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2016年11月27日 (日)

レッド・ムーン

 以前、このブログで「DVD化を期待したい映画(2008.2.17、続2013.5.4)」として掲げていた西部劇「レッド・ムーン」が復刻シネマライブラリーから初めてDVD化されました。
Photo  この映画は、1968年の公開時に観ているのですが、手許にパンフレットがあるものの、内容はほとんど記憶にありません。ただ、故淀川長治氏の「姿なきインディアンの恐怖が凄い」と褒めた批評を読んで劇場に行ったものの、当時流行だった派手なガンプレイのアクション描写が少なく、がっかりした記憶がかすかに残っているだけで、今回の再見を楽しみにしていました。
 ストーリーは、10年前にインディアンに囚われ、子どもをなした白人の女性を保護した騎兵隊の退役する斥候(グレゴリー・ペック)が故郷に帰りたいという母の希望で同行したところ、インディアンの夫が子供を取り返しに来るという内容です。
 この夫が悪名高いサルバヘという凶悪なインディアンだったため、母子が通過した駅や町の住民が皆殺しにされ、最後には母子を連れ帰ったペックの牧場にて姿なき敵を迎え討つという西部劇です。
 やはり淀川氏の指摘のとおり、スピルバーグの「激突」よりはるか前に、姿が見えない襲撃者の恐怖をこれだけ描いたのは凄いと思います。
 殺戮の跡や生き残りの証言でサルバヘの凄さや恐怖を間接的に生々しく描き、ラスト近くの自宅への襲撃シーンでも最初はその疾走する姿が木々の間から一瞬かいま見える程度に抑え、ついに最後の一対一の格闘でやっと全身が現れてもインディアンの背中や一部しか映しません。いやあ、その計算されたサスペンス演出には唸ります。
 
 俳優たちも、主演のグレゴリー・ペックが持ち味の人の好さを好演します。最初は、駅馬車に乗せるだけの予定だったのが、夫から逃げたくて必死な母の姿を見て、保護すべきかどうか、眉をへの字に曲げて逡巡する様子は、懐かしくもうれしい定番の演技です。上手い下手を超越します。これぞ名優グレゴリー・ペックだと思います。
 
 そして、それ以上に、10年前に家族を殺され、生きるために妻になる道を選ぶしかなかった母親を演じたエバ・マリー・セイントの静かな演技が鬼気迫ります。忘れかけた言葉はうまく話せず、顔もインディアン化したかのような表情の中で、しかし、子どもだけは自分で育てるという気持ちを見事に演じます。この女優さんは、当時結構有名でしたよねえ。
 さらに、父の助けを待ちながら敵意に満ちた表情を見せるインディアンの子役も良い。人種問題の難しさを浮き彫りにします。
 
 しかし、あのエンドマークの後は一体どうなるのかと思いながら、映画は幕を閉じます。
 いやあ、DVDコレクションに入れる価値のある映画でした。
 

2016年11月26日 (土)

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

  本来、ファンタジー映画の類には目がないのですが、「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」には戸惑っています。
_new  内容は、1926年、トランクに多数の魔法動物を隠し持った若い魔法使いがある目的をもってイギリスから新大陸アメリカに渡るところから始まります。
 当時、アメリカの魔法界ではグリンデルバルドという悪の魔法使いが暗躍し、人間界まで影響を与える奇怪な事件が頻発、司法省は頭を痛めていました。
 「ハリー・ポッター」の原作者が脚本を書いているだけあって、ハリポタの世界がホグワーツ魔法魔術学校を含め、そのまま舞台(数十年前だが・・)であり、しかも主人公の魔法使いニュート・スキャマンダーは、教科書である「幻の動物とその生息地」の著者という設定です。
 また、悪役までも、魔法界からはハリポタのヴォルデモートの眷属であり、人間界からは映画「キャリー」の狂気の母親のようなセーレム救世軍の魔女狩り女党首が登場しますが、全体に二番煎じでいまいち盛り上がりません。
 
 この主人公は、魔法動物は見つけ次第抹殺すという風潮に反対し、トランクの中で無数の珍奇な魔法動物を飼育し、種を保存しようとする立派な志を持っていますが、やることなすことがドジだらけであり、もはや学者馬鹿で不器用なだけという許容の範囲を完全に超えており、正直ジュリー・ルイスのように観ているだけでうんざりになります。
 さらに、ヒロインの魔女もなんか容姿が地味で、しかもその行動に好感が持てません。
 しかも、肝心な魔法動物がどれもイマジネーション不足なデザインで正直萌えません(笑)。黒いカモノハシもどきの逃走劇はくどすぎます。トランクの中身も江戸時代の浅草の見世物の様です。巨大な鷲のサンダーバードも、ツタ植物的なペット生物も、巨大な発情サイなども、お馴染みの動物の延長線であり、センスオブワンダーが圧倒的に不足しています。残念です。

 この映画の見せどころは、1920年代のニューヨークの再現とヒロインの妹のゴージャスな金髪美女です。妹はやたら色気過剰ですが、気の良い女振りで誠に良い味を出しています。主人公の人間の相棒となる太っちょおじさんに惚れるところなんか、可愛いいじゃないですか。私は大いに気に入りました(笑)。
 
 ラストのあっと驚く大スターの特別主演は今後のシリーズ化に向けてのお披露目でしょうが、それほどインパクトもありませんし、何故か、登場人物や話の展開に映画的なわくわく感が足りません。やっぱりハリポタの水が個人的に合わないのかもしれません。そのことを再確認した映画でした。

2016年11月24日 (木)

続・深夜食堂

 映画「続・深夜食堂」を夕飯前に観てはなりません。今回のお題は、「焼肉定食」、「焼うどん」、「豚汁定食」なのです。スクリーン一杯に映し出された、肉や野菜、そしてうどんが手際よく炒められているシーンのなんと美味しそうなこと。生唾や腹の虫が大興奮です。しかも、今回は脇役の筈の「すきやき」や「天ぷら」もよだれが出ます。・・・邪道な演出だ(笑)。
 パンフレットによりますと、その撮影に使われた料理(消えもの)の味は本当に絶品で、役柄上「酒のつまみ」しか食べられない俳優さんの羨望をかっていたとか。
_new_2  さて、食い物だけでなく、内容も、期待した通り、ちょっぴりヘンテコで哀しくも心温まるエピソードが三編綴られました。
 まずは罰当たりな喪服女から相当な年上の嫁取りのドタバタを経て、老女の切なる終活で締めくくります。なかなか笑わせて泣かせます。常連のアングラ俳優たちの水を得た魚のような演技に加え、佐藤浩市がとんでも役で登場し、俳優座の重鎮がさすがの貫録を披露します。
 しかも、もはや当たり役とも言ってよい小林薫の「めしや」のマスターが珍しく照れるシーンも味があります。これも、前作で初登場し、今回から常連となった多部未華子ちゃんが何とも可愛いからです。「あやしい彼女」以来ファンなのです。★3つの加点です。
 それにしても、この舞台となる食堂「めしや」などの美術が凄い。300坪の倉庫に作りあげたというセットだそうですが、さすがに「テルマエ・ロマエ」、「舟を編む」、「許されざる者」を手掛けた原田満生氏の手腕は素晴らしい。本当に細部まで手を抜いていません。いやあ、お見事。
 是非、未見の方は、夕食後にご覧ください。ゆめゆめ深夜や空腹時は鑑賞厳禁ですゾ(笑)。
 最後に、冒頭のタイトルシーンの映像は、テレビと同じですか?大画面のせいか、なんか違う雰囲気でなりません。空腹だったせいかな(笑)?
 

2016年11月22日 (火)

オケ老人!

 映画「オケ老人!」は誠に拾いものでした。オーケストラなど音楽物は結構面白いものが多い筈という私の判断に間違いはありませんでした。
_new  とはいっても、平日にもかかわらず劇場に足を運んだのは、やはり1ケ月間の無料パス券のおかげでしょう。土日が忙しくてうっかり見逃した作品も出ましたので、やや追い詰められています。まったく我ながら貧乏性です(笑)。
 さて、この映画は、題名のとおりの町のオーケストラのメンバーの老人たちが主演です。往年のコメディアンの左とん平や小松政夫をはじめ、笹野高史や石倉三郎などの演技達者が笑いを競い合います。外国人俳優も笑わせます。
 しかし、それ以上に、ヒロインの杏が上手い。ボロボロの楽団を立て直し、大劇場での公演の指揮を振ります。指揮台に立った表情が見事です。
 そして、嵐の中の驚きの演奏には感動さえ覚えました。
 
 いやあ、素直に面白かったなあ、思わずパンフレットを買ってしまいました。未見の方は是非ご覧ください。ただ、平日のせいか劇場の入りが心配になりました。・・・今後、DVDでの貢献もしましょう(笑)。

2016年11月21日 (月)

小山春夫版「甲賀忍法帖」、祝復刻!!

 長年待っていました幻の貸本漫画、小山春夫作の「甲賀忍法帖」がやっと復刻されました。学生時代、文庫で一大ブームとなった原作の山田風太郎の忍者小説を知って以来、幼い頃に観てファンとなった傑作「真田十勇士猿飛サスケ」の作者である漫画家の作品が実は風太郎忍法帖に描かれた異形の忍者が登場する漫画であることに気づき、その作者が描いた「甲賀忍法帖」の漫画化作品を何としても読みたかったのです。
_new_2  このオリジナルの貸本漫画は全3巻であり、これまでもオークションで頑張ったのですが、どうしても最後の1巻が入手できず、つまり、第1巻と第2巻は所有しているのですが、肝心な要のラストが不明であり、しかも、最も贔屓の敵役の不死身の忍者「薬師寺天膳」の悪役ぶりを堪能したかったのです。まあ、ヘビの生殺しですねえ。
 一方、山田風太郎の原作は、数年前?に、青年漫画「バジリスク」として再漫画化され、濃艶なエロチシズムとしつこいほどのバイオレンスで人気を博しました。
 この青年向け漫画では、薬師寺天膳についても、その色悪と不死身ぶりは丁寧に書いていますが、いかんせん不死身である理由がかなりシラケます。ここは、やはり原作者の山田風太郎の天才を真似るべきでした。いらぬ注釈は誠に余分、残念。
 こうした最新の作品と比べると、この小山春夫の作品は、時代も昭和30年代後半、しかも少年向けでありますから、当然原作のお色気部分は全部カット、しかも、わずか全3巻ですから、展開の早いこと、未見の第3巻部分も簡単に終りました。
 期待の薬師寺天膳もあっけなく首を斬られて死んでしまいます。正直、内容は、やや物足りませんでした・・。でも絵は上手いでしょう?
 
 しかし、良いのです。やっと本日、念願がかないました。しばらく休んでいました発行元の「アップルBOXクリエート」さん、本当にありがとうございます。こころから感謝します。
 できれば、あと小山春夫作「虹の剣士」や「かくれ忍者伊賀丸」の復刻もお願いします(笑)。

2016年11月13日 (日)

インフェルノ

  トム・ハンクスが宗教象徴学の権威のラングドン教授を演じる「ダビィンチ・コード」、「悪魔と天使」に続く第3弾「インフェルノ」を観て来ました。
 実は、全2作とも、原作本は分厚い2巻本を所有している(貰い物)ものの、映画のDVDコレクションはしていないし、内容もさっぱり思い出せない状況で、正直、見るのをどうしようか、と悩んでいたのですが、無料パスがありましたので、劇場に足を運びました。
_0001_new  冒頭、いま流行の「ジェイソン・ボーン」張りの手振れ映像で、教授は頭を撃たれて記憶喪失、しかも、女殺し屋に襲撃され、危ないところをやけに親身な入院先の女医に助けられて、逃亡劇まで始まります。
 そして、記憶にないぺンライトが映し出したダンテの新曲、インフェルノ(地獄)編の有名な絵画。そこに隠された暗号を読み解き、フィレンツエにあるダンテ関係観光史跡を巡るという、いつものパターンが始まります。
 しかも、襲い掛かる敵は、警察、WTO(世界保健機構)、謎の民間機関の三つ巴です。どうやら、生化学者で大富豪のいかれた親父が人類滅亡を企み、細菌兵器を世界にばらまこうとしているらしいことが判明。それをラングドンが救うという筋書なのですが、当然ながらあっと驚くドンデン返しが仕掛けられています。
 しかし、この仕掛けがなんとも最低なもので、ネタが割れた途端に観客や読者(原作がそうなら)は絶対バカヤローと叫ぶことを受け合います。
 あんまりひどいので【ネタばれ】します。未見の方はご注意願います。
 ダンテのデスマスクなどに書かれた世界を救う道筋を示す暗号の数々は、結局、愛人とのお宝さがしゲームなのですと。人類を滅ぼして地球を救おうと考えるいかれた人間がこんな遊びをするという設定のシナリオは絶対おかしい、と思います。
 第一、そんなのに2時間つき合わされた観客の気分はどうでしょうか、情けないし、アホらしい。
 もうひとつ、世界中の大富豪たちを顧客にする謎の民間危機管理機構の組織も笑えます。まるで007のスペクターのような組織で、多分に今の民間軍事会社の延長のような想定なのでしょうが、顧客のことをまるで調べずに請け負って、目的が人類滅亡だと知るや、率先して政府機関に協力して、あまつさえアサシンの短刀一つで、ボス自身が後始末に乗り出すのですから、本当にあきれました。
 
 以上、この映画はどても主演がトム・ハンクスで監督がロン・ハワードとは思えません。多分これまでの義理(あるいは金?)なのでしょうねえ、きっと。ご愁傷さまです。・・・まあ、環境問題は大事なことですし、アメリカ大統領もそうですが、一体、これから世界はどうなっていくのか、という危機感の映画でした(笑)。

2016年11月12日 (土)

ジャック・リーチャー

 トム・クルーズ主演の元陸軍捜査官「ジャック・リーチャー」シリーズ第二弾、そのタイトルもズバリ、「ジャック・リーチャー」が公開されました。
_new  第1作は、同原題を「アウトロー」という変な、しかもクリント・イーストウッドの名作西部劇と同じ邦題を冠していたことや、最近の派手なアクションものと比較して地味だっため、私的には少し損をした気分でしたが、今回は、現実的なリアルな迫力の正当なアクションムービーとして、先の読めない展開を名実ともに楽しむことができました。
 
 まず、リーチャーと互角に対抗できる女少佐の背筋がピンと伸びたようなストイックな姿・・・お約束通りセックスはしないのですが(笑)・・・がなかなか好印象であるほか、事件に巻き込まれたリーチャーの隠し子という万引き娘についても、常に危機を招く無知な行動だけの迷惑娘という印象から意外な純情も見られる後半などは、その好感度も一気に上がります。
 そして、何より凄腕の殺し屋の暗躍、そして全く先の読めない筋書き、お先真っ暗な脱走劇など、物語としての魅力もいっぱいです。
 しかも、荒唐無稽な漫画チックなアクションは一切なく、格闘も射撃も一つ一つの動作がリアルで、実際殴り合いの肉体的な痛みが感じられるよう気さえします。顔の傷が痛々しい(笑)。
 お気に入りのシーンとしては、、黒幕による密輸現場を抑えた時の、真相が判明しないスリルとリーチャーによる逆転劇が見事でした。それに刑務所の脱走劇も良かった。
 
Img_new  以上、この映画の出来は、三ツ星でした。そのうえ、個人的には、シネマイレージの6000マイル越えで交換できる「1か月の無料パス」を使用した第1号です。・・・評価が悪かろうはずはありません(笑)。
 
 

2016年11月 3日 (木)

失われた地平線

 長年気になっていた映画「失われた地平線」をやっと観ることができました。
 元祖、アドベンチャー映画であり、有名な理想郷「シャングリラ」を描いた物語なのです。主演は、コールマンひげで有名なロナルド・コールマンで、監督は、名匠フランク・キャプラです。公開は1937年といいますから、古典中の古典です。
Photo  しかも、この映画は、132分のオリジナル版は失われており、25分のカット版で上映されていたようですが、1973年から世界中のフィルムを集め、最新の技術で復元作業がなされたものの、7分ばかりはどうしても見つからず、その部分は、スチール写真で補ったという曰くつきの作品です。その復元版が、今回、廉価版のDVDで発売されたのです。有難いことです。
 さて、その感想ですが、さすがに監督がキャプラだけあって、反戦思想や人間の幸せを率直に描きます。主人公や高僧たちのやり取りがいかにも古き良き時代のセリフですし、恥ずかしいぐらいストレートです。
 
 しかし、平和で生活や病気の心配のない、適度な節度の世界、シャングリラはどうでしょうか。反発し、脱出を図ろうとする主人公の弟の方が随分人間らしいなあ。なにより外の世界を見たいという人間固有の知的好奇心がなければ、生きる価値もないような気がします。
 シャングリラの指導者で200年も生きた高僧は退屈ではなかったのかなあ。
 チベット人の村人達は無知のままのような気がしますし、一部の白人種だけが優雅な生活をしているようにも見えますし、あのような贅沢調度品を運び込むのは不可能と思えますが、いかがでしょうか。それに、あの若い美人の彼女が居なければ主人公も帰らないのでは?(笑)
 
 結論としては、やっぱり理想郷など、私にはうさん臭くて、どうにも馴染めませんでした(笑)。
  
   

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