トム・ハンクスが宗教象徴学の権威のラングドン教授を演じる「ダビィンチ・コード」、「悪魔と天使」に続く第3弾「インフェルノ」を観て来ました。
実は、全2作とも、原作本は分厚い2巻本を所有している(貰い物)ものの、映画のDVDコレクションはしていないし、内容もさっぱり思い出せない状況で、正直、見るのをどうしようか、と悩んでいたのですが、無料パスがありましたので、劇場に足を運びました。
冒頭、いま流行の「ジェイソン・ボーン」張りの手振れ映像で、教授は頭を撃たれて記憶喪失、しかも、女殺し屋に襲撃され、危ないところをやけに親身な入院先の女医に助けられて、逃亡劇まで始まります。
そして、記憶にないぺンライトが映し出したダンテの新曲、インフェルノ(地獄)編の有名な絵画。そこに隠された暗号を読み解き、フィレンツエにあるダンテ関係観光史跡を巡るという、いつものパターンが始まります。
しかも、襲い掛かる敵は、警察、WTO(世界保健機構)、謎の民間機関の三つ巴です。どうやら、生化学者で大富豪のいかれた親父が人類滅亡を企み、細菌兵器を世界にばらまこうとしているらしいことが判明。それをラングドンが救うという筋書なのですが、当然ながらあっと驚くドンデン返しが仕掛けられています。
しかし、この仕掛けがなんとも最低なもので、ネタが割れた途端に観客や読者(原作がそうなら)は絶対バカヤローと叫ぶことを受け合います。
あんまりひどいので【ネタばれ】します。未見の方はご注意願います。
ダンテのデスマスクなどに書かれた世界を救う道筋を示す暗号の数々は、結局、愛人とのお宝さがしゲームなのですと。人類を滅ぼして地球を救おうと考えるいかれた人間がこんな遊びをするという設定のシナリオは絶対おかしい、と思います。
第一、そんなのに2時間つき合わされた観客の気分はどうでしょうか、情けないし、アホらしい。
もうひとつ、世界中の大富豪たちを顧客にする謎の民間危機管理機構の組織も笑えます。まるで007のスペクターのような組織で、多分に今の民間軍事会社の延長のような想定なのでしょうが、顧客のことをまるで調べずに請け負って、目的が人類滅亡だと知るや、率先して政府機関に協力して、あまつさえアサシンの短刀一つで、ボス自身が後始末に乗り出すのですから、本当にあきれました。
以上、この映画はどても主演がトム・ハンクスで監督がロン・ハワードとは思えません。多分これまでの義理(あるいは金?)なのでしょうねえ、きっと。ご愁傷さまです。・・・まあ、環境問題は大事なことですし、アメリカ大統領もそうですが、一体、これから世界はどうなっていくのか、という危機感の映画でした(笑)。
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