クリストファー・リー没す
平成27年6月7日に、クリストファー・リーがお亡くなりになりました。享年93歳だったそうで、生涯250本の映画に出演し、ギネスブックの記録にもなっています。
ご存知のとおり、この俳優さんは、古くは、吸血鬼ドラキュラの代名詞で、今や、スター・ウォーズ エピソード2やロード・オブ・ザ・リングの敵役でも有名です。80歳での活躍ぶりは、まさしく不死者の貫録を見せていました(笑)。
申すまでもなく、私は、この長身の俳優のファンでして、このブログでも、映画や模型の話題で、何度か取り上げているほどです。
実は、私がこれほどのリーのファンになったのは、一冊の本からなのです。1969年8月に発売されたキネマ旬報の増刊号「怪奇と恐怖」で、伝説の名編集者である大伴昌司の紹介記事のマジックにすっかり魅せられたのです。(この話も前にブログに書きました。)
この本、多分、本邦初の大人向けの怪奇映画の解説本だと思います。天才編集者は、当時ゲテモノといわれていた映画のジャンルにしっかり光を当ててくれましたのです。
ともかく、この本で、大伴昌司さんが、クリストファー・リーの主演「吸血鬼ドラキュラ」がいかに素晴らしいかを詳細なあらすじと豊富な写真で紹介していたのです。
また、吸血行為がセックスの代償であり、牙と男根の比喩などの大人向けの解説にただただ感動しました(笑)。
なお、後年、この雑誌は、名作本と認められたのか、復刻されています。(ちなみに、この写真は、復刻版のものです。オリジナルは、いつものごとく、書棚のいずこかに埋没しています。(笑))
こうした大伴昌司の編集マジックで、まだ見ぬ映画、ドラキュラに憧れたのです。多分、この時点で、映画を見ることができなかった渇望と過度な想像が、思い入れの度合いを一層高めたものと思います。
そして、 後年、場末の劇場で最初のリーを観たのが、第3作目の「帰ってきたドラキュラ」からなのですが、映画の出来云々より、クリストファー・リーの勇姿を銀幕で見たことだけで満足でした(笑)。
結局、お目当ての「吸血鬼ドラキュラ」は、テレビ放映が初見でして、ビデオ・レンタルが始まってから、VHSで全編通しで観ることができました。さすがに、この作品は、トランシルバニアがロンドンに近すぎる点を除けば、名作の名にふさわしく、怪奇映画の古典と言ってよい出来栄えでした。
思えば、私は、やはり、こうした古き良き怪奇映画が好きです。最近のホラー映画、とりわけ、スプラッター描写のグロテスク度のきついのは勘弁してほしいものです。なんでも、見せればいいというものではありません(怒)。
さて、今回の訃報で、クリストファー・リーの功績をたたえる書籍やグッズなどが発売されることを期待しております。 特に、ドラキュラ特集本を出版したりする、我が国へのハマーフィルムの紹介者としては第一人者である、キャッスル・カンパニー代表の動きを注視する必要があります。何が飛び出すか、不謹慎ですが、楽しみです。
私も、リーのご冥福を祈りまして、彼が低音の魅力を生かしてホスト役を務めたSF映画やホラー映画の100年史DVD全10巻を見ましょうかな。実は、購入後、まだ一度も見ていなかった(笑)のです。
・・・そういえば、まだ、マイク・ヒル作のリー・ドラキュラのスタチューも未塗装のままです。・・・・いや、これはそのままにしましょうか(笑)。
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