スピルバーグ その世界と人生
平成27年最後のブログは、先日発売された書籍「スピルバーグ その世界と人生」の紹介です。この本は、映画監督スティーブン・スピルバーグの一般的な伝記や作品の評論書ではなく、私的なものも含めて様々な写真を大きく掲げ、年代別、作品別に、それぞれメリハリのある解説付きで整理した、大型サイズの一種の図鑑のようなものです。
もともと、スピルバーグ監督は、私のお気に入りの映画監督であり、以前、このブログでも、「ジョーズ」や「インディ・ジョーンズ」、「ジュラシック・パーク」など、その監督名を冠したシリーズにしていたほどなのですから、こういう形式の関連本の発売は、誠にうれしいものです。
内容も、若い頃の本人の姿をはじめ、各作品の制作現場の裏舞台がわかる貴重な写真が多く、実に素晴らしい。しかも、解説が簡潔にして面白い。なにしろ寄る年のせいか、長い文章を読む気力が薄れてきているので、私にとっては大変ありがたい(笑)。
一例を挙げれば、「ジョーズ」撮影の時は、サメの模型「ブルース」が動かず、監督解任寸前まで行った(現場では、若造のためスタッフの反発が相当あったようです。)ことが赤裸々に記載されています。もっともサメが動かなかったために、サメを見せないように撮らざるを得なかった結果、あのようなサスペンスが高まったという見方もあるらしい(笑)。
ともあれ、完成後「二度と水はバスタブでも撮らない」というすスピルバーグのセリフが、今となってはなんとも可笑しい。
そのほか、「ジュラシック・パーク」のCG技術による恐竜映像の革新現場に、あのレイ・ハリーハウゼンが突然訪問したお話があります。この時、二人は意気投合し、特別にCG原型映像を見せられたハリーハウゼンが「ここに、君の未来がある。」と言ったとか。
私、こういうエピソードが大好きです。実に良いぢゃないですか(笑)。しかも、写真が大きいのが本当に見やすい。表紙のデザインもグッドです。まさしくスピルバーグ図鑑です。
それにしても、若い時のスピルバーグは、何処にでもいる、なんとも頼りないあんちゃん風ですが、やはり、実績が出てくると、オーラと貫録が出て来ますねえ。いまや、戯画にも描かれるほど個性と味があります。・・当たり前ですか(?)。
未見の方は、是非一度、手に取って写真を眺めてください。難読症気味の方でも十分楽しめます。
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