インターステラー
「インターステラー」は、バットマンの監督クリストファー・ノーランが、21世紀の「2001年宇宙の旅」を意図して作り上げた壮大な物語です。
まず、ストーリーが実に上手で、途中なかなか予想がつかない展開をするのですが、冒頭の砂に飲み込まれつつある地球で、元宇宙飛行士の主人公の娘らとの農場生活の長たらしい描写も、五次元に住むという”彼ら”の設定も、3つの惑星の選択も、すべてが絡み合い、あの2001年の”スターチャイルド”のような仕掛けを経て、めでたく完結します。
こんな大ボラ吹きの脚本をよく思いつくものです。お見事。・・・最近、こればかり言っているような気がします。(笑)
ともかく、地球滅亡、ブラックホール、ワームホール、タイムパラドックス、”彼ら”の存在と、SF仕掛けのてんこ盛りサービスです。舞台も、滅亡寸前の地球、海の惑星、氷の惑星、砂漠の惑星で、親子の情愛を混ぜながら、見事な映像を作り上げています。さすがにノーラン監督です。
ただ、惜しむらくは、箱型ロボットのデザインが感心しません。考えすぎではないでしょうか。走る姿は、思わず笑います。
主人公を演じたマシュー・マコノヒーは、激ヤセでまるっきり風貌が違います。驚きました。そして、最近作の「バットマン」からのアン・ハサウエイ、そして常連のマイケル・ケインもしっかり存在感を示します。10歳の娘役の少女もなかなか熱演です。
それにしても、かなり重要な役のマット・デイモンが何故、パンフレットのキャスト欄に一切登場していないのでしょう。観客に意外性を出すためでしょうか、映画を見た後の観客のためのパンフレットいうことを忘れています。どうも最近のパンフレットの出版思想がおかしいぞ。(ネットでも隠されているようで、どうやら、映画会社の意向?のようですねえ。)
しかし、決して、スタンリー・キューブリック風の難解な映画ではありません。完全な娯楽SF大作です。宇宙戦艦ヤマトとエイリアンと猿の惑星の見所をうまく混ぜて料理している気もしますし、映画の上映時間は全編160分もありますが、全く長く感じません。是非、ご覧ください。
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