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2015年7月19日 (日)

バケモノの子

 細田守監督の最新作「バケモノの子」 は、前作「おおかみこどもの雨と雪」の私小説的なシリアス路線への傾きを一定軌道修正しているので安心しました。あんまり人間の成長とか、社会の矛盾を真正面から真摯に描きすぎると、アニメ映画の本来の持ち味を損なう気がしてなりません。最近のジブリ映画の低迷はそこに原因があると私は睨んでいます(笑)。
 ジブリに代表される日本アニメの後継者と目されている細田監督には、もっと、大らかな視点で楽しい映画、あの「サマーウォーズ」のような娯楽活劇映画を作ってほしい。

 ところで、処女作の「時をかける少女」も傑作でした。先日、大林宣彦監督の同名の作品を再見しましたが、イヤハヤもう絶句しました。時の流れは、作品の評価を一変させるものです。時代を超えて色あせないものこそが名作たる所以のものでしょう。

Img_new さて、話をもとに戻して、この最新作は、人間界「渋谷」とバケモノ界「渋天街」が交差する奇抜な設定の下、それぞれ一人ぼっちの少年とバケモノの熊徹が出会い、バケモノ界の宗師の跡目争いを軸に、親と子、師匠と弟子などの在り様を笑いと涙で描いています。そして、最後は、ちょっぴり人間の業の深さに言及します。・・・もっと能天気に最後まで明るいストーリーでいいじゃないですか、と思いますが、まあ、活劇もありますから、赦しましょう(笑)。

 それにしても、絵柄、美術の点からは、渋天街という異世界の描写はさすがです。ジブリの「千と千尋の神隠し」を彷彿させる風景のタッチに、西遊記のような化け物世界の住人達の設定がうまい。熊の熊徹はもちろん、ライバルの猪、豚の坊主に、サルの友人、加えてウサギの宗師のデザインが秀逸です。そして、モンゴルのような草原や格闘場や市場の背景画が素晴らしい。本当に絵に見とれます。もう芸術ですゾ。この絵を見るだけでも価値があります。ハリウッドのCGなどとは全く別次元です。

 一方、気になったのが吹き替えです。熊徹の役所広司、百秋坊のリリー・フランキー、多々良の大泉洋は、よく頑張っているとは思いますが、どうも、キャラクターではなく、俳優そのものの顔が浮かんで困りました。これは、果たして、吹き替えとして成功したのでしょうか、はなはだ疑問です。どうも、最近、ジブリをはじめとするアニメ大作には、声優ではなく、有名な俳優を使うことが多くなっているようですが、これは正解なのでしょうか、改めて思いました。

 最後に、クジラの意味はなんなのでしょう。その比喩と意味がわかりません。誰か教えてください。加えて、熊徹のラストで、この作品が名作になり損ねてしまったような気がします。残念です。しかし、全体として、この映画は十分楽しめました。すくなくても、辛気臭い前作より好きです。次回作は、「もののけ姫」ではなく、「天空の城ラピュタ」でお願いします(笑)。

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