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2016年9月25日 (日)

傑作SF映画選PART4

 過去のB級SF映画を「傑作SF映画選」というシリーズとして、本邦初でDVD化してくれる奇特な企画があります。
 このブログでも、既に3回取り上げており、今回がPART4ということになります。ちなみに、第1回目が2013.5.19、第2回目が2013.10.02、第3回目が2013.11.09です。
 
71hkltelldl_sl1080_  さて、今回ご紹介するのは、「海獣の霊を呼ぶ女」というSF映画です。
 内容は、そのタイトル通り、催眠術師が美女に催眠をかけ、その霊が乗り移ったモンスターを海から呼びよせ、殺人を繰り返していくというストーリーです。まさしく、B級カルト映画という名にふさわしい作品です。
 
 今回、初見なのですが、殺人動機などは納得できないものの、予想外にまともでした。つまり、一度も早送りをせず、ジ・エンドの替りの「?」というエンドマークが出るまで観ることができました。この手の作品では、快挙です(笑)。
 正直、登場人物の顔が皆悪党面なのがつらいところもありますが、それも魅力なのかもしれません。
 誤解のないように云っておきますが、あくまで最後まで観ることができるというレベルです(笑)。
 
 実は、この映画、ストーリーとか内容ではなく、登場する海獣、すなわちモンスターが有名なのです。
 私の子ども頃には、この怪獣のモノクロ写真が少年雑誌に掲載されており、そのユニークで怪奇な姿が記憶に強く残っています。知らないことは恐ろしいものです。まだ見ぬアメリカの怪奇映画に憧れていたのです。思えば、少年雑誌の名編集者の大伴昌司氏が諸悪の根源です(笑)。
 そのせいか、日本では、フィギュア・メーカーのビリケン商会から発売されていたと思いますし、最近では、彼の国のトイ・メーカーからもそのフィギュアがDVDのオマケで発売されていました。
 
 このDVDが発売されたおかげで、長年、その筋(SF映画ファン)で有名だった幻の映画をやっと観ることができました。
 これで、ビリケン商会のB級モンスター 模型のモデルとなった怪物が登場する映画は一応終了ですし、憧れ(?)の未見の映画も随分残り少なくなりました。
 
 ということで、傑作SF映画選の発売メーカー様、誠にありがとうございました。
 以上、ご報告とお礼でした。
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51yprshxcl  ちなみに、既に発売済みのDVDです。オマケです(笑)。
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ハドソン川の奇跡

  久しぶりに、まともな大人の映画を見た思いがします。
  「ハドソン川の奇跡」は、監督クリント・イーストウッドの最新作で、前作「アメリカン・スナイパー」に続く実話の映画化です。
 
_new_new   お話は、離陸後、鳥の群れに衝突し、両エンジンの推力を失って墜落する155人を乗せた旅客機をハドソン川に不時着させた、通称”サリー”という機長の英雄譚・・・ではありません。
  乗客全員の命を救ったのにも拘わらず、国家運輸安全委員会(NTSB)による、「近くの空港の滑走路に着陸できたにもかかわらず、無謀な不時着をした」という疑惑をかけられ、極限まで追求されるお話なのです。
 いやあ、機長という人の命を預かる者の責任は限りなく厳しいものです。
 救出後、最後に脱出した機長が助かった乗客の数を確認する姿は感動的です。
 冒頭からエンジントラブルのシーンが始まりますので、こりゃ黒澤明の「暴走機関車」かと思いきや、機長の悪夢なのです。
 映画は、NTSBの厳しい追及の中で様々な事実が浮かびあがり、機長の人生と苦悩を描きます。調査中の間、英雄扱いするマスコミに翻弄されながら、サリーの悪戦苦闘が続きます。
 あくまでエンジン・データやコンピュータ・シュミレーションなどを駆使して、「不時着」ではなく「墜落」というNTSBの委員に対して、機長自ら事実を探ります。このNTSB委員の追及のいやらしさが尋常じゃありません。完全な悪役です(笑)。
 圧巻は、公聴会での人間パイロットによるシュミレーション実験です。2回とも通常滑走路への緊急着陸が成功します。万事休止かと思えた最後の時、サリーの発言により大逆転となります。
 
 安心してください、見事なハッピーエンドです。法廷劇の醍醐味を思う存分味わえます。
 それにしても、この映画はイーストウッド86歳の作品です。96分という上映時間の中で、時間と空間を自由自在に料理し、観客に提供しています。もう名人芸としか言えません。ごちそうさまでした。

2016年9月22日 (木)

超高速!参勤交代リターンズ

 「超高速!参勤交代リターンズ」は、前作「超高速!参勤交代」が予想以上のヒットになったため、急拠、続編として作られたそうです。
 まさしく超高速の製作だったのでしょう。いかにもお手軽という感じはいなめません。
_new  物語は、前作の参勤交代の江戸からの帰りから始まります。路銀がなくなった一行は、途中の宿場町でそれぞれの特技を生かして銭儲けを行い、深田恭子扮する遊女お咲を無事身受けし、佐々木蔵之介演じる湯長谷藩主の側室になる祝言を挙げているさなか、ひと月以上も留守にしていた藩で一揆が勃発、あわてて帰るも、既に藩は取り潰しされ、尾張柳生家に引き渡されていた、というとんでもない内容です。
 その裏には、前作で失脚したはずの陣内孝則の悪老中が徳川吉宗が日光社参で江戸を留守にしている間に、尾張家と手を結び、湯長谷藩への復讐を謀ったものでした。今回は、尾張柳生の刺客達が襲い掛かります。
 といっても、当然ながら、喜劇ですし、前回より、さらに登場人物たちの行動はとんでもありません。
 例えば、渡辺裕之演じる柳生の剣豪や柳生家の首領は、「帰ろ!」とか言ってあっさり引き上げます。馬鹿馬鹿しいほどのハッピーエンドです。
 一見、強そうな忍者や剣士も、見掛け倒しのアホばかりです。
 第一、鎖鎌の達人との斬り合いの最中に、側室が藩主に「気持ちを口にしてほしい」と強請るのです。思わず、伊原剛志の忍者が言います。「そんな時ですか。」思わず噴き出しました。 
 全般的に、こんな調子の内容が続きますので、気楽に安心してお楽しみください。頭を空っぽにして、試しにご覧ください。笑えますゾ、多分。

2016年9月17日 (土)

スーサイド・スクワッド

 「スーサイド゙・スクワット」とは、決死部隊という意味らしい。
 この映画は、アメコミの二大メーカーのうちのDCコミックスが製作したものです。DC印の映画は、マーベル印の「アベンジャーズ」などの痛快娯楽作品とは違って、「バットマンVSスーパーマン」のように、暗くハードな雰囲気があります。例えて言えば、マーベル社が明るく楽しい東宝怪獣映画なら、DCは、暗く美しい大映映画のイメージがあります。(笑)
 なにしろ、あの明朗なアメリカ正義の象徴のスーパーマンが死んでしまったのですから・・。加えて美術のコンセプトも凄い。スーパーマンの衣装までダークです(笑)。
 
_new  特に、この作品は、暗いサイケデリックとでも呼びたくなるいうな色彩で、ニューヨークの暗闇でみる無残絵であり、かつ落書き芸術のてんこ盛りです。衣装、刺青、小道具などなんともポップです。パンフの表紙をご覧ください。全編、この美的感覚に統一されています。
 
 というわけで、この映画は、スーパーマンが死んだその後のお話なのです。・・知らなかった(笑)。そして、引き続いて、ベン・アフレック演じるバットマンも登場します。・・・これも知らなかった(笑)。
 
 どうやら、この物語について、スーパー・ヴィラン(アメコミでは悪役をそう呼ぶらしい。)が横一列に並んだチラシなどを見ていたせいか、戦争映画の傑作で私が映画を好きになったきっかけの一つである「特攻大作戦」のようなお話と思いこんでいました。いや、大筋はそうなのですが、印象が随分違います。
 
 この部隊の隊員は、ウイル・スミス演じる狙撃の名手のデッド・ショット、マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クイン、ゲリラ対策のプロで隊長、ブーメランが武器のブーメラン、日本刀の女剣士カタナなど、まあ、普通の人間レベルのほか、炎の超能力を持つ全身刺青のディアブロ、ワニの皮膚のミュータントのキラークロック、さらには古代の神エンチャントスとか、もう訳がわかりません(笑)。開幕冒頭に、各キャラクターの能力や生い立ちをトランプカードのように紹介があるのですが、今いち盛り上がりません。・・・言い抜かっていましたが、線の細いジョーカーもハーレイ・クインの情夫役(笑)で登場します。
 
 部隊の結成も、ペンタゴンの女幹部が、スーパーマン亡きあと、出現するであろう悪のメタヒューマン(どうやら、フラッシュとか、アクアマンとか、アマゾネスなどを指すようです。)に対抗するために、悪をもって悪を征する趣旨で、凶悪な囚人たちを集め、首に爆弾を注入し、あらゆる弱みをついて、無理やり始めたものです。
 当然にトラブルが続出し、さらにこの世のものでない魔物を自ら呼び寄せる結果になるのです。いやあ、自業自得ですねエ。しかも、この女幹部の非道なこと、事務職の部下を自ら皆殺しにしたうえ、「機密保持のため」と言い放って終わりです。悪役たちが可愛く思えます。(もっとも、このヴィラン達は皆役柄の割にはあまりに心優しすぎ(笑)です。)
 
 しかし、”可愛い”といえば、何と言っても、ハーレイ・クインです。最初は、単なる色○○のような印象ですが、毛先が青と赤のツインテールの髪形、ホットパンツのパンクルックで木製バットを振りまわし、巨大なマグナム銃を吊り下げ、大暴れをします。その過激なアクションと挑発的な言動、さらに化粧が崩れ、汚れた表情は意外なことに”可愛い”のです。ラストまで魅せます。・・・いやあ、本当に儲け役です。
 
 一方、ウィル・スミスが、特殊能力を持ったスーパーヴィラン達の中で、銃の名手の暗殺者という、超人と比べれば、地味なキャラクターに扮したのは何故かと不思議に思っていましたが、何のことはないこの男がリーダー役で、実質的な主演だったのです。いちいち恰好を付けたような展開は鼻につきますし、我が娘を可愛がる暗殺者という設定で、最後は娘からは「人殺しでもパパが好き」というモラルの無さ全開には、さすがに如何なものかと疑問が出ます。・・・まあ、刑務所に入っているからいいのか(笑)。
 
 ちなみに、どうでもいいことですが、ベン・アフレックの長い顎は、バットマンのマスクをしても、顎で正体がわかります。前作「バットマンVSスーパーマン」の時の違和感がわかりました・・バットマスクがとことん似合わないのだ(笑)。
 
 ラストの予告編で、次作は、バットマンと、多分ワンダーウーマンの本線に戻るようです。スーパーマンも復活するのでしょうね。そこに、なんとか、ハーレイ・クイーンだけは登場してほしいものです。 
 

2016年9月11日 (日)

メイキング本

  最近、ハリウッド映画のメイキング本がかなりたくさん翻訳出版されています。主に、アメコミ関係が中心ですが、SFやアクション映画に関するものであり、タイトルは、メイキングオブ○○とか、アートオブ○○とか、中には、公開30周年などを記念したヒストリー&メイキングブックもあります。
 参考までに、昨年来、私が購入した本の表紙をご紹介します。
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 、Photo_5Photo_7 Photo_9 Photo_8  いずれも、大型本で、それなりに値段も立派ですが、こういう本がわが国でも日本語版で入手できるようになったのは誠にうれしい事です。
 あとは、もう少し、普通のジャンルの映画も彼の国では出版されておるようですので、SF以外の分野のメイキング本も翻訳願いたいところです。
 
  もう一点、出版元にお願いです。惜しむらくは、アートばかり、すなわち、検討デッサン画ばかり掲載した本があるのが困ります。
 こうした本は、ビニール袋で封印されているのが普通で中身が確認できないので、購入後、映画製作のメイキング部分が少ないと本当に情けなくなります。
 できれば、アートだけでないメイキングものを出版してほしいものです。  

羽毛恐竜

  最近、恐竜の復元図に異変が起っています。
  中国で、ティラノサウルス類の小型恐竜に羽毛があったことの痕跡が発見され、いまや大型のティラノサウルスにまで羽毛のある復元図が登場してきています。
  まだ、ティラノサウルスには、はっきりした羽毛の事実は皆無であるにもかからわず、なのです。誠に遺憾なことです。
 加えて、来る9月18日にNHKのスペシャル「完全解剖ティラノサウルス」で、羽毛のあるティラノサウルスを最新の学説として、CG製のビジュアルをPRするようです。
 その前宣伝というべき書籍も発売されています。おそらく、一つの最新学説をあたかも定説のように放映するのでしょう。いつものやり方です。
_new   ・・・私は信じない(笑)。この本の表紙の復元図をご覧ください。なんと醜い姿でしょう。誰がこんな恐竜を好きになるのでしょう。(もっとも、他の科学雑誌の極彩色の復元図よりはまだマシかも)
 
 恐竜造形の草分けの造型師荒木一成氏は、次のような趣旨のこと(要約です。)を述べています。「なぜ、最新映画のジュラシック・ワールドでも、ティラノサウルスに羽毛がないのか。それは誰もそんな姿を見たくないからです。安価なカプセル・フィギュアでは羽毛恐竜が発売されているが、サイドショウなどの高価な商品には、羽毛レックスはない。メーカーがそれを買う人がいないと考え、リスクを回避しているからなのでしょう。」と。
 まさしく、そのとおりです。誰が羽毛の生えた醜い恐竜を部屋に飾りたいでしょう。
 
 それにしても、恐竜の復元は、科学の進歩とともに、大きく変わってきています。絶対に判らないと考えられていた体表の色まで一部判明してきているというから驚きです。
 もともと、私たちの子供頃は、ティラノサウルスなどは、ゴジラのように(ゴジラが当時の恐竜復元図を真似た?)垂直型でした。それが、いまや水平型であり、地面を引きずっていた尾は、ピンと伸ばされ体のバランスを取っています。この力強い尾の筋肉のおかげで走るスピードも時速50kmも出るそうです。これで死肉喰いという汚名は返上できそうです(笑)。
 
 多分、こうした科学の検証は、今の時点では正しいのでしょうが、生きものが繁栄する条件には、やはり、完成された美があると思います。いまの復元図ではなんと情けない。とても、ジュラ紀を制した帝王の姿には見えません。例え、幼体には羽毛があったとしても、成体では脱毛するのです。・・・そう信じましょう。
 
 ・・・と、ここまでこだわるのは、やはり我々のゴジラ世代が幼い頃に観た、当時の最新の学説に基づいた復元されたズデニック・ブリアンの芸術的とも言ってよいほど完成された復元図の刷り込みのせいなのでしょう。当時の少年誌などには、その姿をなぞった恐竜挿絵が満ち溢れていました。・・・嗚呼、あの頃が懐かしい(笑)。
 
 ともかく、9月のNHk特集を受けて、羽毛恐竜が世間的には一般化するでしょう。特に、幼い子らは、それが恐竜と刷り込まれてしまいます。美的センスを養う幼児教育に悪い影響が出そうです(笑)し、恐竜ブームは徐々に下火になるでしょう。とても、この情けない姿が、男の子たちに人気が出るとは思いません。まさしくNHKの功罪が問われることなるでしょう。
 ・・・ちょっと、動揺して感情的になってしまい、すみません(笑)。
 
 
 最後に、ゴジラ世代の繰り言かもしれませんが、こんな醜い情けない恐竜学説の暗黒時代が1日も早く終わることを念じています。次の新たな学説を待っています。・・・やっぱり、太陽は回っている。反コペルニクス(笑)。
 

四月は君の嘘

  月刊少年マガジンに連載されていた漫画「四月は君の嘘」が実写化され、昨日から劇場公開されています。
 実は、この漫画については、私何を隠そう、恥ずかしながら連載中から愛読しており、大ファンなのです。勿論、単行本全11巻は書架に収まっており、先日は、別巻も揃えたところです。
 
 物語は、四月のある日、母を失ってピアノが弾けなくなった中学生(高校生ではないのだ!)の天才ピアニストの前に、自由奔放で過激な美しい少女が現れ、友人の幼馴染たちとの交流を通じて、再び主人公をピアノ演奏に復帰させる物語です。
 
 この新川直司という漫画家の絵は、無茶で大げさな行動や笑いを生み出す場面では、いきなり二頭身のこけし(?)顔に変わるという、マンガならではのギャグ手法を大胆に活用します。
 もっとも、連載始めは、正直「何、コレ?」となかなか絵柄に馴染めませんでしたし、登場人物のセリフとコマの位置の関連に戸惑うことがありました。
 しかし慣れてみると、単純な線で描いたまっとうな絵とのギャグ表現のギャップにはなかなか味がありますし、主人公の少年によるピアノの演奏のシリアスな場面などは、奏でるメロディーまでが画で見えるようで感嘆しました。
 そういえば、「のだめカンタービレ」でも、音のない漫画表現の無限の可能性を知らされましたねえ。…大げさか(笑)。
 
_0001_new  そして、この漫画のカナメは、主人公が初めて恋をするバイオリニストである同窓生の宮園かおりの秘せられた設定なのです。 
 カラフルに輝いてる彼女(コミック最終巻の表紙をご覧あれ。)にはある秘密があったのです。が、それは漫画ならではのものでしょう。とてもリアルな演出が前提の実写化には向いていないと思います。
 
 ちなみに、この作品は、既に、昨年アニメ化されています。大変繊細で美しい、淡い色調の風景や音楽の演出で、原作の雰囲気をなかなか上手に映像化しており、感心しました。演出者の手腕が見事です。しかし、それもやはり二次元の絵の中だから可能だったと思います。
 
 実写映画はもう既に公開中ですから、実写化反対と言ってもセンないのですが、原作の宮園かおりを、今人気絶頂の広瀬すずであっても、生身の女優が演じるのは演出上酷でしょう。ストーリーの設定上、誰が演じても実写にはなじみません。
 ・・・ということで、多分私は劇場には足を運ばないつもりです。ステージでバイオリンを弾く姿勢の良い姿、足蹴りを繰り出すギャグ調の姿、そして・・などなど、原作のイメージを壊されたくありません。・・なんでもかんでも映画化すればいいというものでもないだろう・・てか。
 
 最後に、この「四月は君の嘘」という題名について、連載中から意味がわからんと思っていたのですが、最後の最後でそのオチが判明します。
 ・・・結果が分かれば、なかなかしゃれたタイトルです。ネタバレはいたしませんので、是非、漫画を11巻を最後までお読みください(笑)。
 
 そういえば、作者の新川直司の最新作「さようなら私のクラマー」も、少女サッカーのお話ですが、今はまだタイトルに秘められた意味が分かりません。どうせ全巻終わるころにわかるのでしょう。楽しみです。
 ・・・実は、この漫画も、やっと最近登場人物の顔の区別(ギャグ顔や同じ髪形で主人公がよくわからん・・・)ができるようになりました。そのためか、あの伝説の「スラムダンク」を彷彿させる雰囲気も感じられ出し、俄然面白くなってきています。
 ・・これは、また別のお話です(笑)。

2016年9月10日 (土)

キングオブエジプト

 映画のジャンルの中でもSF・ファンタジー映画は、一、二を争うお気に入りの分野です。年を取って子どもに返りつつあるせいか、最近は、アメコミの映画化にも前ほど抵抗感がなくなりました(笑)。
_new  この「キングオブエジプト」は、かつてのハリウッド史劇の要素もあり、二人の主演俳優さんの名前は知りませんが、あのジェラルド・バトラーが悪役ながら実質主演ともいうべき古代エジプトの神セトとして悪逆の限りをつくすようですので、大いに期待していました。
 
 物語は、古代エジプトで、3~4メートルはありそうな巨大な神々ホルスなどと人間が平和と繁栄を謳歌していた時代で、砂漠の神セトが反乱を起こすのです。
 翼を持ったり、獣に変身できる神たちの姿やペットの怪獣、巨大なスフィンクスやピラミッド、摩天楼、宝物を守る様々な仕掛け、そして大気圏外軌道を運航している太陽神ラーの天空の舟など、エジプト伝説のアイテムがこれでもかと満載されています。
 また、愛の神や知恵の神、太陽神や黄泉の神、その神々のキャラクターの性格付けや行動にはいろいろ工夫していることは認めます。
 しかしながら、その内容たるや、なんとも形容しようがありません。
 ともかく、絵に描いたようなCG映像なのです。リアル感が全くありません。おもちゃのような背景の中、キンキラの安っぽい衣装を着た登場人物が、場当たり的な行動とシラケるほど荒唐無稽なシーンの繋ぎ合わせのお話です。結末も”何でもあり”ですか(笑)。
 
 思えば、アベンジャーなどのアメコミ映画で、あのコスチューム・プレイをリアルな映像に造り上げているのは、逆に物凄いことなのだと、改めて感心しました。
 
 以上、今回は、さすがにパンフレットも購入しませんでした。なお、画像はチラシです。 
 

2016年9月 3日 (土)

君の名は。

 優れた映画を観ると、その感動の余韻をいつまでも楽しみたくなります。アニメ「君の名は。」は、上映開始2日間で9億円とか驚異的な観客動員を続けているといいます。
 
 監督の新海誠氏は、実写とも見まがう精緻で美しい映像で名を為しており、たまたま観た前作の「言の葉の庭」は、雨の表現などを通じた私的映像詩ともいえる作品でしたし、なによりこれだけ評判になる映画ですから、ミーハーの私としては観に行かざるを得ません(笑)。
_new  この我が国の戦後メロドラマの傑作と同じ名を冠した(句点の違いはあります。)最新作は、男女2人の高校生の体が入れ替わるという、昨今のファンタジーではありきたりなストーリーと思っていましたが、あにはからんや、中盤、衝撃の展開となります。
 一体どうなるのかと思いつつ、最後はハッピーエンドに落ち付いたのは感動です。なにより、よくぞこんな物語を紡ぎ出したものです。さすがに、ジブリの後継者の一人とみなされている新海誠監督です。監督の名前で観客を呼べるのは、今の日本映画で何人いるのでしょう。その才能に改めて驚嘆します。
 それにしても、やはり、日本のアニメ作家は凄い。もはや、邦画と言えば、アニメが圧倒的に質が高く、海外でも高く評価されているのは当然でしょう。
 
 内容にしても、前作のように、雨の表現のような凝りまくった映像で見せるというよりは、というか、映像は少しジブリっぽくなりました(笑)が、先ほども言いましたように、まずストーリーが凄い。
 中盤の衝撃もそうですが、物語の中に仕掛けられた様々な布石を活かすストーリー展開が舌を巻くほどうまいのです。冒頭の謎の映像、古文の授業、紐と時間など、バラバラなピースが最終的にパチッと合わさる快感にはおもわず小膝をたたきたくなります。
 
 加えて、主人公たちは、その行動を含め、なるほど虚構であるファンタジー世界の中だけの人物像かもしれませんが、エキストラ(?)登場するイヤミな女同級生たちの姿や言動が今時の女子高校生を見事に活写しており、リアル過ぎて悲しくなります(笑)。
 そういえば、前作の「言の葉の庭」でも、担任女性教師を噂で陥れた、同級生の取り巻きを従えた女王様のような女生徒の姿には、思わず「こんな奴、居る居る」と寒気を感じてしまい、主人公の驚くべき行動には大いに同調しました(笑)。
 
 ところで、パンフレットが完売です。困りました。
 冒頭申しあげましたように、映画の醍醐味は、鑑賞中の感動はもちろんですが、鑑賞後の作品への反芻行動が楽しいのです。
 まずは、パンフレットを読んで、製作の裏話を知ること。こうしたブログへ感想文を書くこともそうですし、場合によっては、登場するキャラクター(メカも含む)の模型を作ったりと、感動した映画への賛辞を形にするのです。そして、気に入った作品は、いつでも再見できるようDVDコレクションに加えるのです。
 これが、私流の映画への愛情(笑)なのですが、その第一歩であるパンフレットが売り切れなのです。再入荷は未定とのことですが、すぐに増刷すべきです。商売の基本ではないですか、早くしてください。・・・要は、これが言いたかったのです(笑)。
 
 最後に、この作品は、必見です。アニメ嫌いの方も是非ご覧ください。
 
<追記>
_new  待望のパンフレットが届きました。劇場での再入荷を待ちきれず、オークションで新品をゲットしたのです。少し割高でしたが、この際そんなことは構っていられません(笑)。こんな時に、オークションはつくづく便利と感じます。
 
 さて、老眼の進む身のせいか、大きなスクリーンで見た映像よりパンフの写真がはるかに精緻で美しく思えます。これは絶対DVDでコンパクトなサイズで見直す必要がありますゾ(笑)。
 そして、アフレコの俳優の顔がやっとわかりました(笑)。
 いやあ、やっぱりパンフレットは良いものです。
 シン・ゴジラのパンフレットも売り切れている状態ということです。TOHOさんも仕入れをしっかりしてほしいものです。
 
 ちなみに、この映画は記録的な成績を挙げており、実は、奇しくも62年前も、映画「君の名は」が「ゴジラ」の興行成績を上回っていたという記事を見つけました。誠に不思議なめぐりあわせです。
 
 最後に、残念ながら、このパンフレットの表紙が、チラシと同じ絵柄だったのが、このブログ的には、面白くありませんでしたなあ。
 
 以上、平成28年9月7日に追加しました。

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