ターミネーター 新起動 ジェニシス
1984年の第1作から30年を経て製作された「ターミネーター 新起動 ジェニシス」は、ターミネーターT-800が老けるというアイディアを生み出したことが最大の功績でしょう。
思えば、第1作でも、金属の骨格を生きた細胞が覆っていると説明されていたのですから、表面の細胞が年月とともに老けてもおかしくはありません。まったく、コロンブスの卵です。
このアイディアのおかげで、アーノルド・シュワルツェネッガーが現在の姿で出演できるのですから、ありがたいことです。
お話は、第1作の冒頭シーンをなぞるように展開します。当時の若いシュワルツェネッガーが全裸のターミネーターで登場する場面は、まるで昔のフィルムの流用かと思えるほどそっくりですが、そこに、老けたシュワちゃんが登場し、老若二体のターミネーターが大格闘するのです。
もう感涙です。メイキングによると、格闘の相手役は、シュワちゃんに憧れ、往年の体型とそっくりに鍛え上げたボディビルダーだということです。世の中には奇特な人が居るものです。
一方、カール・リースの登場も、同じく浮浪者のズボンやナイキのシューズを盗み、警官に追われる場面も同じかと思わせて、なんと、この警官が、イビョンホン扮する液体金属のターミネーターのT-1000なのです。
さらに、ここに、突然救援に現れるのが、若いサラ・コナーであり、過激なアクションをこなし、カールを助けます。
第1作目のか弱いサラ(2作目では狂気の女戦士に変貌しますが・・)とは全く異なり、過激で可憐なエミリア・クラークという女優さんです。ここで、私は完全に彼女の虜です。
この1984年のお話から、手作りタイムマシンで2017年、すなわち現代にタイムトラベルするのですが、ここがこの脚本の凄さで、あくまで現在にこだわった設定となっています。
これこそが、タイムトラベルもののミソなのです。第4作目のターミネーターが今ひとつ面白くなかったのは、未来での出来事にしたからです。
今回の脚本は練に練られており、オリジナルを踏襲するとみせかけて、あっと驚く仕掛けを展開します。これぞ、シリーズものの新起動なのでしょう。
しかも、T-3000という新たな敵役の正体には参りました。ナノ粒子細胞のターミネーターというSF設定より、その因縁が見事です。今後の展開はどうなるのか、予想がつきません。心配します。 と思っていたら、メイキング本では、やはり、3部作として構想されているそうで、次作がほんとに楽しみです。
なにしろ、ラストに、シュワちゃんがグレードアップしたのですから、いやがおうでも期待が高まります。若いサラ・コナーの活躍も楽しみです。いやあ、私のようなターミネーター・ファンには、たまらない作品になりました。
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