五人の軍隊
「五人の軍隊」が、復刻ライブラリーと称して初DVD化されました。この映画は、1969年製作のマカロニ・ウエスタンです。当時、TV映画「スパイ大作戦」で人気沸騰のピータ-・グレイブスが主演で、メキシコ革命時代、それぞれ特殊能力を持つ5人のメンバーを集めて、政府軍の武装した軍用列車から10万ドルの砂金を強奪しようとするミッション・インポッシブルな作戦に挑戦するお話です。
そして、そのメンバーに、我らが丹波哲郎が、日本から来た日本刀とナイフの達人のサムライの役で出演しているのです。
公開当時の記憶では、丹波哲郎の役は、メキシコの現地人のようなイメージで、少しも侍らしくなく、おかげで映画自体の印象も芳しいものではありませんでした。なんか、客演した割には、役がしょぼかったような気がしており、パンフレットはあるものの、映画の具体的な内容は、まったく覚えていないという為体です。
さて、今回、DVDで再見しましたところ、意外に、丹波哲郎扮するサムライの役は儲け役です。サムライが西部に居る理由も、故国で人を斬って、アメリカまで逃げてきた挙句、サーカスのナイフ投げで生計を立てているという設定もそれほど無理はなく、なにより一瞬で3人を日本刀で斬り倒す場面や、なかなかの美人にモテるような配慮も十分あります。そして、ラストの日本人らしい笑い(丹波節も少し。)で、すべてを丸く収める役どころもなかなかのものです。
ただ、あの剣豪、丹波哲郎でも、ピーター・グレイブスと並ぶと、本当に小柄に見えます。その体格差には驚きます。思えば、あの小柄な三船敏郎がハリウッド映画でも堂々と見えたのは何故かなあ。役者の格かなあ・・・。
映画自体は、演出も含めて、誠に105分十分に楽しめる映画でした。これまでの評価をすっかり見直しました。未見の方は、是非ご覧ください。仲代達矢出演のマカロニよりずっと上等ですゾ。
いやあ、こういう拾いものに稀に当たりますので、昔の映画をDVDで観るのはやめられません。ビデオメーカーさんは、もっとB級映画を積極的にDVD化してほしいものです。どうか、お願いします。
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