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2017年10月29日 (日)

ブレードランナー 2049

 カルト的人気を誇るリドリー・スコット監督のSF映画の傑作「ブレードランナー」の続編が製作されたと聞いて、大変心配していました。
 30年もたって、何故、いまごろ続編を作るのか、しかも、あの「エイリアン」シリーズでさえ、スコット監督自身が作った最新作は全く異次元(?)に行ってしまいました(笑)。
 実際には、リドリー・スコットは製作にまわり、私にはどうにも理解できない「メッセージ」のドゥニ・ヴェルヌーヴが監督とのことで、正直どうなるのか、不安を消すことができませんでした。
 というのも、私、このオリジナルの「ブレードランナー」が大のお気に入りなのです。
 公開当時、劇場で観た時のインパクトが忘れらません。あの暗い世界を象徴するような音楽、雨降りの中のネオンにかすむ悪夢のような未来都市、さらにライトの光源がリアルなスピナー(空飛ぶ車)など、当時の特撮技術の粋を集めた圧倒的なイメージでした。
 そして、それ以上に、ショーン・ヤング演じる”レイチェル”です。いかにも、理想の特別の人造人間という形でした。いやあ、ハリソン・フォード演じるブレードランナーのデッカードでなくても一目ぼれします。
_new この大事な作品を、スコット監督は、こともあろうに、ビデオテープ(LD)をはじめDVD化するたびに、異なるバージョンを出すのです。ディレクターカット版はもちろん、ファイナル版まで、何度手を加えるのでしょう。買う方も大変です(笑)。 ちなみに、私は、ハッピーエンドで終わった劇場版が一番好きなのです。
 
 ということで、私としては、何故、いまさら続編を作るのか、大いに疑問でしたが、それは、全くの杞憂でした。
 
 結論からいうと、誠に見事な続編です。30年後に続編を作る理由も意義もしっかりした”メッセージ”があります。いやあ、この監督を見直しました。手のひらを大きくひっくり返します。お見事。
 映像は、もうCG技術を使って誠に申し分ありませんし、よくオリジナルの雰囲気を再現しています。とりわけ、巨大な宣伝ネオンが、フォログラムに代わり、エロチックなセンスも抜群です。「ゴースト・・」とは一線を画す出来です。
 しかし、それだけではありません。時代設定、登場人物、ストーリー展開が素晴らしいのです。逃亡レプリカント(人造人間)を追う主人公のブレードランナー(警官)も、やはり、戦闘用レプリカントで、仲間から”人もどき”と差別されながらの行動をハードボイルタッチで追います。
 その過程で、今、我々が直面する様々なテーマ、例えば、AIとの恋愛なども描かれます。このAIジョイの純情が切ないのですが、なにより、オリジナルのテーマが人造人間の人権、と寿命だったのが、続編では一挙に拡大します。ここは、ネタバレになりますので、やっぱり、劇場でご覧ください。続編の意義にもつながりますゾ。本当に脚本がうまい。
 
 最後に、あの人のサプライズな登場もうれしい。最新のCG技術に乾杯しましょう。ここも、是非、劇場でご覧ください。
  いやあ、続編はかくあるべきです。
  SF映画続編史上3番目の傑作(笑)が誕生しました、というぐらいに私は大いに贔屓にします。
  ちなみに、1番、2番の作品は、①ターミネーター2、②エイリアン2です。
 

2017年10月28日 (土)

クライテリオン版ブルーレイ(北米版)

 日本発売のDVDやブルーレイを観た時、どうも画質が悪く、暗い部分がほとんど見えないという不満があります。特に、何度となくリニューアルされている黒澤明作品のDVD類は、黒澤監督のこだわりがあるせいか、細部が良く見えません。音のことは言いませんが(笑)。
_0001_new  一方、米国のクライテリオン版ブルーレイ(北米版)は、アマゾンの商品レビューをみると、かなり評判が良いのです。
 ほとんどのレビューで、クライテリオン版の画質、画像を褒めています。2010年リリースというのですから、もう随分前ですが、かなりなハイテクを使ってリファインしたという英語の解説文が付いているようです。・・・これはレビューの引き写しです(笑)。
 
 こうした意見をまとめると、総じて日本版の不満、つまり、暗部が見えにくい画質を、コントラストを強くして、くっきりとシャープにしているというのです。しかも、ブルーレイですから、北米版が日本でもそのまま視聴できますし、当然、英語の字幕も消せます。しかも、相当に安いのです。 
 黒澤時代劇の傑作「用心棒」と「椿三十郎」がセットで、ほぼ片手(円高のおかげ?)です。これは買うしかないでしょう。
 
_new  さて、実際に自分の目で確認したところ、「用心棒」は大満足です。疑似夜間撮影の地面を這って逃げるシーンなどは、暗部がはっきり見えます。DVDとブルーレイの差だけのせいではないと感じます。
 しかも、シャープさの度合いを挙げているせいか、大胆なカメラワークのピントの凄さを再確認できます。正直、当時の撮影スタッフの神業を実感できます。
 
 ただ、「椿三十郎」の方は、不満があります。ハイトーン過ぎるのです。暗い方は良いのですが。明るいところが逆に白く飛んでいるように見えます。用心棒と異なり、オーソドックスなカメラだけに、中間調の画質のほうが向いているのかもしれません。ただ、これも、テレビ側の画質モードで調整すればよいという声もありますので、今度一度ためしてみましょう。
 それと、もう一点、どなたかのレビューでも指摘がありましたが、実は、横長の両サイドを少しカットしています。黒澤監督こだわりのワイドは、テレビ画面で見ると、上下の黒の余白が大きく、画面自体が相対的に小さく見えて、実は見にくいのです。
 一部、顔の切れる場面もありますが、このサイズは、これはこれでアリ、かなと思っています。黒澤先生はお気に召さないでしょうが・・。
 
 ということで、若干不満もありますが、視聴者が自宅のTVで見るという前提で、はっきり、くっきり、見やすくなっているという意味で、これは確かに「買い」でした。
 
 それにしても、本家のブルーレイも頑張ってほしいものです。「七人の侍」の4K版映画も製作したそうですので、一日も早くブルーレイで発売してください。 
 ただし、お値段はリーズブナルにしてほしいものです。
 どうして日本映画のDVDやブルーレイもあんなに高いのかな?・・・それは、市場の規模が小さすぎるせいなのでしょうね、きっと。もっともっと世界市場に打って出る必要があるのでしょうか、それにしてはアニメ映画も高いゾ(笑) ・・・やっぱり無理でしょうねえ。
 

2017年10月22日 (日)

アトミック・ブロンド

  シャーリーズ・セロン主演の「アトミック・ブロンド」は、宣伝文句のとおりのスタイリッシュ・スパイアクションでした。
 色彩を落とした映像や斜めに傾くカメラワーク、主演のドクターX(笑)のような美脚を見せつけるためのだけの衣装など、あまりに過剰なスタイリッシュさ(笑)に、なんとも感情移入ができず、しかも、ただただ大音量で画面と関係なく勝手に流れるBGM、さらに、決めても決めてもなかなか相手が倒れない、長回しの、ホントに痛そうな格闘シーンを眺めていました。
 
 ちなみに、BGMはデビット・ボーイなどのロック系の有名な曲らしく、好きな人には最高(そういうユーザーの声が多いよう)かもしれませんが、映画は、かの黒澤明が宣ったように映像と音楽は掛け算、融合芸術なのです。完全に遊離しているように感じたのは、私だけなのでしょうか。歳のせいか、劇場設備のせいか?とにかく音量で耳が痛いのです。
_new  さて、時代は、冷戦時、東西ドイツのベルリンの壁の崩壊前夜なのですが、西側スパイのリストや二重スパイの正体を巡って、セロン扮する女007(宣伝文句)スパイが大活躍する物語かと思ったら、スタイリッシュな映像とは正反対のやたら深刻なお話でした。
 
 007映画の魅力のユーモアも何もなく、セロンも裸の大サービスはするものの、無口で、格闘跡、傷だらけな無残絵なのです。この手の好きな人はいいが、私はどうも閉口します。見てて気が滅入りました。
 それに、目玉の格闘シーンも、長回しで見事な”階段落ち”のスタントには感心したものの、大男と殴り合うセロンの姿は痛々しくて見ていられません。
 もっと、スカッとしたアクションを観たいのです。リアルさの追求かもしれませんが、しまりのない、だらだらした格闘は見苦しい。鼻血も嫌悪感です。
 これまでの出演作を観たら、多分アクションが好きなんだろうなと思われるセロンも、「マッドマックス」後遺症(笑)は判る気がしますが、やはり年齢的にそろそろ、この手のリアル指向の格闘技映画は限界かなあと、思わざるを得ません。
 それにしても、「キングスマン」や「ザ・マミー」で圧倒的な存在感を示した、ソフィア・ブテラとくんずほぐれつの大格闘を期待していたら、それがベットの上とは意外でした。いやあ、この辺は、007映画の伝統を踏襲した(笑)のかなあ。第一、ブテラを、ボンドガールのような新人スパイに設定するのも脚本のミス。まず、女殺し屋にしてほしかった(笑)。
 まあ、ストーリーが回想による説明で右往左往するため、最後に仕掛けたどんでん返しなどは、劇中の伏線がまったくわからないので、なんの感動もありませんでした。・・・これは脚本と監督が悪い。まあ、最後のセロンの笑顔が救いです。
 
 ということで、今回は、パンフレットも買うこともありませんでしたので、ブログには、チラシを掲載しました。以上です。
 
 
 
 
 
 

2017年10月15日 (日)

ウォリアー・バグ

  「ウォリアー・バグ」とは、SF映画「スターシップ・トゥルーパーズ」に無数に登場するカマキリとカミキリムシの合いの子のような昆虫型地球外生物です。思い出していただけたでしょうか、上下に大鎌を付けたような顎で人間の兵士を惨殺する凶暴な奴です。
 
 この映画は、あのモデルアニメーターの神様レイ・ハリーハウゼンの正当な後継者と目されていたフィル・ティペット(SW第2作目の氷原を人を乗せて走る動物のアニメートが有名)が、準備万端で臨んだ「ジュラシック・パーク」の恐竜アニメートに、スピルバーグ監督がCG技術を初めて導入したために、その職を失った(恐竜の動きの指導はしたようですが・・)のですが、その後に、一念発起したのか、自らCG技術に取り組み、その時のうっ憤を晴らすかのように、これでもかと云う程の数のユニークなCGモンスターを生み出した(感がある)という曰くつきの傑作なのです。
 しかも、やたら好戦的な人類が異星を攻撃するという内容が、はからずも反戦を訴える作品になったというのが、あのポール・バーホーベン監督らしい所以です。
 
 ・・・が、そのことはさておき、この地球外生物のデザインを大変気に入っているのですが、何故か、こいつのモデルキットの発売はありません。
 一部、人類の宇宙戦艦やカブトムシの様な生物のモデルは発売されているし、子供向けのトイでは、このカミキリムシも、他のカブトムシ類とセットで販売されているので、長年期待していましたが、サイドショウなどの有名メーカーの発売は一向に無しのつぶてでした。
 
 そんな中で、さすがガレージキットの本場、アメリカです。アチラの個人メーカー(多分?)のモデルキットを発見しました。もちろん、これもオークションです。
 一応、なんとかゲットしましたが、当然、競争がとんでもないことに・・・。以下、経緯は省略します(笑)。
 
Img_21411  さて、そのキットの製作ですが、第1段階としては、レジン製の部品の洗浄です。今回は、足の先端部分が強度保持のためか、金属製になっています。
 しかも、昆虫型のモデルですので、組み立てが難しく、設計書を解読する(部品の上下、左右の位置関係の確認)にも時間がかかります。しかも、その足は、まさしく昆虫の足のように、細く、頼りない構造なのです。
 
 第2段階の組み立て方法ですが、結局、キットの完成写真を実物キット大に拡大し、その足の形に合わせて、関節を固定していく作業に取り組みました。胴体との接合部分は、真鍮棒ですが、先端の足は強度保持のためか金属製ですので、関節部分はエポキシパテで包み込む様に固定しました。
 そして、4本の足で頭部・胴体を支えるように組立てがなんとか成功して、作業が終了です。結構、日にちがかかりました。次の写真では、1本足が足りません(笑)。
 
Img_21711
 次が、第3段階の塗装工程です。まず、サーフェイサーで下塗り後、いつもように、一気呵成にエアブラシで吹きます。ラッカー塗料のオレンジと黄橙色の混色で塗り、その後、つや消しブラックで、トラ皮模様に黒い縞を描きます。
 
 ここで、やっぱり、即興では無理でした。きちんと下絵を描くべきでした。おおざっぱな手抜きはイケませんね。
 
 しかし、劇中の雰囲気は一応出ていますし、私の腕では、こんなところですので、いつものことながら、これで良しとしましょう。また、気が向いたら、再塗装に挑戦をすることにしましょう。
 
 Img_22261 以上で、終了です。では、完成写真をご覧ください。Img_22291Img_22342

猿の惑星 聖戦記

  あの名作「猿の惑星」のリブート版(最近、リメイクではなく、再創造というらしい)の第3部作の完結編「猿の惑星 聖戦記」は、予想をはるかに超える傑作です。
 猿の惑星と化する過程の猿と人間の間の大規模な戦争物(核もある?)とばかり思いこんでいましたが、・・・そういう大合戦は前作「新世紀」で既に終わっていたんですねえ。・・・人類は絶滅危惧種になっていたんです(笑)。
_new  この作品は、なにより、第1作目の世界につなぐための、数々の小技(イブが良い)をはじめ、猿の主人公シーザーと人間の大佐の対立を軸にした練に練った脚本が素晴らしい。
 そして、もはや知能を持った本物の猿としか思えないほど進歩した撮影技術、そのパフォーマンス・キャプチャーを生かした、シーザー役のアンディ・サーキス(ゴラムやキングコング役者)の名演につきます。アカデミー賞の声も挙がってるとか、さもありなんですが、こうなると、これからの俳優は、あまり外見は重視されなくなる時代が来るかもしれません。やっぱり、要は、声と身体能力と感性ですか。
 
 さて、内容については、もうここで、あれこれご紹介する気にもなりません。まずは、是非、ご覧になってください。なぜ、猿の惑星になったのか、なぜ、人間はしゃべれなくなったのか、オリジナル版への回答です。
 
 シーザーの怒りや敵役の大佐の行動すら、なかなか考えさせられます。意表をつく展開もうまい。女の子も収容所の舞台も良いねえ。映像がリアルな上に、観客向けのさまざまな隠し味が仕込まれている気までします。
 某「ありえん」映画とは、雲泥の差です。いやあ、大したものでした。本当に大満足です。ごちそうさまでした。

2017年10月 9日 (月)

あなたの知らない「レトロ特撮」の素晴らしき世界

  映画の素晴らしい世界をマニアックに紹介する雑誌社「洋泉社」から、「あなたの知らない『レトロ特撮』の素晴らしき世界」という単行本が出版されました。
 この本は、今までありそうでなかった、ハリウッド映画のCG以前の特殊撮影が有名な作品を極めて主観的に紹介したものです。
 日本の場合、特撮の神様である円谷英二が非常に有名ですが、アチラの映画と言えば、モデルアニメーターの神様レイ・ハリーハウゼンや特殊メイクアップの巨匠ジャック・P・ピアース以外は、ほとんど知りません。
 
51cfollsoll_sx340_bo1204203200_  言われてみれば、十戒、ベンハーなどの歴史大作をはじめ、ヒッチコックの意表をつくショット、爆発や破壊の戦争映画など、ハリウッド映画全般にわたって数々のミニチュアや合成を使った名場面がありました。
 
 もっとも、特殊撮影として見破られたらおしまいというのですから、やっぱり、特撮と気が付かなかったという方が、名匠たる名匠の所以なのでしょうか。
 
  私の洋画初体験「バルジ大作戦」は、本物の戦車を使った堂々たる大作なのですが、ミニチュア戦車も多数使われているそうです。信じられません。何処の場面かな?、見直してなんとしても見破りましょう(笑)。
 
 さて、著者が、ハリウッドの特撮の第一人者として名前を挙げるのが、ジョン・P・フルトンという人です。古くは、「フランケンシュタインの花嫁」や「透明人間」であり、そのガラス越しの合成など、いまだに当時どんな技術をつかったのか、わからないという伝説の持ち主です。そして、紅海の海が二つに割れるシーンやベンハーの大海戦なども担当したといいます。
 
 私自身、もともとSFやファンタジー映画の特殊撮影には大変興味があるのですが、普通の映画に使われた特撮シーンには、あまり気にもしてませんでした。
 この本の著者に脱帽です。よくぞ、ここまで調べたと感心しました。
 とりわけ、爆発フェチというのでしょうか、様々な作品の爆発シーン、破壊シーンを丹念に分析、批評していることには参りました。世の中には、こんな人がいるのだと改めて感動です。
 
 さて、このように、この本では、著者の個人的な趣味を基に、ハリウッド古典を中心にかなりの数の作品を紹介しており、少し過大評価かなという部分もあるのですが、いまだ未見の作品も多くあって今後の再発見を期待するところです。
 最近は、この手の作品も結構DVDで新発売になりますので、楽しみも増えます。いやあ、有難いことです。
 こんな贅沢な無駄が許される幸せで平和な世の中がもう少し続きましようにお祈りしましょう(笑)。

2017年10月 6日 (金)

ローラン・バレスタ写真集「ゴンベッサ」

 「ゴンベッサ」というのは、ご存知、生きている化石シーラカンスの地元での呼び名です。その名を冠した写真集は、まさしく、シーラカンスを、海洋生物学者で水中写真家であるローラン・バレスタ氏が海中120mまでダイビングし、その遊泳する姿の撮影に成功した成果なのです。
 
Img_2151_3   この本の存在を知ったのは、先般ご紹介(2017.5.5ブログ)しましたが、究極のシーラカンス模型のメーカーのブログで、「おすすめの逸品」というオーナーからのご紹介なのです。ということで、シーラカンス・ファンとしては、一度、是非見てみたいと思っていました。
 
 そうしたなかで、今回、この写真集がヤフーオークションに出品され、もちろん、人気の高いシーラカンス関連ですから、激しい競争が繰り広げられ・・・・、いや、思い出したくもありません(笑)。・・ともかく、念願かなって、いま、我が家に届きました。
 
Img_2155   本のサイズは、31cm×31cmで、239頁もある大型本です。その主役は、言うまでもなく、遊泳するシーラカンスの勇姿ですが、そのほかにも、マダガスカルの荒々しくも美しい大地の風景やその他の生物の姿も脇役として掲載されています。もちろん、洋書ですので、私は写真を眺めるだけですが、まさに至福の時です(笑)。
 それにしても、はく製の姿とは全く違う、何人ものカメラマンたち(撮影チーム)に囲まれ、堂々とポーズをとるような姿やアップで切り取られた鱗や鰭の無骨さには驚かされます。お見事です。
 
 余談ですが、メイキングの撮影チームの大らかで茶目っ気たっぷりな行動も笑えます。いかにも、海の男達という感じです。是非、一度ご覧ください。
 
Img_2147  さて、この貴重な本は、アクリルケースで陳列したシーラカンスの模型の横にセットで置くことにしました。結局、このコーナーがお気に入りの図鑑置き場になりました。
 ちなみに、その左側には、ブリアンの「前世紀の生物」が見えます。・・・興味のない方には全くお呼びでないネ。失礼しました(笑)。(ちなみに、NHKの「植木等とのぼせもん」、結構はまっています。)
 

2017年10月 1日 (日)

亜人

 映画「亜人」は、予想外に面白い活劇でした。冒頭から始まる銃撃戦は、「邦画もハリウッドの水準に達した」と感心するほどのテンションの高さです。しかも、これが全編続くのですから正直驚きました。いやあ、立派。
 
_new_2   アクションシーンの迫力の理由としては、まず、銃器の小道具の性能があがったこと。往年の東宝アクション映画と比べて一目瞭然。本物っぽく見えます。・・ベニヤのセットも(笑)。
 次に、格闘の殺陣師も、国際化しているのでしょうねえ、リアルです。
 加えて、CGなどの映像加工技術の進歩でしょうねえ、いや、TV出身の本広克行監督の演出を褒めるべきでしょうか。なかなか上手いです。
 
 しかし、それ以上に、なんといっても、主演の二人の俳優の身体能力の高さと頑張りを評価したいと思います。
 佐藤健は、時代劇「るろうに剣心」3部作で、その殺陣のうまさを証明していますし、今回、敵役を演じた綾野剛もアクション力が凄い。しかも、タランティ-ノ映画に登場しそうな、饒舌な悪役を見事な滑舌で演じ切り、その演技力も見事でした。
 
 この二人は、若手登竜門と呼ばれる仮面ライダー番組出演者ですか?(笑)。
 やっぱり、主演を張る俳優たるものの条件として、身体能力の高さと声の良さは必須ですね。改めて思いました。極論言えば、顔より声です。声優の時代だ(笑)。今回、ほんとに綾野剛を見直しました。
 この映画、ストーリーもなかなか面白い。あの”お守り”の設定にも驚きましたが、それもこれも、現在も連載中という同名の原作漫画の面白さなのでしょうねえ。
 
 内容は、死んでもすぐに体が再生するミュータント「亜人」と人間との戦いですが、人体実験のうらみから人間を滅ぼそうとする亜人とそれを防ごうとする亜人の、死ねない者同士の戦いを描いています。
 原作を端折っているせいか、関係者の人間関係が今一つわかりませんが、20年間、毎日殺されて生き返される人体実験の非道さと国の冷酷さは良く描けています。なにしろ、すぐに生き返るのですが、殺されるときの痛みは通常という設定ですから、これは痛い(苦)。
 
 しかし、不死身、再生、超人というテーマは、大体が少年時代の願望ですが、いまや、ドラゴンボールをはじめ、様々な設定での漫画が多数ありますし、ハリウッドでの映画化も含めて、実写化も多い。さすがにクール・ジャパン、それだけ日本の漫画の質が高いと誇りたいのですが、世界が幼児化に向かっている証左かもと、なにしろ現実世界が漫画よりマンガチックになってきているような気がして、手放しでは喜べません。(年寄りの杞憂か?)
 
 それはさておき、この映画を未見の方は、是非、日本の現代SFアクションのレベルを鑑賞する映画として是非ご覧ください。十二分に楽しめます。
 

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