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2017年12月31日 (日)

オリエント急行殺人事件

  ご存知、”ミステリの女王”と呼ばれたアガサ・クリスティの不朽の名作「オリエント急行殺人事件」が映画化されました。
 
 多分、若い方はともかく、推理小説ファンなら、その筋立ても、原作発表当時は世界中が驚いた”意外な犯人”も既に多くの人が承知しているはずですから、その映画化には相当なリスクと新たな仕掛けが必要でしょう。
 
 前回1974年の映画化では、アルバート・フィーニィが凝りに凝ったポワロの扮装で原作ファンの納得も勝ち得ましたし、オールスター映画という意味でも、これほど豪華な大スター達の出演は空前絶後でした。しかも、ストーリーも、劇中トリックもきちんと説明がなされ、好感の持てる作品でした。
 
_new  では、なぜ、今回、再映画化されるのか、その意図はなんだろうかと実は懸念していました。私自身、クリスティ・ファンだけに大いに不安でした。
 そして、その危惧は、見事に的中です。今回の映画は、かんたんに言えば、最新の技術を使った美しくもこけおどしの映像と音響、そして、監督兼主演のポワロを演じた、ケネス・ブラナーの一人芝居なのでした。
 
 名優で名演出家といわれる彼なりの名探偵ポワロ像の提示と、犯人検挙へのポワロの懊悩を喜々として演じたい、ということではなかったのか、そんな感想を持ってしまいました。第一、今回もかなりの名優たちが出演していますが、単に出ているだけ、見せ場はほとんどありません。ミシェル・ファイファー、ペネロペ・クルス、ウィレム・デフォー、ジュディ・デンチ、ジョニー・デップなど扱いが軽いのです。
 しかも、名探偵エルキュール・ポワロはほとんど推理をしません。プロローグの嘆きの壁のエピソードも直感ですし、原作のトリックなど全く無関係に、雪崩や銃アクションをこなします。
 まったく、なんなのでしょうねえ。あの白髪混じりのポワロひげも感心しませんね。原作とは違います。もっとも、映画「ナイル殺人事件」・「地中海殺人事件」のポワロのような稀有の例もありますから、あまりイメージにとらわることもありませんが・・。
 
 まあ、つまるところ、この作品は、風景が美しいこととリアルな時代考証などの雰囲気がよくでていたことは評価できます。それだけです・・・。
 
 ちなみに、写真はチラシです。パンフレットは購入しませんでした。以上です(笑)。
 ついでに言えば、前作は、凄かったなあ。ローレン・バコール、イングリッド・バーグマン、ショーン・コネリー、アンソニー・パーキンス、リチャード・ウィドマーク、マーティン・バルサム達が出演してるのです。若い人には知らない人が多いかもしれません。悲しいことですが、世代間の断絶ということなのでしょうなあ。困ったものです。
 
 思えば、推理小説でもアガサ・クリスティの作品は、もう古典ですからねえ。
 私がポケット・ミステリを買いあさって、読みふけったのはもう随分前でした。いまやポケミスの姿はなく、文庫版ですからねえ。
 
_0002_new  話はそれますが、当時、ABC殺人事件のポケミス(絶版)がついに入手できなかったのが、いまでも残念です(笑)。今と違って、過去の作品を読むのも大変でした。なにしろ絶版物が多く、古本屋を回って探したりと苦労しました。
 そんな時、突然「白昼の悪魔」と「ナイル殺人事件」が単行本で再販されたのは、映画化に伴うものだったのでしょうかねえ。大変有難かった記憶がありますが、どなたか、知っている方があれば、教えてください。Img_2390
ちなみに、書棚にあるアガサ・クリスティのポケミスです。縦長で、1ページに上下段に文章が印刷されています。多分、欧米の洋書のサイズを模したのでしょうねえ。いまや、絶滅種です。アガサ・クリスティなら文庫版で全部揃っています。
 <追記>
  前作のDVDを鑑賞しました。滑稽なポワロと長い推理は退屈で眠ってしまいました。やっぱり、小説の方が良いですねえ。クリスティが生前、一部の例外を除いて映画化を許さなかった理由がわかりました。・・・・それにしても、若い時に見た時はもっと面白いと思っていましたが、どうなってんでしょうねえ。_0001_new

2017年12月16日 (土)

スター・ウォーズ 最後のジェダイ

  一体、映画「スター・ウォーズ」は何処へ向おうとしているのだろうか、最新作「最後のジェダイ」を見てつくづく思いました。
 
_new  開幕のあの心躍る音楽の後は、売り物の戦闘シーンも含め、やたら陰鬱で深刻な場面が延々と続きます。
 第1作をはじめとする3部作のような、わくわくする痛快娯楽活劇の雰囲気は微塵も感じられません。時折挿入されるとってつけたようなユーモアも逆効果です。変なペンギンを食っているシーンなど悪趣味です。
 
 全体的に王立劇場で演じられるシュークスピア劇のような重厚な雰囲気(見たことはありません(笑)が・・)なのです。物語のダークサイドを極めようとしているのですかねえ。
 
 しかも、主演のレイ以外の登場人物の役者さんが、みんな、なんとも濃いのです。例えば、何をやっても味方に大損害を与えるラテン系のパイロットさん、よく見ると顔の造りがごつすぎる黒人ヒーロー役、今回初登場のタンクロウのような中国系の女優さん、そのほか指令室のメンバー達はいずれも個性的な容貌をしています。人類型以外の異星人とのバランスを考慮した配役なのでしょうかねえ。個人的な趣味かもしれませんが、あんまり共感いたしません。古典的と言われようが、やっぱり映画は美男美女で固めてほしいものです。
 
 さて、これから先は、ネタバレになるので、未見の方は読まないようにしてください。
 まず、ジェダイ・マスターは、何故、直ぐに隠遁するのかな?過去作でも、ヨーダ老も登場しますが、この老師も、オビ・ワンも隠れていましたよねえ。ルークだけが責められるものでもないですよね、伝統に則っただけ?(笑)
 しかも、直ぐに、弟子がダークサイドの誘惑に負けるのも同じです。指導方法が悪いんじゃないか、と思ってしまいます。いまさらながら「失敗を教えるのが一番」?、あほか?
 
 しかし、一番がっかりしたのは、主人公のレイの素姓です。
 あれだけ、ルークとの関係を思わせぶりに描いておいて、結局、全く無関係のただの路傍の人の娘?それは無いじゃない?
 殺人事件が自殺だった、みたいな筋書きは、観客の予想を覆す妙手ではなく、期待を裏切る悪手です。第一、大衆受けする貴種流譚にならないじゃないか!!
 
 それに、ラテン系のサブキャラの作戦が全て成功しないことが、いや、それ以上に結果的に本来の作戦をぶち壊し、味方に壊滅的な損害を与えてしまうことが逐一不愉快ですし、大変な犠牲の結果を登場人物だけが温かい目で見守るのが、不思議でなりません。
 観客としては、カタルシスは全く感じられないのです。
 
 まあ、褒めるところと言えば、ラスト、石の惑星の塩原でのジェダイ同士の決闘シーンですが、さすがに黒澤明の時代(ジダイ)劇からインスピレーションしたという程度の迫力はありました。
 また、悪の最高指導者があっさり殺されるのがよかった。あんな顔の真ん中にへこんだ傷のある貧相な悪玉はまったく魅力がありません。何か意味があるのかもしれませんが、デザインが悪すぎます。
 さてさて、次回作はどうなるのかなあ?今回はむちゃくちゃな方法で生き残ったレイア姫も、実際の役者が死亡されていますから、どうするのでしょう。契約が心配になります(笑)。
 それにしても、ほとんどの登場人物に全く魅力がないから、困ったものです。加えて、映像の方も、どれも見たことのあるような絵で、しかも見せ場の悪のリゾート都市の情景も、あまりにも安直な美術で失望しました。銀河系とはとても思えません。コスプレのカジノの風景です(笑)。
 
 ということで、この作品の評価はどうなのでしょうねえ。ハン・ソロに続き、ルーク殺しだけが評価されそうです(笑)。確実に言えることは、上映時間3時間は長すぎです。こんな作品の出来でSW人気が続くのでしょうか?一般的なSF映画ファンとして、少々心配します。
 

2017年12月12日 (火)

スマホ・デビュー

 遅まきながら、先月、スマホ・デビューをしました。長らくガラケーを愛用していたのですが、併用していた格安タブレットが、この夏、フリーズ状態に陥ったのを皮切りに、調子が悪くなり、パソコン修理店での点検後いったん復活していたのですが、ついに先月、完全に凍結してしまいました。1週間ぐらい様子を見ていたのですが、なんとも埒があきまへん。
 通販の格安タブレットは、現物を見せて相談できないのが難点で、臨機応変の対応ができません。なにより、スケジュールが一切わからなくなったのが一番こたえました。やっぱり紙ベースのバックアップが必要だとつくづく思い知らさせました。
 丁度、そのころ、娘がスマホを新型機種に交換し、そのオマケでほぼタダ同然でタブレットを入手したのです。
 11月はお得月間だという携帯ショップの宣伝に便乗して、ガラケーを手放し、スマホに転換し、タブレットまで入手しました。もちろん、もっともお安いタイプ(笑)です。
Img_2347  スマホ購入で特に期待したのがカメラ機能です。ご承知のとおり、最近の機種は、ものすごく精度が高いのです。これまでのガラケーやタブレットとは雲泥の差です。・・・もちろん、入手したのは、そこそこ(底々)のものです(笑)。
 それにしても、スマホ・デビューとは上手いことを言ったものです。
 この製品は、初心者にはなかなか使いこなせません。説明書もないのです。タブレットで慣れていたはずですが、電話機能が付くと誤操作の山です。第一、電話をかけてもつながりません。困って友人に聞くと、耳に当てると自動的につながるそうです。画面を良く見るとそのことが書いていました。恥ずかしい・・・。
 また、多分、指が何かに触ったのでしょうが、何故か、昼間の送信履歴の方に夜中に電話が掛かってしまいました。誠に御免なさい。
 
 さらに、いまだに電話番号によるメールの履歴の保存場所がわからないし、無料電話でダイヤル番号を押す操作が全くわかりません。長年使っている友人も知らないそうです。案外使わないものなのですねえ。
 そして、思いもよらぬことに、最大の難関がカメラ機能でした。安物のせいか、どの写真も手振れしています。ストロボもつかないと思っていたら、これは機能を停止にしていた(笑)のですが、お気に入りのお店のうまい肴もまったく撮れません。画像は全部ぶれているのです。これからかなりの修練が入りそうです。
 本当のスマホ・デビューはいつになるのでしょう、困ったものです。
 それにくわえて、タブレットをほとんど使わなくなりました。当然ながら、全部スマホで対応できますし、小さい画面も老眼鏡なら同じでした。これも誤算かな?。でも、アマゾンkindleを読むならこちらかな?。
 そういえば、今日、自宅の電話工事の立ち合いです。

 固定電話の線が光じゃなかったそうです。光回線はパソコンだけだったのか、と改めて驚きました。本当に困ったものです。

 

2017年12月11日 (月)

手遊び(てすさび)

 最近、年のせいか、本格的な模型作りに挑戦する気力がなかなか出てきませんし、観たい映画もない休日には暇を持て余します。
 そんなときに、手先の訓練を兼ねて、ちょっとした暇をつぶすのには、高さ6~7cm程度の食玩サイズの模型塗装が”手遊び”として実にぴったりなのです。
 しかも、最近は、モノクロ版の商品も多く、それそれをカラー塗装にリペイントしたり、より精巧にするための改造もできますから、技術的に手頃なモノづくりとして、まさに”手慰み”になります。
 
 とはいっても、あんまり複雑なタイプは私の技術と根気では無理なので、このところ、もっぱらゴジラの食玩です(笑)。
 ただ、食玩と言っても馬鹿にすることなかれ、いまや、お菓子のオマケという位置づけではなく、ミニチュアが堂々たる主役の商品なのです。しかも、最近の製品は、技術の進歩で、モノの出来が一段と精巧になっています。
 大昔のグリコのオマケは論外としても、かつての食玩全盛期のガチャポン(当時はその精巧さに驚きましたが・・)と比較しても、その造りは驚嘆の精巧度です。
 
 特に、人気のゴジラなどは、ゴジラ模型専門の酒井ゆうじという作家(こんな人までいるのです。)の作品が絶品です。本来の30cm程度の模型、ガレージキット製作の傍ら、小さな食玩の分野まで進出です。価格が安い分、幅広く大量に販売され、いまや、その作家名を冠したゴジラシリーズまで発売されている状態です。
 
 現在、その作家の昭和ゴジラシリーズのモノクロ版のリペイントに挑戦しています。なにしろ、カラー版は、レアカラーとか称して数が少ないし、オークションでは直ぐにプレミア価格になります。バカヤロー!おまけに何千円も払えるか!・・・失礼しました。モノクロ版しか発売されていないものもありますから、自分の手でカラー化を図るのも一興なのです。・・嘘つき・・・(笑)。
 
 では、その自作のリペイント作品をいくつか紹介します。
 まず、初代ゴジラの最初の出現シーンです。この作品は少し大型のタイプで、とはいっても、高さは7cm程度ですが、横が長く結構迫力ある造形です。これはモノクロ版しか発売されていないので、色は私の想像です。とは言うものの、やっぱり、ゴジラは黒ですし、山は緑ですよねえ(笑)。
 
 次が、Img_2286_2通称モスゴジ(モスラ対ゴジラ)のゴジラ出現シーンです。これは、カラー版がありますので、その写真を参考にモノクロ版をリペイントしました。Img_2291
 
なお、この”出現”シリーズには、キンゴジ(キングコング対ゴジラ)もありますが、これは逆にモノクロ版が入手できず、カラー版しかないので、結局、リペイントを断念しました。残念です。
 
Img_2324 そのほか、TV番組「ウルトラQ」の怪獣リペイント版2種、その次が、映画「マタンゴ」に登場するマタンゴのクリアー版のリペイント作品です。 最後の2つは、再塗装というより口と触覚の部分を改造したものです。
 
Img_2259Img_2310
 実は、大きな模型キットも手つかずで溜まっているのですがImg_2297Img_2300、今一気力が整わず、退屈が続きそうなので、この手遊びも止まりそうにありません。困ったものです。

2017年12月10日 (日)

DESTINY 鎌倉ものがたり

  山崎貴監督の「DESTINY 鎌倉ものがたり」は、不思議な魅力のある映画でした。一言で言うと、鑑賞中あるいはその直後より”後をひく”というか、どうにもその物語が気になって、原作の西岸良平の漫画を読みたくなったり、撮影裏話をもっと知りたくなって、公認のオフィシャルブックを購入したり、とお金がかかります(笑)。
 
_new  正直、ちょっと鼻につく、いつもの横文字タイトル(何故、どの作品にもDESTINYとか、ALWAYとか、BALLADとか、意味のない英単語を付けるのかなあ?縁起担ぎor欧米市場向け?)とCG活用の少しあざとい(?)山崎流ファンタジーワールドですが、まあ、安心して観ることができる信用力はありますので、主演の二人にはあんまり思い入れはない(笑)のですが、封切日に観て来ました。
 
 冒頭、いったいこの映画は時代設定はいつ?という不思議な感覚に襲われます。720円にしては分厚いパンフレット(これはリーズナブルです。)によれば、原作は1970年代ごろですが、映画ではわざと時代をぼかし、70年代から現在までを微妙にミックスしているそうです。ただし、携帯電話はない時代だそうです。
 
 さらに、魔物や神様が登場する魔界の鎌倉が舞台ですから、ますます摩訶不思議な世界になります。
 
 そして極めつけは、魂を連れ去られた妻を取り戻しに向かった黄泉の国が、ますます奇怪至極な世界なのですが、一方でどこか懐かしい記憶すらあります。ジブリ世界と中国文化(なんかの絵本の挿絵風)をこねくりまわして作り上げた感がします。
 ・・・まあ、嫌いではありません(笑)。江ノ電と魔物のCGが少しチャチですが、それも原作の世界に合わせたそうな?ま、いっか(笑)。
 あと、余談ですが、田中泯演じる貧乏神がうまいし、存在感があるなあ。
 
 それより、主人公の小説家の家が実に良いのだ。外観は、あれ?サツキの家?と思ったが、間取りが絶品なのです。まさに男の夢、男の隠れ家です。映画の中にしても、羨ましい限りです(笑)。
 
 ということで、未見の方は、是非、ご確認ください。
 では、私は、これから、映画の元ネタとなった漫画のエピソードを集めた本(こういう本が出版されているのです。)を読みましょう。「3丁目の夕日」以降、西岸ワールドは久しぶりですので楽しみです。

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