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2016年12月11日 (日)

海賊と呼ばれた男

 映画「海賊と呼ばれた男」は、山崎貴監督が演出したモノだけあって、なによりVFXによる映像が凄い、その一言に尽きます。
 これまで「三丁目の夕日」シリーズや「永遠の0」で、戦中・戦後日本の過去の風景を甦らせてきた経験と技術が光ります。
 
_new  そして、この映画の肝は、冒頭の映像にあります。
 深夜、東京上空に飛来したアメリカ軍のB29爆撃機を真正面からドアップでとらえ、銀麟に光る腹部が割れ、無数の焼夷弾が投下される映像は、その爆弾クラスターが空中で分解し、それが炎を伴う無数の焼夷弾となってゆっくりと落ちてゆきます。東京の街の周辺部から中心まで火の海にして日本人を皆殺しにしようという武器の凄さとアメリカ軍の戦術の非道さを克明に描きます。
 
 この東京大空襲を実行した非人道性は、人類史上かってないものなのでしょう。しかも、それは、広島、長崎への原爆投下という極悪さにつながる恐ろしさでもあります。現在のCG技術の進歩とマニアの兵器研究が、そうした現実を余すことなく描き出します。
 そういえば、今、話題のアニメ「この世界の片隅で」も、アメリカ軍の空襲の恐怖を、綿密な取材と徹底した考証を踏まえ、淡々とした映像のなかでもしっかり描かれています。最近、こうした空襲の悲惨さ、非道さを描く映画が増えているのは気のせいですか?
 正直、日本人として同胞が殺される映像やシーンを目にすると、無意識のうちに、素朴な愛国心や同胞愛が目覚めます。私のようなええ歳したおっさんでも、心が乱れるのですから、若い方はなおさらでしょうねえ。それが良い方向に向うことを心からお祈りしています。
 
 話が少しそれましたが、ストーリー自体は、出光石油の創始者をモデルにした石油販売を商売にした波乱万丈の一代記であり、タイトルの海賊と呼ばれた理由をはじめ、戦前は役人、戦後はメジャーとの戦いを、あの有名な日章丸事件を山場に、回想シーンを重ねながら展開します。前妻のエピソードは余計な気もします。
 
 主演の岡田準一やピエール瀧、國村隼がそれぞれ熱演しますが、やっぱり印象としては、この映画の見せ場は、見事なCGや丹念で精緻な設計による美術やセット、小道具による過去の再現です。これが凄い。ここは本当に一見の価値あり、です。
 最近の日本映画もやっとこうした本物にみせる映画美術に力を入れ出してきたことは本当にうれしいことです。映画美術の本の出版も多くなっています。是非、こうした流れは続いていってほしいものです。

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