世界シネマ大事典
映画の図鑑とも言いたくなるような本が発売されました。その名も「世界シネマ大事典」です。アメリカの映画解説書の翻訳本です。行きつけの大型書店の店頭(平積み)で見つけました。1冊だけ見本のように立ち読みできます。値段もそれ相当ですので当然残りはあとすべてビニールで封印されています。
その見本を手に取ると、映画が始まって以来の歴史と時代を作った名作を豊富で精緻な写真と体系化した図解でわかりやすく説明しています。思わず衝動的に買ってしまいました。
現物を手に取れるところが、本の中身がわからない(一部中身紹介あり)アマゾンとは異なる店舗の強みなのです。それを全品封印している店がありますが、これは論外でしょう。せめて1冊は見本でお客に見せるべきです。特に、値段の張る図鑑は(笑)。
さて、その本の内容ですが、映画の起源からサイレントを経て、戦前ぐらいまでが結構ページ数を割いて詳細な解説があります。案外、知らないこと(興味がない)が多くて勉強になりました。わずか1行のコメントがおしゃれでしかもストレートに意味深(?)で面白いのです。この辺の記述はさすが欧米文化です。一度お読みください。
ただ、残念なのが、全体的に邦画作品の紹介がわずかしかありません。「東京物語」、「七人の侍」、「愛のコリーダ」、「千と千尋の神隠し」の4作品です。黒澤明の他の作品さえも監督紹介欄でタイトルのみ掲載されているだけです。
一方、中国の作品紹介は多くなっています。まさに最近の力の差をまざまざと見せつけられる思いです。せめて映画の分野では頑張ってほしいものです。
加えて、名作を並べると必ず割を食う(評価の低い)SF・ファンタジー分野の作品も、やはり少ないのです。まあ、「エイリアン」と「ターミネーター」が入っているだけ良しとしましょうか(笑)。とはいっても、分厚い本なので一日十分楽しめました。謝、謝。
ところで、以前もこのブログで紹介しましたが、最近、こうした分厚い図鑑のような翻訳本の出版が増えて来ました。当ブログ(2016.9.11)参照のこと。誠にうれしいことです。
そのうえ、「シン・ゴジラ」の大ヒットのせいか、立派な箱に入った豪華本「ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ」が発売されました。これは目をつぶって(当然、中身封印)購入したところ、メイキングの写真と紙質が豪勢です。しかも重い。この紙代と印刷代で高いのか、と納得しました(笑)。正直、中身よりも外面が立派で置き場所にも困っています。誠に残念です。
ついでに言えば、最近なぜか出版物が多い「ウルトラマン」の豪華本にも驚きです。当時の様々な関係グッズ、オマケ、印刷物などを復刻したものを網羅した本が出版されました。円谷英二の名刺まで復元しています。こんなものが欲しいものなのかなあ。欧米ではこうした出版物を「トレジャーズ」ものというらしい。そういえば、エイリアン・トレジャーズの翻訳版がありました。当然、私、持ってます(笑)。
なお、余談ですが、以前このブログ(2016.7.17)で紹介した東宝特撮もののパンフレットの復刻版をおまけにした「ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX」シリーズに掲載されなかった悲運の映画「宇宙大怪獣ドゴラ」のパンフレットをオークションで入手しました。・・・ただの報告です(笑)。・・・実は、このシリーズのオマケの復刻パンフレットには、若干問題があります。というのも、当時の企業宣伝の版権が使用できず、黄金期の作品に裏表紙の図柄が変更されているものが散見されるのです・・・これはいかん、記憶の断片の奥底で違和感を感じます。・・・やっぱり当時ものの価値は揺るぎません。いやあ、オリジナルを持ってて良かったなあ(笑)。
以上、平成28年大晦日における図鑑に関する年末回顧(?)でした。
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