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2017年8月27日 (日)

ワンダーウーマン

  「バットマンVSスーパーマン」に前振りなしで登場したワンダーウーマンの誕生編がこの「ワンダーウーマン」です。
 元来、アメコミには全く興味がなかったので、スーパーマン並に強い、この女ヒーローの素姓を全く知らなかったのですが、結局、ギリシャ神話の神ゼウスの隠し子だったのですねえ。SFと神話が融合化しています。
 
_new  そういえば、アメコミの世界には、こうした神話由来のスーパーヒーローが結構多いのです。実のところ、欧米社会では、キリストなどの絶対神以外の神様は、神と言っても全知全能でもなく、非情に人間臭い、いわばパワーや能力が人類以上というだけの超人や宇宙人の類なのですねえ。
 そのおかげ(?)で、神話の神様が当たり前のようにSF世界のスーパーマンやバットマンと同じ世界に馴染んでいるのかもしれません。
 
 この映画は、こうしたトンデモナイ設定の超人を、ほんとうにリアルに、というと可笑しな気がしますが、実に上手に描いています。
 
 時代は、第一次世界大戦のころまで遡りますが、あのコスプレの様な衣装にもかかわらず、精緻に再現した悲惨な塹壕の戦場や戦火の町並みなどに、すんなり溶け込んでおり、違和感は全くありません。
 泥だらけのマントなどをうまく使っているのですが、この手腕、この映画美術は尋常ではありません。女性監督ということですが、凄いと感心するばかりです。 
 最近のハリウッド映画は、CGのおかげもあって過去の時代の雰囲気を本当にリアルに再現していますが、その中でも重厚感、臨場感は抜群です。要はセンスなのでしょうねえ。あの記念写真の映像がそれをよく象徴しています。やっぱり、お金の掛け方が違うのでしょうねえ。
 
 さて、物語は、意外なラスボスの登場も含め、ほぼ予想通りなのですが、主演のガル・ガレットが結構面白い。初めて見た男の感想やアイスクリームの出会いなどのコミカルで楽しい会話は、脚本の勝利かもしれません。
 また、銃弾も跳ね返し、塔よりも高く飛ぶ、アメコミ・アクションの見せ場もさすがですが、それ以上に、この映画は戦争の悲惨さ、戦場の残酷さをよく浮き彫りにしています。この辺の演出も非凡です。
 アメコミと侮るなかれ、なかなか良いぢぁないか。・・・最近、こればかり(笑)。 
 いやあ、ほんとに面白かったです。次作もこの女性監督で期待したいですねえ。

2017年8月12日 (土)

スパイダーマン:ホームカミング

  以前「シビル・ウォー」にゲスト参加したスパイダーマンが本格的なシリーズとして復活しました。タイトルも、ご丁寧に「スパイダーマン:ホームカミング」と、版権所有のソニーから生まれ故郷マーベル社に帰ってきたことを暗示しています。
 まことにあちらのタイトルの付け方は味があります。昔、ショーン・コネリーが007役は二度とやらないと公言した後、演じた007映画のタイトルが「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」と。おしゃれですよねえ。
 
_new  さて、物語は、「アベンジャーズ」の宇宙人襲来後の後始末の時期に遡って始まりますが、主演のトム・ホランドという明るい能天気な性格を反映してか、お気楽かつ笑いをたっぷりまぶした高校生の青春ドラマとなっています。
 
 ヒーローとしては、アイアンマンである大富豪トニー・スタークの指導(監視?)の下、アベンジャーズのメンバーになりたくて頑張りますが、まったくの未熟で、しかもアイアンマン並みの多機能を持つスパイダーマンのスーツを勝手に改造して、大惨事を引き起こしたり、やることなすこと裏目に出ます。このへんは、いかにも若気の至り、という若者青春物語です。
 
 ちなみに、今回のスーツは、なかなかの優れものです。だぶだぶの服が、一瞬で体にフィットしたり、脇にグライダー用の皮膜ができたり、さらに、クモのマークは、スパイ用の追跡機になりますし、眼も用途に応じて伸縮自在です。しかも、AIが搭載され、相談相手にもなります。まさしく、アイアンマンの戦闘服仕様なのです。子ども達が大喜びする仕掛けです。さすがに、マーベルはやることが違います。(感心、感心)
 とはいっても、まあ、子供受けするド派手なCGのアクションやビジュアルは、巨費を投じた見事な映像を理屈抜きに楽しんでいただくとして、実は、このドラマには、今時のアメリカを象徴する?、いや、見果てぬアメリカの夢なのでしょうか?驚くような設定がありました。
 
 なんと主人公が憧れるヒロインの学園の女王が黒人なのです。そして、スパイダーマンの周囲の友人には、白人がほとんど登場しません。
 もうひとりのMが頭文字の意味ありげな女友達も黒人系ですし、スパイダーマンの正体を知る親友役は、太った中国人であり、いじめ役までインド人なのです。
 
 まさしく、ホワイト化の反動か、多人種構成なのです。しかも、憧れのヒロインとは、何故か上手くいくのですが、さらに衝撃の展開が待っていますので、こうご期待。
 ・・・いやあ、トランプのアメリカの実社会は別にして、ハリウッドは変わりましたねえ。本当に素晴らしいことです。
 
 最後に、あのマーベルのライバルDC所属バットマンを演じたマイケル・キートンが敵役のバルチャー(ハゲタカ)を演じたのも驚きですが、なかなか堂々たる演技です。アカデミー賞を獲った貫録です。単なる悪人でない風格が良い。 
 それになにより、原作漫画の本物の羽を持つ鳥男の様な無様なデザインの扮装でないのがいい。ホントに、飛べそうな金属製の翼状の飛行器具は素晴らしい。さすが、マーベルです。
 以上、なかなか奥の深い映画でした。・・・多分、買い被りかもしれませんが(笑)、いろいろ考えさせられました。・・いや、別に改めて観ることまではお薦めしません(笑)。
 

2017年8月 5日 (土)

トランスフォーマー 最後の騎士王

  最終章という「トランスフォーマー 最後の騎士王」とは、とんでもない設定の映画でした。
_new  イギリスのアーサー王伝説の陰には、トランスフォーマー達の活躍があり、その歴史を守る組織・一族がいたというのです。しかも、その後千年を経て襲来する、サイバトロン星の厄災に対抗できるのが、魔法使いマーリンの杖であり、鍵となる舞台がストーンヘッジとなるのです。そのうえ、マーリンの子孫まで登場します。
 今年は、アーサー王関連の映画が続きますが、なんかの節目の年なのですかねえ。
 
 さて、その伝説と並行して、現在の地球では、人類とトランスフォーマーたちの抗争が激化しており、主人公とバンブルビーたちは、スクラップ置き場に身を潜めています。
 しかし、その仲間のトランスフォーマーたちによって繰り返されるパフォーマンスが、ジュリー・ルイス張りのドタバタぶりでなんとも笑えません。・・・笑えるのはアメリカ人だけ?。いや、ひょっとしたら、マイケル・ベイ監督のお得意様である中国人は笑うのかなあ(笑)。
 唯一、シリーズの狂言回しの例の人が、キューバ(アメリカで今注目の国?)に登場し、ナイトの称号を強請って笑わせてくれますが、新たに登場したメンバーのイギリスの執事、みなしごのペット(SWへの対抗か?)、機械恐竜など、どれもこれも共感できません。
 しかも、主役のオプティマス・プライムは、一体何をしているのでしょう。覚醒後も、その行動意識が全くわかりません。加えて円卓の騎士トランスフォーマー達の言う裏切り者という意味もよくわかりません。(原作を知らないとダメなのかもしれません・・。)
 ただ、最後の戦闘シーンの迫力だけは少し見直しましたが、それも、それだけでした(笑)。
 
 結局、いやはや、何とも、言いようのない映画でした。続編があるような終わり方ですが、「もう十分でしょう」と個人的には思います。そういえば、前作の時にも、同じような気持ちになっていたような気がします(笑)。
 自戒を込めて「ジ・エンド」です。
 

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