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2016年3月13日 (日)

ザ・ブリザード

 「ザ・ブリザード」は1950年代に起こった実話に基づく映画です。タンカーが真二つに裂けるほどの猛嵐の中わずか4人の沿岸警備隊の救助艇が32人もの人間を救助した沿岸警備隊史上最大の功績だそうです。
 結果が分かっているので安心して観ることができるお話でした。いつぞや、実話に基づくと言いながら、最後は乗組員全員が波に飲まれてしまうというとんでもない「パーフェクト・ストーム」という映画がありました。あの船内で起こるドラマは一体誰が語った話なのか、いまだに不思議な「実は・・」でした。

Photo とにかく嵐による海の描写が凄い。もうCGでは何でもできるとはいいながら、その迫力は実際手に力が入ります。
 とりわけ救助艇が難所を乗り越えるシーンは、完全に船体が水没しているし、何度荒波に跳ね上げられても、船体カバーを剥ぎ取られても、船から落ちない乗組員の幸運は凄い(笑)。しかも、羅針盤や無線機を失っても遭難船を発見する強運も素晴らしい。歴史に名を残すのはこうした神の手が絶対必要だと改めて思います。
 また、タンカーの乗組員も、機関長をリーダーにして人力で動かす巨大な舵を即製したり、浅瀬に座礁させて沈没時間を稼ぐなどアメリカ人の底力をよく描いています。

 加えて1950年代の雰囲気は本当に懐かしい。女性の服装も上品だし、車のデザインをはじめ漁師たちのスタイルさえ良い感じです。本当にアメリカの絶頂期かもしれません。セットや衣装は素晴らしい。

 とはいえ、登場人物の設定がなかなか曲者です。最後はヒーローとなるクリス・パインの主人公はともかく、その婚約者は熊の毛皮コートを着た勝ち気な女という描写ですが、これは好意的な表現なのでしょうか。なんか結婚を止めた方がいいような雰囲気です。彼は後々彼女の強烈なブリザードに曝されそうな気さえしました(笑)。
 さらに、隊員の命を無視した無謀な命令を出す基地の隊長の評価はどうなのでしょう。現地を知らずに沿岸警備隊の使命のみを優先するトップはこわいなあ。もっとも、あんまり使命感のないベテラン隊員たちの態度は許せませんが・・。実話ではこの隊長の末路はどうなったのでしょう。エピローグでは金メダルをもらった4人の隊員とは違って何も触れられていません。・・・ますます気になります。
 一方、遭難船を発見した漁師たちが出発する沿岸警備隊員を死地に追い込んだと気に病むところは、彼らの肉親の救助がなされなかったエピソードもあって、古きアメリカの良心さえ感じます。でも、何故か寄港した一番のヒーローを無視しています(笑)。

 ところで、一つ疑問があります。この映画では登場人物たちが真冬の海でもほとんど寒さを感じていないように思えます。あれだけ冷たいはずの海水につかれば東洋人なら絶対凍死します。さすが北国出身の白人種は寒さに強いと感心することで宜しいのでしょうか。…実話でもそうなのか?、そんなことはありえないよね(笑)。 

 最後に、この映画は3Dで撮る必要は全くありません。3D波の効果はまったく感じられませんでした。それどころか入場者数の減を入場料の単価でカバーしようとしたのではないかとさえ思いました。差額返せえ(笑)。 

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