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2016年2月20日 (土)

ドラゴンブレイド

 映画「ドラゴンブレイド」について、ジャッキー・チェンの歴史時代劇は、面白くないという定説を見事に証明しました。
 内容は、紀元前50年、ローマ帝国と中国兵が、東洋と西洋の境界のシルクロードで遭遇し、戦いが始めるという歴史劇です。
 ジャッキー・チェンは、シルクロードの警備隊の隊長であり、その地域を縄張りとする36の民族の仲介役という設定です。まあ、史実とは全く異なるのでしょうが、アラビア風からフン族、インド系?さらにはパンク風まで、様々な民族衣装が勢ぞろいするのは壮観です。
 それに西洋のローマ兵士が参戦しての活劇というのですから、そのアイディアは高く評価します。映画の規模も大作風で一定見応えはあります。

 しかし、ジャッキーの役が平和を愛し、戦いを避けるための話し合いを重視するという中国の警備隊長という設定のため、現代の中国情勢からみると政治的な意図まで感じる押しつけがましさであり、しかも、劇中のジャッキーのわけのわからん説得に各民族が簡単に同調するのもお伽噺というか、全くリアリティのかけらもありません。その脚本のストレートでお手軽な展開に一気に引きます。この時点でアウトでした。

 ただ、ハリウッドからは、「2012」の優男でダメ男ぶりが似合うジョン・キューザックが幼い皇太子を助け支える将軍役で、そして、「キングコング」のエイドリアン・ブロディがその悪逆な兄役で出演しています。
 しかも、二人とも意外にもジャッキー・チェンと互角以上の格闘術を発揮します。
 正直驚いたのが、この二人、いずれもハリウッド映画の中ではさほど大きく見えないのに、ジャッキー・チェンと並ぶと皆デカイ・・という印象です。実物のバーグマンを見た戦前の映画評論家が絶句した気持ちがよくわかります(笑)。
 このような一応名の通った主役級のハリウッド・スターを迎え入れるのですから、先日見た「オデッセイ」の脚本でも感じたことですが、今の中国経済の力の凄さを改めて感じます。

 しかし、その脚本のまずさぶりは想像をはるかに超えており、バッドエンドの極みです。ブロディの悪役ぶりはその風貌によく似合っていますが、ジャッキーの美人妻(・・唯一の加点)も盲目の幼い皇帝も、キューザックの将軍も、皆死んでしまいます。36民族の中心人物たちもほとんど皆殺しの目にあいます。
 最後には、絶対死んだと思ったジャッキーだけが颯爽と警備隊に戻っています。・・・ともかく、爽快な歴史活劇を見に来た観客の期待をことごとく裏切り、その後味たるやなんとも悪く、やりきれません。ジャッキーも年を取ったはずです。未見の方は、未見のままが無難でしょう。見る価値はあまりありません。 ・・・以上です。

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» 「ドラゴン・ブレイド」 [ここなつ映画レビュー]
鑑賞している間中、私はずっと腹が立って仕方なかった。こんなに面白い作品を、どうしてガンガン宣伝して上映館数を増やさないのだろう?TO◯Oシネマズなんて上映2週間で打ち切りだ。どうしてこの作品を文科省推薦にしないのだろう?私が中学校の社会の教師なら、特別授業と言って自腹で生徒を連れて行ってもいい(ひとクラスに限るけど)。いや、これについては後半にかけての残虐なシーンの多発に、青少年へのご推薦はまぁ無理だな、と感じたのでいいんだけど。でもでも、2000年前にローマ帝国から東方へ逃れてきた軍隊の末裔が、今... [続きを読む]

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