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2015年11月 1日 (日)

PAN

 SFコメディか、図書館アクションか、続アカペラか、とさんざん悩んだ挙句、ファンタジー映画「PAN」を選んでしまいました。
 もちろん、この映画は、ピーター・パンができるまでの物語です。正直、生意気なピーターパンのお伽話は、なんとなく好きではないのですが、その前日譚であり、新たなお話ということで劇場に足を運びました。なにしろ、最近のハリウッドのおとぎ話の映画化は面白いのが定評ですから・・・。

 結果、一言でいえば、拾いもの、儲けものでした。本当に楽しい2時間でした。脚本がうまく、ピーターパンの物語とその舞台であるネバーランドをうまくアレンジしています。映画より、その設定に舌を巻きます。鑑賞中からそんなことまで考えながら、楽しみました。大人向けのお伽噺の再創造です。私は、しっかり気に入りました。

Img_0002 冒頭、赤ちゃんを捨てに行く若い女、それから十数年後、悪らつな院長が支配する典型的な孤児院、そして、時は、第二次世界大戦中、ロンドンをドイツ軍が空爆しているという、まことに陰鬱で閉塞感のある雰囲気の中、その当時の時代をリアルに再現した場面が続きます。

 しかし、空飛ぶ海賊船が登場し、孤児たちをさらい、しかも、ロンドン上空で、英国空軍の戦闘機と帆船との空中戦が始まると、いやあ、そこはもう、あり得ないファンタジーの世界に突入です。
 この空想性、奇抜さ、そして映像の見事さに驚きます。ここで、私は完全に虜になりました。後から良く考えると、監督の演出力が半端ではないように思えます。なんか、上手いのです(笑)。

 また、ネバーランドの姿にも意表をつかれます。巨大な露天掘りの鉱山に無数の孤児やそのなれの果て(要は大人)の鉱夫たちが犇めき、変な歌を合唱するのは、なかなか迫力があります。やっぱり、この辺の演出も、似たような世界が舞台だったSF大作映画とは、一味も二味も違います。なんか、上手いんですよねえ。

 そして、そこに登場するのが、ネバーランドの支配者、ヒュー・ジャックマン扮する海賊黒ひげです。この黒ひげの衣装や演技にも驚きです。
 まず、ちょんまげの髷のない鬘の扮装は、最初、演者が誰だかわからないほど珍妙ですし、飛びあがって檄を飛ばす姿は、もう漫画「ワン・ピース」の動きさながらです。逆に、なるほど、ワン・ピースは、こうすれば実写映画になるのかと感心しました(笑)。

 そのほか、空に係留している海賊船などの映像も見所ですが、やはり、ピーター・パンを演じた少年が素晴らしい。世界を相手のオーディションの発掘力はやはり凄い。
 自分の生い立ちを知って、将来の敵役フック船長となる青年とともに、黒ひげと戦おうとする少年の姿は、その顔つきなどの演技が絶品です。思わず「行けえ」と応援したくなりました。
 というのも、なかなか少年の潜在力(飛行力)が顕現しないために、海賊に襲われた先住民達が酋長をはじめほぼ壊滅するのですから、悲しいものです。任侠映画と同じで少し遅いよ(笑)。
 また、細かいことを言えば、世界の民族衣装をごちゃまぜした先住民の文化と人種、さらに、ネバーバード(巨大な怪鳥)のデザインは、少し考えすぎなところが透けて見え、あんまり気に入りません。要は凝り過ぎ(笑)。

 ラストは、空飛ぶ海賊船同士の大合戦を経て、ハッピーエンドに収まるのですが、できましたら、幕の下りた後には、後日談を暗示するような本編へ続く場面を挿入してほしかった。何故、ピーターパンとフック船長が敵になるのか、フック船長は、どういう経過で巨大な鰐に手首を食いちぎられるのか、知りたいものです。ここは是非もうひと押し欲しかった。本当に惜しい(笑)。

 ちなみに、パンとは苗字のことではなく、勇者の意味であり、結局、一人の少年が、勇者ピーターに成長する物語でした。やっぱり、成長譚は面白いのです。

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