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2014年12月14日 (日)

新世紀特撮映画読本

 洋泉社から「新世紀特撮映画読本」という別冊特集本が発売されました。
Img_0001_new_2 表紙は、平成ゴジラシリーズ末期の怪獣の写真を使った、なんともレトロでセンスのないデザインなのですが、中身は、なんとハリウッドの「Godzilla(2014)」に対する、雑誌「映画秘宝」の常連映画評論家やオタク通の人々の賛美、あるいは批判、見方によっては遠吠えのような評論を取りまとめた一大特集でした。

 いまだに、あの平成ゴジラの映画のほうが真の怪獣映画とか、着ぐるみのほうがCGより怪獣映画らしいとか、様々な見方を主張し、今回のギャレス版(監督名)ゴジラをけなしています。中には、あのハリウッド第1作ゴジラを今更のように持ち上げている人までもいます。
 いやあ、こんな偏った意見や見方を得々と掲げていることが驚きです。その言い分たるや、まさに日本映画のガラパゴス化そのものです。
 まあ、映画は、ジャンルの固定観念を捨てて、素直に映画として普通に見たいものですネ。
 ともかく、こんな特集本が出版されるのですから、このGodzillaは間違いなく日本の特撮界にとっては黒船だったのでしょう。

 今回、この本の中で、最も興味を引いたのは、この映画を作ったハリウッドの製作会社「レジェンダリー・ピクチャーズ」のCEOであるトーマス・タル氏の記事でした。
 この人、もともと投資会社の社長だったのですが、映画・アメコミ・怪獣のガチオタクだったようで、自分の見たい映画を作りたいと一念発起、映画製作会社を興し、アメコミの実写版「300」、「ウォッチメン」、「ダークナイト」、さらには彼が神と仰ぐレイ・ハリーハウゼンの「タイタンの戦い」のリメイク、そして、カイジュウもの「パシフィックリム」、「Godzilla」を製作したということです。本当に世の中にはすごい人がいるものです。有難いことです。

 どうやら、このプロデューサーがハリウッドの怪獣映画の真の仕掛人であり、日本側のプロデューサーの談では、監督のギャレス・エドワードは、宣伝とは異なり、スター・ウォーズのファンではあるが、そんなにゴジラが好きでも無いそうです。
 しかし、この映画のヒットでスター・ウォーズのスピンオフ映画の監督にも選ばれたようですので、よかったですなあ。もっとも、次作も監督されるようです。キングギドラのCGに期待しましょう。なお、インタビュアーによると、監督に平成ガメラについて質問したが、どうもガメラを知らなかったようです。もし、知っていたら、あのムートーは使わなかっただろうと推測しています。・・・ほんとかな?そっくりですよねえ。 

 ところで、レジェンダリー社の前作「パシフィック・リム」の最後に、「この映画をモンスターマスター、レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎に捧ぐ」と献辞がありました。
 本多猪四郎とは、まさに初代「ゴジラ」の監督であり、その後長く続くゴジラをはじめとする怪獣映画の監督でした。
 これまで日本では、特撮監督の円谷英二の評価が高く、本編の映画監督でありながらほとんど添え物的な扱いでした。(ただし、ゴジラ1作目は、円谷英二は、まだ監督扱いではありません。)このギレルモ・デル・トロ監督の評価が、たぶん、あちらの評価であるようでして、この映画を契機に、日本での本多監督への評価が一変したようにも感じます。
Img_new 例えば、この単行本「無冠の巨匠 本多猪四郎」などは、ゴジラをはじめ東宝特撮映画に対する本多監督の功績を誉め称えています。たとえば、怪獣から群衆が逃げるシーンや美女の入浴シーンなど、その演出の妙味を様々な角度から掘り下げています。
 これらは、確かに著者の指摘のとおりだとは思いますが、もう少し早く、できれば監督が存命中に発表してほしかった、と思うのは私だけでしょうか。
 我が国の評価というものは、映画だけではないですが、アチラ(欧米)の評価が第一番というのは相変わらずですねえ。まあ、日本人の舶来もの礼賛は伝統ですか(笑)。?・・・ただ、そうはいっても、この本は結構面白い。

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