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2017年1月15日 (日)

湯を沸かすほどの熱い愛

 今年初めて観た映画が「湯を沸かすほどの熱い愛」でした。私にしては紹介記事を読んで劇場で観たいなあと思っていた”普通の映画”なのですが、実はひっそり劇場公開されていました。まったく、お客様あっての劇場なら、毎度同じ予告映像の繰り返しではなく、次回公開予定の作品ぐらいはきちんと予告編を流せよ、うっかり見逃すところだったぢゃないか、あぶない、あぶない(笑)。
 さて、この映画は、なによりレビューなどであっと驚くというラストが有名になっていましたが、見る前に想像を広げ過ぎた分、驚きはあるものの「このラストは無理だろう」という気持ちが強く、特にリアリティの点や法律面から素直に喜べません。固くなった頭を叩いても、小膝は叩けません(笑)。
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 ストーリーは、黒澤明の「生きる」と同じく、余命を宣告され、死までどう生きるかという永遠のテーマですから、赤い煙が出ても驚くこともありません。
 もっとも、昭和の時代では、医師は本人に告知しなかったのですが、いまや、あっけらかんと宣告するのですねえ。これには意外と驚きました。(知らなすぎかも?)
 
 丁度、この映画を見た日の夜、レンタルしたDVD「世界から猫が消えたなら」という作品を観ました。
 偶然にも、同じ「余命」のテーマなのです。これもなかなか面白い作品です。ドッペルゲンガーが出てきて悪魔の約束を行うのですが、単純なファンタジーかと思えば、死を目の前にして人生や家族関係を見つめ直すという王道の作品です。
 主人公が映画ファンという設定であり、なかなか映画ファンを喜ばせる仕掛けが多くあります。しかも、猫が隠れた主役であり、今の猫ブームの世情を反映した上手い演出と感心しました。ただ、イグアスの滝のエピソードなど回想場面の編集シーンが少し唐突だったのが残念です。
 なお、もう一言文句言うなら、私の周囲の者の経験では猫アレルギーは決して直りませんゾ(笑)。
 
 お話が外れてしまいましたが、”湯沸かす愛”に戻しますと、この作品には、もう一つのテーマが隠されていて、それが母と子の関係なのですが、どちらかというとこちらのウェイトが大きくなっています。生みの親、育ての親の関係を幾重にも絡ませ、映画の進行とともに次々と伏線が明らかになり、家族のあり方を問いかけます。ユーモアを交えながら、緩急自在の堂々たる演出で引き込まれます。宮沢りえも、突発的行動(?)などを含め熱演しています。
 
 それにしても、長女への学校のいじめは酷いねえ。現実の姿の映し絵とはいえ、日本の教育と家庭を憂います。長女役の勝負下着のエピソードこそが現実にはありえない映画ならではの世界を見事に描いており、感動しました。
 その一方、男親の扱いは雑です。オダギリジョーなんか種付役のようで、一寸ありえないなあ。
 ヒッチハイカー役の松坂桃李が良い味を出しています。彼が実はりえの実母の嫁いだ建設会社の息子だったというあっと驚くオチを推理していましたが、全く違いました(笑)。
 
 以上が、今年最初に劇場で観た映画の感想です。そして、この記事が今年最初のブログになりました。遅まきながら、今年もよろしくお願いします。 

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