羽毛恐竜
最近、恐竜の復元図に異変が起っています。
中国で、ティラノサウルス類の小型恐竜に羽毛があったことの痕跡が発見され、いまや大型のティラノサウルスにまで羽毛のある復元図が登場してきています。
まだ、ティラノサウルスには、はっきりした羽毛の事実は皆無であるにもかからわず、なのです。誠に遺憾なことです。
まだ、ティラノサウルスには、はっきりした羽毛の事実は皆無であるにもかからわず、なのです。誠に遺憾なことです。
加えて、来る9月18日にNHKのスペシャル「完全解剖ティラノサウルス」で、羽毛のあるティラノサウルスを最新の学説として、CG製のビジュアルをPRするようです。
その前宣伝というべき書籍も発売されています。おそらく、一つの最新学説をあたかも定説のように放映するのでしょう。いつものやり方です。
恐竜造形の草分けの造型師荒木一成氏は、次のような趣旨のこと(要約です。)を述べています。「なぜ、最新映画のジュラシック・ワールドでも、ティラノサウルスに羽毛がないのか。それは誰もそんな姿を見たくないからです。安価なカプセル・フィギュアでは羽毛恐竜が発売されているが、サイドショウなどの高価な商品には、羽毛レックスはない。メーカーがそれを買う人がいないと考え、リスクを回避しているからなのでしょう。」と。
まさしく、そのとおりです。誰が羽毛の生えた醜い恐竜を部屋に飾りたいでしょう。
それにしても、恐竜の復元は、科学の進歩とともに、大きく変わってきています。絶対に判らないと考えられていた体表の色まで一部判明してきているというから驚きです。
もともと、私たちの子供頃は、ティラノサウルスなどは、ゴジラのように(ゴジラが当時の恐竜復元図を真似た?)垂直型でした。それが、いまや水平型であり、地面を引きずっていた尾は、ピンと伸ばされ体のバランスを取っています。この力強い尾の筋肉のおかげで走るスピードも時速50kmも出るそうです。これで死肉喰いという汚名は返上できそうです(笑)。
多分、こうした科学の検証は、今の時点では正しいのでしょうが、生きものが繁栄する条件には、やはり、完成された美があると思います。いまの復元図ではなんと情けない。とても、ジュラ紀を制した帝王の姿には見えません。例え、幼体には羽毛があったとしても、成体では脱毛するのです。・・・そう信じましょう。
・・・と、ここまでこだわるのは、やはり我々のゴジラ世代が幼い頃に観た、当時の最新の学説に基づいた復元されたズデニック・ブリアンの芸術的とも言ってよいほど完成された復元図の刷り込みのせいなのでしょう。当時の少年誌などには、その姿をなぞった恐竜挿絵が満ち溢れていました。・・・嗚呼、あの頃が懐かしい(笑)。
ともかく、9月のNHk特集を受けて、羽毛恐竜が世間的には一般化するでしょう。特に、幼い子らは、それが恐竜と刷り込まれてしまいます。美的センスを養う幼児教育に悪い影響が出そうです(笑)し、恐竜ブームは徐々に下火になるでしょう。とても、この情けない姿が、男の子たちに人気が出るとは思いません。まさしくNHKの功罪が問われることなるでしょう。
・・・ちょっと、動揺して感情的になってしまい、すみません(笑)。
最後に、ゴジラ世代の繰り言かもしれませんが、こんな醜い情けない恐竜学説の暗黒時代が1日も早く終わることを念じています。次の新たな学説を待っています。・・・やっぱり、太陽は回っている。反コペルニクス(笑)。
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