日本特撮技術大全
有名な「寒天の海」や「水槽の絵の具の雲」から「ホリゾントの巨大富士山の絵」など、日本で創意工夫した特撮の技法が、惜しげもなく紹介されています。結構、初めての写真が多く、感慨深いものがあります。
個人的には、シナリオの復刻など興味がありませんし、実際、外箱から取り出したり、読むのに本当に不便なのです。
以上、えらそうなことを勝手に言ってしまいました。すいません。
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小林正樹監督の生誕100年とかで、ついに、仲代達矢主演の「いのち・ぼうにふろう」が初DVD化されました。
この作品は、数年前に一度、突如、衛星放送で放送された時にDVD録画したものをを所有していますが、やはり画像などきちんとしたDVD化はありがたい限りです。
ちなみに、このタイトル「いのちぼうにふろう」は、「命、棒に振ろう」をひらがなで書いたものですが、恥ずかしながら、今回オープニングタイトルでは命と棒の間に「・」が挿入されていることに初めて気が付きました(笑)。
お話は、このブログでも以前取り上げていますが、山本周五郎原作の「深川安楽亭」を映画化したものです。脚本は、仲代達矢の嫁さんの隆巴が書いているせいか、仲代は、自分の私塾「無名塾」が主催する演劇でよく上演するそうです。
この映画は、一言でいうと見事な白黒映像と武満の音楽で彩られたピカレスク時代劇です。
深川の小島にある安楽亭に巣くった悪党たちが、ふとしたことから命を掛けて純な若者を助けようとした物語です。
とにかく、仲代達矢の演じる「知らずの定七」がかっこいい。懐手による一瞬の短刀さばきの見事なこと。
敵役の中谷一郎や神山繁がいつのように切られ役を務めます。やっぱり上手い役者が演じる敵役は安心します(笑)。特に神山繁は当時ラスボスかその手前ぐらいの悪役が定番でしたねえ。懐かしい。
ほかにも、佐藤慶や岸田森などの個性あふれる悪党たちの面々がいい。
一方、ゲスト出演の時の勝新太郎は、いつものように演技派を気取っているのか、最後の無数の御用提灯の中で、捕り手達との大立ち回りでも、その前に立ち去ってしまい、何の活劇的な見せ場もなく全く期待外れです(笑)。やっぱり豪快な殺陣を見せてほしかったものです。
それにしても、正直、映画の鬼で演出に妥協のない小林正樹監督の映画はいつも重い。この映画はまだマシな方ですが、「切腹」、「上意討ち」、「怪談」、「人間の条件」などの名作は、若い頃には夢中になりましたものの、最近では年を重ねたせいか、なかなか体力的に見る気がしません。よほど体調の良いときに、しかも見せ場だけの飛ばし見で十分満足するようになりました。
・・・つまり、今回もそういうことです(笑)。
20年前に大ヒットしたSF映画「インデペンデンスディ」の続編「リサージェンス」ですが、敵エイリアンの宇宙船や「あきらかに前回よりも巨大だ」というキャッチコピーも前回ほどのインパクトはありません。
ましてや、主たる攻撃方法が重力を操作し、ビルなどの地表全体を持ち上げて落とすという戦法では、これまで「アベンジャーズ2」や「マン・オブ・スティール」で既に何度も繰り返されています。
監督のローランド・エメリッヒは、前回は模型中心の特撮だったのがお気に召さなかったのか、CG映像をこれでもかと大奮発しますが、今となっては、観客には二番煎じの見慣れた映像です。なんか勘違いしてますよね。模型だろうが、前作の映像は当時ものすごい衝撃でした。
しかも、巨大な中国市場に配慮してか、露骨なまでの中国人観客への過剰サービスぶりはさすが商売っ気のエメリッヒというより思いっきりシラケます。
筋立てについても、前回の映画で一躍メジャーとなって出演料がバカ高そうなウイル・スミスは劇中では既に亡くなっており、その息子たちが頑張ります。もっとも当時踊り子だった妻が20年後には医者(?)になっていたのは驚愕でした(笑)。
そのほかは、それぞれの2世達が登場するのですが、結局、最後は当時の大統領や変人博士、主演のジェフ・ゴールドブラムとその親父までもが張り切るオールド・パワー映画となります。なんか、すっかり同窓会のイメージです。
極めつけは、オチが「宇宙戦艦ヤマト」のイスカンダル?いや、平井和正の「幻魔大戦」のノリで終わります。・・・・・いやあ、笑えました(笑)。
拾い物はエイリアンの女王で、これも「エイリアン2」と同じといえばそうですが、女王が同じ種族と思えないほどあまりにも巨大なため、塩の湖での戦いぶりは、もう怪獣映画そのものです。ここは個人的に大いに評価します。USゴジラへの対抗でしょうか?その割にはおんぼろバス1台破壊できないモンスターですが(笑)。
ま、理屈を言わず、巨大な資金を投入したCG映像を2時間楽しみましょう。
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