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2015年6月28日 (日)

マッドマックス 怒りのデス・ロード

 35年ぶりの「マッドマックス」の最新作は、前シリーズの第2作目をスケールアップしたもので、その世界観は、前作と全く同じ、ごく近未来の核戦争後の荒廃ぶりを描いていますし、思えば、漫画「北斗の拳」がしっかり流用した絵柄ですので、以前のような強烈なインパクトは感じられません。

Img_new_2 主演は、トム・ハーディで、「ダークナイト・ライジング」の敵役マスク男です。今回初めて素顔を拝見しました。といっても、顔面拘束具を外された後半ですので、この俳優さん、どうやら仮面姿が、セールス・ポイントになっているようです(笑)。それにしても、最近売り出しのハリウッドアクション男優さんは、皆顔の造作がよく似てるような気がするのは、私だけかな?

 ところで、この映画、本当の主演は、シャーリーズ・セロン演じる片腕の女隊長でしょう。彼女が狂気の独裁者イモータン・ジョーのもとから、女達と一緒に脱走するのが本筋であり、マックスは、単なる通りすがりの捕虜なのです。
 しかも、マックスは、かっこよく登場した割には、すぐに、愛車インターセプターをひっくり返され、しかも捕虜になって、動く輸血器にされてしまいます。まあ、前半ずっと良いところはありませんが、中盤、「七人の侍」の久蔵張りの朝帰りの場面からやっと本格始動です。
 それに引き換え、セロンは体を張って頑張ります。行動の動機、意志、キレの良いアクション、いやあ、立派。お伽噺の女王役とは雲泥の差です。
 それにしても、彼女の片腕の映像などは「フォレスト・ガンプ」で驚愕したCGも、いまでは何の違和感もなかったことに、改めて感心します。逆に、この映画では、大砂塵は除いて、目玉のカーチェイス、クラッシュ・シーンなどには、極力CGを使わず、実際の車を使ったスタントで撮影したそうです。確かに、それだけに桁外れの迫力が感じられます。
 また、荒野の砂煙や大げさな装甲のデザインが、その効果を倍増させています。大音響のスピーカー付の音響車やハリネズミの装甲車、バカでかいタイヤのモンスター車などの奇抜さ、また、長い竿を使った攻撃には脱帽しました。ここだけでも見ものです。
 もっとも、今回は、第1作と違って撮影中人が死んだというデマ情報はありませんねえ(笑)。

 また、話題の暴君イモータン・ジョーの造形が馬鹿馬鹿しくも面白い。第2作目のアイスホッケーマスク(13日の金曜日よりも前に登場)を付けた、半裸のホモ系筋肉男のヒューマンガスをさらに進化させ、全身皮膚病で、軍隊での昔の勲章を付けた透明な鎧をまとい、空気清浄のためのマスクをつけた大男の姿は、もう「バイオレンス・ジャック」や「北斗の拳」の漫画そのものです。
 しかも、自分の健常な子どもを産ますための女達には、しっかり貞操帯を取り付けているあたりも笑えます。
 このモンスターじみた暴君を演じたのが、第1作目の暴走族のボスを演じた役者さんとのこと。あの1作目の最後に目をむいた眼技が監督のお眼鏡にかなっているのでしょう。まあ、大魔神の役者さんのようですな(笑)。

 最後に、このジョージ・ミラー監督が作り上げた社会構造に大きな疑問と違和感があります。
 あんなに荒廃した砂漠の世界で、オートバイで攻撃するヤマアラシの山賊や、おばはんになったアマゾネス軍団は、どうやって、水や食料、そしてガソリンを入手しているのでしょうか。それほど、獲物になる旅人が行きかうとも思えません。最近の映画「ザ・ウォーカー」の世界観と比較すると、どうにも矛盾を感じます。
 しかも、あんな悲惨な社会で、あんなスタイルの良い美女が育つか?などと考えると地下鉄の笑い話のように夜も眠れません(笑)。 

2015年6月21日 (日)

ハンガー・ゲーム FINAL レジスタンス

 全米年間興行収入No.1という「ハンガー・ゲーム」も、第3作目となると日本では苦戦しているのでしょうか。ネットの映画興行ランキングでは、先週初登場で8位を確保したものの、今週は既に10位より順位を下げているようです。
 しかし、このシリーズについては、主演のジェニファー・ローレンスに散々文句を言いながら観て来た者(笑)としては、やはり見る義理もあるだろうと劇場に足を運びました。

Img_0002_new 結論からいうと、少なくても、事前の予想よりは面白かったと思います。
 主人公のカットニスが、反乱軍の象徴の役を引き受けていく過程も丁寧に描いていますし、主人公が演説などは全く度下手なのに、現場では予想外の力を発揮して民衆の心をつかんでいく様子も「いいぢゃないか」と評価します。要は、この主人公は火事場の馬鹿力タイプの英雄なのです。
 しかし、それ以上に、興味深かったのが、この神輿を担ぐスタッフたちの描き方です。以前からの衣装係と指導係に加えて、新たに、独裁国家を裏切って参加した撮影隊が好ましい。現場で即興で撮影し、見事なプロパガンダの映像を造り上げます。ローレンスが歌った「縛り首の木の下で云々」が反乱軍を一つにまとめていきます(笑)。
 ナチスの昔から、映像、音楽、制服ビジュアルなどの力は驚異的なものがあります。いや、現代のアメリカの政治・選挙闘争の在り様すら皮肉っている・・・のではないでしょう(笑)。ただ、正直、このシリーズでは、殺された衣装デザイナー役など、裏方のスタッフの力を賞賛している気がします。

 今回の話は、カットニスが一緒に戦った相棒ピータと本気の恋をしていたことが明らかになる(どうでもいいような気もしますが・・)とともに、囚われたピータを救出したものの、実は・・。というところで次回に続くのです。まだ、次の最終巻があるのです。
 ちなみに、延々続くエンドロールを我慢し、続編の予告映像を期待したのですが、反乱軍の象徴の鳥が羽を伸ばして11月20日公開というCG映像でした。バカヤロー(笑)。

 ところで、映画の中盤、カットニスが、全滅した自分の故郷を視察するために、飛行艇で秘密基地の格納庫を飛び出すシーンに、理由は全く不明ですが、往年のハリウッド映画の超大作のようなオーラをまざまざと体感しました。単なる固定カメラの長回しのCG合成映像なのに、自分でも不思議です。

 なお、最後になりますが、このお話、最終巻でのラストがなんとなく想像できました(笑)。
 反乱軍がドナルド・サザーランド扮する独裁者を倒すことには成功するのですが、その後、ジュリアン・ムーア扮する反乱軍の首相がその地位に取って替るだけというオチになるのです。・・・そんな気がしますが、そうならないハッピーエンドを期待しています。

トゥモローランド

 久しぶりに映画二本立て鑑賞を強行しました。観たのは、初めに「ハンガーゲーム」、二本目が「トゥモローランド」でした。これまでの経験で、二本目は体力的に限界だろうなとはあきらめつつ、消化ゲームのつもりで席につきました。
 しかし、これが思いのほか、面白かったのです。まず、ストーリーが予想と全く違います。宣伝文句の「ウィルト・ディズニー最大の謎にして、最高のプロジェクト」というから、ディズニーランドの秘密の話かと思ったら、ストーリーと全然関係ない話ではないですか。
 まったく、予想外の展開に、驚くと同時に、すっかり魅了されました。

Img_new まず、主人公たちを「トゥモローランド」に誘う謎の少女アテナの子役ラフィー・キャシディが抜群に良い。お気に入りの女優オードリー・ヘップバーンの少女時代を彷彿させる美少女です。そして私たちが雑誌の挿絵で憧れた、1960年代初めの古き良きアメリカ白人家庭の生活ぶりや服装、その象徴ともいえる、腰高のスカート、ポニーテール風の髪形にした、幸せそうな娘の再現です。そういえば、ソバカスがこれほど魅力的に見えたのは随分昔のことでした(笑)。後年ジョージ・クルーニーとなる少年が初恋をしたのも当然のことですねえ。
 もっとも、ラストで、偏屈なオトナになったクルーニーが少女を抱き抱えた姿は、未成年者保護育成条例違反になるのではないか、と成り行きを少し心配しました(笑)。
 それにしても、パンフレットの表紙から、このアテナの姿を削除したセンスはあきれます。ただのチラシには、しっかりその可憐な姿が描かれています。今回の表紙のイメージは映画を全く表現しておらず最低な出来ですし、クルーニーの少年時代の子役は、大事な役なのに、たった1行の紹介記事です、可哀想に。どうも、最近のパンフレットの編集は変です。問題のパンフが次の写真です。

Img_0001_new そして、アテナに最後に選ばれる女性を演じたブリット・ロバートソンも頑張りました。ともかく、好奇心が旺盛で、活発で、行動的で、質問好きの主人公を熱演です。決して凄い美人ではないですが、役柄的にうっとおしくなるところをうまく魅力的に魅せています。いやあ、感心しました。

 ストーリーは、とにかく奇想天外で、1964年のニューヨーク万国博覧会から始まり、パリのエッフェル塔、エジソン、ベルヌなどの発明家、あるいは、襲い来るAA(オーディオ・アニマトロニクス=ロボットらしい)との意外なほど過激なアクション、禁断の発明モニター、そして地球の滅亡の日など、いやあ、懐かしいSF小道具の満載に驚き、感心しました。もっとも、最後のハッピーエンドの理屈が今一つわかりませんでしたが・・(笑)。

 ともかくも、気持ちよく予想を裏切られ、上等な映画でした。二本目をこれだけ楽しく見ることができたのは、快挙です。

2015年6月20日 (土)

博物館級 ティラノサウルス

  アメリカのトイ・メーカーの「サイドショー・トイ」は、相変わらず困ったことをしてくれます。私のお気に入りの恐竜模型シリーズ「ダイノソーリア」の最新模型が、なんと、博物館級の「ティラノサウルス」なのです。
 博物館級というのは、鼻先から尾先まで73cm、台座から背中まで最高34cmという超大型の模型なのです。正直、日本の家で、特に、我が家で飾って置くには、かなりの勇気と置き場の工夫が必要な代物です。
 が、相手がT-レックス様なのですから、やむ得ません。清水どころか、富士山のてっぺんから飛び降り、・・・ました。

 それにしても、なんとか部屋に陳列したものの、背景紙の丈の関係で、全身像が撮れません。そのため、今回は、生写真としては、上半身及び頭部のみご紹介します。ご覧ください。

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ちなみに、全身像は、商品画像をご紹介します。3793961

2015年6月14日 (日)

メイズ・ランナー

 上映終了が間近に迫った昨夜、迷った挙句、巨大迷路の映画「メイズ・ランナー」を観て来ました。巨大な迷路の壁が動き、その隙間をランナーと呼ばれる若者が走る。そんな予告編の映像に心惹かれたためです。

Img_new 観終わって、巨大迷路の設置目的がまったく理解できず、困っています。しかも、ラストに至っては、一体何だったんだ、この映画は?とも呆れています。

 ストーリーは、突然、記憶をなくし、脱出不可能と思われる巨大な迷路に囲まれたエリアに隔離され、次に何が起こるかわからない不安と謎には結構引き込まれます。
 不条理ドラマの典型です。古代遺跡のような巨大な歯車のある迷路の仕掛けも、サイボーグのような機械化獣も登場します。
 また、主人公の次に初めて女性が、しかも美女がエリアに送り込まれます。この辺りまでなかなか、いいじゃないですか(笑)。

 しかし、この観劇中の「何なんだ、どうなるんだ」と盛り上がったスリルや謎解きへの期待も、ラストで迷路の謎の種明かしが行われると一転するのです。

 実は、この迷路は、巨大な実験場であり、世界を滅ぼした伝染病への免疫を持つ若者達を隔離し、その耐性を観察していたという説明がありましたが、巨大な迷路を脱出することと免疫体質への効果が全く繋がりません。全然理解できないのです。
 そんなことのために、人間が作ったとは思えないような巨大な迷路を作って、3年間も野外でのキャンプ生活をさせていた?とんでもない馬鹿げた設定です。
 
  第一、迷路の外の世界は、その伝染病などで既に滅びていたという設定も呆れましたが、さらに、やっと助かった主人公たちの運命は、ラストにどんでん返しがあり、その続編の予告では、巨大迷路は実験の第一段階であり、次に、第二段階の砂漠サバイバルが計画されているというのです。なんと、全部で3部作だそうです。もう、完全に、大ヒットした「ハンガー・ゲーム」の二匹目のドジョウを狙っています(笑)。

 物語のオチには、論理的で観客の納得が重要ですし、どんでん返しには、あっと驚く爽快感が必要です。この映画は、そうした鉄則を一切無視し、まったく都合の良い脚本です。どうやら、原作本があるようですが、ハリウッド映画の最近の幼児化が心配です。いや、困ったものです(笑)。 

2015年6月13日 (土)

クリストファー・リー没す

 平成27年6月7日に、クリストファー・リーがお亡くなりになりました。享年93歳だったそうで、生涯250本の映画に出演し、ギネスブックの記録にもなっています。
 ご存知のとおり、この俳優さんは、古くは、吸血鬼ドラキュラの代名詞で、今や、スター・ウォーズ エピソード2やロード・オブ・ザ・リングの敵役でも有名です。80歳での活躍ぶりは、まさしく不死者の貫録を見せていました(笑)。
 申すまでもなく、私は、この長身の俳優のファンでして、このブログでも、映画や模型の話題で、何度か取り上げているほどです。

Img_0002_new 実は、私がこれほどのリーのファンになったのは、一冊の本からなのです。1969年8月に発売されたキネマ旬報の増刊号「怪奇と恐怖」で、伝説の名編集者である大伴昌司の紹介記事のマジックにすっかり魅せられたのです。(この話も前にブログに書きました。)

 この本、多分、本邦初の大人向けの怪奇映画の解説本だと思います。天才編集者は、当時ゲテモノといわれていた映画のジャンルにしっかり光を当ててくれましたのです。
 ともかく、この本で、大伴昌司さんが、クリストファー・リーの主演「吸血鬼ドラキュラ」がいかに素晴らしいかを詳細なあらすじと豊富な写真で紹介していたのです。
 また、吸血行為がセックスの代償であり、牙と男根の比喩などの大人向けの解説にただただ感動しました(笑)。
 なお、後年、この雑誌は、名作本と認められたのか、復刻されています。(ちなみに、この写真は、復刻版のものです。オリジナルは、いつものごとく、書棚のいずこかに埋没しています。(笑))

 こうした大伴昌司の編集マジックで、まだ見ぬ映画、ドラキュラに憧れたのです。多分、この時点で、映画を見ることができなかった渇望と過度な想像が、思い入れの度合いを一層高めたものと思います。
 そして、 後年、場末の劇場で最初のリーを観たのが、第3作目の「帰ってきたドラキュラ」からなのですが、映画の出来云々より、クリストファー・リーの勇姿を銀幕で見たことだけで満足でした(笑)。
 結局、お目当ての「吸血鬼ドラキュラ」は、テレビ放映が初見でして、ビデオ・レンタルが始まってから、VHSで全編通しで観ることができました。さすがに、この作品は、トランシルバニアがロンドンに近すぎる点を除けば、名作の名にふさわしく、怪奇映画の古典と言ってよい出来栄えでした。
 思えば、私は、やはり、こうした古き良き怪奇映画が好きです。最近のホラー映画、とりわけ、スプラッター描写のグロテスク度のきついのは勘弁してほしいものです。なんでも、見せればいいというものではありません(怒)。

Img_0003_new さて、今回の訃報で、クリストファー・リーの功績をたたえる書籍やグッズなどが発売されることを期待しております。 特に、ドラキュラ特集本を出版したりする、我が国へのハマーフィルムの紹介者としては第一人者である、キャッスル・カンパニー代表の動きを注視する必要があります。何が飛び出すか、不謹慎ですが、楽しみです。

 私も、リーのご冥福を祈りまして、彼が低音の魅力を生かしてホスト役を務めたSF映画やホラー映画の100年史DVD全10巻を見ましょうかな。実は、購入後、まだ一度も見ていなかった(笑)のです。
 ・・・そういえば、まだ、マイク・ヒル作のリー・ドラキュラのスタチューも未塗装のままです。・・・・いや、これはそのままにしましょうか(笑)。Img_0006_new_2





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2015年6月 7日 (日)

ピッチ・パーフェクト

  アメリカでは、2012年に公開されているが、日本では、3年もお蔵入りになっていた映画があります。「ピッチ・パーフェクト」というアカペラを題材にした音楽青春映画です。この映画が先日、突然公開されました。どうやら、現在、アメリカで、その続編が大ヒットを飛ばしているようです。興行面から言えば、この機会を逃がす手はないのでしょう、きっと。

Img_new お話は、人付き合いの悪い、DJ志望の女子大学生が、偶然入ったアカペラ部で、ユニークな部員たちとぶつかり合いながら、最後は、全米のコンテストで優勝するというガールズ青春映画です。
 劇中の主人公のセリフを借りますと、「ベイダーはドイツ語で父親だから、初めから結末がわかっている」映画ですが、やっぱり映画は観て何ぼ、期待通り面白いのです。
 圧巻は、なんといってもラストのコンテストのアカペラです。タイトル通り、全員のピッチが完璧となって、素晴らしい出来になります。いやあ、音楽映画はこうでなければなりません。

 それに、劇中、主人公(アナ・ケンドリック)が、オーデションでコップを使って歌う曲は、サントラ版になって、アメリカでは大ヒットしたそうな。この女優さん、「トワイライト」に出演していたそうですが、誰の役だったかな?あとで観てみましょう。

 しかし、最初、タイトルは、「ビッチ」と勘違いしていたほど、ほんとに、あちらの女子映画は、ストレートです。と、いうか、エクソシストか、日本時代劇のヘモグロビンかというほど、ゲロが噴き出るし、下ネタ(多分、日本語訳は上品に訳している)のオンパレードです。加えて、アカペラ部のメンバーは、いずれも、一癖も二癖もある個性派ぞろいです。太っちょの女優さんは、先日、「ナイト・ミュージアム3」で観ましたが、ぎょろ目で声の小さい東洋人(あれは、中国人の役ですよねえ。)は本当にキモイ。イヤミな部長も、あれだけの恥を全米でさらして平気な精神は凄い。シャワーのサービスカットは、余り効果がない(笑)。などなどいろいろ不満はあります。
 余談ですが、主人公と同室の韓国人は、大学で韓国人倶楽部を作っているお国柄をよく描いています。多分、あれがアメリカの一般的な見方なのでしょう。日本人はどうなのかなあと、心配になります。

 それに、男子学生の趣味もいまいちわかりません。ああいうのが、アメリカ女子には受けるのですかなあ。
 というように、アカペラ・シーン以外は、ギャグや主人公たちの行動にも、いろいろと趣味の違いを感じます(笑)が、要は、ア・カペラ音楽をお楽しみください。圧巻です。ただ、正直いえば、ピッチの合ったアカペラをもっと聞き、見たかった・・・。続編に期待しましょう。

2015年6月 6日 (土)

パイレーツ

 世評も高くなく、多分立派な作品ではないだろうなあ、と思っても、どうしても見たいと思ってしまう映画がある。劇場予告編やあらすじを見る限り、「パイレーツ」が、そういう映画でした。なにしろ、女の「海賊」映画で、巨大なクジラが国璽を飲み込み、それを男の山賊が追いかけるという、もうあきれるぐらいの私のツボをついた映画です。予告編の、海洋の波の映像にも心惹かれました。
 しかし、上映中のシネコン劇場では、観客動員数が伸びないためなのでしょう、既に、毎朝1回の上映に限定されていたので、やむなく、仕事を休んで劇場に足を運びました。

Img_new_0001 物語は、男が国を追われ、山賊になる冒頭を含め、もう、行き当たりばったりの内容です。腕が立つくせに、間抜けで、口が災いするゆるキャラ男と、男勝りの女海賊が主人公ですが、その部下たちの馬鹿さ加減も尋常じゃないのです。
 もう、のんびりというより脱力感いっぱいというか、なんとも不可思議な雰囲気の中、完全なご都合主義でお話が進みます。
 なにしろ、広大な海の中で、女海賊船、敵船、山賊の船が都合よく出会います。こんな出会いを何度となく、繰り返しながら、話はのたりのたりと進みます。
 絶対絶命のシーンもなんのその、誠に都合良く、つじつま合わせる奇跡の物話なのです。
 しかも、海やクジラを知らない山賊達のギャグの数々、思えば、西暦1300年頃(時代設定)の庶民はそんなものかと、自分を説得します(笑)。

Img_new しかし、この際、ストーリーや登場人物の設定は、関係ありません(笑)。フルCGで作ったという大海原や波浪の映像をお楽しみください。これもCG製のクジラ(コククジラという設定らしいが、どう見ても、ザトウクジラ?)との戦いも、「白鯨」を思いださせる暗雲の空など、見所はたくさんあります。セットや衣装などもリアルに作っています。

 ということで(笑)、観終わっても、私は、やっぱり、この映画を支持します。好きな物はしかたがない。人がどう言おうと、この映画の雰囲気が好きです。ギャクでアクションシーンをつなぎ合わせた、誠に大ぼら吹きの娯楽映画です。世知辛い今の時代は、こういう楽しい能天気な活劇が必要なのです。
 しかし、思えば、最近の海賊映画は、どうしても、この手の喜劇風作品になるのかねえ。昔のハリウッドの正統派海賊映画では、多分、興行的に無理なのでしょうねえ、きっと。 
 リドリー・スコット監督にでも、史劇の次には、この分野を開拓してもらいたいものです。

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