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2017年2月 5日 (日)

ドクター・ストレンジ

 マーベル・スタジオによるアメコミ映画化の新シリーズ「ドクター・ストレンジ」は、珍妙な恰好をした魔術師が主人公で異次元宇宙からの侵略者と戦うという、まさしく荒唐無稽なコミックの世界なのですが、以前、このブログでも書いたとおり、直近の「キャプテン・アメリカ」などのように、原作漫画をなかなか一筋縄でいかない筋立てに改編した作品の出来栄えに少し感心していたので、今回も、どんな味付けによる料理が出てくるか、楽しみにしてました。
_new  しかし、淡い期待が大きすぎました。ベネディクト・カンバーバッチ演じるドクター・ストレンジという主人公が操る魔術の世界観が全く理解不能なのです。
 まず、使う魔術の意味が皆目わかりません。原作漫画のファンにはお馴染みの魔法の術かもしれませんが、時を止める、遡る?、あるいは世界を鏡にして折りたたむ?という、その威力がじぇんじぇんわかりません。ただ、万華鏡のようなCG映像で観客の目が回るのはわかりました(笑)。
 もっとも、あの珍妙な赤マントの演技には思わず笑ってしまったことだけは付記しておきます。
 そして極めつけは、異次元宇宙からの侵略者の正体です。ラストに登場するモアイ像のような巨大な顔には誠に幻滅しました。せめて、平井和正の幻魔大戦の幻魔大王ぐらいの魅力は欲しいものです。
 あんな不細工な奴が黒幕で、あんな馬鹿げた取引が成立する程度の悪玉の手先では、名脇役のマッツ・ミケルセンも悲しくなったのではないでしょうか(笑)。
 それにしても、あまり露骨な中国シフトは感心しません。一体全体、最近のハリウッドの商売はどうなっているのでしょうか。観客の数に迎合しては良い作品は作れませんよ(笑)。
 この映画の唯一の長所は、”至高の魔術師”エンシェント・ワンをティルダ・スウィントンが演じたことです。原作の東洋人の爺さんを女性のケルト人に置き換えたらしいのですが、これが良かった。この女優さんは人外生物を演じたら当代随一です。
 あの悪魔払い映画の「コンスタンテイン」の大天使ガブリエルや「ナルニア国物語」の白い魔女の演技は素晴らしい。私、大ファンです。今回のくりくり頭も可愛いではないですか(笑)。・・でもそれも今回が見納めとは情けない。

 ますますこの映画はいけません。どうもこの先の展開もあまり期待できないようです。残念でした。

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