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2015年1月30日 (金)

モササウルス

 先日、劇場で新作恐竜映画「ジュラシック・ワールド」の予告編が公開されていました。ジュラシック・パークから4作目で、ワールドにスケールアップされているようです(笑)。
 

 「ジュラシック・パーク」、この第1作目を観た時の衝撃が忘れらません。最初に登場するブラキオサウルスがもうどう見ても本物の映像のように見えたのです。
 当時は、まだレイ・ハリーハウゼンの「恐竜百万年」に出てくる恐竜モデルがリアルと思われていた頃です。
 巨大な恐竜が足を運ぶとその筋肉と皮膚が動きます。いまや、当たり前のことですが、本当に驚愕しました。そして、結局、そのまま映画を連続して2回見たことを覚えています。昔の劇場は入れ替え制ではありませんでした。
 思えば、CG製の恐竜たちは、ここから始まったのです。

 そして、2作目は、ティラノザウルスが都市に現れます。ガソリンスタンドを破壊し、バスを横転させます。怪獣映画の進化形を示されたような気がしました。さすがに、スティーブン・スピルバーグ監督です。やることが常に革新的でした。

 3作目では、監督も交代し、普通の映画になりましたが、翼竜プテラノドンの活躍が見ものでした。霧の中から、翼竜が地を這って登場するシーンは意表をつかれました。 

 ということで、期待の最新作では、水族館のイルカショーのような、モササウルスの曲芸の場面が描かれています。予告編の一瞬ですが、水面から飛び上がった巨体の迫力はなかなかのものです。この古生物は、実は、恐竜ではなくて、海生爬虫類なのです。昔から首長竜のプレシオサウルスとの戦いの復元図が描かれて、有名な奴です。

3 そして、今回、この新作「ジュラシック・ワールド」の映画公開と合わせたように、アメリカのトイ・メーカーの「サイドショウ」から、モササウルスの模型が発売されました。
 一連の恐竜模型シリーズの中のスタチューなのですが、今回は、特に生物感あふれる造りで、素晴らしい出来になっています。とりわけ、顔や腹などは、現生の生きている爬虫類と見まがうほどです。博物館級といううたい文句も、あながちウソではありません。

 今回は、メーカーの宣伝写真を紹介しますので、ご覧の方は是非、お買い求めください(笑)。

 どうです、この爬虫類、類したこわもての顔は見事です。

 それにしても、モササウルスは海生生物ですから、蚊に血を吸われて琥珀に閉じ込められる可能性はほとんど無いはずですが、どうやって復元したのでしょう。
 そのDNAの復元方法も必見ですぞ(笑)。

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2015年1月24日 (土)

黄色いリボン

 ジョン・フォード監督の映画「黄色いリボン」のニューマスター版のDVDが発売されました。これまで発売されていた商品は、画像が極めて不鮮明で、夜間のシーンなどもう何が映っているのかわからないほどの代物で、誠にひどい粗悪品でした。私も以前購入した時は、「安物買いの銭失い」という諺をしっかり噛みしめました。今回やっと、懐かしの名作を真面な画面で堪能できたのです。

Img_0001_new_0001 さて、この作品は、騎兵隊西部劇三部作の第二作目といわれていますが、ほかの作品は、ジョン・フォード物と言っても、ほとんど記憶にありませんが、この作品は、かなり色合いが異なり、アイルランド風のユーモアも楽しく、しかも、当時にしては珍しくインディアンとの直接的な殺し合いシーンが少ない映画でした。ラストもハッピーエンドです。
 また、主演のジョン・ウェインが退役直前の大佐役という老け役を演じており、黒澤明がこの作品に惹かれて「生きものの記録」で三船敏郎に老け役を演じさせたという逸話も残っています。今見ても、その演技は素晴らしいのに、何故か、ジョン・ウェインはアカデミー賞には長らく縁がありませんでした。正直、晩年の片目の酔いどれ保安官役よりは、ずっと良い。

 ともかく、男が男らしい時代の、逆にいえば、女性差別や人種差別の認識のない時代の、骨太のユーモアで包まれた明朗西部劇です。
 わき役も酔いどれの大男の軍曹が絶品です。「静かなる男」ののどかな殴り合いを彷彿させます。
 また、あの軽快な音楽を聞くと心が躍ります。この「黄色いリボン」という劇中歌は、映画音楽でも有名ですので、ご存知のことと思います。

 加えて、1949年度の作品ですから、インディアンの恰好や風俗が記録映画風で、まるで本物のようです。もちろん、時代考証などが正確か、どうかは全くわかりませんが、雰囲気が凄い。例えれば、観客にリアルに見える「七人の侍」の百姓のような感じです。今では絶対作れない感じがします。

 というように、ジョン・フォードの作品の中でも、明朗系の映画ですので、未見の方は、安心してごらんください。
 ただし、ニューマスター版と称するなら、もう少し画質の精度がほしいのは、価格からいってないものねだりでしょうかねえ。普通の画質ですので、誤解のないように(笑)。

2015年1月18日 (日)

ST 赤と白の捜査ファイル

 TOHO劇場の一か月の無料パス券を使う最後の作品として、テレビドラマ「ST 赤と白の捜査ファイル」の劇場版を選んでしまいました。どうも、現在封切りしている映画の中では、他には足を運ぶ気にはなりませんでした。 

 このドラマは、今野敏の同名の警察小説をかなり自由に脚色してあり、放送中は、女性を中心に人気があったそうです。実際、私の妻や娘には評判が良かったようですが、私は最終回のみ観ただけでした。それで驚いたのですが、テレビの最終回では話が終わらず、突然、主人公が逮捕されるという事態が勃発したというところで打ち切られたのです。
 そして、「続きは劇場版でどうぞ。」という告知には仰け反りました。テレビと映画のコラボというには、なんという阿漕な商売のやり方でしょう。テレビドラマのファンは、お金を払って続きを見なければなりません。うまいというか、もう完全に絶句です。
 結果はといえば、この映画は興行成績が一定良いようですので、この手法は、今後テレビ界に流行るでしょうねえ。

 聞けば、脚本家は、テレビの最終話と同時並行で映画の新たな脚本を作り、同じスタッフ・キャスト、セットでそのまんま映画として撮影したそうです。
 フザケた話です。こんなものは、とても真面な映画とはいえません。映画ならではの映像などは望むべくもありません。劇場で公開するテレビ・ドラマでしょう。実際、鑑賞した限り、テレビのままの画面が銀幕で大きく映っていました。・・・せめて料金は半額にしてほしいものです。

 と、少し苦言を呈したうえで、映画の感想はといえば、私の場合、無料パス券ですから、テレビと同じです(笑)から、割り引いてください。
 セットや映像は安手ですが、話は割合面白かった、と思います。前言とは矛盾しますが・・(反省)。

 もともと、この話は、警視庁内に科捜研の凄腕を集めてつくったスペシャリストの集団(ST)のお話ですが、メンバー達は、いずれもプロファイリングのプロ、絶対音感や嗅覚の特殊能力、化学分析の権威など一癖も二癖もある連中という設定です。そして、それらのリーダーが、藤原竜也扮する法医学のスペシャリスト赤城左門なのですが、実は、大言壮語の俺様キャラのくせに、対人恐怖症で引きこもりというとんでもないやつなのです。まあ、現実にはありえません~というお話です。
 このメンバーのキャップ(上司)が、岡田将生扮する若きキャリア百合根友之であり、一般の警察現場や上層部の理事官や参事官との間に立って右往左往するという筋書きです。このレッドカード捜査官赤城とホワイトカラー警部の捜査ファイルということで、タイトルの副題になっています。
 そして、もっと言えば、この二人の関係は、天才シャーロック・ホームズと助手のワトソン君という黄金の組み合わせであり、インターネットによると、彼らのホモ的な愛情までもがそのドラマの裏設定にあるそうです。腐女子が結構二人のやりとりを喜んでみていたそうです。本当かな? 

 というような事実かどうかわからないインターネット社会の恐ろしさ、危うさを描いたのが、劇場版になっているのです。これがなかなか上手いストーリーなのです。
 ユースケ・サンタマリア扮する天才ハッカーの狙いもアイディアものですし、映像の中でメール文字など日本語がどんどん漫画の吹き出しのように使われるのも感心しました。これほど多用されると、漢字などの字体、色、サイズなどの使い方は、もう一つの映像表現かもしれません。安易ですが、今時の映画のようで、なんか感心しました。

 以上、結論としては、この作品は、個人的には前述のように結構楽しめましたが、映画というよりは、テレビドラマを劇場で観るという、まさにテレビ映画でした。以上です。

2015年1月14日 (水)

クロノス

 ギレルモ・デル・トロ監督の長編映画第1作「クロノス」は、DVD化されてはおりますが、既に絶版であり、その評判の高さを伝え聞くものの、長らく映像は見たことがありませんでした。
 まだ無名のデル・トロが自宅を担保に借金までして製作したという伝説のホラー映画です。この映画で認められて、ハリウッドで傑作「ミミック」を作りました。
 余談ですが、あの「ミミック」がデル・トロ監督作とは、かなり最近まで気が付きませんでした。全く迂闊でした(笑)。もっとも、デル・トロ自身は、思うように演出できなかった”ハリウッド方式”に嫌気がさしたということですから、なかなか映画製作の裏側は判らないものです。
 

Img_0001_new_new さて、その幻の映画の中古DVDをヤフーのオークションでゲットしました。以前は、かなりプレミアがついていたような記憶がありますが、一般の定価程度の価格で入手できたのは、ラッキーだったのでしょうか?。

 映画は、クロノスという名の機械仕掛けの昆虫に刺されると吸血鬼になるという怪奇ものです。その犠牲者となる主人公が、ある骨董屋の親父であり、徐々に吸血鬼に変化していくのが見せ所ですが、それ以上に興味深かったのは、その孫である可愛らしい少女でした。
 優しかった祖父がどんどん醜く悲惨な姿に変化していくのですが、少女は恐れも驚きもせず、以前と変わらぬ愛情をもって、日光除けの棺桶型の寝床を用意したりして、しっかり身の周りの世話をするのです。一寸普通の感覚ではあり得ない、異常ともいえる、いや可愛らしい姿ゆえに恐怖さえも感じさせる少女の行動です。

 また、若き日のヘルボーイの男優がクロノスを狙う悪役の手下の役で登場します。いまでこそ、貫録もでき、見慣れた姿になりましたが、この当時は、まさに異形の容姿です。いかにも、デル・トロ監督好みなのでしょう。 

 映画自体の評価としては、恐るべき才能とセンスは感じられるものの、伝説になるほどの出来ではありません。結構、途中で退屈します。結局、デル・トロ監督のその後の出世と成功に伴って、遡って再評価がされているのでしょう。正直、DVDにレンタルがあれば、その視聴で十分でした。

Img_new_0001 ちなみに、大傑作といわれる「パンズ・ラビリンス」は、レンタルで視聴し、DVDを購入したものの、まだ一度も再見していません。登場する妖精や怪物のデザインにも、それ以上に主人公の少女の感性に異和感がありますし、監督の主張するように、とてもハッピーエンドとは思えなくて、なんとも気が進まないのです。デル・トロ監督の過激なオタク魂にはどうしてもついていけません。誠に残念なことです(笑)。

2015年1月13日 (火)

バトルフロント

 ジェイソン・ステイサムのアクション映画は癖になります。しかも、居間で寛ぎながら、DVDを楽しむのにぴったりの映画です。
 今回ご紹介する「バトルフロント」は、まさに上映時間はB級の長さ 100分であり、それほど大作風でもありません。しかし、これが面白い。レンタルから始めて、正規のDVDまで何回見たことでしょう。
Img_new 脚本と製作は、シルベスター・スタローンとのことで、やっぱり、「ロッキー」を書いて主演し、一世を風靡した人は、話の造りが一味違うと感心します。
 まず、無骨なステイサムと可愛いが気の強い娘という父子のストーリーにしたのがまず上手い。ステイサムは、元凄腕の麻薬Gメンであり、素姓を隠して、亡き妻の田舎町でひっそりと娘と二人で牧場を営んでいるという設定が見事です。
  しかし、一見平和そうに見える田舎でも、やっぱり麻薬を製造する小悪党も居り、しかも、学校での娘へのイジメからその一家と諍いを起こす羽目にもなります。 

 その娘をいじめて逆に鼻を折られたいじめっ子のヤク中の母親が凄い。アメリカのモンスター・ペアレントとはまさにこういうものだろうと思わせる、凶暴な言動と目つきは、演じた役者さんを褒めたくなるほどリアルです。本当に、アメリカの田舎はこわい。なにしろ、やられたらやり返すという土壌ですから、その父親も当然ながらステイサムに掴みかかります。
 この時のステイサムの反撃が凄い。一瞬の投げと喉締め、その体の切れが半端ではありません。このシーンを何度繰り返し見たことでしょう。このほかにも、何度か格闘シーンがきっちり描かれていますが、いずれも、ステイサムのあの鎧のように鍛え抜かれた体とスピードのある動きが素晴らしい。この場面を見たいがために、DVDを買いました(笑)。

 ともあれ、この事件で、頭に来た母親が町の麻薬製造業者である実兄に復讐を依頼したことから、ステイサムが現役の時に逮捕した麻薬王までも巻き込み、のんびりした田舎の町はギャングたちの銃撃戦の大騒動に見舞われることになります。

 いやあ、大変楽しい活劇でした。「レオン」もそうですが、やっぱり子どもが絡むと盛り上がります。また、ステイサムの子供相手に一寸勝手が違うような演技は微笑ましいものです。まさに立派な小品です。未見の方は、どうかお暇なときに居間でご覧ください。 

2015年1月11日 (日)

96時間 レクイエム

 娘のためなら大暴走するりーアム・ニーソン演じる元CIAの凄腕親父ブライアンが帰ってきました。映画「96時間 レクイエム」です。シリーズ第3作目で、完結編という触れ込みです。

 第1作目は、レンタルDVDで視聴して、劇場公開を観そびれたことを悔やんだことを覚えています。花の都フランスの移民政策と一部の特権階級の腐敗ぶりが見事に描かれていました。どちらかといえば、親父の暴走アクションより、そちらの方に一味違った趣を感じたものです。

 そして、2作目の続編は、1作目でぶっ潰した売春組織を営んでいた移民の一族がブライアンの一家に復讐を仕掛けてくるというストーリーであり、正義とか理屈とかは、一切関係なく、ただ、ひたすら殺された身内(悪党達)の敵討ち、というのですから、もう、上田秀人の時代小説で描かれる江戸幕府の伊賀組の掟のようなものです。まったく言葉が通じないのですから困ります。それが今の世界の現実の姿なのでしょうね、きっと。
 もちろん、映画では、そうした理不尽な連中もすべて壊滅させるのですが、この親父の娘第一という対応に比べて、ファムケ・ヤンセン扮する離婚した妻の扱いは、やや雑で、ストーリー的に見れば、どうみても妻は死んでいました。まあよく助かったものです(笑)。

 しかし、第3作では、心配したとおり、ほとんど冒頭に、その妻が何者かに殺されるのです。予告編で何度も見ましたので、一時は、劇場に行くのを止めようかとさえ思いました。
 あのエイリアン3の悪夢がよみがえります。エイリアン2で折角助けた少女をいきなり冒頭で死なせる設定など、ふつうありえないですよねえ。
 まあ、でも、他に観に行く映画もなかったので・・・。

 ここまでが前段です、長い~(笑)。
 意を決して劇場に足を運びましたが、実は、前作とは全く関係のないストーリーでした。これでは完結編とは言えません。
 ネタバレになりますが、前作からの復讐劇のために妻が殺されたのではなかったのです。そのことがわかった時点で、つまり、主人公の暴走のせいで妻は巻き添えを食ったのではないことが判明してから、観客は安心して主人公の行動に感情移入できるのです。

 
 お話は、次第に「逃亡者」の様相を呈し、追跡者として、いつも警察の捜査官などを演じている、ヤブにらみの俳優フォレスト・ウィテカーが登場します。最近は「ラストスタンド」にも出ていました。
 それに加えて、今回は、ブライアンの元CIAの仲間たちが一役買います。ただ、ラスト近く、その仲間の一人が撃たれるのですが、「生きている」という救急隊員の声だけで、その後の安否のシーンが一切描かれません。冷たいものです。ここは是非とも無事だった姿を見せて、観客のニーズに応えるべきでしょう。少し、脚本に配慮が足りません。

 活劇として見ても、一定の水準はクリアしていますが、やっぱり、三作目ともなると、少し年を取りましたか。敵もこけおどしで、結局、ありきたりな個人的な犯罪の結末でした。羊頭狗肉、竜頭蛇尾、大山鳴動しネズミ一匹という感じでしたが、まあ、退屈はしませんでしたので、完結編でないのですから、これはこれで良しとしましょうか。

 最後に、この映画、都合によりパンフレットの製造・販売が中止されたとのことです。こんなことは前代未聞ではないでしょうか。一体、なにがどうなっているんでしょう。こっちの真相の方が興味がわきます(笑)。誰か教えてくれませんか。
 それにしても、チラシもなかったので、今回は、ブログに映像が掲載できません、残念でした。

2015年1月 4日 (日)

ベイマックス

 どうやら、ディズニー・3Dアニメを舐めていたのかもしれません。新しい年に最初に見るにふさわしい映画を探しあぐねて、結局、ナイトショーの字幕版「ベイマックス」を観に行きました。
 いやあ、予想以上に面白い”映画”でした。まさに、「こいつは、春から縁起がいいわエ」とでも言いたくなるほどの傑作です。 

Img_new_new 予告編では、マシュマロマンのような介護ロボットと少年の心温まるお話と思っていましたが、実はとんでもないスーパーヒーロー達のお話でした。
 第一、舞台は、サンフランシスコと東京を掛け合わせたような架空の町です。クール・ジャパンというのか、変なオリエンタルの日本趣味満開の環境の中で、主人公の少年は、なんと日系人なのです。
 どうやら、この映画で初めてディズニーがコラボしたマーベル・コミックスからの原作が、日本人のスーパーヒーローのお話だそうです。スパイダーマンやXメンと並んで、こんなヒーロー物があったとは驚きました。もっとも、まるで人気がなかったようで、おかげで、今回、ディズニーが映画用に全く違うストーリーに作り直したそうです。 

 そういう経緯はともかく、なにより、ベイマックスの設定が面白い。当たり前ですが、記憶ディスクによってまるで違う性格になることや、戦闘アーマーをつけるとまるで、鉄人28号の風格を有し、マジンガーZのようにロケットパンチを撃つのです。この空飛ぶパンチがラストで大きな役目を果たします。それに加えて、とっておきのドンデン返しも上手いものです。コロンブスの卵ですが、なかなかしゃれた終わり方です。全体的に、ストーリーがよく練られています。そういえば、あの「ウォーリー」も好きでしたなあ。真に、最近のディズニー・アニメは侮れません。
 おっと、敵役のロボットも興味深い。歌舞伎マンと無数のマイクロ・ロボットが集合して巨大な怪物のように襲い掛かります。まるで、手塚治虫の漫画「ガロン」のように。

 本当に、なにからなにまで、日本の漫画やロボット文化に敬意を払いながら描いています。少し中華系が混りあっているのは愛嬌として、映画の出来もそうですが、その心立てが楽しくかつうれしくなります。

 それにしても、劇場ではまたもやパンフレットが売り切れです。予想以上に入場者が多かったのでしょうか、できれば、世界中でもヒットしてほしいものです。

2015年1月 3日 (土)

ローレライ

 寝正月にも飽きてしまって、書棚に入りきらず収納袋に仕舞いこんでいたDVDを物色してると、映画「ローレライ」を見つけました。この映画は、2005年に、ガメラの特技監督だった樋口真嗣が本編監督になった最初の作品です。もう10年も前のことです。懐かしさのあまり、そのまま観てしまいました。

Img_new 巷の評価はあんまり芳しくはないものの、私は好きな作品です。まず、終戦直後、魔女と呼ばれる日本の新型潜水艦が米軍の駆逐艦や戦艦を翻弄し、第三の原爆の攻撃機を撃退するというストーリーがいいじゃないですか。悲惨な戦争ものではなく、あくまでもSF的な明るい活劇になっているのが良い。
 というか、個人的に言えば、戦車も好きですが、それ以上に潜水艦が好きなのです。申すまでもなく、映画「海底二万哩」のノーチラス号、そして「海底軍艦」の豪天号、喜劇「グレートレース」の偵察用潜水艇などは、その優れたデザインを生み出したことだけで価値があります(笑)。その点、この映画の架空の潜水艦「イ507」は、海洋堂が模型製作したということですが、あんまり感心はしません。

 もちろん、映画自体も、潜水艦物は面白いものが多いのです。ハリウッドの古典ともいえる駆逐艦との戦いを見事に描いた「眼下の敵」や「深く静かに潜行せよ」などのシリアスな戦争ものは、爆破シーンが模型を使ったチャチなものであっても許せます。
 お笑い戦争ものでも、「ペティコート作戦」のピンク色の本物の潜水艦が絶品です。もう抱腹絶倒のこの作品が、何故かDVD化されません。わが書棚ではVHSが悲しくその背表紙を見せています。
 その後も、「Uボート」などは、いかにも潜水艦の閉鎖空間の生々しさをよく伝えています。あれを見ると乗るものじゃないことはよくわかります(笑)。
 漫画でも、「沈黙の戦艦」は、潜水艦同士の戦法が手に汗を握ります。

 と、いうように昔から潜水艦物の映画は面白いと決まっているのです。もっとも、私の子どもの頃の刷り込みは、案外「スーパーカー」の人形劇だったのかもしれません。ほとんど記憶にありませんが、スーパーカーが水中に飛び込むシーンと水中の魚(今思うと金魚でした。)だけは鮮明に覚えています。 

 前振りが長くなりましたが、なかなか128分楽しめました。絵を描いたようなCG映像や円谷特技監督の東宝らしい青空の明るい風景と淡い空気、そして、まだ初々しい香椎由宇も若き妻夫木聡もいいじゃないですか。加えて、潜水艦のセットも良くできているし、香椎一人だけが着ているSF風の衣装もドイツ風でリアルです。第一、画面がゆっくり上下して揺れてるところが良いじゃないですか。安心して楽しめる映画です。こういう気楽なのが好きなのです。正月はこういう映画に限ります。

 ・・・やっぱり、”消えた女”は見たくありません(笑)。

2015年1月 2日 (金)

月刊アーマーモデリング 

 戦車模型の専門雑誌「月刊アーマーモデリング」に、映画「フューリー」の特集が組まれました。この雑誌は、いうまでもなく、装甲戦闘車両AFV(Armored Fighting Vehicle)のモデラーのための専門誌ですから、当然ながら、その内容も一般紙とは視点が全く違います。

Img_new 映画フューリーに登場する戦車の考証を行い、それを模型で再現しようとしているのです。
 その記事によると、まず、映画に登場するフューリー号と名付けられたシャーマン戦車は、通常アメリカ軍で使用されていたM4A3E8という種類ではなく、同盟国で使われていたM4A2E8というタイプだそうです。どうやら、撮影のために、イギリスの博物館から借り出されたために、同じイージーエイトと呼ばれる戦車でも、若干仕様が違うものが使われたようです。
 その異なる点を模型を使って逐一注釈しています。さすがに、マニア向けの事細かな指摘には驚きます。
 そして、市販されている戦車模型から、映画のフューリー号を再現するための手順を詳しく紹介しています。
 どうやら、このフューリー号のA2E8は、模型が市販されておらず、市販されてる一般的なA3E8から改造する必要があるそうです。いやあ、その細かで複雑な手順を読んだだけで、私の中のわずかに芽生えていた戦車模型製作への意欲はすっかり霧散してしまいました。もう、解説だけで腹いっぱいになってしまい、ごちそうさまでした(笑)。
  

 それはともかく、映画に登場するそのほかのシャーマン戦車などについても、詳しく解説しております。ルーシー・スー号、オールド・フィリス号、それぞれ種類が違うそうですし、ティーガーⅠについても、模型での再現を詳細に指南してくれます。
 いやあ、すごい、まさしく、ミリタリーモデラーの凄さを堪能しました。こういうことが映画と模型のコラボレーションの原点かもしれません。しかし、
戦車模型以外の分野でも、こうしたコラボの可能性はないですかねえ。アメリカでは、モンスター映画の分野もありますが、日本では、アニメのガンプラぐらいでしょうか、少しサビしい限りですナ。

2015年1月 1日 (木)

許されざる者(邦画)

 今年、はじめての映画DVDが邦画版「許されざる者」です。今更ながら、とは思いますが、年末に、ブルーレイ&DVDの豪華版が安売りされていたので、買っていました。
 残念ながら、劇場公開は見逃したのですが、友人に勧められてレンタルでは視聴済みでした。その時も、邦画にしては丁寧な造りとは思いましたが、やはり、どうしても、本家クリント・イーストウッドの傑作「許されざる者」を意識してしまい、正当な評価できなかったような気がします。

81g7sj4ill__sl1500_ 今回、まず、豪華版ならではのメイキングを視聴しました。北海道に、広大なセットを建設し、俳優たちが2ケ月ロケをしており、その撮影の過程が、アイヌの若い混血児を演じた俳優柳楽優弥の目を通して映し出されます。若くしてカンヌの男優賞を取った俳優が徹底的にしごかれます。初場面は、16テイクです。その間、渡辺をずっと待たせているのです。さぞかし、つらかったでしょう。しかしながら、段々、意識が変わり、演技に開眼していくさまが映し出されます。このメイキングは、一人の若者の成長譚とも受け取れます。実に面白い。

 本編は、リアルなセットの中で、俳優たちの迫真の演技が繰り広げられます。単なるアクションではなく、人が人を殺すというのはどういうことか、そんなことまで考えてしまうドラマとなっています。

 それに、オリジナルに敬意を表してか、登場人物の俳優たちが、見事な適役で、しかも、それぞれ役柄も明治維新時にうまく翻案されています。渡辺謙はもちろん、モーガン・フリ-マン=柄本明、リチャード・ハリス=國村隼、ジーン・ハックマン=佐藤浩市は、もう他の俳優は考えられません。演技も厚みがあって、昨今のテレビドラマなど恥じ入るべきです。殺陣も素晴らしい。最後の大立ち回りも納得させます。 

 この映画は、傑作だと改めて確認しました。この監督さんは素晴らしい。七人の侍→荒野の七人、用心棒→荒野の用心棒と逆翻案ものは幾多もありますが、それらと比較しても、ずば抜けた翻案ものでしょう。監督の手腕を褒めるべきでしょう。
 しかし、これだけの監督の力量があるなら、やっぱり、オリジナルの時代劇を製作してほしかったというのは、私一人の感傷でしょうか。もったいないですよねえ。

 なお、蛇足ですが、メイキングの未公開シーンに、佐藤浩市の警察署長が自宅を自分で組み建てている場面がありましたが、これは、日本の風土や慣習に似合いません。最後にカットしたのは慧眼でした。

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