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2014年9月29日 (月)

宇宙人 東京に現わる

 1956年1月公開の大映製作の「宇宙人 東京に現わる」をご存知でしょうか。映画は知らなくても、ヒトデのお化けのような体に、大きな一つ目の目玉を持つ宇宙人の姿はご存知でしょう。あの有名なバクハツの芸術家岡本太郎がデザインしたというから驚きですが、なんとなく太郎節の香りがします。

Img_new 実は、この映画は、国内初のカラーのSF映画というもので、私は、長らくモノクロ映画とばかり思い込んでいましたから、今回、思い切って廉価版のDVDを購入しました。
 しかし、購入後、改めて驚きました。脚本は、あの黒澤組で有名な小國英雄が脚色しています。主演は、やせっぽちの若き川崎敬三と山形勲、あとは誰も名を知りません(笑)。

 さて、この映画、なにより、戦後の風景がカラーで記録されていることが最も大きな功績です。銀座の風景、わら葺き屋根、唐草模様の風呂敷包み、着物姿の女性たち、誠に懐かしく素晴らしい。有名な博士の家も懐かしい間取りの和室です。戦後の日本は、こんなに質素だったんだと改めて感動します。

 また、SF映画としても、当時としては、なんという高い志だったのでしょう。原水爆の禁止、巨大な隕石の襲来、善玉宇宙人の登場など、その先見性は見事です。
 しかし、残念ながら、特撮技術がまったく伴っていません。その映像はチープでなんともなりません。第一、あの主役の宇宙人のシーツの張り子の姿は全くいただけません。まあ、目玉だけは、意外に驚くほどよく光っていますが(笑)。
 まあ、戦後の状況から言えば、全く仕方のないことでしょう。

 それより、見処は、冒頭のシーンから、飲み屋のカウンターで円盤の話とか、芸者にセクハラする大宴会場に宇宙人が現れたりするミスマッチぶりです。もう笑います。
 当然、お色気も忘れていません。グラマーな踊り子の舞台裏に現れた宇宙人は、人間に変身する際に、仲間うちで醜いと貶したその踊り子に化けるのです。しかも、後半は、その踊り子が出ずっぱりの主役のようになります。東宝カラー化の第一号の「空の大怪獣ラドン」が、同じ年の12月公開ですから、カラー化もお色気の伝統も先んじています。

 しかし、お話の方は、もう行き当たりばったりのようなもので、不用意に発表した新エネルギーの開発からみで、武器商人に拉致されるは、子どもたちと避難した地下室が浸水するはと、全く先の進行が読めない展開でした。小國先生もSFには四苦八苦です。
 そして、まさに隕石衝突で地球滅亡寸前、あの宇宙人が助けてくれて、めでたしめでたし。これから人類を滅亡に導くかもしれない新型エネルギーの話など、もうすっかり忘れてしまいます(笑)。

 ただ、昔の特撮ものから言えば、あの珍妙な宇宙人が登場する割に、随分、ドラマのパニックシーンは力が入っていますし、登場人物の衣服の汚れ方も半端ではありません。真に志の高い映画だった(笑)と再度評価しますし、戦後の風景や風俗のカラー記録映画としても価値があります。最後は、この一点かもしれませんが(笑)。

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