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2015年3月29日 (日)

ジュピター

 映画「マトリックス」の監督ウォシャウスキー兄弟が姉妹になって、16年ぶりの完全オリジナリーストーリーのスペース・オペラという「ジュピター」には大いに期待をしていました。予告編でも、目のくらむような映像がド派手なアクションとともに花火のように打ち上げられています。

 しかし、鑑賞後も、いや、鑑賞中も、いまひとつ心に残りませんでした。ともかく、大げさな音楽、昆虫の様な宇宙船やゴシック調の宇宙都市のデザイン、年寄りの動体視力の限界を超える宇宙船のカー・チェイスなど、もうあっけにとられるCG世界の出来事でした。

Img_new ストーリーは、結局、マトリックスの宇宙版であり、王家の兄弟争いや親殺し、身分違いの恋など、やけに古臭い、手垢のついたギリシャ悲劇のようでもあるし、それ以上に、設定の架空の世界の社会構造の説明が不十分で、王家や宇宙連邦の関係がわかりません。

 なにより、家畜である地球人に生まれ変わった宇宙の女王役を演じる、ウクライナ出身の主演の女優さんが、まったく好みではないのが、もう致命的でした。シンデレラのような、掃除婦役と女王役の変身ギャップが、少しも感じられません。そのため、全く共感できないのです。
 そして、その女王と道ならぬ恋におちる傭兵役のヒーローも、「ホワイトハウス・ダウン」のチャニング・テイタムが頑張りますが、かなり詰め込んだアクションを単純に繰り返すだけで、全然、話が盛り上がりません。第一、どうして恋に落ちるのかが、よくわかりません。まあ、恋は突然炎のごとく、といえばそれまでですが・・。

 唯一、敵役のエディ・レッドメインの演技に新鮮さを感じていたら、実は、「博士と彼女のセオリー」でスティーブン・ホーキング博士を演じ、アカデミー賞を獲った俳優さんとのこと。やはり、旬の人はオーラがあります。

 さて、結局、この映画の評価は、話も映像も詰め込みすぎたせいか、まだこの後も話が続くのかと鑑賞中に感じたこともあって、正直、採点に困っています。
 根が好きなSF・ファンタジー映画の分野ですので、ここはひとつ、再度DVDを観たうえで、じっくり結論を出すことにしましょう(笑)。 

2015年3月22日 (日)

暗殺教室

 日本の漫画はつくづく面白いと思います。映画「暗殺教室」は、現在も少年ジャンプに連載中の人気漫画ということですが、いやはやその奇抜な設定には驚愕します。
 月を破壊し、地球の破壊を予告している、たこ型の宇宙人が落ちこぼれの中学生の担任をしており、しかも、政府は、その中学生らに宇宙人暗殺を成功報酬100億円で依頼している、などというむちゃくちゃな設定をどうやって思いつくのでしょう。あきれるより、感心します。

Img_new 映画のお話は、見終わったあとで、客席の子供たちが「原作と全然違う。」とつぶやいていたのを聞きましたので、多分、長い原作をうまく映画として料理しているのでしょうが、なかなか映画としてのストーリーも楽しめました。
 しかも、ニコニコマークの満月顔のたこ型宇宙人の姿は、ナンセンス調の漫画の絵そのものなのですが、冒頭の戦闘シーンをはじめ全編通じて予想以上にリアルに映像化されていますので、大人の鑑賞眼にも十分耐えます。
 半分以上期待せずに劇場に行ったせいかもしれませんが、本当に2時間楽しめました。

 しかし、やっぱり、褒めるべきは、原作の設定のユニークさと、それをうまく学園ドラマとして映像化した演出です。
 それにくわえて、あのふざけたエイリアンの吹き替えでしょう。エンドロールの高速巻き戻しの配役の名前を見ても、どうも信じられません。ここは、ひとつ、お見事と言うべきでしょう。「殺せるといいですね・・、卒業までに」の声色は耳に残ります。彼を見直しました。
 また、インターネットの一枚の写真から人気になった、天使のような美少女という橋本環奈ちゃんが自立思考固定砲台という人工知能の役というのは、上手い使い方とは思いますが、やっぱり立体的に顔立ちがわかる生の映像で見たかった、・・それが残念です。

 続編への布石がいくつか散りばめられていますので、スタッフの希望通り第2作が作られれば、また見に行きましょう。「楽しみですねえ・・・。」

2015年3月 8日 (日)

五人の軍隊

 「五人の軍隊」が、復刻ライブラリーと称して初DVD化されました。この映画は、1969年製作のマカロニ・ウエスタンです。当時、TV映画「スパイ大作戦」で人気沸騰のピータ-・グレイブスが主演で、メキシコ革命時代、それぞれ特殊能力を持つ5人のメンバーを集めて、政府軍の武装した軍用列車から10万ドルの砂金を強奪しようとするミッション・インポッシブルな作戦に挑戦するお話です。 

Img_new そして、そのメンバーに、我らが丹波哲郎が、日本から来た日本刀とナイフの達人のサムライの役で出演しているのです。
 公開当時の記憶では、丹波哲郎の役は、メキシコの現地人のようなイメージで、少しも侍らしくなく、おかげで映画自体の印象も芳しいものではありませんでした。なんか、客演した割には、役がしょぼかったような気がしており、パンフレットはあるものの、映画の具体的な内容は、まったく覚えていないという為体です。

 さて、今回、DVDで再見しましたところ、意外に、丹波哲郎扮するサムライの役は儲け役です。サムライが西部に居る理由も、故国で人を斬って、アメリカまで逃げてきた挙句、サーカスのナイフ投げで生計を立てているという設定もそれほど無理はなく、なにより一瞬で3人を日本刀で斬り倒す場面や、なかなかの美人にモテるような配慮も十分あります。そして、ラストの日本人らしい笑い(丹波節も少し。)で、すべてを丸く収める役どころもなかなかのものです。
 ただ、あの剣豪、丹波哲郎でも、ピーター・グレイブスと並ぶと、本当に小柄に見えます。その体格差には驚きます。思えば、あの小柄な三船敏郎がハリウッド映画でも堂々と見えたのは何故かなあ。役者の格かなあ・・・。

 映画自体は、演出も含めて、誠に105分十分に楽しめる映画でした。これまでの評価をすっかり見直しました。未見の方は、是非ご覧ください。仲代達矢出演のマカロニよりずっと上等ですゾ。 
 

 いやあ、こういう拾いものに稀に当たりますので、昔の映画をDVDで観るのはやめられません。ビデオメーカーさんは、もっとB級映画を積極的にDVD化してほしいものです。どうか、お願いします。

空飛ぶ円盤

 今更ながらですが、未確認飛行物体、いわゆる「UFO」という呼び名は、どうも、しっくり来ません。とりわけ、ユーフォーなどと発音されると尚更です。
 やはり、私ども年配者には、空飛ぶ円盤と呼ぶ方が何倍も良い。英語読みだと「フライング・ ソーサー」でしょうか。 
 もちろん、その原因は、幼少時に親しんだ映画や雑誌の影響でしょう。まさしく「三つ子の魂、百まで。」という諺は真理です。 

Photo 今回、東宝映画「怪獣大戦争」に登場するX星人の空飛ぶ円盤のキットを購入しました。この映画は、当時の怪獣ブームの黄金時代の頂点の作品の一つです。この作品を機に、怪獣映画の質は極端に低下するのです。
 まず、ご存知キングギドラの2回目の登場なのですが、X星人に操縦されているという情けない設定のうえ、そのぬいぐるみは前作で傷んだままで補修もろくにされず、3本首もあんまり動きません。あまつさえ、ゴジラがしぇーのポーズ(漫画「おそ松君」の名脇役イヤミの得意技)をするのですから、天を仰ぎました。

 ただ、そんな中でも、X星人の円盤のシンプルなデザインが気に入っていました。内からかすかな発光が感じられるような白い表面と、雑誌などで培った円盤のイメージが見事に実体化しています。まさしく、空飛ぶ円盤の理想形でした。
 そのキットが、個人メーカーらしいのですが、ヤフー・オークションに出品されていたので、結構安価にゲットしました。
 今回は、その完成?お披露目です。

 H272_1121
 なお、余談ですが、映画のそのほかの見所としては、水野久美扮する女X星人のお色気と、ある種の音に滅茶クシャ弱いX星人の弱点、これは、「マーズ・アタック」にしっかり流用されていました。そして、冬眠中のゴジラとラドンを円盤で輸送するシーンは、なかなか見事な映像でした。当時のレベルで考えると、世界でも飛び抜けた特撮技術と思います。と、おもうと、Godzillaのハリウッドを見る限り、今の伝統に固執した日本特撮界の低迷を嘆きたくなります。第二の円谷英二の登場を待っています。 

 前段が長くなりましたが、模型作りも、予想以上に長くかかりました。わかったことが一つ、こうしたぴかぴか光るメカ模型には、性格的にとことん向いていないことです。自覚はあったのですが、今回、はっきりわかりました。
 マスキングが、もう全然ダメ。帯がまっすぐにならない。継ぎ目が消せない。窓が曲がっている。いずれも、マスキング技能の基本ですが、根気が続きません。さらに、材質がレジンではなく、表面加工が施されていたことから、レジン用の塗装は最悪の結果になりました。2月11日から始めて、3月9日まで、ほぼ1か月間、塗っては剥ぎ、剥いでは塗って、という作業を繰りかえし、塗料むらのデコボコは言うに及ばず、あまつさえ、表面加工された層の部分まではぎ取ってしまうという致命的な過ちを犯してしまいました。

Img_02061 ついに断念です。とりあえず、最後の工程まですみましたので、これで、作業は強制終了です。反省のために、写真だけは掲載しました。もう、個人メーカーの未確認飛行物体は、これごりです。やっぱり、身元のしっかりしたところがいい。(負け惜しみです。)Img_02071

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