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2017年9月23日 (土)

パニック・イン・テキサスタワー

 随分昔、テレビで放映されていたある狙撃犯の物語に忘れられないシーンがあります。
 それは、アメリカの大学構内にある高い塔の上から、無差別に多数の人を狙撃している犯人を捕らえるべく、警官が銃を構えて回廊の縁に沿って進んで行く場面なのですが、警官の脂汗を流しながらの悲壮な表情や姿に、とてつもなくリアルな緊張感と迫力があったのです。・・・しかし、それから40年という経過の中で、作品名もすっかり忘れていました。
91dukl7dlml_sy550_  さて、今回、1975年製作の「パニック・イン・テキサスタワー」という映画が初めてDVDにパッケージ化されました。
 そのDVDの宣伝文句が「1966年に実際に起こったテキサスタワー乱射事件を映像化した伝説のTVムービー」とあり、嗚呼、これは、前述の私の記憶に断片的に残っている作品だと直感しました。
 早速、購入して、視聴しましたが、間違いありません。まさに、あの白昼の悪夢が描かれています。
 今見直しても、塔の上の演出は静かな迫力に満ちています。
 しかし、それ以上に、忘れていた部分も多くありました。
 
 まず驚いたのが、犯人役が若き日のカート・ラッセルなのです。彼が狙撃事件を起こす前に母と妻を殺すシーンなどは、直接の殺害の描写はないのですが、その無表情が恐ろしい。
 また、主演のメキシコ人の警察官に対する人種差別や大量の銃や弾丸を簡単に販売する銃規制の甘さなどを静かに批判している演出も素晴らしい。 
 やはり、映画の面白さは、お金や大スターではなく、演出ですねえ、改めて思いました。
 いやあ、これは地味ですが、やっぱり傑作です。
 それにしても、最後に字幕に犯人の動機を頭の中の腫瘍のせいにする説明があったのは、製作の70年代との時代の流れを感じさせます。
  未見の方は、是非、ご覧ください。

2017年9月17日 (日)

エイリアン コヴェナント

 名匠リドリー・スコット監督はどうしたんだろうと、思わず考え込んでしまいました。エイリアンシリーズの最新作「エイリアン コヴェナント」を観ての感想です。
 
_new  新たなシリーズとして「エイリアン プロメテウス」から始まった3部作の第2作目です。前回から続きの物語で、第1作に登場した、いわくありげなアンドロイドも出ますが、まったく新味がありません。
 
 出ることがわかっている幽霊を見るような、新登場の白いエイリアン(ネオモーフと呼称するらしい。)は、とんがり頭のノッペラボーでろくでもないデザインであり、しかも幼虫にすらならず、瞬時に大きくなるご都合主義の生態です。
 
 もっとも、真打のお馴染みのエイリアン(これも、今回からゼノモーフと新たに呼ぶらしい。)すらも、CG製でやたらピョンピョン跳ねたり、四つ足で走ったりと、まったく貫録がなく、重みもありません。あの第1作の2本足で立ち、突然闇から現れて襲い掛かる恐怖の象徴の姿は片りんもありません。
 
 ・・・本当に、スコット監督はどうしちゃったのだろう。別に、A級SF芸術映画を撮ってほしいのではありません。なんか、晩年の黒澤明監督を思い出しました。
 観客はセンス・オブ・ワンダーが楽しめるSF映画を撮ってほしいのです。しかも、あの人類創造者たるエンジニアの母星があんな非文明国だったとは、あの最後もひどいですが、別の意味で驚かされました。情けなくなりました。しかも、エイリアンの誕生の秘密がアレとは、ますます悲しくなりました。
 
 さらに、この手の映画に不可欠なのは、魅力的なモンスターと美女です。今回のヒロインは、旬の女優さんらしいですが、人妻役だったせいか、なんか所帯じみたオバさん風(失礼!!)な雰囲気で、どうにも役に向いていません。
 
 もう一つ、おまけに、前回も非常に気になりましたが、未知の惑星に、無防備に素顔を晒してそのまま降り立たないでください。O157じゃないですが、未知のウイルスの存在など当たり前と素人でもわかります。汚染されて当然です。
 まあ、このシリーズ全体を通じてのテーマが指揮官の無能ということかもしれませんが、科学的常識がない脚本もひどいなあ。
 
 最後に、ダメ押しでの突っ込みです。この映画は、第1作のエイリアンの20年前らしいですが、装備は、あの映画と比べて100年は先のような気がします。
 正直、映画の鑑賞中は、あの初代エイリアンの時代よりも、ずっと後の話のような気がしていました(笑)。もっとも、そうなら、エイリアン誕生の秘密は成り立ちませんわなあ(笑)。
  でも、良く考えると、あの初代エイリアンの遺棄船とエンジニアは化石化していたような・・・。
 
 さてさて、それにしても、第3部もあるのかなあ?・・・観たくないなあ。別の意味で怖いなあ(笑)。

2017年9月10日 (日)

ダンケルク

 評論家にも観客にも評判の高い、クリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」を観て来ました。・・・これは、「映画」なのか、その評価に困っています。
_new  全編、わずか106分ですが、ものすごい音量のサウンドが流れます。
 
 まず、「防波堤」という説明文字が出るものの、一切の説明がなく、ともかく、若い頼りなさそうな兵士の体験だけをカメラが追いますので、ダンケルク海岸エリアの主人公は、この兵士ということがわかりました。
 しかし、この主人公は、なんとしても帰還したいという強い思いから、もう一人の行きずりの兵士とともに、あの手この手で帰還船にもぐり込みますが、その都度、文字通り水の泡になります。もちろん、極限の状況の中、生きて帰ろうという行動を貶しはしませんが、やっぱりどうにも狡い気がして、共感できないような変な展開です。 
 
 一方、救援側の視点として、「海」の説明文字が出て、イギリス本土の民間船のオーナーが息子とその友達を連れて、民間救援隊としてダンケルクに向かう場面が描かれます。このさえない船長がなかなかの英雄です。このおっさんは実に上手い。そして、その息子が傷病兵に言った「大丈夫」という言葉には正直一寸感動しました。意外なオチもいい。総じて、このエリアは気に入っています。
 
 さらに、イギリス空軍がわずか3機でダンケルクに出撃します。「空」という場面説明がありますように、このエリアの主人公は、最後に素晴らしい活躍をするパイロットで、トム・ハーディが演じていますが、操縦席でほとんどマスクをしており、バットマンの悪役と同じく、やっぱり素顔が見れません(笑)。
 
 それにしても、ドイツ軍機との空中戦は、リアル過ぎて、ほとんどどうなっているのか、全くわかりません。風防越しの視界と爆音のサウンドで、臨場感だけがむなしく高まります。
 映画は、この「防波堤」「海」「空」のそれぞれの立場から交互に物語が語られるのですが、時系列には描いていないため、かなりトリッキーな構成となっています。
 
 結局、同じ場面を違う角度で繰り返し見せられ、、最後にはそれが一つの姿につながりますが、この演出がそれほど凄いのでしょうか?効果的?どうも、腑におちません。
 最近、単純なアメコミ映画ばかり見ていたので、鑑賞眼が老いたのかな?、いや逆の幼児化かな?(笑)。
 でも、正直、こんな激しい音響効果とハッタリの編集ではなく、昔のハリウッド黄金時代の映画は、もっと繊細で心に訴えるようなつくりをしてたような気がします。
 
 そういえば、あのアカデミー賞の受賞作「ラ・ラ・ランド」のラストのアレも、別の人生を一瞬で走馬灯のように見せるのは実にトリッキーな演出ですねえ。・・・関係ないか(笑)。
 
 以上、正直なところ、遊園地のアトラクションの映像のような気がしました。まあ、イギリスの愛国心、戦意高揚には良いPR映画でしょう。故チャーチルも見たかったのではないでしょうか。個人的には、この作品が世評のような「傑作」というような高い評価はできなかったなあ。
 もっとも、CGを使わず、実際の現場で、本物の飛行機を飛ばして、フィルムで撮影したという監督の姿勢は、誠に素晴らしいし、高く、そして大きく評価したい。

2017年9月 3日 (日)

汗止め

  残暑お見舞い申し上げます。
 
 やっと秋の気配が感じられるようになりましたが、今夏の暑さもタイヘンでした。温暖化のせいで、暑いと書くより熱いとしか言いようがありません。
 その影響でしょうか、ケースにしっかり陳列していた私の大事なコレクション(小物)の中に汗をかいている物が散見されました(汗!)。
 
71sxrgetbyl_sy445_  通常、ビニール製の商品などで、経年変化により触ると手にべたつくような感触が生じることがありますが、こうした「汗かき」状態は、市販の模型用のクリアー(つや消し)スプレーで一吹き軽くスプレーすると簡単に収まります。お手軽な、いわゆる「汗止め」措置です(笑)。
 しかし、今回、発見した小物は、頑固な難物です。クリアースプレーなどは全く効果ありません。手にねっとりした粘りが伝染するような強者です。もう溶解化している状態です。
 
 感染した商品自体は、バンダイ提供の中国製の食玩であり、硬質なプラスティック・モデルとは異なる、ビニール系のやや軟質の素材です。
 もっとも、いまやサイドショウが販売する高額商品でも、製造はメイド・イン・チャイナですから、生産国はもう関係ないのでしょうねえ。
 
 要は、販売元のコスト、価格と材料代の問題なのでしょうかねえ。販売元に「安く造るな」と言いたい。
 思えば、海洋堂のチョコエッグ系商品群は、硬質なプラスティック製品であり、年月を経てもこんなトラブルは全く関係ありませんでした。さすがです。
 
 そういえば、子供のころに大量に収集していた、英国製のブリテン・動物コレクションも、ある日、収納ボックスを開けると、異臭がひどくて、総て廃棄した苦い思い出があります。あのとき、この「汗止め」措置をしておれば、今や高値が付いただろう(笑)に。誠に惜しいことをしたものです。
 
 さて、このコレクション全体にも影響する由々しき問題をどう解決するのか。
 なかなかいい知恵が浮かびません。洗剤での洗浄も全く歯が立ちませんでした。悩んだ挙句、フリーズしたタブレットと同じく、一晩、冷蔵庫に放り込んで冷やしてみました(笑)。
  その結果、なんとなく溶解がストップしたような感触がありましたので、まず、平坦な部分が多い台座部分を、化粧用の脂取り紙で丁寧にふき取ります。
 予想以上に粘着質の汗分(?)が紙や指先にへばりつきます。ビニール手袋などの完全装備が必要です。
 この脂取り作業が一巡し、キモチ、落ち着いたような状況を見計らって、前述のスプレー処理を行ったところ、一定、汗止めが成功しました、と多分思います(笑)。
 しかし、フィギュアの本体の方は、細かな凹凸があり、なかなか脂取り紙だけではうまく汗分をぬぐい切れません。苦戦中です。なんらかの次の手を打たなければなりませんが、今のところ、まったくうまい知恵が浮かびません。・・・・・私の汗は、まだ止まりません(笑)。
 
  どなたか、良い方法があれば、ご教示ください。よろしくお願いします。 
 

2017年9月 2日 (土)

ガストニア

 サイドショウのダイナソーリア・シリーズの最新作が、鎧竜「ガストニア」です。この恐竜は、棘竜とでも呼びたくなるように、全身を巨大な棘で覆っています。
 今回は、前回の失敗に懲りて、事前に、サイドショウ・トイに予約し、個人輸入しました。アメリカの代理店に入荷して、自宅に届くのにわずか6日です。本当に早くなりました。
 
 しかし、到着した輸送箱を見た感想は、予想以上に、デカイ、しかも重い。
 もちろん、このシリーズ初の鎧竜ですので、ある程度の大きさは覚悟していましたが、予想を上回る重量なのです。鎧の分だけ重いのでしょう。
 実際のサイズは、本体がH317.5mm×W393・7mmm×L482.6mmなのですが、外箱は381mm×482.6mm×711.2mmと幅が広いのです。そして重量はなんと8.16kgもあります。
 置き場所の問題もあり、なかなか本体の開封すらままならず、当面、そのままお蔵入りとなりました。誠に情けないですが、本日は、鎧竜が到着した、というだけのお知らせになりました(笑)。
 とりあえず、商品写真をご覧ください。また、機会を見て、実物をご紹介します。
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