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2016年2月23日 (火)

幸福の木からの贈り物

 今回は、映画も模型も関係ないお話です。
 実は、職場の陽が当たらない応接コーナーにやたら背だけ高い観葉植物が置かれてあって、それがもう放置されているといってよいほどの萎れた状態であったため、2年ほど前に、見るに見かねて南側の日の当たる私の事務室に鉢を持ち込みました。

 その観葉植物は、皆さんもよくご存知の、ありふれた「幸福の木」でした。正式名称を「ドラセナ・マッサンゲアナ」というそうですが、ハワイでは家の前に置くと幸せになるという言い伝えから、我が国ではこんな名前で売り出されてきたらしい。ネットで調べました(笑)。

 日ごろは全く植物などに興味はないのですが、移設した手前、水やりをはじめ、自前で買ってきた活力剤の注入など、自分でも意外な程まめに手入れと声かけ(「植物にはこれが大事」と妻の談)をしていました。そうすると、面白いもので一時は枯れてしまうと思われた植物も、いつのまにか新葉を出して元気になったのです。

Img_20160219_1301561 と、先週突然葉の先端から二本の蕾の枝のようなものが出現しているではないですか。あれよあれよと見るうちに、立派な花弁が房状に実り、これは「花が咲くのかなあ」と思っていましたら、見事に咲きました。
 しかも、この花は夕方から夜に咲き、朝には閉じるのです。いやあ、驚きました。同僚や植物に詳しい妻も見たことがないというではありませんか。
 どうぞ、貴重な写真をご覧ください。集合した白い花弁がなかなか可愛いものです。
 残念ながら花弁が夜毎に開閉するなどとは思ってもいなかったので、花の見頃を少し過ぎたのかもしれません。

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それにしても、いかにも熱帯原産らしく、花の匂いが強烈です。現在、部屋の中でマスクをして執務を取っているのですが、それでも耐えられません。
 とはいっても、せっかくの植物の頑張りを切ってしまうのは可哀想です。ネットの調べでは開花期間はそう長くないらしい。

 この開花が、子孫を残すための最後の時を迎えたのではなく、今後も成長を続けていくための吉兆であることを祈念して、もう少し我慢をしましょう。・・・キツイなあ。

2016年2月20日 (土)

ドラゴンブレイド

 映画「ドラゴンブレイド」について、ジャッキー・チェンの歴史時代劇は、面白くないという定説を見事に証明しました。
 内容は、紀元前50年、ローマ帝国と中国兵が、東洋と西洋の境界のシルクロードで遭遇し、戦いが始めるという歴史劇です。
 ジャッキー・チェンは、シルクロードの警備隊の隊長であり、その地域を縄張りとする36の民族の仲介役という設定です。まあ、史実とは全く異なるのでしょうが、アラビア風からフン族、インド系?さらにはパンク風まで、様々な民族衣装が勢ぞろいするのは壮観です。
 それに西洋のローマ兵士が参戦しての活劇というのですから、そのアイディアは高く評価します。映画の規模も大作風で一定見応えはあります。

 しかし、ジャッキーの役が平和を愛し、戦いを避けるための話し合いを重視するという中国の警備隊長という設定のため、現代の中国情勢からみると政治的な意図まで感じる押しつけがましさであり、しかも、劇中のジャッキーのわけのわからん説得に各民族が簡単に同調するのもお伽噺というか、全くリアリティのかけらもありません。その脚本のストレートでお手軽な展開に一気に引きます。この時点でアウトでした。

 ただ、ハリウッドからは、「2012」の優男でダメ男ぶりが似合うジョン・キューザックが幼い皇太子を助け支える将軍役で、そして、「キングコング」のエイドリアン・ブロディがその悪逆な兄役で出演しています。
 しかも、二人とも意外にもジャッキー・チェンと互角以上の格闘術を発揮します。
 正直驚いたのが、この二人、いずれもハリウッド映画の中ではさほど大きく見えないのに、ジャッキー・チェンと並ぶと皆デカイ・・という印象です。実物のバーグマンを見た戦前の映画評論家が絶句した気持ちがよくわかります(笑)。
 このような一応名の通った主役級のハリウッド・スターを迎え入れるのですから、先日見た「オデッセイ」の脚本でも感じたことですが、今の中国経済の力の凄さを改めて感じます。

 しかし、その脚本のまずさぶりは想像をはるかに超えており、バッドエンドの極みです。ブロディの悪役ぶりはその風貌によく似合っていますが、ジャッキーの美人妻(・・唯一の加点)も盲目の幼い皇帝も、キューザックの将軍も、皆死んでしまいます。36民族の中心人物たちもほとんど皆殺しの目にあいます。
 最後には、絶対死んだと思ったジャッキーだけが颯爽と警備隊に戻っています。・・・ともかく、爽快な歴史活劇を見に来た観客の期待をことごとく裏切り、その後味たるやなんとも悪く、やりきれません。ジャッキーも年を取ったはずです。未見の方は、未見のままが無難でしょう。見る価値はあまりありません。 ・・・以上です。

2016年2月14日 (日)

SF大クロニクル

 ハリウッド映画「オデッセイ」で、改めてSF映画の素晴らしさを堪能したところですが、アメリカにおけるSF関係の出版物の凄さにも感心しました。
61o8so0rkl__sx352_bo1204203200_ 今月初めに、わが国でも邦訳されて出版されていたのですが、気が付きませんでした。そのタイトルもズバリ「SF大クロニクル」という厚さ5cmの大著です。

 内容は、フランケンシュタインから最新のアメコミ・ヒーローまで、映画だけでなく、コミック、小説、テレビ番組、ゲームの世界の250を超える名作など1700項目を年度別、体系的に網羅しています。
 もちろんビジュアルも豊富です。ジュール・ベルヌなどは、初版本、映画化した作品の大半を時系列に整理して解説しています。いやあ、さすがにアメリカです。こうしたSF関係の類の本は誠に充実しています。
 我が国の作品も、「アトム」から「宇宙戦艦ヤマト」、「風の谷のナウシカ」、「新世紀エヴァンゲリオン」など、やはり漫画とアニメが中心ですが、さすがに、円谷英二とゴジラは取り上げられています。
 唯一困ったのが活字の小ささです。老眼鏡でもしんどいサイズで情報量が多すぎます(怒)。

51ewzsnj7zl__sx356_bo1204203200_ こうした類の作品評論の大型本は、以前に「怪奇SF映画大全」という分厚い本が出版されてはいましたが、少数でありほとんど見かけません。 多分邦訳されてない大型洋書は無数にあることでしょう。もっとどんどん翻訳してほしいものです。普通の映画の分野でも凄そうです。
 今回の訳者は、北島明弘氏で、あの分厚い名著「世界SF映画全史」を書いた人です。さすがです。この方に大いに期待したいものです。41veg6vv39l__sx350_bo1204203200_

 一方、我国の出版業界といえば、依然としてかつての栄光の特撮時代の円谷英二特技監督のスタッフの回顧録ばかり出版しているのが現状です。裏方に光が当たるのは結構なことですが、次の時代への参考となっていくのでしょうか。しっかり足元を見つめ直し、世界を見てほしいものです。「進撃の巨人」を見ただけに心配なところです。・・・「シン・ゴジラ」とは一体なんのこっちゃ(笑)。61jvio85e4l__sx347_bo1204203200_
いくつか出版物を紹介しますが、このほかにも確か、ゴジラの中身の俳優さんの回顧録などもありました。
 いずれも当時の撮影風景の私的なスナップ写真が中心です。それぞれ面白いのですが、あまりに懐古趣味が強いような気がします。世相を表しているのかなあ(笑)。

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2016年2月13日 (土)

オデッセイ

 今年初めて劇場で映画を見ました。これほど長く劇場に足を運ばなかったのは、何年振りでしょう、一寸、記憶にないなあ。

Img_new さて、その久しぶりの映画は、リドリー・スコットの「オデッセイ」です。
 一言でいえば、SF映画の「アポロ13号」でした。ノンフィクションと見まがうばかりの臨場感とリアルさです。途中から、もう既に有人の火星探検が実際に行われているかのような錯覚まで起こしました。
 スクリーン一杯に、あらゆる映像が完璧に本物っぽく映しだされます。火星の風景などは、赤い照明、ひどい場合はフィルムを赤く着色したかのようなB級映画とは一線を画し、美しく、かつ壮大で素晴らしい。パンフレットによると、様々な土を混ぜた広大な大地セットを作り、周りを360度、グルーンスクリーンで覆われたとか。まさしく映像のリドリー・スコット監督らしいスケールと撮影技術です。
 宇宙空間は言うまでもなく、宇宙船やローバー(探査車)、火星の居住スペースのリアルさも半端ではありません。最近のハリウッド映画のCG映像の凄さは、ため息をつくばかりです。

 物語は、マット・デイモン扮する植物学者の火星探査チームの隊員が、嵐に巻き込まれ火星に置き去りにされたため、知恵と工夫でたった一人で生き延びるお話です。いわば、宇宙のロビンソン・クルーソーなのです。
 自分の排泄物と火星の土で食料のいもを栽培・自給しはじめたり、古い探査機を活用して通信方法を考え出す発想と行動力も凄いですが、様々なアクシデントに会っても、あきらめない、前向きの明るい精神は実に感動モノです。
 この辺は、今の日本社会から見たら、アメリカ人の持つメンタリティの底力を改めて感じます。・・・もちろん、虚構のドラマですが、我が国のドラマでは、こんな話はまず出てこないなあ。
 第一、たった一人を助けるのにどれほどの投資をするのか、我が国では残念ながらあり得ないでしょうねえ。そういえば、マッド・デイモンは、「プライベート・ライアン」でも助けられましたねえ。・・・やっぱり戦時の国であり、軍隊式思考なのでしょうか。 

 結構長い映画でしたが、スリリングで素直に感動しました。オバハンの艦長も立派です。
 火星の重力が40%であることはまだ別の話にしましょう(笑)。

 最後に、題名「オデッセイ」は、邦題だそうです。原題の「火星の人」より、「長い道のり」の方が、ふさわしいような気がします。2001年宇宙の旅の「スペース・オデッセイ」に掛けたようで、カタカナでもセンスが良い気がします。

 やっぱり、映画は面白い。

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