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2015年8月25日 (火)

市川 雷蔵

 市川雷蔵は、39歳で亡くなるまで、159作品に出演し、「炎上」、「薄桜記」、「濡れ髪牡丹」、「斬る」、「忍びの者」「新撰組始末記」、「続忍びの者」、「剣鬼」、「陸軍中野学校」、「ある殺し屋」、「ひとり狼」など、代表的な傑作も十指に余りますが、何故か、一年に何度か、市川雷蔵の「眠狂四郎」を見たくなります。
 それも、雷蔵の最晩年の「眠狂四郎 悪女狩り」です。
 ちなみに、雷蔵の狂四郎シリーズは、1ダーズもあるのですが、初めの頃の作品は、原作者にも評判が悪く、観客も今一つだったようです。打ち切りの話もあったそうですが、盟友の池広一夫監督が、お色気とトリッキーな殺陣を持ち込み、やっと人気が出たそうです。
 雷蔵が適役といわれた「眠狂四郎」ですが、やはり文字で観る原作の虚無の雰囲気は難しいようです。傑作の呼び声も高い「眠狂四郎 無頼剣」なども、円月殺法対円月殺法は見所ですが、一箇所、不用意に雷蔵の人の好さが出るなど、大きな瑕疵があります。

Img_new 「眠狂四郎 魔性の肌」の鰐淵晴子の美貌も捨てがたいですが、私はやはり、「眠狂四郎悪女狩り」が好きです。
 この映画は、雷蔵が病を押して撮ったとされる作品で、あまり過激な動きはできなかったようですが、それが、かえって、狂四郎の夢幻のような殺陣となったような気がします。加えて、大映美術のすごさを堪能できるセットや美術です。大奥の黒光りする大廊下、ありえない形状の三日月、もう大映美術の粋を集めた見事さです。

 そして、曲芸的な殺陣の数々。円月殺法の多重露光は言うに及ばず、天井に刀を立てて反動で飛び出すとか、相手の短刀突きに合わせて縄目を斬るなどとは、トリックの極みです。面白いじゃないですか。

 また、気のせいでしょうが、役者の病を知っているためか、狂四郎の虚無の雰囲気がより深く感じられます。実は、私は、この作品について、世評とは違って、雷蔵の晩年の代表作と密かに思っています。

 しかし、雷蔵の魅力は、あのセリフ回しでしょう。朗々たる声と口調は、どんな気障で恥ずかしいセリフでも、説得力を持って聞かせます。あの声は、いままで似た声を聞いたことがありません。唯一無二の声です。亡くなられて、もう45年経ちますが、いまだにファンの方は多いように感じます。目千両というより声千両の役者さんです。

2015年8月15日 (土)

ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション

 トム・クルーズの「ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション」は、掛け値なしに面白い活劇でした。
Img_new 予告編で話題となっている輸送機のドアにトムが演じる主人公イーサン・ハントが張り付いて空を飛ぶシーンは、なんとプロローグのエピソードであり、007映画と同じく、これから始まる更なるアクションへの期待をいやがおうにも高めます。

 この映画は、全体を通してアクションの仕掛け自体は、さして奇をてらった、こけおどしのようなものはなく、どちらかといえば、オーソドックスなものですが、スタントやCGを使わないという本物が持つ迫力を随所に感じました。
 後から思えばなんてことない普通のオートバイやカーチェイスが、そのスピード感やクラッシュに思わず、椅子に座った体が動きます。見せ方、撮影が上手いのでしょうねえ。大いに感心しました。

 そして、一番の見せ場は、何といっても水中の金庫破りでしょう。3分間息を止めての潜水は予想以上の過酷さを伴って、劇中、ハントが気を失って、あわやという・・・いや、この続きは、是非劇場でご覧ください。
 このシェーンクスには、いかにも体を張っているぞ、本当に体験しているぞという演技を通しての意気込みを感じます。

 しかし、この映画が、シリーズの最高傑作、いや、超一流の活劇作品と評価できるのは、まず、敏腕エージェントの主人公ハント以上の能力を持つ強敵を登場させたことでしょう。
 それは、冒頭から登場し、その非情さと狡猾さを強烈に印象付けた謎のシンジケートのボスであるレーンと呼ばれる男です。
 主人公ハントは、いきなり初見で不覚を取って捕られの身となるのです。
 演じたのは、ショーン・ハリスで、金髪の冷酷な殺し屋の姿です。「007ロシアより愛をこめて」でロバート・ショウが演じた殺し屋の進化型、21世紀版です。ハントも観客もこの登場シーンから圧倒されます。
 やはり、主人公が負けるかもしれないほどの強敵の登場がお話を面白くするのは、ドラマの黄金の鉄則です。黒澤明の「用心棒」や「椿三十郎」の三船と仲代の例を見れば、よくわかります。

 次に、謎の美女イルサの設定がうまい。女ながらも腕利きのエージェントであり、敵か、味方か、わからないのがますます好ましい。レべッカ・ファーガソンというスウェーデンの女優さんですが、抜擢によく頑張っています。その行動は、裏切り、罠、献身というか、なかなか一筋縄ではいけません。まあ、ご覧ください。

 ストーリー自体も、なかなか良く考えてあって、謎のボス、レーンの性格設定を踏まえ、諜報機関の思惑とも絡めながら、先の読めない展開が様々なアクションを伴て続きます。
 話がよくできているので、無理筋でもなんとなく納得してしまいます。
 とりわけ、主人公ハントとレーンの対決は、お互いの知恵比べと駆け引きが見事です。本当に知的?に面白いのです。

 そして、とどめは、ラストです。冒頭のトムの失態をきっちり倍返しに落し前を付けるラストがあるからこそ、観客は溜飲を下げるのです。いやあ、誠に堪能しました。面白く、頭も良く、後味の良い、今季最高の大活劇でした。トムさんに敬礼、ありがとうございました。

2015年8月13日 (木)

サイドショウ トリケラトプス

 アメリカのトイメーカーのサイドショウがまたまたやってくれました。恐竜模型のダイナソーリア・シリーズから満を持してのトリケラトプスの登場です。

 このシリーズの第1号がティラノサウルスVSトリケラトプスの2体セットものでした。
 その後、一体ものとして、ティラノサウルスが単独で発売された(2009.9.13ブログ参照)のですが、これがなかなかの傑作モデルで、私がこの模型シリーズに嵌った作品でもあります。
 このティラノサウルスのモデルは、当時の学説のせいか、頭部から背中に棘のような突起が並んでいます。加えて、塗装が生物感溢れた色合いと質感が凄いのです。それまでの海洋堂製のモデルのレベルを一気に超えていました。東宝特撮とハリウッド映画との違いのようでした。

Img_05751 そして、今回、その後数年たって、やっと、相方のトリケラトプスが発売されました。
 まず、箱型の体型がなかなか良い。しかも、背中に並んだ突起がうれしいデザインです。そして、色合いも艶もあっていい感じです。
 しかし、なにより感心したのが、頭部の二本の角の質感です。形といい、色合いといい、素晴らしい。

Img_0578 また、サイズもおおよそL50cm×H30cm×W30cmぐらいなので、まあ、飾りやすいものです。この前、単体として2番目に発売されたL70cmもあるティラノサウルスは、やはり大きすぎです。作りもやや粗雑だったかな。

 このトリケラトプスと単体発売第1番目のティラノサウルスの組み合わせが最高でしょう。
 いやあ、素晴らしい作品でした。

Img_05761 なお、掲載した写真は、室内の照明のせいか、実物の深みが抜けた色合いとなっているのが残念です。商品写真もあまりよくありませんので、これは、どうしても実物を見てほしいものです。

 実物は、生物としての生々しさが上手く表現されています。あとは、保管において紫外線による塗装の色あせを心配するだけです。

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2015年8月12日 (水)

へんな生きもの へんな生きざま

 最近のへんな生物ブームのせいか、またまた、へんな生きものの図鑑が発売されました。まあ、図鑑というか、写真集とでもいいましょうか、中型の分厚い本です。
 ごらんのとおり、表紙がなかなかインパクトのある「ハダカデバネズミ」です。

Img_new_0001 中身は、見開き2ページ一杯に、動物から魚類、昆虫、そして植物まで様々な生物の大きな美しい生態写真を1種一枚掲載し、その片隅に、随筆調のコメントの文章が載せてあります。つまり、要は見開きに一匹です。(大ヘビ図鑑を思い出します(笑))。
 その内容も、まったく科学的な説明ではなく、軽妙な文学的表現です。あまつさえ、生物名さえ、書き忘れているかのように載っていないページもあります。もちろん、巻末には、図版のそれぞれの学術的な記述が記載されている・・筈?アレ。

 ちなみに、今回私が購入した動機は、以前このブログに掲載した”飛び4種”の生物、つまり、飛びトカゲ、飛びヤモリ、飛びカエル、そして飛びヘビが、しかも、飛行中の見事な写真が掲載されていたからです。飛びヘビに至っては、滑空中の体の下から見上げたショットです。肋骨が開いているのがわかるような角度です。わずかにピントが甘いのですが、見事な写真です。(ただ、少し残念なのが、蛇の胴体がページを跨いでいることです。誠に惜しい。)

 なお、子ども図鑑では掲載されていなかった飛びイカもその編隊写真がしっかり載せられています。こと”飛ぶ”に関しては、パーフェクトな網羅ぶりです。

 そして、写真以外の文章も大いに気に入りました。
 例えば、まず、トカゲが飛んで、ヤモリも飛んだ。カエルはヘビが飛べないだろうと飛んだら、ヘビも飛んできた・・・調のユーモアあふれる軽妙ぶりです。図鑑や写真集で、これだけ文章を熟読したのは久しぶりです(笑)。

 そのほか、”擬態”の昆虫、両生類などの大写しの生態写真をはじめ、深海生物、極小の生物など、そのへんな暮らしぶりを 234ページにわたり、113種を紹介しています。惜しむらくは、私のお気に入りの水面を走るバシリスクや藻のようなオーストラリアのシードラゴン(ヨージウオの一種)の勇姿を見たかった(笑)というのは贅沢でしょうか。

 しかし、久しぶりに至福の時間でした。ごちそうさまでした。ありがとうございました。

2015年8月 9日 (日)

プレデター製作日記

 日頃の仕事の憂さを晴らすには、映画鑑賞と読書と図鑑眺めと模型づくりが一番です。このうち、映画と本は、丁度見頃、読み頃なモノがあるかで左右されます。さすがに、コレクションのDVDも本も図鑑も、毎回とはいきません。そんなときこそ、模型作りです。

Img_04601 幸い、まだ手つかずで放置してあるキットは、押し入れの中に多数の在庫を抱えています。今回白羽の矢を立てた模型は、ビリケン商会の初代プレデターのソフビキットでした。
 このキットは、発売当時としては、かなりの名作キットなのですが、細かな塗装がめんどくさいのと、最近では、塗装済みの完成品モデルが、しかも、かなり精巧な出来のものがいくつかのトイ・メーカーから発売されておりますので、そちらに人気が移ったのか、オークションで処分検討するもなかなか買い手が付きません。
 そこで、憂さ晴らしの対象模型となりました。

Img_04971 さて、その模型作りですが、手抜きと早撮りの私にしても、さすがに網目の塗装に手間がかかり、7月5日から8月9日までという、歴代最高レベルの製作日数がかかりましたが、集中する工程は、結構なストレス解消につながりましたので、作品の出来はともかく、製作自体にはまあ満足しました。

 7月5日 キットの部品の確認です。(最初の写真です。)

 7月25日、部品の切り離しと組み立て、サーフェイサーで下塗り完成です。
 また、この前段に、足首と又下までの両足にキャストを投入し、安定性を確保します。今回は、比較的うまく成功しました。

Img_05081_2 7月26日 露出した地肌の部分の塗装です。市販のものは、地色も黒く、老人斑点模様が必要以上に多くあるような感じで汚い印象が強いので、私は、色白で斑点も少ない男前のプレデターを目指します。ラッカー塗料の肌色、白、茶などのエア吹きです。

 なお、この間、岩場を模した台座の補強を行っています。 材料がソフトビニールだけに柔らかく歪みやすいため、、本体を載せる強度が足りません。そこで、まず、軽さを確保し、しかもキャストレジンの使用量を抑えるため、発泡スチロールを台座の中に敷き詰めて、レジンを流し込みました。いやあ、驚ききです。発泡スチロールが溶解し、泡を噴きます。
 それも、なんとかおさまり、余分なものをやすりで削り取りました。結果、硬度といい、軽さといい、なかなか良い出来となりました(安堵)。

Img_05151 8月1日、次に、塗装した部分をマスキングテープで覆い、金属の鎧をシルバー+ブルーで塗ります。ここも、黒鉄色ではなく、銀色に輝く明るい色調を意識しました。もっとも、何度も濃淡を付けています。(あんまり効果が感じられません。) 

 それにしても、最近知ったのですが、模型用のマスキングテープは、曲線にも対応できる柔軟さがあります。これには驚きです。苦手なマスキングも案外楽にできたのですから、もっと早く使うべきだったと本当に反省です。

 また、あの2本の腕の爪も、ソフビではまず経年の変化には耐えられないようでしたので、型どりをして、レジンキャストで新たに造型しました。これも、型どり用マテリアルの進化で、誠に快調に完了しました。
 いやあ、日本メーカーの技術力の進歩は素晴らしい。

 8月2日 ここからが、最後の段階であり、エナメル塗料で体を覆っている網目を筆塗りする工程です。最大の難関です。集中の度合いを高めないと、網の目が見えない上に、筆の行き先がゆがみます。毎晩、何度やり直したことでしょう。
 もうプレデターの製作は、二度と絶対いたしませんと心に誓いました(笑)。

Img_05631 8月8日 そのほか、エナメル塗料のスモークで鎧の凹凸に陰影を入れ、台座を適当に塗って完成です。いつものとおり、塗り残しなど、細かなことは気にしません。全体のイメージで完成です。
 というのも、今以上に手を加えると、どうも台無しになる可能性が大と判断したからです。ホントにいい加減なものです(笑)。

これでとりあえず完成です。

以下、完成写真をどうぞご覧ください。

明るく二枚目のプレデターの雄姿です。

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2015年8月 8日 (土)

ジュラシック・ワールド

 あの本物としか思えなかったブラキオサウルスの衝撃の姿を観てから20年、「ジュラシック・パーク」が、「ジュラシック・ワールド」と名前を変えて戻ってきました。
 少年の頃からの筋金入りの恐竜ファンとしては、映画を観る前からテンションが高くなるのはしかたありませんし、映画の評価も当然甘くなりますのは、ご勘弁ください(笑)。

Img_new_0001 このシリーズの特色は、スティーブン・スピルバーグ製作というヒットメーカーの安心感の下、莫大な資本を集め、お金を贅沢にかけたCG技術を駆使し、生きた本物の恐竜を現代に登場させ、出会った人間達の危機と恐怖を描き出すというものです。パニック映画の王道です。
 こういう意味で、まず今回は、大変な数の恐竜等を登場させているのは評価できます。とりわけ、恐竜ではないのですが、海生爬虫類の「モササウルス」の存在感が素晴らしい。予告編のイルカショーの迫力や海上を飛ぶプテラノドンを丸飲みするなどは、その巨体を生かした大活躍ですし、ラストは思わず大向うに声をかけたくなります。

 一方、今回鳴り物入りで登場したハイブリッド恐竜「インドミナス・レックス」は、いささかやり過ぎの感があります。ティラノサウルスやラプター、それに加えて、第1作でも出てきたウー博士お得意の両生類などの遺伝子を融合した結果、ティラノサウルスより巨大で凶暴で、知能も高く、冷酷な新種の生物を生み出したという設定です。
 なにしろ、その能力は、強固な檻から逃亡するための巧妙なトリックを仕掛けたり、体温を調整して熱反応を消したり、皮膚細胞を変化させてジャングルに擬態するという、もう恐竜という生物の概念を超えています。しかも、体内に埋め込まれた位置情報発信機を自分で抉り出したうえ、銃器がほとんど効果ありません。(そのように見えます。)
 まさに、怪獣です。草原に、楽しみで噛み殺されたアパトサウルスの死体が累々と横たわっているシーンには、絶句します。そう、この映画は怪獣映画だったのです(笑)。ただ、その割には、この怪獣のデザインがあまり感心しませんナ。

 また、前作まで悪役だった「ヴェロキラプトル(通称ラプター)」4匹が、主人公から訓練を受けた結果、猟犬のような働きをします。訓練場で主人公が両手を挙げてラプターに指示しているシーンの写真は、世界各国の動物園で真似されたというほど、カッコよろしいし、バイクの横を4匹が疾走している場面は鳥肌ものです。もっとも、その後、主人公はすぐに本当に恐怖で鳥肌になりますが(笑)。

 そして、やはり、御大「ティラノサウルス」も頑張ります。前作では、残念なことに魚食いにすぐに倒されますが、今回は、それを猛省したのか、なかなかよく戦いました。結果良しとしましょう。

 それにしても、ティラノサウルスも、ヴェロキラプトルも、最近の学説では、羽毛恐竜という説が強くなっていますが、今回の映画では、デザインにその影響は全くありません。
 前作では、ヴェロキラプトルには、トサカのような羽毛を付けており、心配もしましたが、今回は、すっぱり除いています。誠に興行的に正しい選択でしょう。誰が羽毛のある恐竜を見たいのでしょう(笑)。
 もっとも、今回は、恐竜の研究が進んだせいか、ティラノサウルスの顔が不細工になりました。全体的に鱗がなくなって眉が突き出た坊主頭のようです。私の好みとしては、断然、第2作目のデザインを支持します。

 最後に欲を言わせてもらえば、、前半の少しウザい人間ドラマの部分を短く刈り込み、大恐竜映画らしく、鎧竜のアンキロサウルスの例のように、恐竜同士の戦い、特に、アバトサウルス虐殺シーンをワンカットだけでも見せてほしかった。(笑)そして、怪獣映画らしく、翼竜だけでなく、新怪獣にも群衆を襲ってほしかった(笑)。
 ちなみに、劇中子どもがスライドで見ている恐竜の戦いは、初代キングコングの特撮マンのオブライエンが撮った「動物の世界」の冒頭のアニメーションでした。古典や先達へのオマージュでしょうが、実は、この映画、私も思い出の作品なのです。 

2015年8月 2日 (日)

進撃の巨人

 樋口真嗣監督の「進撃の巨人」は、正直驚くほど悲惨な出来です。樋口監督は、平成ガメラの特撮監督からお気に入りで、本編監督に昇格した「ロ-レライ」も贔屓にしていました。共同監督作品である「のぼうの城」も面白かったので、昨夜、特に事前情報も得ないまま、初日に劇場に見に行ったのです。
 その監督の、しかもお得意の特撮映画であるはずなのに、その出来たるや、もう目を覆うばかりです。

Img_new  原作の漫画は全く知りませんが、TVのアニメは、何度か目にしたことがあります。舞台は、ドイツ風の異国の世界で、落ち着いた色調の景色と主人公たちの言動も共感できました。
 一方、映画は、邦画であるゆえか、主人公のエレンという名をそのままに日本人俳優を使ってる耳障りは兎も角、巨大なコンクリートの壁の中、東南アジア風の貧民街のような世界で、100年暮らしているという設定にもかなりな異和感があります。なんか、生活感がまるでセットに表現されていません。ただ、エキストラと粗大ごみを一杯詰め込んでいる印象で、美的センスが全く感じられません。第一、登場人物も、顔ぐらい洗えよ(笑)。
 ともかく、冒頭、ブリキで作ったような不発弾の上に立って、三浦春馬扮するエレンが、恋人と友人に向ってなんか不満を言うのですが、もう、まるで阿保らしい場面です。一気に気分が冷めます。

 そして、巨人の登場です。最初の壁を壊すどでかい巨人の描写は、特撮も力が入ってるようですが、後から続々出てくる巨人たちは、日本人の、腹の出たおばさん、剥げた中年のおっさん、中には、どうみてもお笑いタレントを模したデザインです。醜い姿をめざしたのでしょうが、そのメタボ体型は、別の意味で見るに堪えません。
 まあ、巨人の設定上、性器は無いということで、安心しました。あれば、とんでもないことになります(笑)。

 それにしても、その巨人の特撮は、ピントをわざと甘くしているのか、どうも感心しません。巨大感がなく、人間を手づかみで食っても、血の縮尺がおかしいゾ。今の邦画の技術力を思い知らされました。
 まあ、ハリウッド映画と比較しても可愛そうですので、特撮技術のまずさへの愚痴はこれくらいにしましょう。いや、もう一つ、ワイヤーを使って飛ぶシーンは、まるでジェット・エンジンで飛んでいるようです。糸を使うスパイダーマン映画の爪の垢でも飲んでほしいものです。 

 そして、何より一番いけないのは、登場人物の性格設定と脚本のひどさです。主人公の三浦は口だけ男で後半最後まで全然戦闘しないし、女戦士になった恋人の女は上司とできているし、作戦中にもかかわらず、その男と食いかけのリンゴを食べ合うシーンを見せつけるし、大食いの女隊員は、いつも腹の虫がなってるし、子持ちの女は突然主人公に言いよるし、等々、何故、こんな馬鹿げたシーンを描くのか、意味不明です。
 巨人と戦おうなどという脚本では全くありません。これは、結局、樋口監督ではなく、脚本家が悪かったと信じたいものです(笑)。
 娘に聞くと、原作ではそんな人間関係の設定はないようですので、映画のオリジナルなのでしょうが、多分、これでは原作のファンが間違いなく怒りますでしょう。まったく、原作への尊敬の念が感じられません(多分)。映画「ガンツ」や「暗殺教室」を見習ってほしいものです。
 いや、それどころか、私のような、人間と巨人との現実にはあり得ない戦いや迫力あるアクションを目的に劇場に足を運んだ者としても、戦いとは無関係の登場人物たちの三角関係などには全く興味ありません。作り手が観客を無視してはいけません。この映画の観客層を間違えていますぞ。

 最後に、主人公を丸飲みした巨人の腹の中から醜いウルトラマンが出てきたのは驚愕(原作にはあるようです。)しました。主人公に限って、巨人が噛まずに飲み込むしたから変だなあと思っていたのですが、結局、最後は、エヴァンゲリオンですか?

 結論としては、この映画はできらたら見ない方がよろしいかと思います。私も現時点では、当然パンフも買いませんでしたし、第二部を観る気はありません。この映画が、最近はやりの2部構成興行への警鐘となることを願うだけです。
 そして、来年に向けての日本でのゴジラの製作が本当に心配になりました。樋口監督で大丈夫か?降ろされる心配はないのか。今回は、多分、特技監督が別の人間だったから、こんな結果になったのだと信じたいものです。

 余談ですが、ロケをしたという軍艦島は、世界遺産の韓国クレームに続き、この映画の悪影響も心配されます。ついていないですねえ。

 

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