龍三と七人の子分たち
北野武監督の「龍三と七人の子分たち」は、老人やくざ達のコメディ映画ですが、どうにも、腹の底から笑えませんでした。
藤竜也扮する元やくざの親分は、竜の刺青を恥じともせず、右腕の近藤正臣と、町の蕎麦屋で客の注文を当てる賭けに興じ、挙句の果ては、外れた腹いせに暴れる始末です。こんなじじいがオレオレ詐欺に引っかかっても同情もできませんし、かつてはピストルや五寸釘投げ、そして座頭市張りの仕込み杖などの凄腕だった7人の子分たちのボケぶりも、老いを見せ物にしているようで、あんまり感心しません。
暴走族あがりの半ぐれ達のサギ商法やあこぎな取り立てなどは、ドライな今風なのでしょうが、昔のヤクザも義理と人情というほど立派か、というとそれほどの違いもないのではとと思います。どうも、ぼけ老人たちの思考も行動もほぼ似たようなレベルです。
一般市民から見たら、どのエピソードも笑えません。カナリアの焼き鳥も、前科の点数付けも、3本指ネタも、街宣車の偽装のネタバレも、女物の下着で逃走劇も、中尾彬の死体を使ったギャグも、セスナの特攻もどきも、どれもこれも、筋書きとしては、頭では面白いはずと思うのですが、私のつまらぬモラルのせいか、北野監督の目線に共感できないのです。
せめて、路線バスのちゃちな(ホントに路上のモノしか破壊しない貧乏ぶり!)カーチェイスより、霊柩車でビルに突っ込んでくれたら、面白かったのに・・・・。劇場に笑いに行って笑えず、不満が残った映画でした。当然、パンフレットも買いませんでした。
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