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2017年7月30日 (日)

ザ・マミー 呪われた砂漠の王女

  「ザ・マミー」は、ご存知、ユニバーサルの怪奇映画の3大モンスター、吸血鬼ドラキュラ、狼男、フランケンシュタインの怪物に次ぐミイラ男のリブロード版です。ミイラ男は、原作がなく、映画オリジナルのモンスターなのです。そのせいか、再映画化の場合、あの「ハムナプトラ」シリーズのように、かなり自由に脚色しています。
 
_new  しかも、今回は、ユニバーサル映画が、開幕お馴染みの地球儀を回る企業ロゴに「ダーク・ユニバーサル」を加えるなど、前述のようなユニバーサルが誇るモンスター映画界の往年のスター達の復活、シリーズ化を打ち出しています。
 
 その第一弾が、ミイラ映画の復活だそうで、しかも、今回は、大スターのトム・クルーズ、そしてラッセル・クロウまで引っ張りだしているのです。
 そして、ミイラ男は、ミイラ女(王)に代わり、「キングスマン」で義足の女殺し屋を演じたソフィア・ブテラが一人熱演しています。
 
 パンフレットによると、この後の(モン)スターのラインナップは、今旬のハビエル・バルデム(パイレーツカリビアンの怪演が見事)のフランケンシュタインの怪物、ジョニー・デップの透明人間が決まっているそうです。
 
 ネタバレになりますが、今回、ジキルとハイドをラッセル・クロウが演じていますから、あと、ドラキュラは誰?狼男は?そして、私のご贔屓のアマゾンの半魚人はどうなるのかな?
 まさか、今回、秘密組織の実験室にホルマリン漬けされていた、あの半魚人の腕の登場だけで済ますつもりではないでしょうねえ。透明人間よりランクが低いのかな、大いに心配です(笑)。
 
 さてさて、映画の前説が長くなってしまいましたが、このオールスター復活第一弾の評価はどうなのでしょう、それが問題なのです。

 映画の雰囲気や風格は、第一級の作品に仕上がっています。砂漠の映像はアラビアのロレンス風ですし、金も技術もたっぷり掛けている、まさしく大作です。
 しかし、内容も面白くないわけじゃないのですが、とっても面白かったというものでもないのです。おドロおドロしいモンスター映画物特有のB級テイストが抜け落ちていますし、ミイラが水中を泳ぐぐらいの驚きしかありません。センス・オブ・ワンダーが感じられません。
 なにしろ、主人公のトム・クルーズの雰囲気が明るすぎます。B級のモンスター物に水と油?ぐらいの違和感があります。
 しかも、ラストのオチがなんともしょぼい。世界の終わりを心配する必要は何もなかったのです(笑)。
 
 次回の次回に期待しましょう。そして、このモンスター・シリーズが、アベンジャーのように続くことを切にお祈りしております。
 

2017年7月22日 (土)

パワーレンジャー

  「パワーレンジャー」は日本発のテレビ戦隊物で、米国の子供たちにはかなりメジャーなシリーズだそうです。その映画化というのですが、いまいち評判も芳しくなく、興行ランキングも低かったので、正直、今回はパスしようかなあと漠然と思っていました。
 私たちの地方の劇場では、字幕版を含めてナイトショーの回がないのです。しかも、字幕版においては、一日1回、それも昨日で上映終了なのです。これを哀れと言わず、なんと言うのでしょう(笑)。
 なれば、一応、私のお好みのSF映画ですし、日本発のコンテンツという経緯を考慮して、昨日夕方、字幕版最後の上映に駆けつけました。文字通り、開場時間ぎりぎりです(大げさ・・)。
_new  総じて言えば、パワーレンジャーに変身する前までの5人の落ちこぼれ高校生の青春が面白かく描かれています。それぞれのダメさ加減や訓練振りなど、結構、お話に引き込まれました。
 
 しかし、逆に言えば、変身後のスーツ姿や恐竜型のマシンがいかにもお子様向けというイメージで少し興ざめです。
 敵の女ボスもあまり迫力がありません。その敵の手下も、下っ端の岩石男をはじめ巨大な黄金の魔人も、もうデザインが全く良くありませんし、戦いが盛り上がりません。場所が田舎町ということもありますが、それなら、「ソー」のデストロイヤーとの戦いという見事な例もあるので、やっぱり演出の問題なのでしょうねえ。
 
 いや、製作サイドがターゲットにした対象年齢層とのギャップかもしれません。もっとも、レビューなどでは、変身するのが遅いというのが批判の的になっているのですから、この点は読み違えなのでしょう、キット。
 レッド、ブルー、ブラック、イエロー、ピンクのレンジャーは、それぞれ、白人系、黒人系、中国系、ラテン系?など人種と性別に配慮した配役です。ここは、やはり今時の映画なのでしょうねえ。
 最後に、この映画の劇場パンフレットが売り切れていたのには驚きました。が、どうやら人気のせいではなくて、どうも、東映系の物は品切れが多い気がします。単なる私の気のせいでしょうか(笑)。 であれば、吹き替え版の日系物としてとして今後の一定のヒットとなることをお祈りしましょう。
 

2017年7月16日 (日)

銀魂

  少年ジャンプで連載中の大人気漫画の実写化「銀魂」を観て来ました。もともと、幕末の時代に宇宙人がやってきたというSF設定のギャグ&熱血漫画というとんでも内容だけに、その実写化には大きなリスクがあったそうです。
 まあ、そうでしょうねえ、漫画の実写化の例では”ゴキブリ星人”とか”不死身時代劇”とか、商売上手な監督では、みるも無残な結果が待ち受けています。
やっぱり、きちんとしたビジョンが必要ですよねえ。
 
 その点、今回の作品は、原作者の監督へのお墨付きをはじめ、小栗旬などの豪華キャストや見事な衣装などの作りこみによるビジュアルの見事さで、公開前から、結構前評判が高く、期待していました。
_new  なにしろ、私の娘がこの漫画そしてアニメの熱烈なファンでして、なかなか一家言あるのですが、比較的好意的で今回めずらしく、娘と一緒に観劇したのです。女房まで付いてきたのには驚きましたが、場内は何故か女性客が多いのにもびっくりしました。このギャクマンガ原作には女性のファンも多いようですねえ。
 さて、その内容ですが、いきなり、奇想天外なギャグやパロディで笑わせてくれます。原作の設定の妙かもしれませんが、演じる俳優たちの熱演もそれに輪を懸けます。
 いやあ、馬鹿なゴリラを全裸もいとわず演じた、歌舞伎俳優中村勘九郎に、まず座布団一枚。最後の”落ち”も吹き出しました。
 
 そして、銀ちゃんも適役ですが、弟分の菅田将暉はつくづく芸達者ですねえ、うますぎると改めて思いました。
 そして、ロリコンの武市変平太役の佐藤二朗はおいしいところをかっさらいます。
 
 そのほかの役者も頑張っています。・・・何度、声を立てて笑ったことでしょう。ギャク映画だけに、小ネタや大ネタがてんこ盛りで、笑った箇所も忘れてしまいました。漫画「ドラゴンボール」の読み聞かせには、小膝を叩きましたが、このギャグは原作ネタ(娘)だそうです。
 
 もう一人(?)というべきか、特筆すべきはエリザベスです。ペンギンの縫いぐるみの様な宇宙人なのですが、今回の登場シーンでは、客間のソファに座ったエリザベスを見て銀ちゃんが「漫画やアニメと違って、実写だとインパクトがあるねえ。」と言ったり、着ぐるみなので「中身の人は暑くない?」などの楽屋落ちが続き、可笑しさが臨界に達したところでの一言、「Q太朗」と呼んだ瞬間に爆笑してしまいました。いやあ、演出が上手すぎです。
 最後に、この福田雄一という監督は、こんな馬鹿馬鹿しい漫画映画(失礼)に、本気で、マジで、丁寧に取り組んでいます。衣装やセットなど一つをとっても原作の設定とオリジナルの表現に最大の敬意を表しています。
 この姿勢が、出演者たちの本気度を高めているのでしょうねえ。いや?多分、そういう本物の役者をキャスティングしたのでしょう。ほぼ成功でしょう。お見事でした。素晴らしい仕事でした。ご馳走さまでした。 
 

2017年7月 9日 (日)

忍びの国

 嵐のメンバー大野智が主演の時代劇「忍びの国」は、意外に拾い物でした。いや、予想以上に面白かったと素直に評価したいと思います。いやいやホントに、最近の時代劇の中では、まことにまっとうな出来です。
_0001_new   幕開けに描かれる伊賀忍者同士の戦いは、安直な盛り土むき出しの砦セットで、白昼、真っ黒い忍び装束の忍者たちが、消防隊訓練の様なロープを使った綱渡りや竹筒を口に咥えた土とんの術など、これは酷い、と天を仰ぎましたが、まあ、この場面だけは見なかったとにすれば、全体的には、殺陣もよくガンバっています。
 まず、特筆すべきは、主人公の伊賀一の腕を持つ忍者という無門を、その奇想天外な跳躍力を含め、素早い体術など、大野智が実にうまく演じていました。余裕をもって敵をあしらう彼の殺陣の動きは、素直に褒めたい。運動神経は意外と良いようですな(失礼)。
 また、彼の生来の不愛想な表情も、この無門という忍者像にマッチしています。適役でしょう。これはキャスティングを褒めるべきでしょうか(笑)。
 そして、無門のライバルともいうべき忍者下山平兵衛を鈴木亮平が見事に演じます。もともとこの俳優さん、アクションや役作りには定評がありますが、無門との最後の二人の対決はなかなか見ごたえがあります。よほど練習したのでしょう、今の若手では実に感心します。
 
 加えて、伊勢谷友介の戦国武者の迫力は凄いですねえ。大弓の破壊力は絵空事にしても素晴らしい。三船敏郎亡き後、あれほど兜映えのする役者もそう居ないのではないでしょうか。 
 最後に、「人でなく虎狼の族(やから)」といわれた伊賀の忍者の面々が、現代の若者の姿にオーバーラップする様は、中村義洋監督の真骨頂かもしれません。鑑賞後の印象が良いのも「殿、利息でござる!」などの手寧な映画づくりが好ましい監督のおかげかもしれません。 
 ああ、忘れていましたが、「人でない」伊賀の上忍の術策をうまく料理した和田竜の脚本と原作にも感心しました。「のぼうの城」に続き順調に映画化されていますので、次は、「村上海賊の娘」の番ですねえ。期待しています。 

ジョン・ウィック:チャプター2

  キアヌ・リーブスが久々にアクションスターとして返り咲いた「ジョン・ウィック」の続編、まさしく、タイトルどおり、「ジョン・ウィック:チャプター2」なのですが、どうも期待しすぎましたか、アクション以外はやや物足りません。
_new  物語は、前作の直後、ロシアマフィアに奪われた愛車を殺したボスの弟のアジトに取り戻しに来るシーンから始まります。相手のボスの弟はすっかりビビっているものの、結構、手下たちが頑張ります、が、結局、部下は全滅です。もっとも、ジョン・ウィックも三下たちに相当やられますし、愛車もぼこぼこになりますので、どうも、強いのか、運が良いのか、よくわかりません(笑)。
 さて、今回は、イタリアマフィアのボスの弟から、かつての血の誓約を立てに殺しの依頼を頼まれたあげく、ジョンが断るやいなや、亡き妻との思い出の家を爆破されるのです。
 
 しかし、前回からのレギュラーである殺し組織のドンの助言、つまり殺し屋ホテル内での仕事と双璧をなす血の誓約の掟を諭され、仕事を受けるのですが、結局は、依頼者から命を狙われる罠であって、ついに復讐を決意するというストーリーなのです。
 面白かったのは、暗殺のために渡ったイタリアの殺し屋ホテル(なんと世界的なホテルチェーンなのだ(笑))のソムリエに銃の注文したり、裏町の仕立て屋で裏地に防弾加工したスーツを仕立てるエピソードなどは、プロフェッショナルの世界をユーモア交えて描いた名場面です。そのシーンでの銃器の薀蓄は、その道の好事家にはたまらないのではないでしょうか。
 そして、黒のスーツで身を固めたジョン・ウィックがブギーマンに復帰するのですが、もうそこからは、銃激戦と格闘技の連続です。とにかく群がる敵を撃ちまくります。前作で有名になった「ガン・フー」技もド派手になり、投げて、決めて、銃で止めを刺すアクションが延々続きます。
 しかも、裏切った依頼人は、ジョン・ウイックの首に700万ドルの賞金を懸け、ニューヨーク中の殺し屋に狙わせるのですが、この辺の殺し請負システムがなかなかユニークですし、笑えます。殺し屋稼業があんなに大勢いる世界も笑えます。そういえば、前作の殺し現場の掃除人の親方がなかなか良かったのですが、今回は残念ながら登場しません。ただ、車の修理屋のボスは登場するのでここは大目に見ましょう(笑)。
 ともかく、殺し屋にカムバック後は、敵の三下や町中の無数の殺し屋をひたすら殺しまくります。いやあ、さすがに、見飽きて来ます(笑)。ジョン・ウィックも全身傷だらけですが、うたれ強いレベルを超えてまるで不死身のようです。
 そして、最後は・・・というオチは最低の礼儀としてお話しません。第一、第3作目が進行中のようですが、凄腕の殺し屋と言ってもやはり組織あっての物種ですから、次回作はなかなか苦しい展開になりそうです。子連れ狼のようにはイケないでしょう(笑)。
 全体の評価としては、アクションは十分すぎるほど楽しめましたが、カタルシイに至るにはもう一味、主人公への共感や魅力ある女優の不在など、何かが足りない気がしました。そこが残念でした。 ヒット作の続編の難しいところです。

2017年7月 3日 (月)

ティラノサウルス 松村しのぶ作 タイプA

  今から25年ほど前に、海洋堂から松村しのぶ作のティラノサウルスの1/20ソフビキットが発売されています。このキットには、タイプAとタイプBの2種類があり、タイプBについては、これまで何度も再版されてきていましたが、タイプAは全く発売されず、幻のキットになっていました。 このブログでリペイントを紹介したのがタイプBの廉価版です。
Img_16932  ところが、先日、ヤフーオークションに、この幻のタイプAの完成品が出品されました。完成品と言っても、物自体は、台座に棒で足を固定しているにもかかわらず、経年のため、ソフビが変形し斜めに傾いている悲惨な状態です。
 
 しかし、出回り品が少ないせいか、人気が高く、かなりな激戦となりましたが、なんとかゲットすることができました。さすが、やはり名匠松村しのぶ作は違いますねえ。
 このAタイプは、現物を手に取って改めてわかりましたが、想像以上に難物でした。
 直立しているBタイプとは異なり、2本足で歩いている途中の形のせいか、自立が困難な姿勢ですし、足の股関節部分が、材質の変形要素を除いても、どうにも不自然なのです。
 このあたりの事情が、海洋堂をして再版しなかった理由なのでしょうねえ。
 しかも、でかい。全長60cm、塗装ブースの横幅一杯なのです。いやあ、作業に苦労しました。
 ともかく、まずは、青く塗った塗装を全面はぎ取ります。これが面倒なのです(笑)。そして、最も重視したのが、台座の支えなくして自立させることです。
 直立させるために、斜めにゆがんだ右足を外し、レジン液を注入するとともに、その発熱でゆがみを矯正し、股関節もパテで改造です。結局、右足一本で直立することができました。
 あとは、これまでブログで紹介したように、Bタイプと同じ手法で塗装したのですが、実はこのキットは、体表の皺が全体的に深く彫り込まれており、墨入れ表現が過度に目立つ結果となりました。あとから黒い影の部分をホワイトで修正もしたのですが、かなり皺が目立つ、いわば老体のティラノサウルスの風貌となりました。
 ということで、眼も白内障を患っている年老いたレックスという設定にこじつけました(笑)。
 
 では、ご覧ください。とにかく立っています。
Img_17531Img_17551Img_17521

2017年7月 2日 (日)

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊

  やっぱり、ディズニーは凄いと改めて感心します。「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」は、家族みんなで楽しめる痛快娯楽活劇の見本のような作品でした。 
 
_new  前作の人魚のお話があまりパッとしなかった印象がありましたので、少し心配もしていましたが、シリーズ最後のような日本語タイトルにふさわしい見事なストーリーでした。これまでの登場人物が勢ぞろいし、さらに、呪いを解く大団円に向けて、その2世たちが大活躍するという、まことに大ハッピーエンドのストーリーなのです。 
 
 難しいことは一切関係なく、様々なこけおどしの仕掛けを楽しみながら、ひたすらジャック・スパローの酔いどれ演技と大ドタバタ劇をご覧いただこうという趣向です。
 
 しかし、これだけ話をうまくまとめたのは、やっぱり、素晴らしい脚本と監督の腕なのでしょう。パンフレットによると、監督は、ノルウエーの二人のコンビ監督らしく、あの有名なコンティキ号の実話を映画化してハリウッドで注目され、それを機に今回の監督に抜擢されたということです。
 このへんがディズニーのシステムの凄味なのでしょうねえ。常に、新しい才能を発掘し、チャンスと成果を挙げています。まあ、世界から人材を求めるのですから、彼我の差は大きいですねえ。
 
 また、俳優陣も新人が頑張っていますが、やっぱり、ハビエル・バルデム演じる海の死神サラザールの凄味が尋常じゃあありません。海中で漂うような髪のCG描写以上に役者の演技力が違います。
 役柄は、かつてはスペインの海賊討伐の船長だったのですが、ジャックに一杯食わされ魔の海に沈められたため、死神となっても命を狙っているのですが、生前のシーンは、なんか全盛期の若山富三郎の迫力を彷彿させます(笑)。
 未見の方は、是非、ご家族みんなでご覧ください。そして、エンドロールが始まっても、お席は立たないように願います。 登場しなかったあの男が現れますぞ、乞うご期待。・・・絶対、続編はあるなあ。 
 なにしろ、原題は、訳せば「死人に口なし」というのですから、最後の文言など何処にも入っていない(笑)。
 

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