スキン・コレクター
ジェフリー・ディーヴァーの最新作「スキン・コレクター」を読了しました。
「どんでん返しの魔術師」と呼ばれる、この作家は私のお気に入りの推理小説家の一人ですし、この「スキン・コレクター」は「ボーン・コレクター」で一躍有名になった全身麻痺の科学捜査官リンカーン・ライムが主人公のシリーズの第11作目です。
さて、今作品はやたら導入部分が退屈で科学捜査でお馴染みの証拠データの羅列も単にページを稼ぐだけであり、その上、ライムの部下で恋人で元モデルの美人アメリア・サックスの受難がそっけなく語られるだけで、まるで読者にスリルとその後の安堵感が伝わってきません。
さらにデビュー作「ボーン・コレクター」の被害者は出てくるわ、好敵手でライムに捕まって獄中で死んだ「ウォッチメイカー」の葬式話も出てくるわで、作者としては、このシリーズを集大成してそろそろ終わりにするのかとも感じていました。おかげで、前半何度も読むのを中断してしまいました。
ところが、ラストに向けてお約束のどんでん返しの釣瓶撃ちです。ミスディレクションにしてもそこまでやるのかというオチであり、後半は一気呵成、もうあきれるほどの釣瓶落としで読了です。
その意味では、ディーバーの剛腕ぶりに感心しましたが、読後の爽快感があまり感じられません。結局、シリーズを止めるどころか、こりゃ21世紀の「シャーロック・ホームズ」にするつもりなのでしょうなあ。・・・次作も期待しましょう(笑)。
ところで、以前から不思議に思っているのが、リンカーン・ライムの人種です。何人なのでしょうか。小説「ボーン・コレクター」を読んだときには漠然とアイリッシュ系の白人と思っていましたが、映画では黒人のデンゼル・ワシントンが演じました。これはこれで適役でしたが、ご贔屓のサックスがアンジェリーナ・ジョリーだったのはイメージが違いすぎてがっくりきたものですが、こちらの方は単なる個人的な好みです(笑)。
どなたか正解を知っている方、是非ご教示ください。
追伸、「ミレニアム」の最新作も面白かったです。ありがとうございました。
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