許されざる者(邦画)
今年、はじめての映画DVDが邦画版「許されざる者」です。今更ながら、とは思いますが、年末に、ブルーレイ&DVDの豪華版が安売りされていたので、買っていました。
残念ながら、劇場公開は見逃したのですが、友人に勧められてレンタルでは視聴済みでした。その時も、邦画にしては丁寧な造りとは思いましたが、やはり、どうしても、本家クリント・イーストウッドの傑作「許されざる者」を意識してしまい、正当な評価できなかったような気がします。
今回、まず、豪華版ならではのメイキングを視聴しました。北海道に、広大なセットを建設し、俳優たちが2ケ月ロケをしており、その撮影の過程が、アイヌの若い混血児を演じた俳優柳楽優弥の目を通して映し出されます。若くしてカンヌの男優賞を取った俳優が徹底的にしごかれます。初場面は、16テイクです。その間、渡辺をずっと待たせているのです。さぞかし、つらかったでしょう。しかしながら、段々、意識が変わり、演技に開眼していくさまが映し出されます。このメイキングは、一人の若者の成長譚とも受け取れます。実に面白い。
本編は、リアルなセットの中で、俳優たちの迫真の演技が繰り広げられます。単なるアクションではなく、人が人を殺すというのはどういうことか、そんなことまで考えてしまうドラマとなっています。
それに、オリジナルに敬意を表してか、登場人物の俳優たちが、見事な適役で、しかも、それぞれ役柄も明治維新時にうまく翻案されています。渡辺謙はもちろん、モーガン・フリ-マン=柄本明、リチャード・ハリス=國村隼、ジーン・ハックマン=佐藤浩市は、もう他の俳優は考えられません。演技も厚みがあって、昨今のテレビドラマなど恥じ入るべきです。殺陣も素晴らしい。最後の大立ち回りも納得させます。
この映画は、傑作だと改めて確認しました。この監督さんは素晴らしい。七人の侍→荒野の七人、用心棒→荒野の用心棒と逆翻案ものは幾多もありますが、それらと比較しても、ずば抜けた翻案ものでしょう。監督の手腕を褒めるべきでしょう。
しかし、これだけの監督の力量があるなら、やっぱり、オリジナルの時代劇を製作してほしかったというのは、私一人の感傷でしょうか。もったいないですよねえ。
なお、蛇足ですが、メイキングの未公開シーンに、佐藤浩市の警察署長が自宅を自分で組み建てている場面がありましたが、これは、日本の風土や慣習に似合いません。最後にカットしたのは慧眼でした。
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