐し、自分のために歌を歌わせている一方、上品な言葉と態度ながら、失敗した部下を巨大なミンチ製造機にかけハンバーガーにしてしまうと、とんでもない狂人です。ここは悪趣味、ちょっとやり過ぎです。
 
 一方、脅迫されたアメリカ大統領も相当ひどいものです。
 でも、実際、似たようなことをした実話もあるようです。これはパンフレットの受け売りです(念のため)。
 
 そして、最後は、やっぱり、今回も重要な相棒が死んでしまい、さらに主人公のとんでもないエンドにはまったく驚きです。詳しくは映画をご覧ください。スウェーデンの太っ腹に感心します(笑)。
 

2018年1月 3日 (水)

飛びラドン

 この年末年始の6日間のお休みは、例年以上に穏やかな日々でした。昨年春から勤め始めた慣れない職場から解放され、女房殿の正月に向けた買い出しツアーの運転手を務めるぐらいの役目しかないのですから、もう暇に任せて、我がDVDコレクションの中から肩が凝らない、ハッピーエンドのハリウッド式ラブコメものを片っ端から観ました。コレクションの棚の並び順で・・(笑)。
 まずは「ドノバン珊瑚礁」、「アメリカン・プレジデント」、「デンジャラス・ビューティー」、「めぐり逢えたら」、当然「めぐり逢い」に移り、「特攻大作戦」は見ずに、「トゥー・ウィークス・トゥデイズ」、「雲の中で散歩」、「静かなる男」、「潮風のいたずら」、「サウンド・オブ・ミュージック」、「プリティー・ウーマン」と、荒唐無稽な恋愛喜劇ばかりです。もう我ながら見事な現実逃避症候群ですねえ(笑)。
 
 また、一方で疲れた目を休めるために、久しぶりに本格的な模型づくりに挑戦しました。
 これも懐かしい東宝映画の怪獣黄金時代の「三大怪獣 地球最大の決戦」から、2代目ラドンです。
 この空を飛ぶ怪獣については、昔、中学校からの友人がこの怪獣を主役にした8mm映画を作ったのをスタッフとして手伝ったこともあり、思い入れがあります。余談ですが、そのアマチュア作品に東宝からクレームがあったそうです。いや、この話は「続・海底軍艦」のほうかな?・・・大昔のことなので忘れました。
 
Img_23742_2  さて、今回製作した模型は、知る人ぞ知る「レジンシェフとうけけ団」という小さな個人メーカーが販売している30cmのレジン製のモデルなのですが、頭部2種、足部3種、胴体・両翼という7つの部品にわかれ、好みによって、立ち姿、飛び姿、鷲づかみ姿の3タイプが選べるコンパチ型なのです。
 
 結局、あまり他では見かけない「飛び姿」を作ることにしました。「飛ぶ者は飛ぶ姿が一番美しい」・・・誰の言葉だったかな?(嘘)。まあ、写真のように地面に立っている姿は短足で見苦しいので・・。
 
Img_23612  ところで、レジン製のモデルは、接着が難しいのです。真鍮棒でも軸にしなければ、瞬間接着剤だけではしっかりくっつきません。このため、今回は、接着剤ではなく胴体と翼をエポキシ造形パテで付けました。接着面を水平にして一晩かけて固めます。その方法が写真のようにチリ箱を使っての苦肉の策です。・・予想以上にうまく成功しました。頭はぼける前に使うべきですなあ(笑)。
 
 そして、飛び姿の最大の問題は自立しない(足が爪先立っているので・・)ことです。このため、製作中の台座と完成品を飾る台をどうするのか、これには頭を使いました。
 こんな時に重宝するのが、百円ショップです。様々な小物がお安く揃っている、模型づくりには誠にありがたいお宝ショップです。
 
 Img_24012 今回は、写真のような園芸用の針金の篭と台所用品のバナナ吊り台を購入しました。園芸用品の網かごは、模型の自立を支え、また横向きに置くにも対応できました。(なにしろ腹の棘は折れやすくそのまま下に置けません。)バナナ吊り台は、まるで誂えたかのように完成品を吊り下げることができました。
 いやあ、この商品を探し出した自分の目とアイディアを褒めてやりたいし、百円ショップの品数の多さに感謝します。
 実は、今回は、この百円ショップの有難さをPRしたかったようなものです(笑)。
 百円ショップ様、本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
 以上です。
 
 Img_24572 なお、もし興味があれば、以下、完成品もご覧ください。
 
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 最後の最後に、実は、本当は、模型は別のものを作る予定でした。
Img_2368  それは、SF映画の傑作「ミクロの決死圏」に登場する潜水艇「プロメテウス号」なのです。公開当時、どれほど、この潜水艇のかっこ良さとラクエル・ウェルチの魅力に参ったことでしょう。懐かしい。
 
 しかし、箱を開封したとたん断念です。その部品数の多さと組み立て手順の複雑さです。
 また、機会を見て、ゆっくりと・・。引退後の楽しみに取っておきましょう。
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