本日封切りの話題のゴジラ映画「シン・ゴジラ」を上映初回で観て来ました。仕事は夏休みです(笑)。劇場で驚いたのは、パンフレットを買いに立ち寄ったショップの人の行列です。見るからに典型的なオタクの恰好をした若者?おじさん?が帽子やらTシャツから、フィギュアを抱えてレジに並んでいます。・・・危うく上映開始時間に遅刻するところでした。

この映画、徹底した秘密主義であり、公開の試写会もなかったようです。庵野秀明総監督の作戦のようで、劇場版エヴァンゲリオンの成功例の二匹目のドジョウを狙ったものです。おかげで、妖怪造型師竹谷隆之氏が製作したゴジラの腐りかけたようなデザインだけが独り歩きし、「進撃の巨人」ですっかりミソを付けた樋口真嗣氏が特技監督ということも相まって、あまり期待はできませんでした。・・・その割には、初回に観に行きましたが(笑)。
しかし、結果は大満足です。これまでの東宝の平成ゴジラの悪夢からやっと進化できました。
そして、これだけ関係官庁や自衛隊が撮影に協力したのは、初めてではないでしょうか。さすがゴジラの紋所というより、それだけ世の中が変わったのでしょう。こうしたサブカルチャー文化が日本だけでなく世界に浸透したおかげでしょうネ。感慨深いものがあります。
ストーリーは、実際に日本に巨大生物が現れたら、国はどう対処するのか、という視点を徹底的に取材し、検討した内容になっています。
首相官邸や防災本部なども限りなく本物をめざして再現(もちろん、実際は極秘らしい)し、自衛隊の兵器もスキャンしたうえでのCG化したそうで、もうドキュメンタリー風にリアルに描いています。
それ以上に閣僚会議でも、政治家である大臣と裏方の官僚のやりとりは、いかにもという雰囲気で笑います。大杉漣の内閣総理大臣が実にいい(笑)。
さて、肝心なゴジラの造形ですが、パンフレットまで「ネタバレ注意」という封印がある状況ですので、製作関係者に敬意を表して、今回は記述致しません。
ただ、ゴジラ初登場で完全に意表をつかれた驚き、生物感のない甲羅のような胴体、崩れかかった穴だらけの皮膚、小さすぎる腕、そして無骨な尻尾の先など、一見するとマイナスのデザインに意味があったことを確認したので、これはこれでアリと評価しました。
というか、正直、ゴジラの出す放射能熱線にも感動しました。平成ガメラ以来だ・・・。
加えて、ゴジラの誕生や生命の謎の設定にも感心しました。もっとも、もう少しゴジラのCG映像が工夫できればいうことないのですが、それを差し引いても庵野監督の原案、脚本力に脱帽です。さすがエヴァンゲリオンを生み出した才能です。お見事、見直しました。
それに加えて、往年の昭和ゴジラファンには、自衛隊の攻撃隊だけでなく、JRの活躍には、あの東宝お得意の対怪獣戦闘メロディが流れ、一気に盛り上がります。
以上、期待していなかった分、一寸自衛隊を褒めすぎの感はありますが、彼の国の扱いなど大人の鑑賞に堪える作り方を目指したことに感心して、2時間余楽しみました。
問題は、この内容が怪獣ファンの幼児や子供たちに受けるかどうかでしょう。あまり我が国の興行成績は期待できないかもしれません。海外でも彼の国であるアメリカも無理でしょうねえ(笑)。
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